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風、薫る21話感想|看護婦養成所に集まった7人の素顔を元教師が読む

こんにちは、なおじです。

風、薫る21話、いよいよ看護学校編の幕開けです。

第5週のタイトルは「集いし者たち」。

梅岡女学校付属看護婦養成所に集まった第1期生7人と、個性的すぎる教員たちが登場しました。

直美の短い髪、校長先生の飄々とした名言、そして一筋縄ではいかない仲間たち。

なおじ、笑いながらも元校長として「うんうん、あるある」とうなずきっぱなしの回でした。

この記事でわかること

  • 風薫る21話のあらすじと見どころ
  • 梶原校長の名言と逃げ足を元校長が読み解く
  • 7人の第1期生それぞれの個性と注目ポイント
  • 梅岡女学校のモデル「桜井女学校」と史実の背景
  • 史実では誰が看護婦たちを指導したのか?
目次

看護学校編スタート・直美の短髪が語るもの

短髪という覚悟・明治時代の意味

直美が髪をバッサリ短く切って登場した瞬間、思わず「おっ」と声が出ました。

現代の感覚では普通のショートヘア。

でも明治時代の女性にとって、髪を短く切るというのは相当な覚悟のいる行動。

「女らしさ」の象徴だった長い黒髪を自ら切り落とす。

それが後の自己紹介のセリフと、ピタリと重なってくるわけです。

「何ももたない女が生きていくため」の直美

校長先生に髪の理由を問われた直美の答えが、これ。

何ももたない女が生きていくために、この養成所に入った。

親の顔も知らず、教会を転々と育った直美。

プライドも家柄も何も持っていないからこそ、「生きる手段」として本気で看護の道を選んでいる。

上坂樹里さんの、一点の迷いもない目が印象的でした。

👉関連記事:大家直美とは?上坂樹里が演じる東京育ち看護婦の軌跡

梶原校長の名言・元校長が唸った瞬間

挨拶中に生徒に質問する校長

梶原敏子校長、最初のシーンからなかなかのキャラクター。

第1期生への大事な挨拶の最中に、直美の短い髪が気になって話が止まってしまう。

そして途中で話を中断し、「どうして髪が短いのですか?」と直接聞いてしまう。

なおじ、校長を11年やりましたが、入学式の挨拶中に生徒に質問したことは一度もありません(笑)。

気になっても、その場は流すのが普通というものです。

…って言いたいところだけど、梶原校長の場合は、それが後の名言への布石になってしまうんですよね。

即興の言葉が会場全体を包んだ瞬間

直美の答えを聞いた校長先生のアドリブが、見事でした。

「大家さんの看護への熱意はよく分かりました。

実は、私は看護のことはよく分かりません。

皆さんは看護婦第1期生ですから、この養成所に来て良かった、正しかったと思える者に、皆さんがおのおのでなりましょう。

完全に即興ですよね、これ。

直美の言葉を一瞬で受け止めて、それを第1期生全員への激励に変換してしまった。

「私は看護を知らない」と正直に認める謙虚さも含めて、場の空気を読む技術が高い。

なおじも校長として数々の式典でスピーチをしてきましたが、「その場の言葉を拾って全員へのメッセージに変える」技能は、本当に難しい。

梶原校長、この一点においては満点をあげたい。

名言の直後に颯爽と逃げる

ただし、名言を言い終わった直後に校長先生はサッとその場を立ち去りました。

担当の松井エイに丸投げして、あとはもう関わらない。

「やっかいなモノとは関わりたくない」という魂胆が、あまりにも透けて見える(笑)。

いい言葉を言った直後にこれをやると、完全に「言うだけ言って逃げる人」になってしまう。

35年教師をやってきたなおじの経験上、このタイプの管理職は一定数います。

演説だけ一流で、後片付けは全部部下に丸投げするやつ。

…なんかリアルで何人か顔が浮かびますね(笑)。

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松井エイの困惑と「史実の指導者問題」

英語教師が看護学校の舎監になった理由

担当の松井エイ先生は、もともと女学校の英語教員

校長に請われて「急きょ」養成所の舎監兼通訳になったという設定。

看護の専門知識はゼロ。

校長も看護を知らない。英語の先生も看護を知らない。

では、いったい誰が看護を教えるんですか???

