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風、薫る72話感想|りんを襲った正論の残酷さを考察

風、薫る72話 感想としてまず言いたいのは、今回はりんが責められた回というより、正論の重さに押しつぶされた回だったということです。
山本の最期を見届けたあと、看護婦として何を優先すべきかを突きつけられたりんは、明らかに心をえぐられていましたよね。

同じように「今井医師は正しいのに、冷たいのか」「多田院長の言葉は結局どういう意味だったのか」と気になった方も多いのではないでしょうか。

風、薫る72話

こんにちは、なおじです。
元社会科教師として長く子どもたちや保護者、同僚と向き合ってきたので、正論が必ずしも人を救わない場面を何度も見てきました。

読み終わるころには、72話の重さの正体と、りんに次に訪れる試練がかなり整理できるはずです。

この記事でわかること

  • 風、薫る72話で何がいちばん重かったのか
  • 今井医師の言葉が正しいのに苦しく響いた理由
  • 多田院長の「人は城、人は石垣、人は堀」の意味
  • りんが患者に触れることをためらった場面の深刻さ
  • 次回以降の処分や立ち直りの伏線

まず結論から答えます

Q1. 風、薫る72話で一番の見どころは何でしたか?

りんが山本の最期を引きずりながら、看護婦としての立場を厳しく問い直された場面です。正論と気持ちが真っ向からぶつかりました。

Q2. 今井医師の言葉は正しかったのでしょうか?

医療者としては正しいです。ただ、正しいからこそ、傷ついたりんには残酷に響いたとも言えます。

Q3. 多田院長はりんを処分するのでしょうか?

72話時点では断定できません。ただ、即処分よりも病院全体を見た判断をしているように見えました。

目次

風、薫る72話感想|今回はりんが壊れかけた回でした

72話は、山本の死そのものよりも、その後にりんの内側がどう崩れていったかを描いた回でした。

山本の件を受けて、今井はある程度りんをかばっているようにも見えた。
ただその一方で、病院が責任を取りすぎないように線を引いているようにも聞こえたんですよね。

多田院長もかなり客観的。
通常の勤務に戻れと命じたのも、情に流されず職務を優先させた判断だったのでしょう。

でも、見ているこちらとしては、ちょっと冷たい。
いや、かなり冷たい。

りんの反応が納得いかないというより、納得できないほど傷んでいる。
そんな見え方でした。

ここ、教育現場でも少し似た空気があるんです。
大きな失敗をした子に「次から気をつけなさい」は正論です。
でも、その子がもう立てないほど落ち込んでいるときに言うと、正しさがそのまま刃物になることがあるんですよね。

