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『風、薫る』115話感想|セツの再出発と直美の強さ、シマケン再登場

セツ(村上穂乃佳)がりんの応急処置を目の当たりにし、恵風看護婦会で働く一歩を選んだ第115話。寛太へ真正面から向き合う直美、セツの背中を押したしのぶ、学校帰りの環の前に現れたシマケンまで、それぞれの時間が動き始めた朝でした。

人は、誰かに救われたあと、どうすれば自分の足で立てるのでしょうか。

『風、薫る』115話感想|セツの再出発と直美の強さ、シマケン再登場

ほうき持ち 

 挨拶ひとつ

   戸をくぐる

セツが頭を下げたとき、画面の空気が変わりました。「よろしくお願いします」という小さな一歩です。でも、人生のどん底を這ってきた人が口にするその言葉は、ずしりと重い。なおじは、ここからセツの人生がもう一度動き出す気がしました。

第115話の人間模様を追う前に、ドラマ全体の時代背景と、りん・直美のモデルになった人物を押さえておくと、二人が看護の道に賭ける重みが深まります。

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全26週・130回の放送構成と、近代看護を切り開いた実在モデル2人の歩みをたどれます。

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目次

この記事のポイント

Q1. 風、薫る 115話でセツはどうなった?

セツは、りんと直美のもとで働く道へ踏み出しました。看護婦になることだけを急がず、まず自分にできる仕事を見つけ、学び直そうとする姿が印象に残ります。

Q2. 風、薫る 115話での直美と寛太の関係は?

直美は寛太の仕事ぶりを認めたわけではありません。それでも、患者に何かあれば連絡するよう伝えました。寛太ではなく、その先にいる患者を見ているからです。

Q3. 風、薫る 115話でシマケンはなぜ再登場した?

学校帰りの環の前に、シマケンが現れました。環が絵を描きながら進路を考える場面での再会です。止まっていた時間が、ふいに動き出したようでした。

セツが見つけたのは「看護の入口」ではなく自分の道

セツの患者が急に容体を崩し、寛太のもとへ助けを求めて駆け込んできました。担当していた患者は日射病です。そこに居合わせたりんが応急処置を行い、患者は大事に至らずにすみます。

セツが目の前で見たのは、りんの手際だけではありません。命を預かる仕事に、知識と経験がどれほど要るかという現実でした。

りんの応急処置が示した訓練の重み

りんは、セツが水を飲ませていたから軽症ですんだのだと、まずセツの行動を認めました。そのうえで、看護は命に関わる仕事だと伝えます。

責めるより先に、患者を助ける。けれど、気持ちだけでは越えられない線もある。セツが驚いた表情には、資格や技術を遠い世界の話にしていた自分が、急に足元を見た瞬間が映っていたようでした。

セツがいた寛太の看護婦会は、前話から続く大きな問題です。なぜセツがそこにいたのかを振り返ると、今回の急変が持つ重さも見えてきます。

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無資格者を抱える看護婦会の実態と、セツの再登場が突きつけた問題を振り返れます。

しのぶの説諭はセツを責めなかった

しのぶは、セツを甘い言葉で包むのではなく、まっすぐに言葉を渡しました。その説諭が胸に残ったのは、セツの過去を裁く響きではなかったからです。

しのぶの心には、「ここで自分を投げ出すな」という熱があった。なおじには、あの強さが、セツの明日へ差し出された手のように見えました。

苦しみを知っている人に、きれいな正論は届きません。けれども、しのぶはセツの傷をなでるだけでもなかった。だからこそ、セツの胸へ届いたのでしょう。あの場面には参りました。

這いつくばった経験が次の一歩になる

セツは、りんや直美のもとへ来ました。看護婦になる夢へ、すぐに届くわけではありません。

それでも、セツは人生のどん底を這いながら越えてきた人です。掃除をし、文字を覚え、働く場所を自分でつかみ直す。その積み重ねは、目立たなくても強い。

逆境の中で折れずに進む力を考えると、セツの再出発は「励まされたから立ち直った」という単純な話ではありません。苦しんできた時間ごと、自分の次の仕事へ変えようとしているのです。

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苦しい状況で心を立て直し、次の行動へ移すための考え方を紹介しています。

誰かに救われたセツが、いつか自分の足で、誰かの役に立つ場所へ立つ。その入口に見えた「よろしくお願いします」でした。

寛太に正面から向き合う直美は「見捨てない先生」に見えた

寛太が「セツだけを救っても何も解決しない」と言うと、直美は「今やれることをやる」と返しました。その言葉がいい。大きな問題を前にしても、目の前の一人を見失わない直美らしさが出ていました。

怪しさを見抜いても人を雑に切り捨てない

直美は、寛太の看護婦会をそのまま認めたわけではありません。患者に何かあれば連絡するよう伝え、寛太が親切だと受け取ると、「あなたのためじゃない。患者さんのため」と返します。

この一言、痛快でした。

相手の怪しさを見抜きながら、困っている患者まで見捨てない。直美が守っているのは、正しさの看板ではなく、患者の命です。だから言葉がぶれません。

直美がどうしてここまでまっすぐに患者へ向き合えるのか。その歩みをたどると、今回の強さは急に生まれたものではないと分かります。

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教会で育った直美が、看護婦として自分の居場所を見つけてきた時間を追えます。

