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風、薫る114話感想|えっ、セツがいた! 寛太の看護婦会

寛太の看護婦会で働いていたのは、かつてりんたちが看たセツでした。えっ、セツがここにいるのか。無資格看護への怒りが先に立つ一方で、彼女が働く姿を見た瞬間、寛太を悪人の一語で片づける足元が少し揺れました。

寛太は行き場のないセツのような女性たちを助けているのか???
それとも、やっぱりただの詐欺師なのか???

命を預かる仕事は、看板だけで務まるのでしょうか。

看板の
 文字は達者で
  脈迷う

『風、薫る』第114話は、寛太の看護婦会が抱える危うさと、そこで働くセツの生活の切実さを同時に映した回。りんと直美が迷い、確かめようとしたのは、商売のからくりだけではありません。「看護」の名が誰のために使われているのか――その問いだったのかも‥。

『風、薫る』が描く看護の道は、明治に実在した大関和さんと鈴木雅さんをモチーフにしています。ドラマの時代背景と二人のモデルを知ると、寛太の看護婦会がなぜこれほど不穏に映るのかも見えてきます。

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明治の近代看護がどのように形になっていったのか、ドラマの土台からたどれます。

風、薫る114話感想|寛太とセツが映した看護の看板と働き口
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目次

この記事のポイント

Q1. 『風、薫る』第114話でセツとの再会は何を意味した?

『風、薫る』第114話でセツは、かつて患者だった立場から、寛太の看護婦会で働く側としてりんと直美の前に現れました。無資格看護の危うさだけでなく、女性が働き口を求める切実さも浮かび上がる再会でした。

Q2. 寛太の看護婦会は何が問題だった?

寛太の看護婦会は、資格のない女性を雇って派出看護を商売にしている点が問題です。患者の急変時に適切な対応が難しくなれば、患者の安全だけでなく、看護そのものへの信頼も傷つきかねません。

Q3. 寛太はただの悪人ではないの?

寛太のやり方には患者の命を危険にさらす恐れがあります。ただ、セツたちにとっては働き口や賃金を得る場にもなっているようで、寛太を単純に悪人とだけ言い切れない複雑さが描かれました。

登場人物の関係を振り返ると、セツがここで再び現れた意味がもっと見えてきます。

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寛太の看護婦会に見えた危うい仕組み

りんと直美が目にしたのは、「看護婦会」の看板の下で無資格の女性たちが働く現場でした。看板は立派でも、患者の急変を前に何ができるのか。その問いだけが、寛太の笑顔より先に残ります。

看護の名前が先に立つ怖さ

寛太は、ほかの派出看護のことは知らないという顔をしていました。けれど、看護婦会の中に資格を持たない女性たちがいるなら、りんと直美が黙って帰れないのも当然です。

看護は、患者のそばに座る優しさだけでは足りません。顔色の変化、息づかい、手の冷たさ。小さな異変を見落とさず、必要な手当てにつなぐ仕事です。第115話でセツの担当患者が急変する予告が出たことで、その怖さが一気に現実になりました。

前話で何が積み重なり、寛太の名が不穏に響き始めたのかも振り返っておきたいところです。

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派出看護をめぐる悪評と、寛太への疑いが濃くなった第113話の流れをたどれます。

働く女性を受け入れる場所でもある

それでも、寛太の看護婦会にセツがいた‥。ここで話は急に単純ではなくなります。

セツが寛太のもとで働き、生活の糧らしきものを得ている姿は、りんと直美にとっても簡単に責め切れない現実だったのでしょう。看護婦会の看板には危うさがある。けれど、その看板の下に、ほかに行き場を見つけられなかった女性がいる。そこが、寛太のやり方をなおじが単純に切り捨てきれない理由です。

ただし、働き口を渡すことと、命を預かる仕事を任せることは別の話。患者が具合を崩したとき、最後に責任を背負わされるのは、看板を出した寛太ではなく、目の前に立つセツたちかもしれない。その形が、なおじにはいちばん苦い。

セツがかつてどんな患者で、りんたちとどうつながってきたのか。人物関係をたどると、今回の再会の重さが見えてきます。

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りん、直美、寛太、セツを含む登場人物の立ち位置と、人間関係の流れを確認できます。

セツの再会がりんに突きつけたもの

セツの姿を見た瞬間、りんの中には、かつて患者として向き合った時間、そしてセツの身の上がよみがえったでしょう。再会はうれしい。けれど、今のセツは人を看る側に立っている。その事実が、りんをただの再開を喜ぶ訪問者ではいさせません。

患者だった人が看護する側にいる

かつて看られる側だったセツが、今は患者のそばに立っている。その姿だけで、時間が一回転したようでした。働く理由をセツは多く語らなくても、寛太の看護婦会に彼女がいるという事実は、りんの胸に刺さったはずです。

