
こんにちは、なおじです。
風、薫る27話、観ましたよ。
今回は、多江がバーンズ先生にガツンとぶつかった回でした。
「人を救う看護を学びに来たのに、なんで外の掃除ばっかりやらせるんですか!」
この一言、ものすごく多江らしくて、正直、なおじも胸のどこかで「うん、言いたくなるよね」って思いました。
でもバーンズ先生の返しも、また鮮やかだったわけです。
そして、一方では、りんと直美の距離がぐっと縮まり、美津さんの「こえー」にはなおじが個人的に感動する場面もあり。
27話はドラマとしても、人間観察としても、すごく密度の濃い回でした。
一緒に振り返っていきましょうか。
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この記事でわかること
- 多江がバーンズ先生に怒りをぶつけた理由と、バーンズの「全て看護です」が意味すること
- りんが直美のエプロンを黙って修理した背景と、トメへの東京見物という交換条件
- 瑞穂屋での美津・直美・シマケンの三者関係と、過去の縁が明かされた真相
- シマケンの言葉「やりたいことが仕事になる人はほんのわずかだ」が示す明治時代の現実
- 美津が使った北関東の方言「こえー」の意味と、直美が一ノ瀬家で癒されたわけ
- 環が「かか」から**「お母さん」**と呼び方を変えた成長の意味
- ラストシーンで多江の日本髪が戻っていた謎と、来週への伏線
「全て看護です」バーンズ先生の意図とは

多江が爆発した本当の理由
洋髪に変えてエプロンまで縫い直しを言い渡され、室外掃除の日々が続く。
多江(生田絵梨花)がバーンズ先生に食ってかかったのは、当然と言えば当然ですよね。
「人を救う看護を学びに来た」という思いは、7人の中で多江が一番強く言語化できる子。
だからこそ、目の前の現実とのギャップに、誰より先に怒りが来る。
なおじが35年、教壇に立ってきて思うのは、こういうタイプは「頭のいい子」なんですよね。
やりたいことと今やっていることの距離を、誰より正確に測れる。だから苦しくなる。
クラスに一人や二人は必ずいる。先生にとっては「扱いにくい」と見えてしまうこともあるけれど、本当は一番エネルギーを持っている子。
多江ちゃん、なおじにはよくわかります。
バーンズ先生の「全て看護です」という答え

多江の怒りに対して、バーンズ先生が言い放ったのが「私がやらせていることは全て看護です」。
これ、ものすごく深い言葉ですよね。
バーンズ先生の言う「看護」は、患者に包帯を巻くことだけじゃない。
清潔を保つこと、整理整頓された環境を作ること、自分の体を清潔に保つこと——全部がつながっている。
ナイチンゲールの看護理論の核心がまさにここだと、知り合いも言っていました。
19世紀に彼女がクリミア戦争で実証したのは、「病気を治すのは医者だが、患者を生かすのは環境だ」という考え方。
掃除も、髪型も、エプロンも、全部が環境を整える力。
(これは、幼児教育にも通じる‥。)
なおじは元社会科教師として、こういう「なぜやるか」が見えない授業がどれほど生徒を苦しめるかも知っています。
でも、あえて理由を言わないことで、生徒が自分で気づく瞬間が生まれる。
それもひとつの教育なんですよね。
バーンズ先生、明治にこれをやっていた‥。やっぱり只者じゃない。
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りんのエプロン修理に見えた人格
不器用な直美と、黙って直したリン
直美(上坂樹里)が縫った雑な縫い目の、味のあるエプロンが気づいたら直っていた。
「あれ?多江が直してくれた?」と期待したんですが、やっぱり違った。
直したのはりん(見上愛)でした。
それでもこのくだり、なおじはじんわりきました。
そして、りんは自分が直したことを、「友達を思いやることに」代償として使ったわけです。
代償といっても嫌なものじゃない。「トメを東京見物に連れて行ってほしい」という、小さくて温かい交換条件。
自分の善意を、自分が大切にしたい人のために使う。これを「人格者」と言わずして何と言うかというやつです。
修理して 代償といえど 愛が宿る(なおじ)
エプロンを直したことを黙っていて、トメのためといいながら、直美の心を育む事に繋がる交渉をする。
