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風薫る14話感想・美津の上京と直美の恋を元教師なおじが歴史目線で語る

こんにちは、なおじです。

朝ドラ「風、薫る」第14話、見ましたよ。

美津と安がとうとう東京に出てきた。

亀吉から仕送りを止められたからとはいえ、ですよ。

あの時代に、母娘で大都市・東京に飛び込んでくるって、なかなかの行動力じゃないですか。

そして、瑞穂屋で卯三郎と話した美津さんが、出てきたときにはすっかり懐柔されている(笑)。

いや、美津さん、しっかりしているんだか、いないんだか。

一方、直美は小日向栄介から交際を申し込まれてしまって。

展開、早すぎませんか(笑)。

この14話、「母の愛情」と「直美の恋の始まり」が同時進行する、なかなか濃い回でしたよね。

目次

美津と安が東京へ・その本当の理由

仕送り停止が引き金だった

亀吉が「りんと環の行方を探すのをやめる」と言いながら、同時に「一ノ瀬家への仕送りも止める」と宣言した。

美津さん、内心はきつかったでしょう。

仕送りを止められたから東京に出て来た、ということかな?

でもね、なおじがずっと気になってたのは‥、

奥田の家からは、何度も美津に「りんと環の行方について」打診に来ていたと言っていました。

でも、美津はとぼけ続けていたと‥。

ここは美津さん「さすが!、気丈なしっかり者のお母さんだ」と、思ったんですが‥。

でも、なおじが事前に調べた情報では、気丈に婚家の追及を拒んだのは和さん自身だったのでは‥?

ドラマの火事は“盛った演出”だった?

