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ブギウギ靴磨き少年達彦の親:親友タイ子(藤間爽子)の変貌

戦後の日本の世相を反映させる言葉と言えば、「パンパン」「戦争孤児の靴磨き」、そして「戦争未亡人」
ブギウギは、今まさに「ラクチョウのオミネ」「靴磨きの少年達彦」、その母である戦争未亡人となったスズ子の幼なじみ「変貌したタイ子」を扱っている。

スズ子と幼い時を一緒に過ごしたタイ子。東京で幸せに暮らしていると思っていたが、スズ子の目の前に現れたタイ子は、夫を失い、病魔に冒され、貧乏にあえぐ惨めな姿だった。

久しぶりに再会したスズ子に、切りつけるような鋭い視線を投げかけたタイ子。「いったいタイ子に何があった?」とファンから続々と驚きの声が上がる。
劇中のタイ子を案じるとともに、タイ子を演じる藤間爽子の演技力に魅了された。

そこで、このブログでは「激変したタイ子に何があったのか」を探るとともに、「役者・藤間爽子とは何者か」について追究する。

目次

ブギウギの中のタイ子

タイ子は、ブギウギの中で大阪・福島の芸者の娘。
鈴子(スズ子、趣里さん)とは同じ小学校。転校してきた鈴子に最初に話しかけ、それ以来、一番の仲良しになった幼なじみ。

タイ子は、女学校を卒業した後、母親と同じように芸者の道に進み、鈴子とは違う人生を歩むことになった。
だが、スズ子のお母ちゃんの葬儀の時には、身重の体を押して参列してくれるなど、大人になってからも友情は続いていた。

お母ちゃんの葬儀のとき、お腹にいたのが、のちの靴磨きの少年達彦。
タイ子は、その後上京し夫が招集されるまで東京で暮らしていたようだ。

このタイ子という人物は、笠置の自伝などには登場しない。
つまり、ブギウギ・オリジナル設定の人物と考えてよい。

タイ子の役柄

では脚本家は、なぜタイ子や達彦(靴磨きの少年「蒼昴」)をブギウギに登場させたのだろうか。

ラクチョウのオミネのモデルと思われる人物として、笠置の自伝や関係書籍に「ラクチョウのお米(よね)」が登場する。
同時に、日劇周辺に多くいた靴磨きの少年の話が出てくる。

ここから、ブギウギの脚本家が少年・達彦とその母タイ子の話を創造したのだろう。

ブギウギ:親友タイ子(藤間爽子)の変貌

タイ子はスズ子と仲の良い幼なじみ。芸者の母とそれなりに夢をもって生活していた。
だが、今のタイ子は戦争未亡人となり病魔に冒され、極貧にあえぐ泥沼の生活苦。
それでも、一人息子の達彦にはプライドを持って生きることを願っている。

息子は、けなげに母を支えて働いている。
息子の名は達彦。
有楽町界隈で靴磨きをして小銭を稼いでいた。

達彦との関わりで、久しぶりにタイ子と再会したスズ子。
だがタイ子は、「切り裂くようなまなざし」でスズ子をにらめつけ「帰ってくれ」とせまる。

いったい、何が仲良しのタイ子をここまで変貌させてしまったのか

タイ子の変貌は、戦争にあった。
夫を戦争で失い、助けてくれる親戚も失い、孤立無援となってしまったタイ子。
しかも、自身は病魔に冒され、日々の暮らしは幼少の息子に頼らざるを得ない。

だが、プライドだけは捨てられない。
おそらく芸者の子、お目かけさんの子とさげすまれる幼少時代の経験が、「プライドだけは失ってはいけない」という、強い信念を生んだのだろう。

タイ子は、その信念を息子にも日々伝えていた。
「自分の惨めな実体」と「プライド」の狭間であえいでいるときに、スズ子が目の前に現れた。

それまでぶつける先が見つからなかったタイ子の感情の矛先が、すべてスズ子に向かうことになる。
それが、あの鋭いまなざしとなって表現されたのだろう。

惨めな自分。
成功していて、何の不自由もないように見える友へやっかみ。
友の成功を喜びたい気持ち、そしてうらめしさ。

友の成功を素直に喜べない、自分のさもしい気持ちに気づき、自己嫌悪する自分。

それらのぐちゃぐちゃした気持ちが、スズ子の出現で一瞬にはぜる。
「キッ」とスズ子をにらみつける迫力有る眼光。
藤間爽子さんの演技に多くの視聴者が、「ドキッ」としたことだろう。