りんのこういうところ、ドラマを通じて少しずつ積み重なってきてるんですよね。
亀吉との辛い過去を経て、環を一人で育てて、そして今、仲間のために黙って手を動かす。
「人格者」って、大声で宣言する人じゃない。黙って行動できる人のことを言うんだとなおじは思います。
瑞穂屋の縁側・美津とシマケンの謎

琴の演奏と外国語の謎会話
なんと瑞穂屋の軒先で、りんのお母様・美津(水野美紀)が琴の演奏を披露していた。
そして外国人のお客様との会話が、日本語のみ。それが通じているという場面。
「蚕の糸」という言葉が出てきましたが、これ、なかなか意味深です。
蚕の糸ってご存知ですか?細くて頼りないようでいて、絡まり合うと非常に強い。
この時代の日本の「外交」「文明開化」「西洋との関係」を、一本の糸で表現しているような、そういう意図をなおじは感じました。
あくまでなおじの勝手な解釈ですが(笑)。
美津と直美の過去の縁
実は、この27話で重要な事実の再確認がありました。
美津と直美は、過去に出会っていた。
この過去の出会いが、今後の直美にどう影響してくるのか‥。
さらに、瑞穗屋にはシマケン(佐野晶哉)もいましたねぇ。
シマケン、どんだけりんに会いたいのだか‥。
ところで、りんとシマケンの会話の中に、「やりたいことが仕事になる人なんて、ほんのわずかだ」というのがありましたね。
これ、シマケン自身の経験から来ている言葉でしょうか?
それとも、りんへの励ましのつもりが、逆に刺さってしまった言葉だったのか‥。
「悩めるのは幸せなことかもしれない」という続きの言葉がまた、深い。
なおじが若い頃、悩んでいたとき、先輩に似たようなことを言われて「うるさいな」と思った記憶があります(笑)。
でも35年経った今、あれは正しかったと思える。シマケンの言葉、10年後にりんに効いてくるやつだと思います。
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美津の「こえー」となおじの個人的興奮
北関東の方言が朝ドラに登場
夕飯ができあがったとき、美津さんが「はーこえ、こえわ」と言っていた。
出ました。
北関東の方言「こえー」。
意味は「疲れた」です。
なおじ、子どもの頃から当たり前のように使ってきましたが、大人になって全国的には通じないことを初めて知った(笑)。
「え、疲れたを『こえー』って言わないの?」って驚いたのは、私の方でしたよ。
茨城・栃木・群馬あたりで使われる言葉で、「こわい」の訛りから来ているとも言われています。
美津さんが東京で暮らしながらも、ふとした瞬間に方言が出てしまう。
このリアリティ、脚本と水野美紀さんの芝居が出した温かさですよね。
直美が一ノ瀬家で癒された理由
美津さんは直美のことを「でれすけ」と呼んで、娘と同じように大根の切り方を指導していたようです。
「でれすけ」も北関東の方言で、間抜けとかドジという意味。愛情のある呼び方です。
お客様を家族と同じように扱う——これって、言葉で言えば簡単だけど、できる人はなかなかいない。
直美は、世間から煙たがられて育ち、看護学校でも完全に馴染んでいるわけじゃない。
そういう娘が、知らない家の食卓で、まるで実の娘のように「でれすけ」と呼ばれながらも、母(りんの母)と食事を一緒に作る‥。
心が溶けるって、こういうことですよね。
直美は寮への帰り道、りんに「お母さんの料理美味しかった」と素直に言えた。
この「素直に言えた」というのが、大事だと思います。
感謝を素直に言えない子が、言えた。これは成長の証でもある‥。
直美ちゃん、一ノ瀬家という場所に来て、少し変わった気がします。
多江の日本髪が戻っていた・事件の予感
環が「お母さん」と呼ぶようになった小さな幸せ
その前に、温かいエピソードをひとつ。
りんの娘・環が、この1週間で変わっていました。
前まで「かか」と呼んでいたのが、「お母さん」と呼ぶようになっていた。
これ、さらりと描かれていたけれど、なおじにはじんわりきました。
りんが看護学校に入り、慣れない生活をしながら、それでも子育てを諦めていない。
そして環がちゃんとそれを感じ取って、成長している。
「お母さん」と言う、ちょっとよそ行き風の環の言葉の変化、なんかもう愛おしいですよね。
多江の日本髪・何があった?
