
こんにちは、なおじです。
風薫る12話、とんでもない人物が現れましたね。
島田健次郎こと「シマケン」。
第11話でチラリと登場した謎の青年が、ついに本格始動です。
流暢なフランス語に、モーパッサン。
そして「先生と呼ばれたのは初めてです」というあのセリフ。
なんと12話放送当日、「シマケン」がXのトレンド入りをするほどの衝撃でした。
今回は、シマケンの魅力と、直美の鹿鳴館ゲット作戦を元教師なおじが読み解きます。
この記事でわかること
- シマケンこと島田健次郎はどんな人物か
- 「金田一に似ている」と言われる理由
- モーパッサンと明治日本のつながり
- 直美が鹿鳴館のメイドになれた理由
- りんが英語を学ぼうとした背景
シマケンは金田一か 謎の青年の正体
くしゃくしゃ髪とメガネ、その既視感
「どこかで見たことある雰囲気だなあ」と思ったなおじ。
なんと視聴者の間でも「金田一耕助みたいだ」という声が相次いでいたんです。
島田健次郎を演じるのは、Aぇ!groupの佐野晶哉さん(2002年兵庫県出身)。
朝ドラ初出演で、このインパクト。
くしゃくしゃ髪にメガネというビジュアルが、昭和ミステリーの名探偵・金田一耕助を連想させるという声がXで続出。
なおじも最初に映像を見たとき、「あ、こういうタイプ、学校に一人いたな」と思いましたよ。
成績だけは飛び抜けているのに、制服のネクタイが曲がってる生徒(笑)。
「何者かにしたがるのですか」の哲学
りんが「あなたは何者ですか」と問いかけると、シマケンは逆に切り返す。
「どうしてそんなに何者かにしたがるのですか。
何者でも生きていける社会の方が、僕は助かりますけどね」
相当な変わり者です。
でも、この感覚ってよくわかりませんか。
社会の肩書きや立場よりも、「とりあえず今日を生きていけること」を優先する人。
学校で言えば、進路相談のとき「特に志望校はないです」と平然と答えてくる生徒に近い。
なおじは35年間でそういう生徒に何人か会いましたが、だいたい後からとんでもない才能が出てきたんですよ。
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モーパッサンを探すシマケン 明治の知識人像
極東の雑貨屋でモーパッサンを探す理由
流暢なフランス語で、モーパッサンの詩集を探す。
「極東の日本の雑貨屋で?」とツッコみたくなりますよね(笑)。
ところが、これは当時の時代背景としてリアルなようなんすね。
ギ・ド・モーパッサン(1850〜1893)の作品が日本語に訳され始めたのは、明治30年代から。
つまり12話の時点(明治初〜中期)では、まだ翻訳も少なく、原書か英訳で読むしかなかった時代。
そんな時代にモーパッサンを知っていて、しかもフランス語で直接探せるシマケンは、明らかに並外れた教育を受けた人物ですよね。
こいつ、一体何者‥、と日本中の人が突っ込んだでしょうね。
一方で、当時の知識人の間ではフランス文学への関心が急速に高まっていたのも事実のよう。
国木田独歩や田山花袋も、モーパッサンを貪るように読んでいたことが記録されていました。
何にしても、シマケンは、「ただ者ではない」という予感が確信に変わりましたね。
先生と呼ばれたショック
りんが「先生?」と呼びかけると、シマケンは「先生と言われたのは初めてです」と驚く。
ここが面白いんですよ。
普通の若者なら嬉しがるところなのに、ショックを受ける。
なおじ的には「先生と呼ばれると責任が生じる、という感覚が出てしまう人」だと読んでいます。
どこかで教える経験があったか、あるいは”先生”という権威に対して複雑な感情を持っているか。
シマケンの今後の役割が、どんどん気になってきましたよ。
環が「かか」と登場 シマケンの本名判明
おかあさんは関西発祥の言葉
りんの娘・環(たまき)が「かか」と呼びながら店に出てくる場面。
「おかあさん」という呼び方が関西から広まった言葉だという豆知識もさりげなく挟んでくる。
こういう言語トリビアをサラリと入れてくるのが、このドラマの好きなところです。
そして、この場面で島田健次郎という名前が判明。
略してシマケン、というわけです。
「シマケン」と呼ばれた瞬間、なんだか一気に距離が縮まった気がしましたね。
謎の青年が、ちょっと身近になった。
シマケンが抱える今後の役割とは
シマケンはりんに「あなたは何者か」と逆に問いかけてから、その日は店を去っていく。
今後どういう役割を担うのか。
原作の設定では「新しく生まれた言葉や外国語に造詣が深い人物で、りんのよき相談相手になっていく」とされていました。
なおじの見立てでは、このシマケン、ただの相談役では終わらないと思っているんですよ。
フランス語とモーパッサンと、「肩書きより生きていける社会を選ぶ」思想。
明治の廃娼運動や社会変革との絡みが出てきそうで、目が離せません。
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卯三郎の辞書と直美の英語作戦
