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『風、薫る』第113話感想|えっ、寛太?看護の看板を爆下げ

画面に寛太が現れた瞬間、「えっ、そこにいるのか」と声が出た。『風、薫る』第113話は、悪質な派出看護会に入り込んだ寛太、子育ての途中で恵風看護婦会へ戻ろうとするしのぶ、そして何を知っているのか読めない柳生が交差した朝でした。

『あさイチ』の朝ドラ受けで、華丸さんが前日に口にした「寛太ではないか」という読みが、今回の画面で現実になりました。なおじもゾゾゾっとしました。
華丸さん、するどい。

看護の看板の向こうには、助けを待つ人の不安があります。寛太の笑みが、その当たり前を踏みにじるようで、妙に寒かったのです。

看護看板
 値札の奥に
  待つ寝息

『風、薫る』第113話感想

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目次

この記事のポイント

Q1. 『風、薫る』第113話で悪質な派出看護会にいたのは誰?

『風、薫る』第113話で、りんと直美が訪ねた問題の派出看護会にいたのは寛太でした。寛太は派出看護を「今、儲かる」と見ており、看護の信用を商売として扱う危うさを見せました。

Q2. 『風、薫る』第113話でしのぶは恵風看護婦会に復帰する?

しのぶは子育てを続けながら、恵風看護婦会で事務仕事を担う形で戻ろうとします。悪評を知らせるだけでなく、自分にできる役割を引き受けたことが、会にとって大きな支えになりました。

Q3. 『風、薫る』第113話の柳生藤次はりんと直美の味方?

柳生藤次は、悪質な派出看護会の取り締まりを求める直美の訴えを聞きました。一方で、すでに実態へ目を向けていたようにも見えるため、りんと直美にどこまで手の内を見せるのかは分かりません。

寛太の暗躍は「看護の信用」を商売に変えた

問題の派出看護会にいたのは、やはり寛太でした。前日の『あさイチ』で華丸さんが「寛太ではないか」と読んだ相手が、画面に現れたのです。なおじも「あっ」となりました。まさか、派出看護の世界にまで入り込むとは。

悪評が恵風看護婦会へ向かった仕組み

しのぶが聞きつけたのは、派出看護が高額だという悪評でした。その話は、恵風看護婦会のものとして広がっていましたが、実際に問題があったのは別の派出看護会でした。

名前が似ている。看護婦会という看板も似ている。利用する側から見れば、その違いはすぐには分かりません。だからこそ、真面目に仕事をしてきたりんたちまで、同じように疑われてしまう。悪評は、いつも一番弱いところでなく、一番まじめなところにも飛んでいきます。

恵風看護婦会が派出看護へ踏み出した頃を思うと、今回の出来事はなおさら苦いものです。

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華丸さんの想像力が捉えた寛太の気配

寛太は、派出看護を「今、儲かる」と見る男。
その言葉を思ったとき、なおじには看護婦会の看板が薄っぺらく見えていた時代像が見えてしまったのです。

看板の向こうには患者の不安があり、家族の焦りがあり、看護婦たちが積み重ねてきた時間がある。だからこそ、なおさら看板がうさんくさく見える‥。

華丸さんが前日の朝ドラ受けで寛太の名を出したのは、ただの勘ではなかったのでしょう。人の弱り目と、新しく生まれた商いの隙間を、寛太なら見逃さない。そういう人物として、これまでの姿が視聴者の記憶に残っていたのです。

ただ、華丸さんは放送後の朝ドラ受けで、寛太の背後に「もっと悪い人」がいる可能性にも触れました。 寛太の顔が見えたことで終わりではない。あの男の向こうに、まだ別の影があるのかもしれない。朝の画面に寛太が立っていた光景が、まだ頭から離れません。

しのぶの復帰は、恵風看護婦会が育てた仲間の証し

子の寝息 帳簿の欄を 産めてゆく

悪評を知らせに来たしのぶが、そのまま「事務ならできる」と自分の居場所を取り戻していく。あの流れがよかったのです。派出看護会の騒ぎで空気が張り詰めるなか、頼もしい仲間が帰ってきました。

子育ての途中でも働くという選択

しのぶは子育てを続けながら、恵風看護婦会の事務を手伝いたいと申し出ます。以前と同じように現場へ飛び込むのではなく、今の暮らしのなかでできる役割を選んだ。その現実味が、かえって胸に残りました。

