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風、薫る52話感想|ヨシのミカンと氷が語る直美の出生の掟【元教師視点】

風薫る52話、新聞の波紋がじわじわと広がる回でしたね。

権田がやってきて、氷が使われて、ヨシがミカンを持ってきて——。
一話の中に、小道具が語るドラマがぎゅっと詰まっていました。

「ヨシがミカンを持ってきたのは、本当に患者に言われたから?」
「あの氷、いったいどう使われたの?」
そんな疑問を持ちながら観ていた方も多いはずです。

こんにちは、なおじです。
社会科・歴史を教えてきた元教師として、明治という時代背景が絡むシーンはどうしても深読みしてしまいます。

この記事を読み終わるころには、52話の小道具が語る意味と、直美の出生に潜む「掟破り」の重みがスッキリ整理されているはずです。

この記事でわかること

  • 第52話のあらすじと主な出来事の流れ
  • 氷がどのように使われ、どんな問題が生じたか
  • 須永ヨシのミカンは誰が本当に用意したのか(考察)
  • 「大抵の女郎は子どもを産まない」という夕凪の言葉の重み
  • 直美の母親が「掟破り」をしたということの意味

まず気になる3問に答えます

Q1. 風薫る52話のあらすじを一言で教えて

新聞記事の影響で周囲が動き出し、貴重な氷がセツ(夕凪)の治療に使われた回です。権田の攻勢、ヨシのミカン、そして直美の出生の秘密が浮かび上がる濃密なエピソードでした。

Q2. 須永ヨシが持ってきたミカンは誰からなの?

ヨシは「外科の患者から」と言いましたが、それが額面通りかどうかは描かれていません。元遣り手婆のヨシ自身が、本音を隠しながらもって来た。内心は夕凪を気にかけている——そんな読み方もできる場面でした。

Q3. 直美の母親はなぜ「掟破り」なの?

夕凪の言葉によれば、大抵の女郎は子どもを産むことはない(できない)。それが、暗黙の掟でした。それでも直美はこの世にいる。つまり直美の母は、命がけで掟を破ったことになります。

目次

新聞という名の石が池に投じられた

シマケン

第52話の冒頭でまず感じたのは、新聞記事の波及力です。

前話でシマケンが書いた記事が、明治の社会をじわじわと動かしていく。
テレビも電話もない時代に、新聞一枚がこれほどの力を持っていたのか——と改めて思わされました。

👉関連記事:シマケンの記事は正しかった?風、薫る51話の真相

励ましのお見舞いが続々届く

新聞を読んだ人々から、セツ(夕凪)のもとへお見舞いの品が届き始めます。

世間がこんなに動くの?というのが正直な第一印象でした。
でも考えてみれば、それだけ当時の人々も「女郎の心中」という話題に強い関心を持っていたということでしょう。

情報が少ない時代だからこそ、一本の記事が持つ重みが現代とは桁違いだったのかもしれません。

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権田が病室に怒鳴り込んでくる

好意的な反響だけではありませんでした。

女郎屋「錦栄楼」の主人・権田巳之助(梅垣義明)が、新聞を読んで激怒し、セツを力ずくで連れ戻そうと病室に乗り込んできます。

権田という人物、毎度のことながら、出てくるたびに空気がピリッとしますよね。

りんと直美の二人がなんとか対処していくのですが、どうにもならなくなったとき、看護婦見習いの仲間達が助っ人に登場。

うるうるしました。

貴重な氷がついに使われた回

第52話は、「氷がどう使われたか」という点でも重要な回です。

直美が氷を要求した理由

明治の医療現場において、氷は非常に貴重な医療資材でした。

現代の私たちにはピンとこないかもしれませんが、冷蔵庫のない時代、氷は病院にとって命に関わる消耗品。

直美がそれを「使わせてほしい」とお願いしていたのが前話までの流れです。
そして今回、ついに使われることになります。

使えたら退院させなければならないジレンマ

ところが、ここに直美が気づいた皮肉な現実があります。

氷を使ってセツの容態が回復したら——退院させなければならなくなる。
回復 → 退院 → 女郎屋に戻る、という流れが見えてしまうわけです。

治したいのに、治したら危険が待っている。
元教師のなおじとしては、「生徒を守りたいのに守るほど傷つく場所に戻してしまう」という教育現場の葛藤と重なって、じんとしました。

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ヨシのミカン——本当に外科の患者から?

さて、今回の52話でなおじが一番気になったのが、看病婦須永ヨシ(明星真由美)のミカンです。

ヨシは「外科の患者から」と言ったけれど

ヨシは「外科の患者が、持って行けと言った」と言ってミカンを持ってきます。

でも、見ていて「本当にそうかな?」と思いませんでしたか。

なおじの勝手な想像では——ヨシ本人が用意して、照れ隠しで「外科の患者から」という理由を作ったのではないか、という気がしてなりません。
証明できる根拠はないので、あくまでなおじの考察ですよ(笑)。

元遣り手婆のヨシだからこそ

元遣り手婆(遣り手婆)という経歴を持つヨシは、誰よりも女郎の世界の過酷さを知っています。

だからこそセツの境遇が、他の誰よりも胸に刺さるはず。
でも素直に優しくするのが性分に合わない——そのもどかしさが「外科の患者からだよ」という言葉に滲んでいるように見えました。