そして、27話最後の不穏な場面。
寮に帰ってきたりんと直美。
寮の外に、入りにくそうにしている多江がいる。
そして多江の頭が日本髪に戻っていた。
なんと!
バーンズ先生に命じられて洋髪にしていたのに、わざわざ日本髪に戻している。
これは単なる反抗か。それとも何かがあったのか。
多江の家の事情か、あるいはドラマ上の大きな展開の伏線か。
なおじ的には、多江の背景にある「家」の問題が出てくるんじゃないかと感じています。
あくまでなおじの見立てですが(笑)。
来週の展開が気になります。
27話をなおじが読み解くQ&A
Q1:バーンズ先生の「全て看護です」という言葉の元になった思想は何ですか?
ナイチンゲールが19世紀に提唱した看護理論が元になっていると考えられます。
彼女がクリミア戦争で死亡率を大幅に下げたのは、患者の傷を手当てしただけでなく、病棟の換気・清潔・栄養を徹底したからです。
「看護とは患者を取り巻く環境を整えること」というこの考え方が、バーンズ先生の授業の根底にあるんですね。
掃除も、エプロンも、洋髪も、全部が「環境を整える」という行為の一部。
多江が怒るのは当然ですが、バーンズ先生もちゃんと理由があってやっている——ここが今後のドラマの軸になっていく気がします。
Q2:りんが直美のエプロンを無言で直した理由は何でしょうか?
理由はドラマ内で明示されていませんが、なおじの見立てでは「同じ仲間として放っておけなかった」という感情からではないかと。
りんは会津出身で、「什の掟」的な仲間を守る精神を持っている人物です。
👉関連記事:会津の「什の掟」とは?7カ条で学ぶ江戸時代の武士教育システム
直美が困っているのを見て、黙って行動する。それが一ノ瀬りんという人間の本質だと思います。
代償に「トメを東京見物に」と頼んだのも、恩着せがましくなく、自然な交換(思いやり)で解決しようとするりんらしさが出ていますよね。
Q3:美津の「こえー」という言葉はどこの方言ですか?
茨城・栃木・群馬など北関東一帯で使われる方言で、「疲れた」という意味です。
「こわい(疲れた)」が訛ったものと言われており、「こわい(怖い)」とは全く別の言葉です。
なおじも子どもの頃から使っていて、大人になって全国では通じないと知り、かなり驚いた記憶があります(笑)。
美津が東京暮らしの中でもこの方言を使うシーンは、会津から東京へ来た一ノ瀬家のバックボーンと、水野美紀さんの芝居のリアリティが重なった、温かいシーンだったと思います。
Q4:シマケンの「やりたいことが仕事になる人はほんのわずかだ」という言葉の意味は?
明治時代という時代背景を考えると、これは非常にリアルな言葉です。
当時の女性にとって「働く」選択肢は極めて限られていました。
りんのように看護を選んだこと自体が、すでにやりたいことに向かう行動であり、シマケンはそれを知りながら、あえて「悩めるのは幸せ」と付け加えた。
否定ではなく、励ましの裏返し——なおじはそう読みました。
それにしても、シマケン‥、何者?
Q5:多江が日本髪に戻った理由として考えられることは?
現時点ではドラマの伏線段階です(確定情報ではありません)。
推測すると、家の事情(家族の反対・縁談など)か、何か外部から受けた圧力ではないかとなおじは感じています。
多江は頭でっかちと言われながらも、実は家と学校の間で板挟みになっている可能性がある。
洋髪を日本髪に戻すことは、この時代においては「社会のルールに戻る」という象徴的な行為。
明日以降の展開でその理由が明かされるはずなので、注目したいと思います。
お見合い‥?
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筆者紹介|なおじ
なおじは元社会科教師として教育現場に35年間携わり、指導主事を5年、校長を11年務めました。
退職後もボランティアで子どもたちに学習を教えています。
社会科・歴史を長年教えてきたので、時代背景や史実との比較が得意分野です。朝ドラの「あの一言」の背景に何があるのかを掘り下げるのが楽しみで、毎朝欠かさず観ています。