
こんにちは、なおじです。
風薫る13話、見ごたえありましたねえ。
直美の鹿鳴館デビュー、りんの初給料、捨松の会津秘話。
そして終盤にはりんの母と妹が突然やってくるという、なかなか詰め込んだ一話でした。
今回なおじが特に引っかかったのは、「女だてらに働いてんのかい」という八百屋のおじさんの一言。
明治という時代の女性観がぎゅっと詰まった場面でしたよ。
元社会科教師として、つい「これ授業で使いたいな」と思ってしまいました(笑)
この記事でわかること
- 直美の鹿鳴館デビューの様子とシマケンという謎の人物
- 捨松が語った会津の汚名と鹿鳴館への覚悟
- りんの初給料と明治時代における女性の仕事観
- 海軍中尉・小日向栄介の登場と今後への考察
- りんの母と妹の突然来訪が意味するもの
直美が鹿鳴館デビュー・シマケンの謎も深まる
英語という武器で幸先のよいスタート

直美、なかなかやりますねえ。
鹿鳴館デビューって、ただドレスを着て歩けばいいわけじゃないですよ。
歩き方、立ち居振る舞い、話し方。
すべてが「見られている」場所ですから。
先輩から歩き方の指導を受けながら、本番では得意の英語を活かして幸先のよいスタートを切った直美。
教師目線で言うと、「本番で持ち味を出せた」というのは、単純なようで相当な準備と度胸がいります。
練習で10できても、本番で7しか出せない子はたくさんいましたから。
「英語という武器があることで落ち着けた」のか、それとも直美は生まれつき本番に強いのか。
どちらにせよ、あのシーンは「ああ、この子は大丈夫だ」と思わせてくれるものがありました。
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「書生ではない」シマケンの正体とは

今日もりんの働く店に突然やってきたシマケン。
「自分は書生ではない」と言う。
これ、なかなか気になる設定ですよねえ。
ばけばけ(NHK前作大河)に登場した錦織友一さんのポジションに近いのでは、という見方をついついしてしまいました。
帝大を目指したが何かの事情で落ちてしまった秀才、ということでしょうか。
なおじの読みでは、「身分や立場が中途半端で、でも頭はいい」という、ちょっと使いにくい人材系キャラクターかなと思っています。
ドラマの中でこういう人物は、主人公を助けたり揺さぶったりする「触媒」的な役割を果たすことが多い‥。
「書生ではない」という言葉の意味は、今後じっくり明かされるのでしょう。
「買わない常連」への一言がプライドに火をつけた
シマケンの友人・槇村太一が、こう言いました。
「シマケンは買わないお得意さん」。
うまいことを言うなあ(笑)
「来るけど買わない」、それって店からしたら一番扱いに困る客ですよねえ。
なおじが教師時代で言うと、「授業中ずっとうなずくのに、試験では白紙に近い状態で出す生徒」みたいなもの。
理解はしてるのに行動しない。
ちょっと違うか(笑)。
そのプライドに火をつけたのが槇村太一の一言で、シマケンはお金を出して本を購入しました。
(どんな本を買ったのかが気になる。)
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捨松が語った会津の汚名と鹿鳴館の覚悟

直美を止めた捨松の「格」
鹿鳴館のパーティーで、捨松の悪口を言う嫌みなご婦人が登場。
直美が文句を言おうとすると、捨松がそれを止める。
ここ、捨松の「格」が出たシーンだなあと思いました。
悪口を言う相手に真正面からぶつかっても、消耗するだけ。
捨松には、そんなことにエネルギーを使っている暇はなかった、ということでしょう。
35年教師をやってきて思うのは、本当に大きな仕事を持っている人ほど、小さな敵に構わなくなるものです。
捨松はまさにそのタイプ。
「賊軍の汚名をそそげ」と言われてアメリカへ