今回の72話は、まさにそれ。
りんは叱られたから揺れたのではなく、自分でもわかっている正しさを改めて突きつけられたから、余計に苦しくなったのだと思いました。

正論が 胸に刺さって 朝が重い

重い朝でしたねえ。

りんは責められたのではない

りんは表面的には勤務に戻れと言われただけです。
けれど実際には、看護婦としての資質そのものを自分で疑い始めていたように見えました。

だからこそ、単なる注意では済まない。
心の足場が崩れた状態です。

本当に描かれたのは心の後遺症

りの心の病

患者の死は一回で終わりません。
見届けた側には、その後も残ります。

りんが患者に触れることに躊躇していたのは、その後遺症が始まったサインでしょうか。
ここをさらっと流さなかった72話は、かなり誠実でした。

通常勤務の指示が逆に残酷

多田院長の「通常勤務に戻れ」は、組織運営としては理解できます。
ただ、心が追いついていない人に平常運転を求めるのは、なかなか酷。

学校でも「明日から普通に来なさい」は、案外いちばん難しい言葉でした。
普通に戻ることほど、普通じゃない。
今回のりんも、まさにそこに立たされていた。

👉関連記事:風、薫る71話感想|山本の嘘とりんの代償

風、薫る72話感想|今井医師の正論はなぜこんなに苦しいのか

今井医師の言葉は、医療に携わる者としては筋が通っています。

今井は、医者の判断より患者の気持ちに従った。
それは医療に携わる者として失格だ、という趣旨のことをりんに言いました。

この意見は、なおじは基本的に正しいと思います。
実際、医療現場で感情だけで判断してしまえば、命に直結する危険がありますからね。

でも、正しい意見なのに、見ていて苦しい。
この矛盾が72話の核心。

正論は、間違いを正す力があります。
一方で、傷ついた相手の呼吸を止める力もある。
そこが怖いところです。

教師時代にもあった。
ルール違反をした生徒を叱るのは正しい。
でも、その子がすでに自分を責め切っているときは、正論を足すほど沈んでいくんです。

今井医師は間違っていない。
けれど、りんの痛みに寄り添う言葉ではなかった。
そのズレが、見ていてしんどかったですね。

医療者としては今井が正しい

患者の意思を尊重することと、命を守る判断は時にぶつかります。
そのとき医療者は、気持ちだけでは動けません。

今井の発言は、その厳しさを代弁していました。
だからこそ、逃げずに言った点は評価したいです。

正しさと救いは別問題

正しい言葉が、その場で人を救うとは限りません。
むしろ、救えない場面の方があるんですよね。

今回のりんは、理屈ではなく、自分の選択で人を死なせたのではないかという痛みの中にいます。
そこへ正しさだけを置かれると、立てなくなる。
この残酷さ、見ていてしんどい朝でした。

だから視聴者も割れそう

今井医師に対して「その通り」と思う人も多いでしょう。
一方で「今それを言うのか」と感じた人もいたはず‥。

たぶん制作側も、その揺れを狙っていたんじゃないでしょうか。
白黒つけられないからこそ、良いドラマ。
いや、朝から胃が重いドラマです。

風、薫る72話感想|多田院長の言葉は処分回避の伏線か

今井医師の発言は、72話の中でもかなり気になるポイントでした。

今井は「だが、もし私が患者なら、命より重んじるものがあるという考えは否定しない。あるいは、あるいは君が患者の友人なら、分からなくもない。だが君は看護婦だ」と言って去りました。

この言葉、厳しいです。
でも完全に切り捨ててもいないんですよね。

さらに渡辺が「小さなうちに厳しく処分しないと」と言ったあと、多田は「その先に、ご自身が処分されることも」と返しました。
ここ、びっくりしました。
渡辺への牽制としてかなり効いていましたね。

そして出たのが「人は城、人は石垣、人は堀」です。
戦国好きにはおなじみの言葉ですが、朝ドラでここに持ってくるか、とちょっと唸りました。

なおじの受け止めとしては、この言葉は「りん個人を切って済ませる話ではない」という意味に聞こえました。
人を簡単に捨てる組織は、結局自分の土台も崩す。
そういう含みだったのではないでしょうか。

多田は責任逃れだけではない

多田院長の言葉は、責任逃れにも見えます。
でも、それだけではなさそうです。

病院の理屈を守りつつ、人を使い捨てにしない線を探っている。
そんな印象でした。

渡辺への牽制が効いていた

「その先に、ご自身(渡辺)が処分されることも」は強かったですね。
あれはりんだけの問題にせず、組織全体の責任を見ている言葉でした。

こういう上司、現場には必要です。
普段は冷静でも、ここぞで暴走を止める。
まるで職員室の火消し役みたいな存在でした。

人は城の意味をどう読むか

「人は城、人は石垣、人は堀」は、人こそ組織の土台という意味で読むのが自然でしょう。
つまり、りんを厳罰にして終わりではなく、人をどう守り育てるかを問うているわけです。

もちろん、処分ゼロとまでは言えません。
ただ少なくとも、見せしめ一本やりではなさそう。
その含みを残したのが72話のうまさ‥。

👉関連記事:風、薫る63話・直美と小川吾郎が激突した

風、薫る72話感想|りんが患者に触れられないのが深刻でした

環

72話でいちばん危うかったのは、りんの心の揺れが行動に出始めたことです。

りんは患者の脈を取ることに躊躇しています。
この描写、かなり深刻でしたね。
看護婦が患者に触れられないのは、仕事の根幹に関わるからです。

少し休んだらと言う直美に対し、りんは「大丈夫」と答えた。
いや、大丈夫じゃない。
見ている側の多くがそう思ったはずです。

こういう「大丈夫」は危ないんですよね。
本人がいちばん無理しているときほど、そう言ってしまう。
教育現場でも何度も見ました。

さらに、その異変を環が感じ取っているのも印象的‥。
大人が隠している傷を、子どもの方が先に察する。
あれ、あります。

脈を取れないのは警報です

患者に触れるのをためらうのは、一時的な動揺以上のもの。
りんの中で「助ける」と「奪ってしまうかもしれない」が結びついてしまったのかもしれません。

そうだとすると、これは単なる落ち込みではありません。
看護そのものへの恐れです。

直美の寄り添いが救い

中庭での語らい

中庭で直美と話す場面は、今回の救いでした。
直美は無理に答えを与えず、りんの言葉を受け止めていましたね。

こういう寄り添い方、大事なんです。
正論で立たせるのではなく、まず崩れた心の横に座る。
直美の成長も感じる場面でした。

環が異変を察した意味

環がりんの異変に気づいているのも見逃せません。
子どもは案外、大人の言葉より空気を読みます。

美津が「お母様は人の命を助ける仕事をしているの。誇りに思いなさい」と言った場面も、きれいごとだけでは終わらない含みが‥。
誇りという言葉が、逆に別れや処分のフラグにも聞こえる。
ここ、うがちすぎでしょうか。いや、気になります。

