こんにちは、なおじです。
豊臣兄弟!10話「信長上洛」の史実、いやあ、見ごたえのある回でしたよね。
明智光秀(要 潤)がついに登場して、竹中半兵衛(菅田 将暉)の鮮やかな推理、お市(宮﨑 あおい)の胸に刺さる別れ、そして松永久秀(竹中 直人)の初登場まで。
いっぺんにやってくるんですよねえ、こういう回って。
👉豊臣兄弟!全話の史実まとめはこちら:豊臣兄弟!秀長の真相|史実と全話感想で読み解く補佐役の実像

この記事でわかること
- 竹中半兵衛がなぜ「使者=足利義昭」と見抜けたか
- 「弾正忠」とはどんな役職か──副将軍を断った信長(小栗 旬)の真意
- 「天下一統」という言葉はいつ頃から使われたか
- お市が浅井長政(中島 歩)に嫁いだ史実と柴田勝家(山口 馬木也)への伏線
- 松永久秀という武将のとんでもない面白さ
信長、岐阜から天下へ──「天下布武」の意味
「天下」は五畿内を指す言葉

永禄10年(1567年)9月、信長(小栗 旬)は美濃を平定し、稲葉山城の城下を「岐阜」と改めました。
そして掲げたのが「天下布武」の印判です。
ここでドラマがさらっと解説してくれていましたが、この時点での「天下」って、日本全国じゃないんですよね。
五畿内(京・大和・河内・摂津・山城)を指す言葉。
今でいう近畿の中心部、そこが「天下」だった。
社会科の授業でこれを話すと、「えっ、天下統一って全国じゃないの?」って目が丸くなる生徒が毎年いました。
そういうことだったのか、って面白がってくれる瞬間が、教師としていちばん好きな瞬間でしたね。
「天下一統」という言葉はいつから使われたか
「天下布武から天下一統に変わる」とドラマの中で語られていましたが、「天下一統」という言葉、実はずっと昔からある言葉なんですよ。
足利家以来の理念として「天下人のもとに諸勢力がまとまる」という意味で使われてきた言葉とされています。
信長が畿内制圧から地方支配へと広げていく中で、「天下一統」の「天下」の意味じたいが、だんだん日本全体を指すように変わっていったんですね。
天下の意味が膨らんでいく──そこが信長という人物の野心の成長を象徴している‥。
弾正忠を選んだ真相──副将軍固辞の意味
副将軍を断った信長の計算

上洛後、足利義昭(尾上 右近)は礼として、信長に「副将軍」の地位を申し出ました。
でも信長はきっぱりと断ります。
「弾正忠のままでよい」と。
弾正忠とは、朝廷の「弾正台」という機関の役職で、もともとは京内の風俗取り締まり・監察を担う官職。
織田家では信長の曾祖父の代から代々名乗ってきました。
この行為の意味は──「幕府の権威は利用するが、その下には入らない」。
信長はそういう意思表示をした、と見ていいと思います。
「先生、信長ってずるくないですか?」
授業でこの場面を話すと、決まって「先生、信長ってずるくないですか?」と言う生徒がいました。
副将軍になれば義昭の臣下になってしまう。
そこを嫌った、というのが実態でしょうね。
ずるいというか、徹底しているというか。
ただし、ここで言う「ずるい」は、褒め言葉かも‥。
明智十兵衛、ついに登場──半兵衛の鋭い目

足利義昭の使者として現れた光秀
永禄10年(1567年)、明智光秀が足利義昭の使者として岐阜を訪れ、信長に上洛を求める場面です。
信長への要件はひとつ。
「義昭を将軍に擁立し、上洛してほしい」というもの。
信長は「ただの順番であろう。他が動かぬ故、織田を頼ることにした。違うか」と言い放ちます。
光秀が「そのとおりでございます」と返した場面──あの間合いが絶妙でしたね。
そして信長が使者に刃を向けると、なんとその使者が義昭本人だった。
驚いたなあ、あのサプライズ演出。
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半兵衛が義昭の正体を見抜いた推理

半兵衛の推理のプロセスが、今回の白眉でした。
- 光秀が「われら」という言葉を使ったこと
- 光秀が、「街の見学を信長の謁見より先に行う」という家臣の言葉に従ったこと
- 光秀が団子屋で座らなかったこと
- 従者の方が先に団子を口にしたこと
これらを積み重ねて「従者こそが主君」と見抜いた半兵衛。
しかも最初から光秀の家臣に不審な目を向けていたあたり、観察眼がすごい。
100年後、これが新しい竹中半兵衛伝説になっていたりして‥。

ちなみに、家臣全員の名前を覚えていた小一郎(仲野 太賀)に、蜂須賀正勝(高橋 努)が舌を巻いていた場面も、じわじわ好きでしたよ。
お市、浅井長政へ嫁ぐ──胸に刺さる別れ

婚姻同盟の史実と小一郎への頼みごと
信長が北近江の浅井長政との同盟を結ぶにあたり、妹のお市を嫁がせた──これは史実でも確認されています。
1568年(永禄11年)の出来事です。
お市の呼び出しに、藤吉郎(池松 壮亮)は小一郎を向かわせました。
小一郎への頼みごとが何だったか。
のちに小谷城落城・お市の悲劇を知っている視聴者には、あの場面はもうたまらないですよね。
柴田勝家への伏線──大石静さんの手が込んでいる