捨松が直美に語った内容は、重かったですよね。
会津は戊辰戦争で朝敵(賊軍)とされた藩です。
「アメリカで学問に励み、会津の汚名をそそいでこい」。
そんな重い使命を背負ってアメリカに渡った。
ところが戻ってきたら、英語も学問も、
「女性の私には行かせる場所がこの国にはない」という現実が待っていた。
ひどい話でしょう、と捨松は言いましたが、本当にひどい話だと思います。
頑張って資格を取らせたのに、社会が受け入れる器を持っていなかった。
教育現場でも、時代が人材を追い越せないことは今もあります。
明治はそれが極端にひどかった、ということですね。
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「張りぼて」を逆手に取る捨松の戦略
「ここ鹿鳴館は絢爛豪華な張りぼて。
でも使い方次第でわたしのやりたいことができる」。
この捨松のセリフ、かっこよかったですねえ。
悪口を言われることなど「何でもない」と言い切れる根拠が、ここにあったわけです。
でも、捨松のやりたいことが何なのか、この回ではまだ語られませんでした。
史実では、大山捨松は鹿鳴館を舞台にした慈善バザーを主催し、日清戦争の際には傷病兵救護の活動にも取り組んだことが知られています。
ドラマがどこまで史実に寄せていくか、楽しみです。
悪口も 風に乗せれば ただの音
りんの初給料と明治の女性労働観

「女だてらに」という一言の重さ
りんが初めての給料をもらい、環と一緒に街に出ます。
八百屋で務め帰りだと告げると、「女だてらに働いてんのかい」と言われてしまった。
さらに「あんた先生様かい?」と続く。
周りの女将さんたちも「あらあ、大変ねえ、こんな時分まで」、
環を見て「かわいそうに」。
今だったらコンプライアンス的にアウトな発言のオンパレードですが、怖いのは悪意がないことです。
元社会科教師として言うと、明治時代に女性が「正規の職業に就く」といえば女学校の教師くらい
しかイメージがなかった時代。
工場労働はあっても、それは「かわいそうな働かせられ方」という感覚でしたから、りんのような働き方は「先生くらいしか思いつかない」がリアルな反応でしょう。
授業でよく生徒に言っていたのは、「差別って、悪意より無意識の方がずっと根が深い」ということ。
八百屋のおじさんに悪気はない。
でも、その一言がりんの心にじわりと刺さっていくのが、このドラマのうまいところだと思います。
りんが何も買わずに帰った切なさ

結局、りんは何も買わずに家路につきます。
夕食はおにぎり。
環、やっぱりかわいそうか(笑)
いや、笑えないですよねえ。
初給料で楽しいお買い物のはずが、周りの一言一言でしゅんとしてしまった。
「頑張って稼いだお金で美味しいものを買いに来たのに、なんでこんな気持ちにならないといけないんだろう」。
りんの心の傷として積み重なっていくのかなと思うと、このシーンは地味に重要な場面だったかも‥。
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海軍中尉・小日向栄介の登場と今後

宴会終了後に現れた謎の軍人
鹿鳴館の宴会が終わった後、海軍中尉の小日向栄介が訪ねてきました。
宴会の最中ではなく、終わった後に来る。
これ、意味深ですよねえ。
公式の場ではなく、非公式のルートで鹿鳴館に接触してきた、ということになります。
本当にただ遅れたのか?
わざと遅れてきたのか?
なにか目的があるのか?
何はともあれ遅れてきたという事実が、どこに向かうのか‥。
小日向は直美か捨松の物語に絡む人物か
なおじの見立てでは、小日向は直美か捨松の物語に絡んでくる人物ではないかと思いました。
(だれが見ても、そう思いますよね‥。)
海軍中尉という立場は、当時の日本社会ではエリートです。
欧化政策の最前線にいる人物でもある。
「宴会が終わった後に来た」という描写のさりげなさが、かえって怪しさを際立たせていましたよね。
次回以降、この人物も要注目ですね。
りんの母と妹が突然来訪した衝撃

