「第13週のタイトルは女房は掃き溜めから拾え」、よねや轟に続き、『梅子』さんが再登場。
ところが、梅子さんの話は実に悲しい物語なのです。
さて、どのような物語なのでしょうか。
ネタバレを含みます。
夫の妾と梅子、裁判で争うことになる発端
![](https://sp-ao.shortpixel.ai/client/to_auto,q_lossy,ret_img,w_1000,h_620/https://syakaika-turezure.com/wp-content/uploads/2024/06/7fad2a2032d07be58d74e6d4dd0e5dcc.jpg)
ある日、若い女性が寅子の働く家事部の窓口にやってきます。
名前は元山すみれ(演じるのは武田梨奈)。
ある男の妾だったのだとか。
その相手の男が亡くなったので、男の遺産を相続できないかという相談でした。
本来 妾には遺産相続の権利はありません。
しかし、遺書がある場合は相続の権利が生じます。
スミレは、「遺書がある」と寅子に言いました。
後日すみれは後日遺書を持参して再度寅子のもとに訪れました。
寅子は、びっくりします。
何と書類に書かれている男の名前をみてまずびっくりします。
そこには、「大庭徹男」と書かれていたのです。
法律を友に学んだ梅子さんの夫の名だったからです。
驚く寅子が目を上げると、すみれと友に、大庭徹男の母「常」が部屋に入ってきました。
そして…、
その後に、梅子が部屋に入ってきたのでした。
寅子もびっくりしましたが、梅子さんもびっくりしてしまいます。
内心では二人とも、びっくりしてしまい、お互いに聞きたいことが湧き上がってきましたが、
この場で、大騒ぎするわけにもいきません。
二人は大人の対応で、「スン」としながら事務手続きに移ります。
遺書に書かれていたこと
遺書の内容のチェックが始まります。
遺書には 『すみれに全財産を遺贈する』と書かれていました。
![](https://sp-ao.shortpixel.ai/client/to_auto,q_lossy,ret_img,w_80,h_80/https://syakaika-turezure.com/wp-content/uploads/2024/06/image-6-150x150.png)
「嘘に決まっている」
と怒りをあらわにする「常」。
年甲斐もなく「常」は「すみれ」につかみかかろうとします。
それを止めたのは、梅子さんの三男「光三郎」でした。
梅子さん、すみれに逆襲
そんな光三郎に、梅子は耳元で何かを呟きます。
母の言葉を聞いて、光三郎は次のように言いました。
![](https://sp-ao.shortpixel.ai/client/to_auto,q_lossy,ret_img,w_80,h_80/https://syakaika-turezure.com/wp-content/uploads/2024/06/image-7-150x150.png)
「遺書があっても、遺留分として遺産の半分を請求できるはず。」
すみれは、慌て始めます。
梅子の判断
この件で、先ず問題となるのは、「遺書の有効性」についてです。
有効性を調べないことには先に進みませんので、この日はここまでとし、寅子は双方を解散させました。
梅子、会議室に残る寅子の元へ
互いに「スン」とした態度の公的な場から、私的な再開の場にうつった二人は、再開を喜び合います。
お互い聞きたいことが山ほどあります。
![](https://sp-ao.shortpixel.ai/client/to_auto,q_lossy,ret_img,w_80,h_80/https://syakaika-turezure.com/wp-content/uploads/2024/04/image-6-150x150.png)
「大庭家を出たはずの梅子さんが、どうしてまた大庭家にいるの。」
![](https://sp-ao.shortpixel.ai/client/to_auto,q_lossy,ret_img,w_80,h_80/https://syakaika-turezure.com/wp-content/uploads/2024/06/image-8-1-150x150.jpg)
「法律の道から去った寅子が、どうして裁判所にいるの。」
などなど、質問や話は尽きません。
梅子を 轟法律事務所に連れて行く
久しぶりの再会を果たした寅子と梅子。
寅子は、この後梅子を「轟法律事務所」に連れて行きました。
そこで梅子は、今回のいきさつを語り始めます。
梅子と光三郎は、確かに一度は家を出たのです。
しかし、その後、夫の徹男が病に倒れたため、二人は大庭家に戻ったのだそうです。
そして梅子は、夫の看病を10年以上も続けたのだといいます。
当時、女性が一人で子どもを育てるのは大変な苦労だったのでしょう。
『家に戻らなければ、光三郎をまともに育てられなかった。』
大庭家に戻らざるを得なかった梅子さんの心には、そういう思いがあったようです。
しかし、そういう自分に対し、梅子さんは、
![](https://sp-ao.shortpixel.ai/client/to_auto,q_lossy,ret_img,w_80,h_80/https://syakaika-turezure.com/wp-content/uploads/2024/06/image-8-1-150x150.jpg)
自分を恥じている。
と呟きます。
梅子を励ます寅子
落ち込む梅子に、寅子は言います。
