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笠置シヅ子と美空ひばりの確執の真相の裏に、マネージャーの影

笠置シヅ子と美空ひばりは、戦後の歌謡映画スターとして活躍した二人です。しかし、二人の間には、深い確執があったとささやかれ続けてきました。ひばりの母である加藤喜美枝氏は笠置が後援会に東大総長をあてていることを批難し、「後援会はファンだけで作るべきだ」と言ったことも二人の確執の原因の一つ、とされています。

そして、もう一つ。笠置のアメリカ公演に先立ってひばりが、数か月前にアメリカ公演を実施してしまったことにもあります。

この二人の確執は、日本の芸能史の損失であり、残念なことだったと訴える人もいます。二人の確執の原因はどこにあり、その確執後はどうなったのでしょうか。このブログでは、二人の確執について探ります。

ブギウギ23週では、いよいよスズ子のアメリカ公演の様子が描かれました。
4日の月曜日には、笠置が『歌手としてのキャリアを積みたい』という欲望と『母親として愛子と片時も離れたくない』という愛情がせめぎ合う場面が描かれています。
一つ一つの台詞、揺れ動く心情の描き方に涙した方もおいでになったのではないでしょうか。
実は、私も思わず涙…。
脚本家は、鳥取出身の足立紳さんとのことです。本当に上手な脚本家さんですね。

目次

23週ブギウギ、福来スズ子のアメリカ公演

ブギウギ第23週の世界では、昭和25年の笠置のアメリカ公演の様子が描かれます。

村山トミを失ったマネージャー山下達夫は、引退を決意し、自分の後のマネージャーとして甥の柴本タケシ(三浦獠太・ミウラリョウタ)が新マネージャーとなっていました。

ポンコツの新マネージャのタケシを、スズ子が逆に支えながら2か月が過ぎようとしているときに、スズ子に『アメリカ公演』の話が舞い込んできました。

日本が独立国では無く、アメリカの占領下に置かれた時代

現代の日本人は、日本が独立国では無かった期間があることを知らない人がいるかもしれません。

戦後の1945年(昭和20年)~1952年(昭和27年)の7年間、日本は独立を失い、連合国最高司令官総司令部(GHQ)の占領下にありました。

スズ子のアメリカ公演は、このような時代に実施されたのです。
そのために、GHQの許可が下りずスズ子の公演に愛娘愛子を連れていくことが出来なかったわけですね。

歌手としてのキャリアアップを取るか、愛娘との生活を取るか

スズ子は、悩みます。
歌手としてのキャリアアップか、普通の母親として愛子との日常の維持を取るか…。

これは本当に悩みます…。

『自分の夢を追求して良いのだろうか』
普通の人でも大いに悩む問題です。
ましてやスズ子には、亡くなった最愛の人村山愛助や、その母トミとの「愛子は、自分が責任を持って育てる」という約束もあります。

「母一人、子一人」のスズ子にとって、悩みは何倍も大きかったことでしょう。

背中を押した、羽鳥善一の妻麻里の言葉

スズ子の心を決めさせたのは、羽鳥善一の妻麻里さんの言葉でした。

あなたは、アメリカに行っても、行かなくても後悔すると思うわ。でも、私があなたの母親だったら、『行ってきなさい』と言うわ。
心の中では、あなたはもう決めているんでしょう。

母として同じ立場の人間に背中を押してほしかったのよね。

麻里の言葉に涙ぐむスズ子…。
そして、スズ子はアメリカ行きを決心しました。

草彅 剛の名演技、鳴らない指パッチン

麻里とスズ子の感動的なシーン。
アメリカ行きを決心するスズ子。
そんな二人の様子に、お茶の間の皆さんもきっと涙したことでしょう。

だが、その後に、陽気な羽鳥善一の姿が描かれます。
自分の思わく通り、スズ子がアメリカ行きを決心したことに、単純に陽気に喜ぶ羽鳥。
喜びを表現するために、指パッチン!

ところが、最初の指パッチンがうまくならないのです。
2回目、3回目でようやく好い音の指パッチンが響きました。

この場面、草彅 剛さんが水戸学の精神を演じてくれている気がして、個人的に感動しました。

『青天を衝け』で徳川慶喜を演じたからこそできる草彅 剛の名演技

草彅 剛さんは、大河ドラマ『青天を衝け』で、第15代将軍徳川慶喜を演じていました。
慶喜は、水戸藩出身です。
しかも、幼少期から水戸学の精神について、父斉昭から徹底的に教育されて育ちました。

その慶喜を演じるに当たり、草彅さんも水戸学の心髄の一つ『一張一弛』『屈伸緩急』という精神に触れていると思います。

「人間は、張り詰めているだけではダメですよ。張り詰めるときがあったら、同じように緩む時も必要です。」

という水戸学の教えです。

麻里さんの感動的なアドバイスと、羽鳥善一の陽気な指パッチンは、二つで一つ。
この二つがあって、スズ子の心は安らぎ、決意することが出来たのだと思います。

このようにブギウギの世界は、良い方に向かっているようです。
ですが、史実はドロドロでした。
円満退社した山下達夫マネージャーのモデルとなった山内義富との顛末、そして美空ひばりとの確執…。

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