やんちゃな生徒に接するベテラン教師のように

長く学校にいたなおじには、直美が、やんちゃな生徒の前で一歩も退かないベテラン教師に見えました。間違いは見逃さない。けれど、相手を「もうだめな人」と決めつけない。その距離で向き合うのは、簡単ではありません。

寛太をかばうのではない。寛太の向こう側にいる患者を見ている。だから直美は、言うべきことを言い、必要な連絡の道は残したのでしょう。

寛太の口からこぼれた「今やれることをやる」という言葉が、直美の背中を追っていました。

環の絵とシマケン再登場が運んだ次の風

環が絵を描いていました。学校帰りの娘が、自分の手で世界を写し取っている。その静かな場面のあとに、シマケンが現れます。

えっ、シマケン?

第115話のラストで、なおじの目は一気に覚めました。

絵を描く環に見える自分で選ぶ芽

環は、ただ暇つぶしに絵を描いていたのではないように見えました。何を見て、何を残したいのか。言葉にできない思いを、絵筆の先に預けているようでした。

りんや直美も、与えられた人生の筋書きから外れて、自分の仕事を選んできました。環にもまた、自分で選びたい未来が芽を出しているのかもしれません。絵を描く横顔が、そんなふうに見えたのです

環とシマケンを含む人物関係を振り返ると、この再会が急に置かれた場面ではないことも見えてきます。

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りん、直美、環、シマケンをめぐる人間関係を、グループごとに確認できます。

短髪のシマケンがまとった新しい強さ

短髪のシマケンがまとった新しい強さ

学校帰りの環の前に現れたのは、久しぶりのシマケンでした。短髪になった姿に、なおじも「おっ」と目を奪われました。

シマケンは、一月前に浜松の実家を売り払い、甥と二人で環の通う中学近くへ越してきたと話しました。セツの患者の日射病とともに、第115話で実際に描かれた出来事です。[web:23]

浜松へ帰ると決め、りんと別れたあの頃のシマケンを思うと、ここで環の前へ現れたことが、なんとも意味深です。郵便配達の仕事に就いた姿にも、生活を引き受けてきた時間がにじみました。

短髪になっただけではありません。迷いを抱えながらも、自分の足で次の場所へ来た人の顔でした。

絵筆止め
 短髪の人
  見上げる娘(こ)

第23週前半からの人物の動きを振り返ると、環とシマケンの再会が置かれた意味も見えやすくなります。

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第23週前半に描かれた人物たちの時間をたどることで、今回の再会へ続く流れを確認できます。

恋の結末より再会が動かす時間

環が絵を描き、そこへシマケンが戻ってきた。この並びが、実に気になります。

恋の行方を急いで決める必要はないかもしれません。でも、二人が再会したことで、環が抱えていた進路の迷いにも別の言葉が生まれるかもしれない。シマケン自身もまた、環の前で新しい顔を見せるのでしょうか。

「また、恋の風が吹くのか」。第115話のラストを見終えたなおじの頭には、その言葉だけが残りました。

よくある質問(Q&A)

セツは恵風看護婦会で看護婦になるのですか?

第115話では、セツがりんや直美のもとで働く一歩を選びました。すぐに看護婦になる結論ではなく、自分にできる仕事をしながら学び直す時間が始まったように見えます。

りんはセツの患者をどう助けたのですか?

急に容体を崩した患者に、りんが応急処置を行い、大事に至らずにすみました。セツにとっては、看護の技術と責任を目の前で知る出来事になりました。

しのぶの説諭にはどんな意味がありましたか?

しのぶの言葉は、セツの過去を責めるためのものではなく、自分の人生を投げ出さないでほしいという励ましに聞こえました。厳しさの奥に、仲間としての熱がありました。

直美はなぜ寛太に患者のことを連絡するよう伝えたのですか?

直美が見ていたのは寛太のためではなく、助けを必要とする患者でした。問題のある仕事は見過ごさず、それでも患者の命を後回しにしない。直美の姿勢がよく出た場面です。

シマケン再登場は何を意味するのでしょうか?

環が絵を描き、自分の進路を考え始めた場面でシマケンが現れました。恋の結末を急ぐより、二人の再会がそれぞれの迷いへどんな言葉を運ぶのかが気になります。

筆者紹介|なおじ

なおじ

公立小・中学校で約35年、社会科教師として子どもたちと向き合い、校長を11年、指導主事として学校現場を支える仕事も経験してきました。問題を起こす子どもにも、叱るべき場面と、次の一歩を待つ場面がある。その難しさと大切さを、現場で何度も見てきたつもりです。

この記事では、直美が寛太へ示した「線を引きながら見捨てない」姿勢と、セツが自分の道を探し直す時間を、教育現場での経験も重ねながら読みました。

現在は8つのブログで、ドラマ芸能政治歴史スポーツ学び書評を横断し、人の生き方と社会のつながりを考えています。

風、薫る115話

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