![](https://sp-ao.shortpixel.ai/client/to_auto,q_lossy,ret_img,w_80,h_80/https://syakaika-turezure.com/wp-content/uploads/2024/04/image-6-150x150.png)
私は、うれしかった。
梅子さん、新憲法の内容が頭に入っているんですもの。
![](https://sp-ao.shortpixel.ai/client/to_auto,q_lossy,ret_img,w_80,h_80/https://syakaika-turezure.com/wp-content/uploads/2024/06/image-8-1-150x150.jpg)
懐かしいわね、戻ってみたいわ。
人生で一番輝いていたあの頃に…。
梅子、轟とよねに弁護を依頼する
梅子は 轟法律事務所に弁護を依頼しました。
遺書の調査結果がまとまり、よねと轟は関係者が集められた大庭家を訪れました。
そこで轟たちは調査結果を報告しました。
『証人の住所には別人が住んでいた』などの理由を挙げ、『遺書は偽造されたもの』であることを告げます。
続けてよねがすみれに『有印私文書偽造の罪に問われる恐れ』もあると告げました。
すみれはあっけなく負けを認め、そのまま部屋を出ていったのでした。
梅子の本当の戦いの始まり
遺書がない場合、新民法では 妻、梅子が3分の1、
残りを3人の息子たちで分割するというルールに変更されていました。
しかし、長男 徹太(てった)は 梅子に相続の放棄を要求しました。
実の母親になんと親不孝なことをするのでしょう。
さらに、次男の徹次(てつじ)は酒浸りで、身を持ち崩しているので遺産を相続させない。
三男の光三郎はまだ学生だから、財産の管理能力はないとして、結局遺産を独り占めしようとします。
徹太の妻、静子もそれに同調します。
息子徹太に対し、梅子は相続破棄はしないと主張し、家庭裁判所に調停の申し立てをします。
轟達は、梅子の遺産獲得のため、力をふるうことになりました。
しかし、梅子の本心をは、
「自分は遺産をもらえなくてもいい。でも、子供達には平等に遺産を引き継いでほしい。そして、これからは3人が手を取り合って生きていってほしいのだ」
と語ります。
これが、普通の親の心情ですよね。
親の心、子知らず。
本当に親不孝な息子達です。
調停の行方
いよいよ調停の日となりました。
そこで、思わぬ出来事が起きます。
祖母「常」が、
![](https://sp-ao.shortpixel.ai/client/to_auto,q_lossy,ret_img,w_80,h_80/https://syakaika-turezure.com/wp-content/uploads/2024/06/image-6-150x150.png)
私は 徹太に面倒を見てもらいたくない。
と言いだしたのです。
梅子を嫌っていたはずの「常」でしたが、
![](https://sp-ao.shortpixel.ai/client/to_auto,q_lossy,ret_img,w_80,h_80/https://syakaika-turezure.com/wp-content/uploads/2024/06/image-6-150x150.png)
梅子と光三郎に私の老後の面倒を見て欲しい。
と続けて言います。
そりゃそうですよね。
こんな親不孝の徹太に、祖母の面倒を看ることができるはずがありません。
幸三郎は、母・梅子のことを思い、
母に意地悪をしないと約束するのを条件に 常を受け入れることを決めました。
『光三郎は、まともか』
このときは、そう思えました。
これにより、調停は梅子に優利に動きました。
光三郎、おまえもか
寅子が、上野の路地を歩いていたとき、とんでもない光景を目撃してしまいます。
『幸三郎とすみれが、人目もはばからずに抱き合っていたのです。
二人は、駆け寄ってきた寅子に気がつきます。
すみれは、ばつが悪いような笑みを浮かべました。
対して、光三郎は無言でうつむいたままです。
寅子は、裁判官です。
裁判官は、調停に関することに口を出しすることはできません。
そこで、すぐに轟法律事務所に足を運び、轟とよねに見てきた事実を伝えました。
後は、二人に任せることにしました。
後日大庭家で緊急会議が開かれました。
当然よねと轟も同席しています。
その場で事実を知り、梅子はうろたえます。
すみれは、偽造遺書の計画に失敗すると、財産を相続することが確実で扱いやすい 光三郎に乗り換えていたのです。
悲しいことに、光三郎もすみれのことが好きになってしまっていました。
好きになってしまったのだから、仕方がない。
と呟きます。
『光三郎、お前もか!』
多くの視聴者の叫び声が聞こえるようです。
すみれは言います。
![](https://sp-ao.shortpixel.ai/client/to_auto,q_lossy,ret_img,w_80,h_80/https://syakaika-turezure.com/wp-content/uploads/2024/06/image-8-150x150.png)
いつもあなたの大事なものを取り上げてごめんなさいね。
そう言って、高笑いするすみれ。
![](https://sp-ao.shortpixel.ai/client/to_auto,q_lossy,ret_img,w_80,h_80/https://syakaika-turezure.com/wp-content/uploads/2024/06/image-6-150x150.png)
この女を つまみ出せ!
