
こんにちは、なおじです。
朝ドラ「風、薫る」17話、見ました。
いやあ、今日も盛りだくさんでしたねえ。
美津さんの「恥を知りなさい」。
そして吉江牧師の「イズ ディス ユア ライフ?」
両方とも、ズシンときました。
セリフのひとつひとつが、ちゃんと「刺さる」ドラマ。
なんでこんなに面白いんでしょうねえ、このドラマ。
この記事では、なおじが特に気になった場面を中心に、17話の感想を書いていきます。
この記事でわかること
- 美津がトレインドナースに猛反対した理由と時代背景
- 「下女ではありません、ナースです」の場面を元教師がどう読んだか
- 吉江牧師の「イズ ディス ユア ライフ?」が直美に刺さった理由
- 環の高熱場面が示す「りんの迷い」の意味
- なおじ的・17話ベストシーン
美津の「恥を知りなさい」は正しいのか

お姫様育ちの女性なら当然の反応
りんが美津に「トレインドナースにならないか」と誘われたことを話すシーン。
美津の反応は、激怒でした。
「恥を知りなさい。一ノ瀬家の娘が、お金ほしさに娘をおいて寮に入り、あげく病人の面倒を見る下女になるなど‥」
おお、きつい。
でも、なおじはここで怒る気になれなかったんですよね。
だって、明治時代のしかもお姫様育ちの女性が、ナースという職業を「下女仕事」と受け取るのは——ある意味、当然の反応なんですよね。
この時代、病人を看る仕事は士族の娘がやるものではない、という価値観が確かにあった。
怒るのではなく、「そうか、この時代はまだそこなんだ」と感じる場面でした。
「ナスでも大根でもどっちでもよい」の美津がいい
美津の怒りに対して、りんは**「下女ではありません、ナースです」**とやや呆れたトーンで返します。
すると美津、「ナスでも、大根でも、どっちでも良い」。
——ちょっと待って、美津さん。
語呂合わせ、やってますよね(笑)
上品で凜とした女性のように見えて、ところどころかますんですよね、美津さん。
はっきり言って、なおじ嫌いではないです、こういうタイプ。
クラスにも一人はいましたよ、こういう生徒。
普段は真面目でお淑やかなのに、ふっと突いたら意外なボケが出てくるタイプ。
たまらないですよね(笑)
川柳をひとつ。
茄子大根 どっちも野菜じゃ 同じこと
美津さんへの愛を込めて。
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「命を金に換えて暮らせ」と「社会の方がおかしい」

りんの反論が気持ちよかった
美津が「命を金に換えて暮らせと仰せか」と続けます。
これに対してりんは、「大山様は、そういう考えを変えたいと」と返し、さらに「看病してくれる人達を蔑む世の中、社会の方がおかしい」と続けます。
これ、すごい返しですよね。
なおじ、思わず「そうだ!」と声が出そうになりました。
35年、教育現場にいて思うんですが——大事なことをやっている人が蔑まれる構造って、今でも残ってますよね。
「先生なんて」と言われ続けた時代もあったし、介護職の方が低く見られる問題も今もある。
りんのこのセリフ、明治時代の話のように聞こえて、2026年の今にも刺さってくるんですよ。
「迷ってます」と答えたりんの正直さ
美津がりんに体を向けて「りんは本当にそのナース戸やらになりたいのですか」と問うた。
りんの答えは「迷ってます」。
そりゃそうでしょう。
娘の環をおいて寮に入る、母には反対される——それでも進むかどうか、迷わない方がおかしい。
「迷ってます」と正直に言えることが、りんという人物の誠実さだと、なおじは思います。
「やります!」と即答する主人公の方が見栄えはいいかもしれないけど、こういうリアルな揺れ方の方が、見ていて辛くなる分、応援したくなる。
そういう計算(かどうかわからないけど)が、脚本にあるのかなあと感じました。
環の高熱とりんの「なーんもできんかった」
美津が見せた焼き葱の民間療法

話の最中、環が高熱で目を覚ましてしまいます。
美津さん、座る姿勢が美しかったなあ。背筋がすっと伸びていて。
そこへ環の高熱。
美津がとった行動は「焼き葱を喉に当てる」——民間療法ですね。
「これで、りんや安が病気の時に見てきた」と凜とした態度で言い切る美津。
ここ、面白かったですね。
さっきまで「恥を知りなさい」と言っていた美津が、自分なりの「看病の仕方」を持っている。
つまり、美津も「看病すること」はするんですよ。
ただそれは「下女がやること」ではなく「母がやること」だという信念がある。
そのズレが、この物語の核心のひとつなんでしょうね。
父を助けられなかった後悔がりんを動かす

