
こんにちは、なおじです。
朝ドラ「風薫る 9話」、2026年4月9日(木)放送の第9回「灯の道」を観ました。
りんと環が、やっとの思いで東京にたどり着いた回です。
そして、待ちに待ったりんと直美の出会いが、9話にして実現。
今回は、なおじが気になったポイントを、元社会科教師らしく深掘りしてみます。
🖊️この記事でわかること
- 虎太郎がりんたちを逃がした場面の読みどころ
- 叔父が倒産していた、その背景
- りんと直美が出会った「風車」の演出の意味
- メアリーの「あなたは何をやりたいのか」という問いの深さ
- 環を演じた宮島るかさんのこと
👉関連記事:朝ドラ「風、薫る」キャストとあらすじ総まとめ
虎太郎の「どんどん」が泣ける

心配してやってきた、その音だけで伝わるもの
どんどん、という戸を叩く音。
なんと虎太郎が心配してやってきた音だったわけで、それだけでほっとしましたよね。
言葉じゃない。
あのどんどん、という音に、虎太郎の人柄が全部入ってた気がします。
その頃、奥田の家ではりんと環が居なくなったことが分かり、血眼で探していた。
虎太郎は機転を利かせて荷車にりんと環を乗せ、那珂川(?)から船で下らせたわけです。
栃木の那須から東京方面へ逃げるのに川を使うというのは、当時の交通事情を考えると実によくできた展開で、なおじはここで「おっ」と思いました。
明治中期、まだ鉄道は主要幹線しかなく、川を利用した水運は庶民にとって重要な移動手段だったのですよね。
虎太郎、好きと言えなかった男の美学
虎太郎は、別れ際 勇気がなくて「好き」と言えなかった。
りんは気付いていただろうか‥。
感謝はしている、でも縁がなかったということか——、りんは何を思っていたのでしょう‥。
でも、好きと言えなかったくせに、こういう時に黙って助けに来るんですよ。
男ってそういうもんだよ、という話ですけど(笑)。
「言葉より行動で示すタイプ」というやつですよね。
35年教師をやってきてわかったのは、こういうタイプが一番信頼されるんですよ、クラスでも職場でも。
口先だけのやつより、黙って荷車引いてくるやつのほうが、ずっと頼りになる。
まさか叔父の店が倒産していた

武士の商売とはいうけれど
やっとの思いで東京にたどり着いたりんたち。
ところが、頼りにしていた叔父・信勝の店は何と倒産していたわけです。
これは、なおじ的に「来たな」という感じでした。
「武士の商売」なんていう言葉がありますよね。
昔から、武士が商売をすると甘くなるとか、不器用だとか言われる。
信勝は司之介(ばけばけの父)よりはましな人物のようでしたが、まあ煮たり焼いたりだなと‥。
明治に入って商売を始めた元武士がことごとく失敗したのには、経済的な背景があって、元武士が政府から受け取った「秩禄処分」の金を元手に商売を始めた例が多かったんです。
しかしそのほとんどが経営の素人で、商業経験のある商人たちと競争になると、厳しかった。
歴史の教科書で「士族の没落」として出てくる話が、ここで生々しくリアルに描かれているわけで、さすがだなと思います。
👉関連記事:朝ドラ「風薫る」第8話感想|亀吉の暴力と捨松の史実
おじの家も引き渡し、仕事探しへ
おじの家も他人に引き渡すことになっていた。
すぐに出て行かなくてはならず、仕事を探すことに——ただでさえ大変な状況で、子連れとなれば尚更です。
子連れの女性を雇ってくれる店などなかなかない。
これも明治の現実をリアルに描いてるわけで、シングルマザーの就労問題は令和の今でも続いているなあ、と思わずにはいられませんよね。
風車が縁を運んだ日

9話目の「風が吹く」演出
そんな時、風が吹く。
文字通りの風。環(たまき)の風車が風に飛ばされた。
そして、何と直美の足下へ。
ドラマのタイトルが「風、薫る」で、テーマが「風」ですから、この演出はにくいですよ。
二人の出会いのきっかけが「風」というのは、制作陣の意図が見えますな~。
なおじ的には、川柳で一句詠みたいところ。
環の風車 風に乗って 縁を結ぶ
しっかり9話目。あの短い場面がぐっと沁みましたね。
接点が生まれた二人のこれから
接点が生まれた二人が、どう関わっていくのか。
りんは仕事も住む家もない。
直美はメアリーを失いかけて、自分の進む道がわからなくなっている。
お互いがお互いにとって必要な何かを持っている気がしてきた回でした。
まさにバディドラマの「序章の終わり」という感じでしょうか。
これから先が、やっと楽しみになってきましたよ。
メアリーの「何をやりたいのか」という問い