「リターンさえあれば上げる」 卯三郎の計算
卯三郎がりんに辞書を貸してくれる場面。
「リターンさえいただければ、上げる?」という一言が、いかにも卯三郎らしい。
この人、情けをかけているように見えて、常に算盤をはじいているんですよ。
「訳ありの親子、何かしらリターンがあるでしょう」と呟く卯三郎。
商人の嗅覚、というやつですね。
なおじが商店街で商売をしていたら、絶対そういう計算はできないだろうなあ(笑)。
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直美が英語を学ぶ覚悟
りんは神父の吉江に、英語の勉強を始めたと告げる。
「娘のため、生きるため、何でもやろうと思って」という言葉が重い。
したたかさと必死さが同居する直美の姿、このドラマで一番好きなところかもしれません。
英語より 娘のためなら なんでもいい
この母の強さ、元教師のなおじには刺さります。
PTA懇談で、娘のためならと必死に話す保護者の顔と重なりますから。
直美が鹿鳴館のメイドになった方法
嘘泣きと偶然を装った計算
まず八百屋から嘘泣きで株(野菜の余り)をせしめる直美。
「したたか」という言葉がぴったりですね。
そして、インドに行くメアリーから洋服をもらい、捨松の馬車を「偶然」狙って倒れるふり。
「通訳の父が病に倒れた」と嘘をついて、鹿鳴館のメイドの座を直談判。
この展開、ちょっとトントン拍子すぎてクスッとしましたよ。
「ですが、これが私の人生です」という一言で捨松の心を掴み、メイドに採用。
この一言で全部持っていくのが直美の強みですね。
なおじが若い頃なら、「それ計画的でしょ」とツッコんでいたところですが、明治の女性にここまでのバイタリティがあったとは(笑)。
まともな結婚のための鹿鳴館
直美がメイドになる目的は「まともな結婚をするため」。
鹿鳴館という場で、上流階級の人物に近づく。
これが直美の戦略です。
そして「あなたをアメリカに連れて行かなくて良かった。
そう思えるような知らせを待っています」というメアリーの言葉が温かい。
自分らしい人生を歩んでいるか、ちゃんと見届けると言ってくれている仲間がいる。
明治という時代、女性が自分の力で道を切り開くことの難しさと、その先の輝きを感じた場面でした。
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Q&A|風薫る12話の疑問まとめ
Q1. シマケンを演じている俳優は誰ですか?
Aぇ!groupの佐野晶哉さんです。
2002年兵庫県出身で、STARTO ENTERTAINMENT所属のアイドル。
2024年5月「《A》BEGINNING」でCDデビューし、今回の「風、薫る」が朝ドラ初出演となります。
オーディションで役を勝ち取ったことも話題になりました。
Q2. シマケンがモーパッサンを探すのはなぜ?
シマケンはフランス語を話せる知識人として描かれています。
ギ・ド・モーパッサンは19世紀フランスの自然主義文学を代表する作家で、日本では明治30年代から翻訳が広まりました。
12話の時代(明治初〜中期)は翻訳も少なく、原書を探すことが知識人のステータスだった時代背景があります。
シマケンは、おそらくモーパッサンを原書で読んでいたんでしょうね。
Q3. 直美が鹿鳴館のメイドになれた決め手は何ですか?
捨松(大山捨松)に「これが私の人生です」と言い切ったことです。
また英語を話せること(父が通訳だと嘘をつくことで証明)が採用の決め手になりました。
鹿鳴館では外国人との対応に英語が必須だったため、この能力が評価されたわけです。
Q4. 「おかあさん」は関西から広まった言葉というのは本当ですか?
ドラマの中でそのように描かれていました。
「かか」「おっかあ」など地域によって呼び方が異なった時代に、「おかあさん」という丁寧な言い方が関西方面から広まったという言語史上の説があります。
ただし確定的な史実というよりも諸説あるため、「ドラマでの描かれ方」として楽しむのがよいかと思います。
Q5. りんと直美が英語を学ぶ展開は史実と関係ありますか?
モデルとなった大関和さん・鈴木雅さんは、明治期に英国式の看護教育(トレインドナース)を受けた実在の人物です。
当時の看護教育はお雇い外国人教師が中心で、英語が必須でした。
りんと直美が英語を学ぼうとする動機づけは、看護師への道につながる重要な伏線です。
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筆者紹介|なおじ
なおじは元社会科教師として教育現場に35年間携わり、指導主事を5年、校長を11年務めました。
退職後もボランティアで子どもたちに学習を教えています。
社会科・歴史を長年教えてきたので、時代背景や史実との比較が得意分野です。
シマケンがモーパッサンを探す場面のように、「ドラマの中の歴史的文脈」を読み解くのが、なおじの楽しみのひとつです。