明治32年という時代に、子どもを育てる女性が職場とのつながりを持ち続ける。その姿は、今の感覚で見ても簡単なことではありません。けれど、しのぶは大げさなことを言わない。ただ「できること」を提案する。その静かな決意が、恵風看護婦会には必要だったのでしょう。

子の寝息
 帳簿の欄を
  埋めてゆく

現場に戻るのでなく、まず事務を担う意味

しのぶが選んだのは、無理をして以前の場所へ戻ることではありませんでした。事務の仕事ならできる。そのひと言に、家事と子育てを抱えた日々の重さも、仲間のそばにいたい気持ちも、どちらも残っています。

働くか、働かないか。

そんな二つだけではない道を、しのぶは自分の足で探しました。悪評を前にして恵風看護婦会が必要としたのは、看護の手だけではなかったはずです。帳簿を開き、依頼を受け、会の足元を整える手。その手をしのぶが戻してくれたことが、りんと直美にはどれほど心強かったでしょう。

しのぶを含む仲間たちの関係をたどると、恵風看護婦会が二人だけの物語ではないことも見えてきます。

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柳生の再登場に残る、制度側の不透明さ

直美は、悪質な派出看護会の取り締まりを求めて、内務省衛生局の柳生を訪ねました。困っている人を前にして手を動かしてきた直美が、今度は制度を動かす側へ足を運ぶ。第113話の直美は、いつもの勢いだけではありませんでした。

直美が「取り締まり」を求めた重さ

悪評を聞いて、りんと直美は問題の派出看護会へ向かいました。そして直美は、そこで見たものを抱えたまま柳生のもとへ行きます。

以前なら、直美は目の前の相手へ真っすぐ食ってかかったかもしれません。けれど今回は、恵風看護婦会だけの話ではない。誰が看護婦を名乗り、どんな料金を取り、困っている家へ入っていくのか。その先にいる患者や家族の顔まで、直美の目には見えていたようでした。

直美が看護婦として歩んできた時間を振り返ると、この訪問がただの苦情ではなかったことが伝わってきます。

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先回りしていた柳生は、何を見ていたのか

柳生は、りんと直美の訴えを聞きながら、どこか一歩先にいるように見えました。すでに派出看護の実態へ目を向けていたようなのに、二人にはこれから調べるような言い方をする。そこが引っかかりました。

水卜アナの夫としても知られる俳優が演じる柳生は、今回もつかみどころがありません。味方なら頼もしい。けれど、手の内を見せない人物は、味方であっても少し怖い。直美とりんの前に座る柳生の間が、その両方を含んでいました。

第23週は明治32年、派出看護婦会が乱立し、看護の信用が揺らぐ時期として描かれています。柳生の返事を待つ直美たちの表情には、制度の扉の前に立つ人の緊張が残っていました。

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よくある質問

Q1. 第113話で派出看護の悪評を知らせたのは誰ですか?

悪評を耳にして、りんと直美へ伝えたのはしのぶです。その知らせが、二人が問題の派出看護会へ向かうきっかけになりました。

Q2. 悪質な派出看護会にいた人物は誰ですか?

りんと直美が訪ねた派出看護会にいたのは、寛太でした。寛太は派出看護を利益になる商いとして見ている様子を見せました。

Q3. しのぶは恵風看護婦会で何を担うことになりましたか?

しのぶは、子育てを続けながら、恵風看護婦会の事務仕事を担う形で戻ろうとします。

Q4. 直美は柳生に何を求めましたか?

直美は、悪質な派出看護会の取り締まりを求めて、内務省衛生局の柳生を訪ねました。

Q5. 第23週「歩々清風」はどの時代の話ですか?

第23週は1899年、明治32年が舞台です。派出看護婦会が増える一方で、その信用が揺らぐ問題も描かれています。

筆者紹介|なおじ

なおじ

公立小・中学校で社会科教師として約35年、校長として11年、指導主事としても教育現場と社会の接点を見てきました。

明治という時代を扱う『風、薫る』では、出来事を筋書きだけで追わず、女性の就労、職業の信用、制度と現場の距離にも目を向けています。

今回のしのぶの復帰には、家族のなかで働く意思を言葉にし、仲間と役割を分け合う姿を見ました。

現在はドラマ芸能政治歴史スポーツ学び書評のブログを運営し、確認できる作品内描写と、視聴者が抱く疑問、筆者自身の見立てを分けながら、人の選択が持つ意味を考えています。

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