渡米計画が挫折した直美
直美は渡米を計画していましたが、メアリーはアメリカではなくインドに行くことになった。
直美は「一緒に連れて行って」と頼むが、断られる。
さらにメアリーから核心を突く発言。
「あなたは、何をやりたいのか」
やりたいことがないのに、アメリカに行こうがインドに行こうが、うまくいかない——そういう意味の言葉です。
なおじは、この台詞を聞いて「これはいいことを言った」と思いましたよ。
「目的なき移動」は逃げでしかない
これ、学校でも全く同じことがあって。
「なんとなく有名大学に行きたい」という生徒に「なぜ?」と聞くと、ほとんど答えられないんです。
大学に行くことが目的になっていて、その先に何をしたいかが抜けている。
「行き先より目的」というメアリーの言葉は、教育の本質とも重なるわけです。
なおじも教壇で似たようなことを言い続けてきました。
自分が 何をやりたいのか それを 考えること‥、
実は、これ相当に体力使うんです。
でも、これを避けてはいけない。
メアリーナイス。
この厳しさは、優しさですよ。
時には、こういう人が人生には必要だなと思います。
「どこへ行く」より「何をしたい」が先だ
環役・宮島るかさんがかわいすぎる
くりくりした目が印象的

環を演じた宮島るかさん。
目がくりくりして、とっても可愛かったですよね。
あの風車を大事に持ち歩いている小さな姿が、また健気で。
りんが東京で仕事を探して歩き回る場面で、一緒に疲れた顔をしている環の表情が、なおじにはしっかり刺さりました。
子役さんの演技力というのは本当に侮れなくて、この子が画面にいるだけで物語の空気が変わるんですよ。
👉関連記事:一ノ瀬りんが看護を選んだ真相|朝ドラ風薫るWヒロイン
りんと環、親子の絆が物語を動かす
「子連れで仕事を探す」という苦しい状況の中で、環の存在がりんの背中を押しているわけです。
自分一人なら諦めても、子どもがいれば諦められない。
明治の女性の強さというものが、こういう場面で静かに描かれているのが、今回のうまいところだと思います。
👉関連記事:朝ドラ「風、薫る」放送期間・全130回と実在モデル2人
Q&A|風薫る9話・よくある疑問に答えます

Q1. 虎太郎がりんたちを逃がした川は那珂川ですか?
なおじの感想メモでも「那珂川かな」と書きましたが、ドラマでの明示はないようです。那須地方から東京方面への水運を考えると、那珂川の可能性は十分あります。ただ確定情報ではないため、「那珂川沿いを流れる川」という程度の理解で問題ないと思います。
Q2. りんの叔父・信勝はなぜ倒産したのですか?
ドラマ内での詳しい説明はまだありませんが、明治初期から中期にかけて「士族の商法」と呼ばれた元武士の起業失敗は非常に多かったのが史実です。商業経験のない元武士が政府の廃藩置県後に商売を始め、ほとんどが失敗に終わりました。信勝もその一人として描かれているのではないでしょうか。
Q3. 環を演じているのは誰ですか?
宮島るかさんです。目がくりくりして表情豊かな子役さんで、りんの娘・環を演じています。
Q4. メアリーはなぜインドへ行くことになったのですか?
ドラマの詳細な経緯は今後の話数で描かれると思いますが、宣教師として活動するメアリーが派遣先を変えることになった、というのが理由のようです。直美にとっては頼りにしていた人が突然去ることになり、転機となる展開です。
Q5. りんと直美はいつから本格的に一緒に行動しますか?
9話での「風車による出会い」が二人の縁の始まり。まだお互いをよく知らない段階ですが、これをきっかけに関係が深まっていくと見ています。二人はやがて同じ看護婦養成所を目指すことになる。調べましたが、公式の放送情報では、これ以上の情報は見つかりませんでした。
筆者紹介|なおじ
なおじは元社会科教師として教育現場に35年間携わり、指導主事を5年、校長を11年務めました。
退職後もボランティアで子どもたちに学習を教えています。
社会科・歴史を長年教えてきたので、明治時代の史実と朝ドラの描写を比べながら観るのが習慣になっています。「風、薫る」の舞台・明治中期は授業でもよく取り上げたテーマで、ついつい深読みしてしまいます。