「英語教師が舎監になる」って、学校で言うと、

体育の先生が急に「明日から化学担当ね」と言われるようなもの。

そりゃあ困惑しますよね(笑)。

梅岡女学校のモデルは桜井女学校

梅岡女学校のモデルは、桜井女学校(後の女子学院)です。

そして大関和さんたちが実際に学んだのは、桜井女学校附属看護婦養成所がモデルとなっています。

キリスト教の精神を基盤とした女子教育という点も、ドラマの設定に反映されています。

史実では、当時の看護教育は欧米の宣教師や医師、あるいは洋行帰りの女性たちによって担われていたと考えられています。

大山捨松のような女性たちの働きかけが、この道を切り開いたわけです。

ドラマが「指導できる教師がいない問題」を正直に描いているのは、史実の過酷さを反映しているのかもしれません。

👉関連記事:朝ドラ「風、薫る」キャストとあらすじ総まとめ

第1期生7人の自己紹介・癖ありすぎ問題

しのぶ・喜代・トメの個性とその先

自己紹介シーンは、この回のハイライト。

まず柳田しのぶ木越明)。日本橋の呉服屋の娘で、ナースの制服に憧れて入ったというミーハー娘。

一見、脳天気なお嬢様タイプに見えるけれど、こういう子が後半に大化けするんですよ。

35年教師をやってきたなおじの経験則では、入り口が「制服に憧れた」でも、本番で一番強かったりする。侮れない。

泉喜代菊池亜希子)は32歳。キリスト教の信仰から看護に志したという。

直美に親近感を持って近づいたのに、直美から「私はそこまで信仰心にあつくありません」とピシャリとやられる。

直美ちゃん、相手は「友達になろう」って言いたいだけだよ。

どうしてそこまでツンケンするの(笑)。

工藤トメ原嶋凛)は青森・津軽の娘。愛嬌があるタイプで、場を和ませる役割になりそうです。

直美と多江・実は似た者同士

玉田多江生田絵梨花)は、父が旧幕府の奥医師、兄も弟も医者という名門出身。

「私は他の人とは違いますのよ」オーラを全開にしているキャラクター。

直美とはすぐにいがみ合いが始まる。

ところが、このやりとりをよく見ていると、気づくことがあります。

直美の「何このやりとり(うんざり)」という反応と、多江の「女子のなれあい、うっとうしい」というつぶやき。

ほぼ同じ感情を、別の言葉で表現しているんですよね。

そして二人とも、他者を斜に構えて見る傾向がある。

世の中を素直に受け取らず、どこかひねった視点で見ている。

「私はあなたとは違う」と多江は言うけれど、なおじには「あなたと一番似ているのは多江さんでしょうよ」と言いたくなります(笑)。

いがみ合っているようで、実は同じ価値観を持っている二人。

この関係が今後どう変わっていくか。

これが楽しみなところ。

斜に構え 似たもの同士が 火花散る 養成所の 春の一日

それにしても生田さんの多江の演技、お見事!

生い立ちが育んだ多江の悲しく冷たい氷のプライドが、生田さんの演技でピシピシッと伝わってきました。

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史実の「指導者問題」・大関和を育てたのは誰か

明治20年代・看護教育の体制がなかった

ドラマのモデルである大関和(りんのモデル)は、明治20年代に看護婦としての訓練を受けました。

史実によれば、大関和は1891年(明治24年)に新潟県の知命堂病院で看護婦長となり、後に附属看護婦養成所で教員も務めています。

では最初に誰が彼女たちを指導したのか?

当時の日本には、体系立てられた看護教育の仕組み自体がなかった。

「誰に教わればいいか」が分からないところからのスタート。

「何もないから、まず自分たちでやってみるしかない」という状況。

だとすれば、梶原校長の「皆さんがおのおのでなりましょう」という即興の言葉は、アドリブどころか、当時の本質を突いた一言だったのかもしれません。

ドラマが正直に描いた「からっぽからの出発」

ドラマが「看護を教えられる人間がいない」という状況を、あえてそのまま描いているのは面白い演出だと思います。

英雄がいて、知識があって、完璧な体制から始まるのではなく。

何もないところから、癖のある人間たちが集まって、手探りで作っていく。

これが看護婦第1期生の実態だったのかもしれないと思うと、この物語がより立体的に見えてきます。

最後に立ち上がった子が気になりすぎる

7人目、諍いを聞いていた最後の子が突然立ち上がり「ナイチンゲール女史は、深い慈しみをもった優しい人ですわ」と言い出した場面。

21話最大の謎。

東雲ゆき(中井友望)という人物らしい。

ナイチンゲールを引き合いに出すということは、かなりの知識を持った子のようです。

でも突然立ち上がるというのも、なかなかに普通じゃないですよね(笑)。

宿題の提出状況を確認中に突然立ち上がって詩を朗読し始めた生徒を思い出しました(笑)。あれも度肝を抜かれた。

続きは明日を待ちましょうか。

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よくある疑問・Q&A

Q. 梅岡女学校のモデルとなった学校はどこですか?

A. 梅岡女学校のモデルは桜井女学校(現在の女子学院)です。
桜井女学校の附属看護婦養成所が、ドラマの「梅岡女学校付属看護婦養成所」のモデルとなっています。
キリスト教の精神を基盤とした女子教育を行っていた点も、ドラマの設定に反映されています。

Q. 梶原校長を演じているのは誰ですか?

A. 梶原敏子校長を演じているのは伊勢志摩さんです。
梅岡女学校の校長と看護婦養成所の所長を兼任する役です。
時代を切り拓く女性の育成に熱心な人物として描かれています。

Q. 玉田多江を演じているのは誰ですか?

A. 玉田多江を演じているのは生田絵梨花さんです。
旧幕府奥医師の娘という高い家格を持ち、プライドの高いキャラクターとして登場。
直美との対立と、二人が「実は似た者同士」という関係性が今後の見どころになりそうです。

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Q. 史実の大関和は、どこで看護の訓練を受けたのですか?

A. 大関和は、鈴木雅(直美のモデル)が設立した東京看護婦会などで実践を積み重ね、1891年(明治24年)に新潟・知命堂病院で看護婦長となりました。
後に附属の看護婦養成所で教員も務めています。

Q. 松井エイはなぜ英語教師なのに舎監になったのですか?

A. ドラマの設定では、校長の梶原敏子に請われて急きょ舎監兼通訳として養成所に加わったとされています。
専門外であることに本人も戸惑っており、個性の強い生徒たちに囲まれて奮闘する様子が今後描かれそうです。

筆者紹介|なおじ

なおじは元社会科教師として教育現場に35年間携わり、指導主事を5年、校長を11年務めました。
退職後もボランティアで子どもたちに学習を教えています。

社会科・歴史を長年教えてきたので、ドラマに登場する史実の背景を読み解くのが得意分野です。
梶原校長のような「名言を言った直後に逃げる」タイプの管理職も、実際に何人か見てきた経験があります(笑)。

現在は8つのブログでドラマ芸能政治歴史スポーツ学び書評を書いています。

風、薫る21話

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