第5話は、博多ギャル連と結が友達になるきっかけを描いています。結は、ヒョンなことから憧れの風見先輩とデイト状態になりました。ドキドキの結でしたが、ギャル連の一人がティッシュ配りをしているシーンを目撃。突然ギャルが倒れてしまいました。この出来事は物語のキーとなるポイントの一つです。 この出来事こそ、結とギャル達の友情の始まり、そして「栄養士としての物語の始まり」の場面だと思います。
書道展への誘いとおむすび
結は、風見先輩に書道展にいくことになりました。全開の書道展は散々でしたが、今度は憧れの風見先輩からのお誘い。心ウキウキ状態でした。
その日の朝、結のおばあちゃんがおむすびを持たせるシーンは、家族の温かさと、結が人を思いやる心を持つ背景を示しています。
「風見先輩達とお昼を食べてくるから」、と一度はおむすびをもっていくことを断る結でしたが、「途中でお腹がすくかもしれないから」という祖母の言葉に折れて、おむすびを持っていくことになりました。
個人的にですが、結のおばあちゃん米田佳代(よねだかよ)を演じる宮崎美子さんが気になりました。
昭和世代の私たちにとっては宮崎美子さんと言えば、「ミノルタX-7」のコマーシャル。
このコマーシャルは、1980年に放送されました。
「今の君はぴかぴかに光って」というフレーズとともに、彼女がTシャツを脱ぐ瞬間が画面いっぱいに写されていました。昭和の男性には強烈な印象として残っています。
その彼女が、今や腰を曲げたおばあちゃん役。
時の流れを感じます。
このおばあちゃん結の成長をしっかり支える頼りがいのある存在として描かれています。その優しさと包容力が、結のみならずみんなの癒やしとなりそうです。
風見先輩とドキドキの時間
結は風見先輩と書道展を一緒に見に行く予定でしたが、米田結の友人である宮崎恵美(中村守里)が急に来なくなり、結と風見が二人きりに。
風見と二人で歩きながら、結はデートかのように緊張しました。
でも、そんな中でもギャル連の一人がティッシュ配りのバイトをしているところに出くわしてしまいました。
『見つからないように』、と風見先輩の影に隠れて歩く結。
ところが、突然ギャルがふらついて、倒れてしまいました。
散乱するティッシュ。
ギャルは、力なく座りながら散乱してしまったティッシュを拾っています。
おっと、こうなったら米田家の人助けの血(呪い)が発動するはず。
結は、だまって通り過ぎることは出来ないだろう、と予想しましたが、意外や意外、後ろ髪を引かれながらも、先を歩く風見について行ってしまったのでした。
「なんだ、米田家の呪いもたいしたことがないな。」
と、思ってしまいました。
ところが、風見について行ったものの結の心は穏やかではありませんでした。
「あの子、顔色悪かったな。気になる、風見先輩に言ってみようかな。」
「いや、風見先輩もギャルきらいやろ‥。」
と結の心は、行ったり来たり。
「けど‥、」
二人が展覧会会場に着くその瞬間に、結は風見に言います。
「先輩、すいません、うち、用事が‥。」
「失礼します。」
と言って、かけだしてしまった結でした。
風見先輩は、かわいそうだが、こうでなくては、米田家の結ではありません。
納得の展開です。
ギャルを助ける結の優しさ
ギャルが倒れた理由は、栄養失調でした。
戻ってきた結はギャルを助け、病院に連れて行きます。
このシーンでは、結の持つ優しさと人を助ける精神が強く表れ、視聴者に感動を与えました。
ギャルの背景
栄養失調で倒れてしまったこのギャル。
なぜ、栄養失調になってしまったかというと、悲しい現実がありました。
この子のお父さんは、中2の時に借金を残して亡くなっていました。
お母さんは、その借金を返すために働きづくめ。
必然的にギャルの食事に気を遣う余裕などありません。
仕事をいくつも掛け持ちして、働きづくめだといいます。
ギャルのこの子も、高校を止めてバイトしているのだと言います。
そして、自慢げにスナック菓子を出し、
「これ一個100円。これ一個で二日はもつ。」
と自慢げに言います。
そして、
「私の一か月の食費は3000円。」
と言うのでした。
夢を語るギャル
食費にできるだけお金を割かないようにしているという、この子に結は「そこまで節約しなくても」と、言います。
すると、
「うち、ネイリストになりたくって、そのために資格いるけん、お金貯めよる。」
そして、自分のネールは、メンバーにお裾分けしてもらったものを自分なりに工夫してつくったと、うれしそうに自作ネイルを結に見せるのでした。
「どう、バリ可愛くね」
と、今や廃れてしまった当時のギャル語で結に自慢します。
そして、お菓子を食べようとするギャル。
この出会いをきっかけに、結とこのギャルの子との距離が急速に縮まりました。
おむすび
結は、
「ちょっと待って」
と言って、
祖母からもらったおむすびをギャルに差し出します。
このおむすびは、単なる塩むすびではなく、結とギャルたちの心を繋ぐ重要なアイテムでした。
おむすびを食べながらギャルの子は過去を思い出し、涙をこぼします。
「パパ生きとうころ、よく家族でお弁当つくって、海の中道にピクニックに行ったっちゃ。そんとき食べたおむすびの味‥思い出した。‥‥やば、懐かしすぎて泣きそう。」
おむすびのシーンは、食べ物が持つ力や、過去の温かい記憶が人の心を動かす瞬間を象徴してもいます。
ギャル連と結、友情の始まり
ギャル連との友情は、偶然の出来事からこうして始まりました。
結の真剣な行動とおむすびが友情を育むことになったのです。
このとき 結はギャル連達から「むすびん」という新しいあだ名を付けてもらいました。
ギャル連のメンバーたちにもそれぞれあだ名があります。ヌーリー、すずりん、りさぽん、たまっち。
この後、彼女たちは、あだ名を共有する友情を育んでいくでしょう。
「このギャル(すずりん)が栄養失調で倒れた」という出来事は、この後「栄養士を目指す」という結の目標設定の伏線となるのだろうと予想します。
結び
「おむすび」第5話は、結が連ギャルと友達になるまでの物語を中心に展開されました。
ギャル(すずりん)の過去、おむすびの思い出に泣けました。ですが、一人取り残されてしまった風見先輩がきになります。
結と風見先輩の物語は、この後どう展開するのでしょうか。