江戸時代初期、儒学者林羅山は、日本古来の神道を朱子学の哲学的枠組みで再解釈し、「理当心地神道」を提唱しました。
この思想は、神道と儒教を融合し、倫理的かつ哲学的な基盤を与える試みでした。
羅山は朱子学の「理気二元論」や「陰陽説」を用いて、日本神話や文化を合理化し、三種の神器を智・仁・勇に対応させるなど、神道を「王道」として位置づけました。
また、『本朝神社考』や『神道伝授』といった著作では、天皇統治と清明なる心が国家運営の根幹であると説きました。
この思想は後期伊勢神道や垂加神道に影響を与えた一方で、復古主義的な流派との対立も生んだのです。
本記事では、林羅山の理当心地神道の背景や特徴、具体的な活動、その影響について詳しく解説します。
日本思想史における重要な転換点を知りたい方におすすめです。