常が興奮して叫びます。
しかし、梅子は精気を失い、自らを自嘲するような薄い笑みを浮かべます。
そして、
![](https://sp-ao.shortpixel.ai/client/to_auto,q_lossy,ret_img,w_80,h_80/https://syakaika-turezure.com/wp-content/uploads/2024/06/image-8-1-150x150.jpg)
結婚も、妻や嫁としての生き方も、全て失敗した…。
私はすべてを放棄します…。
この家から出て行きます…。
ここまでやるか、そう思わざるを得ません。
梅子さんがかわいそすぎる。
そういう 梅子に
親不孝者の長男・徹太が言い放ちます。
![](https://sp-ao.shortpixel.ai/client/to_auto,q_lossy,ret_img,w_80,h_80/https://syakaika-turezure.com/wp-content/uploads/2024/06/image-150x150.jpg)
婆さんの面倒は誰が見るんだよ。
言葉もありません…。
梅子は、静かに言います。
![](https://sp-ao.shortpixel.ai/client/to_auto,q_lossy,ret_img,w_80,h_80/https://syakaika-turezure.com/wp-content/uploads/2024/06/image-8-1-150x150.jpg)
民法730条 直系血族及び同居の親族は互いに助け合わなければならない。
お母様のことは兄弟で話し合いなさい。
お互い他人のせいにしないで、自分の人生を生きていきましょう。
悲しくも、前を見て生きていくことを決めた梅子の言葉でした。
民法730条は、民法改正審議会のとき、民法改正に反対だった神保教授が最後に残した思いです。
梅子は、この新民法730条を置き土産に、大庭家と子供達と決別します。
過去の自分と決別し、梅子はよねや轟とともに大庭家を去って行きました。
梅子の未来
梅子の相続放棄が決まると、遺産は子どもたちで平等に分割することになりました。
必然的に裁判所による調停は取り下げられました。
再開した甘味処「竹元」で、梅子は寅子と猪爪家の花江と共に団子を食べていました。
3人の話題は、民法730条でした。
梅子は、『730条の条文に腹が立った』と言います。
この条文は、「家族のすべての負担を、自分(梅子)のような人間に押し付けている」ように解釈できるからだ、と語ります。
でも梅子は言います。
![](https://sp-ao.shortpixel.ai/client/to_auto,q_lossy,ret_img,w_80,h_80/https://syakaika-turezure.com/wp-content/uploads/2024/06/image-8-1-150x150.jpg)
だから、私は息子たちに押し付け返してやったのよ。
法律は、使い方次第ね。
一見おっとりしているように見える梅子は、本当に芯の強い女性です。
『法律談義できることがうれしい』と、今の自分も境遇に喜びを感じることができる梅子。
この前向きさ、尊敬してしまいます。
話の最中、寅子は多岐川に呼び出され、中座をしてしまいました。
残された花江ちゃんは、 梅子に悩みを打ち明けます。
![](https://sp-ao.shortpixel.ai/client/to_auto,q_lossy,ret_img,w_1000,h_525/https://syakaika-turezure.com/wp-content/uploads/2024/06/image-9.jpg)
![](https://sp-ao.shortpixel.ai/client/to_auto,q_lossy,ret_img,w_80,h_80/https://syakaika-turezure.com/wp-content/uploads/2024/06/image-9-150x150.jpg)
寅子は、本当にすごいの。
猪爪家では、自分だけが 役割を果たせていないの。
死んだ「はる」さんのように思うように家事をこなせない花江。
子供たちに心配をかけてばかりの花江。
そんな自分に対し、花江ちゃんは自虐的な笑いを浮かべていました。
そんな花江 ちゃんに、梅子は言います。
![](https://sp-ao.shortpixel.ai/client/to_auto,q_lossy,ret_img,w_80,h_80/https://syakaika-turezure.com/wp-content/uploads/2024/06/image-8-1-150x150.jpg)
いい母になんかならなくていいと思うの。
自分が幸せじゃなきゃ、誰も幸せになんかできないのよ。
花江ちゃんは涙を流しながら、梅子手を握りました。
梅子は、自分自身も精神的にギリギリのはずなのに、花江ちゃんを思いやり、勇気づけることができる人間力があります。
是非とも、もう一度寅子と一緒に法律の道を目指してほしいと思います。
何にせよ、何らかの目標を掲げ、おっとりとした雰囲気を保ちつつ、内心で熱く燃えた生き方をしてほしいものです。
![](https://sp-ao.shortpixel.ai/client/to_auto,q_lossy,ret_img,w_320,h_180/https://syakaika-turezure.com/wp-content/uploads/2024/05/image-15.png)
![](https://sp-ao.shortpixel.ai/client/to_auto,q_lossy,ret_img,w_32,h_32/https://syakaika-turezure.com/wp-content/plugins/pochipp/assets/img/pochipp-logo-t1.png)
![](https://sp-ao.shortpixel.ai/client/to_auto,q_lossy,ret_img,w_32,h_32/https://syakaika-turezure.com/wp-content/plugins/pochipp/assets/img/pochipp-logo-t1.png)
コメント