別れの席で、お市が柴田勝家に向かって「おまえに嫁いだ方がましであったなあ」と言う場面がありました。
「あっ」て声が出ましたね、なおじも。
のちの柴田勝家との婚姻への伏線を、この時点でもう張っているわけです。
脚本・大石静さんの手の込み方、さすがだなあと感じました。
信長上洛──6万の軍勢で電撃入京
六角・三好撃破の史実
史実では、信長が義昭を奉じて上洛したのは1568年(永禄11年)9月のことです。
| 時期 | できごと |
|---|---|
| 1565年 | 三好三人衆が足利義輝将軍を暗殺、義昭が流浪を始める |
| 1567年 | 義昭、光秀を通じて信長に上洛を要請 |
| 1568年9月 | 信長、徳川・浅井の軍勢と合わせ6万で六角を撃破し入洛 |
| 1568年10月 | 足利義昭、第15代征夷大将軍に就任 |
信長が率いた大軍は、南近江の六角氏をわずか数日で撃破。
三好三人衆も打ち破り、上洛からひと月もたたないうちに京へ入りました。
「電撃的」というよりも「圧倒的」、という感じがしますよねえ。
塩を撒く京の人々と、銭をまく藤吉郎
ドラマでも信長の軍団を見つめる京の人々が塩を撒く場面がありましたが、あの緊張感はリアルでした。
ところが、そこに藤吉郎・小一郎がご祝儀として銭をまいて回ります。
さっきまで警戒していた人々の雰囲気が、一変する。
あの場面、藤吉郎という人物の「民心のつかみ方」が出ていてよかったですよねえ。
上洛後、義昭は室町幕府第15代征夷大将軍に就任。
副将軍を断った信長の真意を半兵衛が解説する場面も丁寧で、ドラマとしての説明のうまさを感じました。
将軍の 傘を借りたる 信長や
松永久秀(竹中 直人)──面白い武将ナンバー1

久秀の生き様がとんでもない
荒木村重(トータス 松本)の初登場も「なんかかっこええね」という印象でしたが、なおじが特に注目したのは松永久秀です。
竹中直人さんというのは、ちょっとイメージが違っていて──それがかえって期待感を高めてくれるんですよね。
松永久秀、なおじの中では面白い武将ナンバー1です。
久秀は三好長慶の右筆(秘書)からスタートし、やがて主家をも凌ぐ実力をつけた叩き上げの武将。
信長から「天下の三悪事」をなしたと言わしめた人物です。
その三悪事とは──将軍義輝の暗殺・東大寺大仏殿の焼失・主君三好家への謀叛とされています。
爆死した武将──授業で一番目が輝く瞬間

しかも最期がまた豪快でした。
信長が「平蜘蛛茶釜を渡せば命は保証する」と告げます。
しかし久秀はそれを一蹴。
**平蜘蛛茶釜に爆薬を詰めて、それを抱えながら爆死したとされています。**享年は68ともいわれていますが、諸説あります。
なおじが社会科の授業で久秀のエピソードを話すと、生徒たちは決まって「えっ、爆発?!」と前のめりになりました。
歴史の授業でいちばん目が輝く瞬間のひとつ。
どの学校でも、どの学年でも、反応は同じでした。
松永久秀の生き様については、改めてじっくり記事にしたいと思っています。
👉豊臣兄弟!全話の史実まとめはこちら:豊臣兄弟!秀長の真相|史実と全話感想で読み解く補佐役の実像
よくある疑問Q&A
Q1. 「弾正忠」は副将軍より偉いのですか?
役職の格でいえば副将軍の方が上です。
しかし信長はあえて副将軍を断りました。
弾正忠は朝廷の監察官的な役職で、織田家が代々名乗ってきた家名でもあります。
「幕府に縛られない独立した立場」を保つための選択、ということかな。
副将軍になれば義昭の臣下になってしまう──そこを嫌ったのです。
Q2. 「天下一統」という言葉はいつから使われたのですか?
「天下一統」は足利家以来の理念として使われてきた言葉とされています。
「天下人のもとに諸勢力がまとまる秩序」という意味合いで、信長の時代より前からあった言葉です。
信長が畿内から全国へと勢力を拡大していく中で、「天下」の意味そのものが広がり、「天下一統」も日本全体の統一という意味合いで使われるようになっていったわけです。
ドラマで使われることは史実的に問題のない言葉ですね。
Q3. 浅井長政との同盟はなぜ必要だったのですか?
信長が京へ向かうには北近江(現在の滋賀県北部)を通る必要があり、その地を支配する浅井長政の協力が不可欠でした。
お市を嫁がせることで婚姻同盟を結んだのは史実でも確認されています。
ただし、のちに長政は信長を裏切り──それがお市の悲劇につながります。
Q4. 足利義昭はなぜ後に信長と対立したのですか?
信長は義昭を将軍に擁立しましたが、実質的には傀儡扱いでした。
義昭もやがてそれに気づき、各地の大名に「信長包囲網」を呼びかけます。
今回の「副将軍固辞」の場面は、その対立の種がまかれた瞬間として描かれているわけです。
のちの展開への伏線として、非常に重要なシーンだと思いませんか。
筆者紹介|なおじ
なおじは元社会科教師として教育現場に35年間携わり、指導主事を5年、校長を11年務めました。退職後もボランティアで子どもたちに学習を教えています。
社会科・歴史を長年教えてきたので、時代背景や史実との比較が得意分野です。松永久秀・竹中半兵衛・明智光秀の話は授業でも特に生徒の目が輝いた場面でもあり、今回の記事はそのあたりが書いていて楽しかったです。
現在は8つのブログでドラマ・芸能・政治・歴史・スポーツ・旅・学び・書評を書いています。
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半兵衛の推理・お市の別れ・松永久秀の初登場と、今回は見どころが詰まった10話でしたね。あなたが一番胸に刺さったシーンはどこでしたか?コメント欄で教えてもらえると嬉しいです。