ドラマだと、酔っぱらい亀吉が行燈を倒して火事。

りんが環を抱きかかえて逃げ出す、なかなか派手なシーンになっていましたよね。

視聴者としてはドキドキしましたけど、史実の大関和の記録を読むと、火事で逃げたエピソードは出てきませんね、やはり。

出てくるのは「妾がいた」「夫がそれを改めない」「和が子どもを連れて離縁した」という流れ。

つまり、燃えていたのは家ではなくて、和の心の方。

「もうここには戻らない」という決意の火だったのかもしれません。

ドラマはその内面の炎を、火事というかたちで“可視化”したんだろうな、という印象です。

史実の大関和は「自分で戻りを拒んだ」

史実の大関和は、黒羽藩家老の娘として生まれ、のちに軍人・渡辺福之進豊綱のもとへ嫁ぎます。

ところが夫には妾がいて、その扱いに和はずっと苦しんでいた。

二児の母になったあとも、妾問題は解決しないまま。

そこで和は、出産などを理由に一度実家へ戻りますが、その後、婚家からの「戻ってこい」をはっきり拒否したと伝えられています。

ここが大事なところで、

「母におんぶに抱っこだった娘」ではなく、
「自分の意思で婚家に戻らなかった娘」。

教科書的に言うと、受け身ではなく、完全に能動の選択なんですよね。

この「自分で縁を切る側に回った」という史実の強さは、ドラマのりんにも、もっと前面に出していい部分かなと感じるのは、なおじだけでしょうか‥。

実家は東京、和は母と妹と実家で暮らした

そして、なおじが14話で一番知りたかった史実が、ここです。

大関和のお母さんも、りんと一緒に「上京」していたのかどうか、という点。

資料を追っていくと——

なんとこのころ、和の一家はすでに東京で暮らしていたようなんです。

つまり、和は婚家を出たあと、二人の子どもを連れて、東京の実家に戻ったということ。

当然、その家には母の大関哲や妹たちもいて、母と妹と一緒に暮らしながら子どもを育てることになったわけですね。

この点では、ドラマの「りんのもとへ、美津と安がやって来て一緒に暮らす」という構図と、かなり近いと言えそうです。

つまり、

「和が一人で子どもを抱えて東京で孤軍奮闘した」というよりも、
最初から“チーム大関”で東京で踏ん張ることになった

——これが、史実にかなり近いイメージかなと‥。

ドラマの美津と安の上京は、この史実の「母と子、さらに母や妹が支え合って上京・子育てをする」という構図を、かなり丁寧になぞっているようです。

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清水卯三郎はなぜりんを雇ったのか

謎のままにされている採用理由

美津がりんに、「どうして、りんを雇ってくれたのかしら」と聞く場面がありましたよね。

でもりんも、「さあ」と‥、美津の疑問は当然ですよね。
美津だけでなく、なおじも卯三郎うさんくさい、と思いました‥。

ところで、史実の清水卯三郎は、武蔵国埼玉郡出身の実業家で、パリ万国博覧会にも参加した語学の達人。

帰国後は浅草で「瑞穂屋」を開き、洋書や歯科医療器具を輸入しながら、日本橋に店を移して近代日本の「西洋の窓口」のような役割を担っていたんだとか‥。

そういう人が、りんのような若い娘を見て、ただの「使用人」としてしか見ていない、というのは、ちょっと考えにくい。

なおじは、りんの中にある語学への感度や学びたい気持ちを、最初の出会いの段階で嗅ぎ取っていたんじゃないか、と、かなり強引にこじつけています。

「履歴書より、目の輝きで採るタイプの社長」みたいな人、いますよね。

卯三郎も、まさにそのタイプなのかも‥。

史実の卯三郎は「新しい時代そのもの」

もう少し、史実の清水卯三郎をたどると、「なぜりんを雇ったのか」のヒントが少し見えてきた気がしました。

若い頃から蘭学を学び、慶応3年にはパリ万国博覧会に自ら手を挙げて参加。

欧州で最新の技術と文化を見て、日本に持ち帰ったのが、印刷機械や歯科医療器具、翻訳された啓蒙書などなど‥。

帰国後、浅草→日本橋へと店を移し、「瑞穂屋」は洋書や医療器具を扱う商社兼出版社として成長していきます。

つまり卯三郎は、単なる「輸入雑貨屋のおじさん」ではなく、

西洋の知識と技術を日本に流し込む“パイプ”そのもの

のような存在だったんですよね。

そんな人にとって、英語やオランダ語を学ぼうとしている若者は、単なる従業員ではなく、「次の時代を担う仲間候補」。

だからこそ、りんの素性よりも「学びたいエネルギー」の方を優先して、先見の明をもって雇ってくれた——と‥。でも、やっぱりかなり強引だな、この設定‥。

美津、卯三郎に懐柔される

美津、卯三郎に懐柔される

「ここはすごらしい店ですね」

瑞穂屋の卯三郎、どうにもうさんくさいと感じて、わざわざ店まで様子を見に来た美津さん。

でも、瑞穂屋に乗り込んできたしっかり者の美津が、卯三郎の部屋から出てきた一言がこれ。

「ここはすごらしい店ですね」。

なんですか、この変わりよう(笑)。

ちょっと失礼な質問をしに来たはずが、気づいたら卯三郎に懐柔されちゃってる。

教師として言わせてもらうと、こういう
「気がついたら丸め込まれてる」体験、職員室でも結構あるんですよ。

「この校長、話してみたら意外といい人じゃないか」ってなるやつです(笑)。

卯三郎には、人の警戒心を自然に解いちゃう不思議な力があるんでしょうね。

美津さんよ 懐柔されて 家柄まで

一ノ瀬家の秘密を明かす怖さ

問題は、美津が**「一ノ瀬家が筆頭家老の家」**だということまで、卯三郎にペラッと話してしまった点です。

これは、この先がちょっと怖いんじゃないかなあ……。

亀吉が「何か策を立てているのでは」と、なおじは心配になってきます。

美津が懐柔されながら情報を漏らしてしまったことで、そのうち亀吉の耳にも一ノ瀬家の事情が届いてしまう、なんてこと、ないですよね。

しっかり者のはずの美津さん、
もしかして、実はかなりミーハー系なのかも‥。

直美と小日向栄介・急加速する恋

直美の計算と行動力

直美が小日向栄介と並んで歩いているシーン——いや〜、直美さんはすごいですよ。

鹿鳴館で偶然を装いながら、小日向が自分から声をかけるように仕向けていく。

この計算力と行動力、もう「すごい」としか言いようがない。

「怖い」と思いつつも、応援したくなってしまう。

こういう子、クラスに一人いませんでしたか。先生の見ていないところで全部仕切ってるタイプ(笑)。

かんざし→告白の急展開と史実の行方

デートでかんざしを買ってもらって、そのまま「付き合ってくれ」の流れ。

展開が早い!

でも、ここには史実的な背景があるんですよね。

直美のモデルとされる鈴木雅は、のちに軍人の鈴木良文(良光とも)と結婚しています。

小日向栄介がそのモデルなら、この恋は「結婚にたどり着く本命ルート」ということになる。

ただ、史実では夫は戦傷がもとで若くして亡くなっているので、ドラマでも「死別」の線をどこまでなぞるのか……直美の恋の行方から目が離せません。

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風薫る14話 よくある疑問にお答えします

Q1:美津は今後りんの敵になるのでしょうか?

今回の描写を見る限り、美津はりんを愛するがゆえに心配しているだけで、敵対するキャラクターではないと思います。

むしろ、卯三郎を気に入ってしまったことで、りんの東京での生活を受け入れていく流れになるのでは。

ただ、亀吉の存在がまだ不気味なので油断は禁物ですね。

Q2:清水卯三郎は実在の人物ですか?

はい、実在します。

史実の卯三郎(1829〜1910年)は、日本橋で「瑞穂屋」という舶来品・洋書店を営んだ実業家です。

語学力を武器にプチャーチン応接への随行や万国博覧会への関与など、幕末・明治の国際交渉で活躍しました。

ドラマの卯三郎は史実の人物名と屋号をそのまま使いつつ、創作的なフィクションが加えられています。

Q3:小日向栄介のモデルは誰ですか?

直美のモデルとされる鈴木雅の最初の夫・鈴木良光氏がモデルと考えられています。

史実では雅は看護の道を歩むにあたり夫と死別するという経緯があるとされており、直美と小日向の恋が「結婚→死別」という展開になる可能性も指摘されています。

あくまで史実の参考情報ですが、今後の展開のヒントになりそうです。

Q4:亀吉はなぜ仕送りを止めたのでしょう?

表向きは「りんと環を探すのをやめる」ことと引き換えに仕送りを止めた形ですが、なおじには「策を立てている」と見えます。

美津たちがりんのもとへ向かうと踏んで、あえて仕送りを止めることで動きを誘い出そうとしているのでは、という見方もできます。

亀吉のキャラクターからして、善意とは受け取りにくいんですよね。

Q5:直美が吉江神父から逃げたのはなぜ?

直美は「士族の娘」と偽って小日向に近づいています。

吉江神父は直美の本当の素性を知っている可能性があるので、デートの最中に見られては困る、という事情があるんですね。

身分を偽って交際する直美の「嘘」がいつ明かされるか、これも今後のドラマの大きな焦点になりそうです。

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筆者紹介|なおじ

なおじは元社会科教師として教育現場に35年間携わり、指導主事を5年、校長を11年務めました。退職後もボランティアで子どもたちに学習を教えています。

社会科・歴史を長年教えてきたので、時代背景や史実との比較が得意分野です。指導主事として授業研究にも携わり、教え子からは「歴史が面白くなる先生」と呼ばれていました。

現在は8つのブログでドラマ芸能政治歴史スポーツ学び書評を書いています。

小日向栄介

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