これはまずい。教師が殺人犯となったら、生徒の心理的負担はいかほどか。「あってはならない事件だ」
江戸川区殺人事件の容疑者は中学校の教師
今年2月、東京都江戸川区の住宅で住人の派遣社員山岸正文さん(当時63歳)が殺害されるという痛ましい事件があった。
被害者の山岸さんは、2月24日午後6時半頃、江戸川区一之江の自宅で顔や首を刃物で刺され死亡した。死因は、刺されたことで出た血が肺に入り窒息したのだという。
苦しかったことだろう。ご冥福を祈る。
容疑者として、今月10日に逮捕されたのが、尾本幸祐容疑者。
彼は何と、区立中学校教諭だ。
何と言うことだろう。
まだ容疑者ではあるが、生徒たちの心理的な痛手は大きい。
また、容疑者には3人の子があるという。これも痛ましい。
容疑者は、まだ36歳。当然容疑者の子らは幼いだろう。
殺人という行為は許せないが、この子らだけはそっとしてあげてほしいものだ。
尾本容疑者は、逮捕直後の調べに「関与していない」と容疑を否認した。だが、その後は黙秘を貫いている。
血の付いたメガネとマスクが見つかっていた
5月12日の読売新聞によると、『殺害された現場の住宅内から血の付いたメガネとマスクが見つかっていた』と報じられている。現場は、尾本容疑者の勤務する学校からわずか170メートルほどに位置している。
警察は、このメガネとマスクは、容疑者のものとみて確認を進めているとのことだ。
もし、これらに容疑者の血痕などが付着していたら、犯行はほぼ確定されるだろう。
また、被害者の家は、3階建てで、1階のみならず、2階3階にも、尾本容疑者が履いていたスニーカーの足跡が確認されている。
尾本容疑者の言い分
現場に残されたメガネやマスクについて、尾本容疑者は逮捕前の任意の取調べの時に次のように言っている。
「山岸さん宅に招き入れられた時に鼻血が出てマスクが汚れたので、新しいものをもらった。眼鏡は花粉症対策用で、家の中に置き忘れた」
読売新聞より
さすがに国語の教師なので、一見つじつまの合う説明をしている。
また、スニーカーの足跡については、
「(勤務先の)学校から駅に向かう途中、男性から『荷物を運ぶのを手伝ってほしい』と言われ、土足で家の中に入ったことがある」
読売新聞より
と説明していた。
日本の警察は優秀だ(一部を除いて)。嘘をついているなら、すぐ証拠が見つかるだろう。
山岸さんの刺し傷は、なんと20か所
殺されてしまった山岸さんの顔や首付近には、傷が約20か所あったそうだ。凶器はどうやら果物ナイフ。このナイフの柄の部分のみ見つかり、刃の方は現在捜査中とのこと。
この果物ナイフは、誰のものなのだろう。
もし、尾本容疑者のものだとすると、事前に殺人の準備をしていたことになる。
どちらにしても、20か所も刺すとは…。
尾本容疑者とは、いったいどのような人物なのだろう。
良い教師、良い父親
尾本容疑者は江東区出身。
出身大学は、日本大学。
大学を卒業後、2010年度に東京都の教員として採用。
初任地は、伊豆諸島・新島村の中学校。
22年4月から現任校(江戸川区立松江五中)に異動、特別支援学級を担当。
新島の中学校で担当していた野球部の生徒はもちろん、保護者からも「生徒思いで、熱心な先生だった。」とよい評価が聞かれている。
また現任校の生徒たちも「よく生徒と一緒に校庭を走っていて、『頑張って』と声を掛けていた。」と、よい印象を持たれていたようだ。
また、近所の人たちからも評判はよく、「3人のお子さんがいる子煩悩なお父さんで、玄関先で子どもと一緒に遊ぶ姿をよく見かけていた。」と、幸せな家庭だと受け止められている。
良い先生、良い父親、よい隣人との評価だ。では、尾本容疑者が犯行に及ぶ動機は何か。
尾本容疑者の犯行なら、なぜその男性を殺害したのか?
一見絵に描いたような恵まれた環境に見えた尾本容疑者だが、実際の生活実態はどのようだったのだろうか。
尾本容疑者は一軒家に暮らしているが、住宅ローンのほか、借金を抱えていたようだ。ギャンブルか、投資か…。
警視庁は金銭に困っていたとみて、生活実態などを調べている。
もし、尾本容疑者に金銭的な切羽詰まった問題があるのなら、犯行動機になるだろう。
尾本容疑者が事件発生時刻に校内にいたように偽装?
尾本幸祐容疑者は、事件当日の午後から休暇を取得していた。
だがタイムカードの記録は、1日勤務となっていた。
警視庁は、尾本容疑者が事件発生時刻に校内にいたように偽装した可能性があるとみている。
現時点のまとめ
以上が、現時点での尾本容疑者に関する状況だ。
最後に、学校は10日午後に記者会見を開いて、「事件については、全く予想しておらず言葉にならない」と述べ、『尾本容疑者の勤務態度は良好で、問題行動はなかった。事件当日の2月24日は午後から休暇を取っていた。逮捕前日の今月9日まで普段通り勤務していた』と説明した。
学校長は「尾本容疑者の犯行が事実だとすれば、保護者や生徒におわびしたい」と述べている。
学校長及び学校には、生徒の心のケアに十分に配慮していただければ、と願う。
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