りんは安に語ります。
「私ではなく、トレンドナースが看病していたら、父上は生きていたかもしれない」
「わたし、あんとき、なーんもできんかったから」
——この言葉、重い。
なおじ、ここで少し止まりました。
父親をコロリで亡くしたときの後悔が、りんがナースを目指す根っこの部分にある。
「かわいそうだから助けたい」じゃなくて、「あの時の自分に、できることがあったはずだ」という後悔から来ている。
この動機の深さが、りんというキャラクターを一段階引き上げているように感じます。
そして「今だって、環に何をしていいのかわからない」とも言う。
後悔は過去だけじゃなく、今も続いている。
そのリアルさが、じわっときました。
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吉江牧師の「イズ ディス ユア ライフ?」が深すぎた

通行証なしで鹿鳴館に入れてしまった直美
直美パートも、今日は濃かったですよ。
鹿鳴館で小日向が忘れた通行証——直美はそれを「なんとかしてしまう」んですよね。
これ、後で問題にならないといいんだけど‥と思いながら見てました。
なおじ的には「直美の優しさが裏目に出るフラグ」に見えて、ちょっと心配です。
「本当に知らない人に見えた」の意味深発言
直美が吉江牧師を訪ねる場面。
「この間は、知らない人のふりをしてくれてありがとう」と言う直美に、吉江牧師は——「本当に知らない人に見えたんで」と返す。
わーお、意味深。
なおじ、ここでコーヒーを置きました(飲んでないけど笑)。
「ふりをした」のではなく「本当にそう見えた」——これ、どういう意味で受け取ればいいんでしょうね。
単に「場の空気を読んで自然に振る舞った」なのか、それとも「直美の表情がそう変わっていた」ということなのか。
吉江牧師、ただ者ではないですよ、絶対。
「イズ ディス ユア ライフ?」の一撃

近々結婚してここへは来られなくなる、と直美が告げると、吉江牧師は「いいえ、それがあなたの本当の幸せならば」と言い、そして英語で添えた。
「イズ ディス ユア ライフ?」
直美、固まる。
なおじも固まりました。
「これはあなたの本当の人生ですか?」という問い。
これ、教師としてなおじも感じてきた問いなんですよ。
進路指導のとき、「本当にそれでいいの?」と聞けるかどうか。
聞いて欲しい生徒もいれば、聞かれたくない生徒もいる。
吉江牧師のこのセリフ、プロの言葉だなあと思いました。
答えを押しつけない。でも、問いかける。
その形が、直美の何かをゆらすんでしょうね、きっと。
川柳をもうひとつ。
英語にて 問われた人生 揺れるドラマ
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なおじ的・17話の見どころ5問
Q1. 美津は今後、看護の仕事を理解するようになるの?
A. 今回の環の高熱エピソードが、その伏線になっている気がします。民間療法で環を看病した美津が、「りんのやろうとしていること」を少しずつ理解していく流れになるのでは、となおじは予想しています。あくまで予想ですが(笑)
Q2. 吉江牧師は直美の結婚に反対しているの?
A. 明示的に反対はしていないですよね。「それがあなたの本当の幸せならば」という言葉は、反対でも賛成でもなく、「本当にそれでいいの?」という問いかけ。答えを出すのは直美自身だよ、というスタンスに見えます。その距離感が、吉江牧師の誠実さだと思います。
Q3. りんは最終的にトレインドナースになるの?
A. ドラマのW主役のひとりですから、なおじとしては「なる」と思って見てます。でも今日の「迷ってます」という言葉を聞くと、簡単にはいかないんだろうなあ、とも。迷いながらも進んでいく過程が、このドラマの見せ場なんでしょうね。
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Q4. 美津を演じているのは誰?
A. 美津を演じているのは水野美紀さんです。上品で凜としていながら、ところどころでかます(笑)今日の「ナスでも大根でも」は、水野美紀さんの絶妙な間があってこそ活きてましたよね。
Q5. 「コロリ」って何?
A. コレラのことです。幕末から明治にかけて日本で流行した感染症で、当時は「コロリ」と呼ばれていました。急激に症状が悪化して命を落とすことも多く、有効な治療法がなかった時代。りんの父が亡くなった背景には、この時代の医療の限界があります。元社会科教師としてひとこと添えておきます。
筆者紹介|なおじ
なおじは元社会科教師として教育現場に35年間携わり、指導主事を5年、校長を11年務めました。
退職後もボランティアで子どもたちに学習を教えています。
社会科・歴史を長年教えてきたので、明治時代の風俗・習慣・医療事情が出てくるドラマは特に気になります。「コロリ」「焼き葱の民間療法」「士族の女性の職業観」——こういう背景を知ると、ドラマがもう一段深く見えてきますよ。