毒舌のまま優しくしてしまうヨシ、なんか好きですよ、ああいうキャラクター。

「毒吐いて 渡すみかんの あたたかさ」

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夕凪の言葉が暴いた直美の出生の掟

今回の52話で最も重かったのが、夕凪(セツ)が直美に語りかけた言葉です。

女郎は子どもを産まないという暗黙の掟

「大抵の女郎は、子どもは産まないし、産めないもんだよ」

夕凪はこう言います。
つまり遊郭の世界には、「女郎は子どもを産まない(産めない)」という暗黙の掟があった。

もし産んだとしても、この世に送り出さない——という厳しい現実が、明治という時代に確かに存在していました。

直美がこの世にいるということの意味

それでも直美はこの世にいる

これが何を意味するか——直美の母親は、その掟を破って直美を産み落とした。

なおじはここで思わず手を止めましたよ。

「直美の母親は何を思って、その選択をしたのか」。
守られない命が当たり前だった時代に、守ることを選んだ女性がいた。
その事実に気付いた(気付く寸前にいる)直美。

今後、この事実が直美というキャラクターに、とてつもない重みを与えていくような気がします。

35年教師をやってきて思うこと

教壇に立っていると、「産まれてきた子どもに責任はない」という言葉を何度も使った気がします。

直美の場合、まさにその言葉の重みがドラマの核に据えられています。

掟があり、社会の目があり、それでも「産む」と決めた女性の選択——これは現代の「子どもを持つ選択」にも静かに重なってくる普遍的なテーマです。

脚本家、うまいなあ、と思いますよ本当に。

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須永ヨシというキャラクターの凄み

改めて、須永ヨシ(演:明星真由美)というキャラクターについて整理しておきます。

元遣り手婆という経歴が持つ重さ

遣り手婆とは、遊郭で女郎たちを管理・監視する役割を持つ女性のことです。

言葉は悪いですが、「やり手ババア」とも呼ばれる存在。

女郎たちにとっては厳しい監督者であり、時に冷酷な管理役でもありました。
そのヨシが病院の看病婦として働いている——というキャラクター設定の妙が、この物語に深みを加えています。

毒舌だけど誰より熟知している

ヨシは常に毒舌で、りんたちにも厳しい言葉を浴びせます。

でも同時に、女郎の世界の闇と人間の弱さを誰より知っているのもヨシです。

権田が乗り込んできたときに毅然と対処できるのも、遣り手婆の経験があるからこそ。

嫌な役を演じながら、深いところで人を守っているヨシ——明星真由美さんの演技が見事ですよね。

川柳をもうひとつ:
棘の跡 なぞれば滲む 蜜のこと

夕凪の困難な行く手に、ヨシさんが一筋のヒカリになってくれると良いなぁ。

52話が第11週「凪にそよぐ」に位置する意味

第52話は第11週「凪にそよぐ」の中の一話です。

「凪」とは、風も波もない静かな状態のこと。
でもこの回を観ると、凪の中でじわじわと何かが動き始めている感覚がします。
水面は静かに見えても、その下では流れが変わっている——そんな一話でした。

新聞が動かした「凪」

シマケンが書いた記事、権田の乱入、氷の使用、ヨシのミカン、直美の出生の秘密。

どれも表面上は小さな出来事に見えます。
でも積み重なると、「明治の社会が変わっていく胎動」に感じられてくる。
「凪にそよぐ」というタイトルが、この回の空気をぴったり言い表しているように思えてきた。

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よくある質問(Q&A)

第52話時点では、直美の母親が明確に登場している場面はありません。しかし夕凪の言葉から、直美の母親が女郎であった可能性が強く示唆されています。今後の回での展開に注目です。

明治期の医療現場では、氷は主に高熱の患者の体温を下げる「冷却療法」や、炎症部位を冷やす目的で使用されていました。現代と違い天然氷に頼るしかなく、非常に高価な医療資材でした。ドラマでもその貴重さを踏まえた描写になっています。

遊郭において女郎たちを監督・管理する年配女性のことです。新入りの女郎を指導し、客との交渉を監視し、遊郭の秩序を維持する役割を担いました。女郎たちにとっては厳しい存在でしたが、遊郭の裏事情を最もよく知る人物でもありました。

第52話時点では入院中のセツが回復に向かう様子が描かれています。しかし直美が指摘したように、回復すれば退院を迫られるという問題が控えています。今後の展開は続話をご覧ください。

「凪(なぎ)」は風も波もない静寂の状態を指します。「凪にそよぐ」は、静かな中に小さな変化の風が吹き始める——という状態を表した詩的な表現です。第11週の物語の空気感をよく表しています。

筆者紹介|なおじ

なおじは元社会科教師として教育現場に35年間携わり、
指導主事を5年、校長を11年務めました。
退職後もボランティアで子どもたちに学習を教えています。

社会科・歴史を長年教えてきたので、時代背景や史実との比較が得意分野です。
明治の遊郭や女性の立場に関わるシーンは、教壇での授業内容と重なることも多く、ついつい深読みしてしまいます。

現在は8つのブログでドラマ芸能政治歴史スポーツ学び書評を書いています。

風、薫る52話

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