婚家から逃げてきたのか
13話の最後、夕食を終えたりんと環のもとに、りんの母と妹が突然現れました。
これはびっくりしましたよ。
りんは婚家を飛び出した立場なわけですが、母と妹も田舎を出てきたということでしょうか。
だとすると、婚家からの逃亡はりん一人の問題ではなく、母や妹にも相当な苦労を及ぼしているということになります。
「逃げてきた」とするなら、亀吉(りんの夫)の追及がよほど烈しかったということ‥。
あのクズ丸出しの性格を見ていれば、うなずける話ではあります。
狭い部屋に人数が増える、これからどうなる
りんと環が暮らす部屋に、母と妹が加わる?
単純に考えて、お金も場所も大変になりますよね。
環は「かわいそう」と言われながら、今度はさらに狭い部屋で過ごすことになるのか(苦笑)。
でも逆に言うと、家族が集まることでりんに覚悟と支えが生まれる、という展開にもなるのか‥?
35年間、生徒たちの家族事情を見てきた経験から言うと、「大変な家ほど団結が強い」というのは本当にある話です。
りん一家がどう動くか、これも楽しみですね。
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Q&A|風薫る13話でよくある疑問
Q1. 捨松が言う「やりたいこと」とは史実では何ですか?
史実の大山捨松は、1887年に鹿鳴館で慈善バザーを開催し、その収益を病院建設に充てたことで知られています。
また日清戦争の際には傷病兵救護のための活動にも取り組みました。
英語力と社交力を「国のために使う」という強い意志を持った人物でした。
ドラマの捨松がどこまで史実に寄せていくかは今後の展開次第ですが、「鹿鳴館を逆手に取って社会のために何かをする」という方向性は史実と重なる可能性が高いと思います。
Q2. シマケンは書生でないとすれば何者なのでしょうか?
劇中ではまだ明確にされていません。
なおじの見立てでは、「帝大受験に失敗した人物」か、あるいは「一定の教育を受けたがいまだ身分が定まらない人物」
というポジションかなと思っています。
NHKドラマではこういった「宙ぶらりんのエリート」が物語の触媒になることが多い気がします。
シマケンが買った本の内容も含め、今後のりんと直美にどう絡むのか注目です。
Q3. 明治時代に女性が働くことはそんなに珍しかったのですか?
当時、女性が「職業人」として社会に出ることは非常に限られていました。
女学校の教師や助産師などは例外的に認められていましたが、それ以外の職業は「女性がするもの」という社会的認識がほぼありませんでした。
八百屋のおじさんが「あんた先生様かい?」と聞いたのは、働く女性といえば「先生」しか思いつかなかったからで、これは当時のリアルな感覚でしょう。
Q4. 槇村太一が買った本、あるいはシマケンが買った本は何だったのですか?
劇中では明確に示されませんでした。
なおじも気になっています。
英語塾での出来事ですから英語の教科書や洋書の可能性もありますし、
当時流行していた福沢諭吉の著作や政治思想書の可能性もあります。
今後のシマケンの行動や台詞のなかで、
その本の中身が伏線として回収されるかもしれません。
Q5. 小日向栄介は実在の人物ですか?
現時点でなおじには確認できていません。
ドラマのオリジナルキャラクターの可能性もありますし、史実の人物をモデルにしている可能性もあります。
今後の展開を見ながら、確認できれば改めてお伝えします。
筆者紹介|なおじ
なおじは元社会科教師として教育現場に35年間携わり、指導主事を5年、校長を11年務めました。
退職後もボランティアで子どもたちに学習を教えています。
社会科・歴史を長年教えてきたので、時代背景や史実との比較が得意分野です。
「風、薫る」のように明治時代を舞台にしたドラマは、授業で語り切れなかった話をようやく届けられる場所のような気がして、このところ毎回楽しみにしています。
この回の視聴は、なんと深夜。
記事執筆も深夜になってしまいました‥。