福来スズ子の元に、東北弁(のような)田舎娘の小林小夜(さよ)さんが押しかける。ポンコツキャラクターだが、ポンコツながらにスズ子を支える付き人。この愛すべき小夜ちゃんの実在のモデルは、誰なのだろうか。
ブギウギで福来スズ子の付き人を演じる小林小夜さんの人物概要
富田望生(とみたみう)さん演じる小林小夜(さよ)さんは、福島出身の女性。演者である富田さんも福島出身なので、福島弁はバッチリのはずなのだが、何か聞いていて創った福島弁に聞こえるから面白い。
劇中の小夜さんは、貧乏な家庭に生まれ12歳で奉公に出されている。だが、奉公に出された先の旦那さんが、さよさんに暴力をふるうので、いたたまれなくなって奉公先を逃げ出す。
行くあてもなく「弟子になりたい」と、スズ子の前に現れた行動力の女性。
確かに計画性がなく、行き当たりばったりの性格なのだが、パワフルで、明るく、多少周りの人を振り回しても心底からは悩まないポジティブシンギングの女性、と言えるだろう。
福来スズ子の付き人、小林小夜の実在のモデルはいたのか
福来スズ子のモデル笠置シヅ子さんの自伝「歌う自画像」には、「『茂木』という女性が、笠置の身の回りの世話をしていた」ことが記されている。
ただ、茂木さんとはどのような人物で、下の名前を何と言ったのかについては記されていない。
笠置の愛娘、ヱイ子さんのインタビューに現れる茂木(付き人)さん
また、笠置の愛娘ヱイ子さんが、語ったことの中に笠置の付き人について、振れた部分がある。
趣味が 『笠置シヅ子』と い う 付 き 人 さ ん が い て 、彼女はずいぶん長く母に尽くし てくれました。
ヱイ子さんの言う『付き人』が、茂木さんだと思われる。
付き人の茂木さんは、趣味が『笠置シヅ子』だと述べていたようだ。
この言葉は、ブギウギの小夜さんと重なる。
笠置の出産を支えた付き人(茂木さん)
穎右が病気で亡くなって間もなく、笠置は一人で出産に臨むことになる。
その笠置の心の隙間を埋めるために、付き人の茂木さんは、かいがいしく働いたという。
笠置が言いつける用事を次々とこなしていく茂木さん。
ブギウギでも愛助(水上恒司〉を失い、失意のスズ子を甲斐甲斐しく支える小夜の姿が見られるのではないだろうか。
だとすると「小夜の結婚と、アメリカ行きは無い」と思うのだが…。
小夜、アメリカに渡る
ところが、19日(金曜日)のブギウギで小夜はアメリカに渡ってしまった。
予想は大外れ。
だがこうなると、ブギウギの中の福来スズ子がアメリカに行くときに、また小夜と再会する展開が期待できる。
史実では、笠置シヅ子がアメリカに行くときには、頼りにしていたマネージャーの山内義富(ブギウギ・山下達夫)に裏切られ、無一門になっていた時期。
そういう時期に、ブギウギの中だけでもアメリカで小夜に再開し、スズ子の心の穴を埋めてもらえたらファンとしてはうれしい。
穎右(えいすけ)の遺品を握ってお産に挑む笠置:届けたのは付き人の茂木(小夜)
話を史実に戻す。
笠置は、いよいよお産の時を迎える。
だが、周りに身内は誰もいない。
本当はいるべき吉本穎右(ブギウギの・村山愛助)も、死んでしまっていない。
そこで笠置は、茂木さん(ブギウギの小夜)に穎右の遺品の浴衣と丹前を持ってくるように頼んだ。
初めてのお産でもあるし、身寄りの者が一人もいないところで生むのかと思うと、ちょっと心細くなる。ふっと思い出して、茂木さんに世田谷へ帰ってエイスケさんの着ていた浴衣と丹前とを持ってきて貰う。
歌う自画像
笠置は、穎右の遺品を握りしめながら、一人で愛娘のヱイ子を生む。
だが、笠置は本当に一人では無かった。
付き人の茂木(小夜)さんがいた。
何とも、ほっとするエピソードだ。
まとめ
・福来スズ子の付き人小林小夜のモデルは、茂木さんという女性。
・茂木さんは、長く笠置シズ子を支え続けた。
・笠置シズ子が、お産の時に握っていた穎右(えいすけ)の浴衣と丹前は、笠置に頼まれた茂木さんが家から持ってきた。
コメント