風、薫る72話感想|山本の最後の嘘がりんを縛り続ける

72話のりんは、出来事そのものより、山本の言葉に縛られていました。

りんは直美に、山本は全部わかっていたこと、妻が手術を選んだことを後悔させたくなかったこと、最後に一つ嘘をつかせてほしいと言ったことを話しました。
そして、山本の妻に「山本とりんが一緒に牛鍋を食べた」と嘘をついたことも明かします。

「あわせられてよかった」と思った。
でも、最後に山本は「助けて」と言った。
この食い違いが、りんを深く揺さぶっているんですよね。

つまり、りんは「患者の気持ちを尊重した」と思いたい一方で、あの最後の一言がその判断を崩してしまう。
ここが苦しい。
ものすごく苦しい。

山本の「助けて」は、生への執着だったのか。
それとも、死の間際の本能だったのか。
答えが出ないから、りんは自分を裁き続けてしまうのでしょう。

牛鍋の嘘が優しさでもあり罪にもなる

牛鍋の嘘は、相手を救うための優しさでした。
でも、りん自身にとっては、その優しさが重荷に変わっているように見えました。

良かれと思ってついた嘘が、自分を縛る。
いやあ、朝ドラなのに重い。
でも、だから見てしまうんですよね。

「助けて」が全部を揺らした

最後の「助けて」がなければ、りんはここまで崩れていなかったかもしれません。
あの一言が、患者の本心は何だったのかという問いを終わらせなくしてしまいました。

看護とは何か。
助けるとは何か。
72話は、その言葉の意味をりんに突き返した回でした。

ここから立ち直り編に入るのか

このままりんが働き続けるなら、一度は「患者に触れられない自分」と向き合う場面が必要でしょう。
72話は、その入口に立った回だと思います。

試練の回であり、再出発の準備回。
たぶんそういう位置づけですね。
しんどいけれど、大事な一話でした。

👉関連記事:風、薫る70話・山本の最後の嘘に涙した理由
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風、薫る72話感想|次回はトヨの異変が新たな試練になりそう

72話ラスト付近では、チュウがトヨの様子がおかしいと、寝ているりんと直美を起こしに来ました。

また人の死に向き合う展開なのか。
そう思わせる終わり方でしたね。
これはりんにとって、かなり厳しい流れです。

ようやく休めるかと思ったところに、次の異変。
ドラマとしては見事ですが、りんからすれば「ちょっと待ってくれ」ですよ。
休ませてあげて、ほんとに。

ただ、看護婦という仕事は、人の生き死にから逃げられません。
そこがこの作品の厳しさであり、魅力でもあります。

教師という仕事も、勉強だけ教えていれば済むわけではありません。
生徒指導や保護者対応からは逃げられない。
その意味で、なおじは今回かなり重ねて見てしまいました。

もちろん、人の命に関わる看護の方が、重さはもっと大きいでしょう。
でも「その仕事の核心からは逃げられない」という点では、通じるものを感じました。

トヨの異変は容赦ない次の課題

トヨの異変は、りんに休む猶予を与えません。
回復の前に、現場が次の問いを突きつけてくるわけです。

ドラマとしては厳しい。
でも、だからこそ看護の現実味が出ています。

試練はりん一人のものではない

今回、直美もまたりんを支える立場に立ちました。
これまでのWヒロイン構造が、ここで効いてきますね。

片方が倒れそうなとき、もう片方が支える。
このバディ感があるから、重い回でも見続けられます。

73話は処分より再起の入口か

次回は処分の有無も気になりますが、それ以上に、りんが患者と再び向き合えるのかが焦点になりそう‥。
処分劇だけで終わるなら浅い。
でも、このドラマはたぶん、そこでは終わらせません。

助けての 一声だけが 離れない

72話は、この一句に尽きる気がしました。

よくある質問(Q&A)

筆者紹介|なおじ

なおじ

なおじは元社会科教師として教育現場に35年間携わり、
指導主事を5年、校長を11年務めました。
退職後もボランティアで子どもたちに学習を教えています。

社会科・歴史を長年教えてきたので、ドラマを見るときも時代背景や人物の言葉の重みをつい考えてしまいます。
朝ドラは「心の動き」と「時代の空気」を重ねて読むのが好きです。

現在は8つのブログでドラマ芸能政治歴史スポーツ学び書評を書いています。

風、薫る72話

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