セツは誰かの役に立とうとしているのかもしれない。生活のために働いているのかもしれない。
どちらにしても、十分な支えも学びもないまま、急変する患者の前に立たされてしまった。
この事実は、患者にとっても、セツ自身にとっても危機。

包帯を
 巻いた指先
   脈を取る

患者だった日々を知るりんだからこそ、セツの手を「無資格だから」と払いのけるだけにはできない。かといって、そのまま任せることもできない。セツの再会は、りんに看護の厳しさと、人を置き去りにしない難しさを同時に突きつけました。

お節介では終われないりんの専門性

セツの担当患者が急に体調を崩し、寛太のもとへ助けを求めて来ました。偶然居合わせたりんは、おそらく115話で、応急処置を行うでしょう。
その患者はどうなるか‥。
そして、その一部始終をセツは見ているはず――そこでセツは何を感じるでしょう。

115話で、ほぼ間違いなくりんの「お節介」が爆裂するはず。お節介というより、身体が先に動く‥。
目の前で苦しむ人がいる。自分にはできることがある。そのとき看護を学んだ人が動かないほうが、むしろ不自然でしょう。

学校でも、担任かどうか、自分が手を出して良いのかどうかを迷っているうちに、子どもの困りごとは深くなってしまうことがあります。医療と教育は別の仕事です。それでも、表情や声の変化を見て動く責任には、どこか通じるものがあります。

りんが患者を助ける姿を、セツはどんな顔で見るのか。あの場にいたセツの沈黙が、次の回へ静かにつながっています。

平蔵と直美の静かな時間が残した余白

平蔵と直美の静かな時間が残した余白

第114話には、平蔵と直美が囲碁を挟んで向き合う場面もありました。寛太の看護婦会をめぐる張り詰めた空気とは違い、こちらは言葉を急がず、人が相手の時間へ寄り添う場面だったように思います。

囲碁の盤に置かれた言葉にならない不安

碁盤の上では、一手を急ぐと形が崩れます。相手の石を見て、自分の手を置く。直美と平蔵の時間も、そんな呼吸に見えました。

直美は仕事と子育てを抱え、小川を失った後も前へ進もうとしてきた人物です。平蔵がすぐに答えを渡すのではなく、同じ盤を囲むことに意味がある。人は困っているとき、正論よりも「ここにいてよい」と思わせてくれる時間に救われることがあります。

看護婦会の問題では、りんの動きが目立ちます。でも直美は、人の痛みを急いで言葉にしない強さを持つ人です。制度や商売の論理が前へ出た回だからこそ、この静かな場面が人を看るとは何かを逆照射していたのではないでしょうか。

直美が歩いてきた道をたどると、彼女が誰かの沈黙に寄り添える理由も見えてきます。

👉関連記事:大家直美とは?上坂樹里が演じる東京育ち看護婦の軌跡

よくある質問

セツを演じているのは誰ですか?

セツ役は村上穂乃佳さんです。第114話では、かつて患者だったセツが、寛太の看護婦会で働く姿が描かれました。

寛太を演じているのは誰ですか?

寛太を演じるのは藤原季節さんです。第114話では、無資格の女性を雇う派出看護の運営者として、りんと直美が実態を確かめに訪れます。

第114話で再会した「かつての患者」とは誰ですか?

りんと直美が再会したのは、かつての患者であるセツです。セツは寛太の看護婦会で働いており、患者だった頃とは違う立場で二人の前に現れました。

第115話では何が起こりますか?

第115話では、セツの担当患者が急に体調を崩し、寛太に助けを求めて来ます。偶然居合わせたりんが応急処置を行い、患者は大事に至らずに済みます。その姿を見ていたセツが何を受け取るのかが、次の焦点です。

「歩々清風」とはどんな意味ですか?

「歩々清風」は、一歩ごとに清らかな風が吹くという趣を持つ言葉です。寛太の看護婦会を前にしても、りんと直美が急いで答えを決めず、目の前の人へ向き合おうとする第23週の空気と重なります。

筆者紹介|なおじ

なおじ

公立小・中学校で約35年、教師として社会科教育に携わり、校長を11年、指導主事も経験してきました。学校では、制度や理想だけでは救いきれない子どもや家庭の事情に、何度も向き合ってきたものです。

『風、薫る』では、明治という時代に看護が職業として形づくられていく過程を、人物の感情と社会のしくみの両面から読んでいます。
第114話でも、無資格看護の危険性を見落とさず、同時に働く場を求める女性たちの切実さを大切に考えました。

現在は8つのブログで、ドラマ芸能政治歴史スポーツ学び書評を横断しながら、人の生き方と社会のつながりを発信しています。

風、薫る114話

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