タイ子が象徴しているもの

「パンパンのラクチョウのオヨネ」・「靴磨きの少年達彦」・「変貌してしまった幼なじみタイ子」は、戦後のすさんだ世相の象徴なのだろう。

タイ子の、

「スターさんには関係ありません。」

「生きていくのに精一杯や。地べた這いつくばってなんとか生きてんのに、夢を叶えたスズちゃんとうちとでは天と地や。」

という言葉に、スズ子は何を感じただろうか。

自身も、母を失い、弟を失い、最愛の愛助を失ったスズ子。
タイ子の言葉を聞いて、

「それでもへこたれたらアカン。」
「必死に、生きなあかん」

と思い、自分に言い聞かせ、タイ子にもそれを望んだはず。

確かに、スズ子にとって第一は愛娘愛子だ。
だが、自分が必死に生きること、歌うことが、「オミネ」「タイ子」「達彦」も、そして日本中の人々の心も勇気づけることに繋がる。

スズ子は、無意識のうちにそう感じたはず。

藤間爽子とは、何者か

https://www.youtube.com/watch?v=NfCB8R2eKYk

鬼気迫る演技を見せたタイ子役の藤間爽子(さわこ)とは、何者なのだろうか。

藤間爽子のプロフィール

名前  :藤間爽子(ふじま さわこ)
生年月日:1994年8月3日
年齢  :29歳(2024年2月現在)
出身  :東京都
身長  :154㎝
出身大学:青山学院大学文学部比較芸術学科卒業
所属  :レプロエンタテイメント
家族構成:初代藤間紫(祖母)・父:藤間文彦・母:島村佳江・兄:藤間貴彦(翔)

なんと彼女は正真正銘の日本舞踊家。しかも、日本舞踊紫派藤間流の三代目家元。藤間流家元としての名前は、藤間紫(むらさき)。
しかも両親は元俳優、兄は元ジャニーズJr.の藤間貴彦

祖母に師事して、7歳で歌舞伎座にて初舞台を踏んでいる。
2021年2月28日には、東京の日枝神社にて三代目藤間紫を襲名した。
襲名により、日本舞踊紫派藤間流の若き家元となっている。

爽子さんの祖母・初代藤間紫
藤間紫さんは、日本を代表する女優でもあったが、愛憎劇も多い。
香川照之や市川猿之助との関わりについては、別のブログに譲る。
父・藤間文彦
母・島村佳江
兄・藤間貴彦「爽子が藤間紫を襲名するタイミングで、兄の貴彦は初代藤間翔(かける)を襲名」
元ジャニーズジュニア

藤間爽子のこれまでの出演作品

2017年度上半期の『ひよっこ』では、若い時の立花富 役
2022年度前期の『ちむどんどん』では、矢作佳代 役
NHK朝ドラには、これまでに2度出演していた。今回のタイ子役で3回目になる。

さらに、2022年川口春奈主演『silent』(フジテレビ)の、横井真子 役などの話題作にも出演している。

芸能一家に生まれ、藤間流の家元でもある藤間爽子。
福来スズ子を演じた趣里さんに劣らない、有望な若手女優と言っていい。

補足 幼少時代のタイ子を演じた子役・清水胡桃

タイ子ちゃん子ども時代を演じたのは清水胡桃ちゃん。

清水胡桃さんは、朝ドラ4作目。
生年月日 2010年1月(2024年現在14歳)
所属  アイランドプロモーション

14歳にして、NHK朝ドラの出演は4作目。
過去に「おちょやん」・「べっぴんさん」・「あさが来た」に出演している。

彼女は、2015年頃からドラマ出演しているというので、5歳頃には子役としてデビューしていたことになる。

主な出演テレビドラマ

2022年 「あなたのブツがここに 」 山崎亜子役
2022年 「拾われた男」 野本役
2020年 「おちょやん」 いとさん 役
2016年 「コピーフェイス」
2016年 「父さんのルセット」  夏樹幼少期
2016年 「べっぴんさん」 佳世子 役
2015年 「あさが来た」 ナツ 役

主な出演映画作品

2023年 「彼岸の二人」  莉乃役予約
2023年 「雨はバケツを叩く」 檜山エリナ役
2022年 「西成」ゴローの4億円 死闘編」 八神梅子の幼少期役
2021年 「プリズナーズ・オブ・ゴーストランド」
2021年 「ねばぎば新世界」 信長の子どもA役
2020年 「ひとくず」 入山優美役

その他、CM出演も多数有る。
子役を卒業し、女優としてデビューする日も近いかもしれない。

清水胡桃さんの作品を観るなら<U-NEXT>

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