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「探索気球をミサイルで撃ち落とすのは無駄では無いか」本当にそう思いますか!

気球

 びっくり、こんな意見がある。『「気球が飛んでいた高度はかなり高く、対応するためには高度な技術や特別の装備が必要」とあるが、特別な装備に金をかけても、「困難でした」「打ち落とせませんでした」となるなら、金の無駄。』とか、『ミサイルを使わず、機関銃や地対空砲で撃ち落とせばよい。』本当に、そうお思いですか?

目次

ある方の 探索気球対応への質問(意見)

気球は戦闘機の巡航高度よりかなり高い所を飛んでおり、速度差も大きい。対応には高度な技術や特別な装備が求められる。
~しかし、安易に購入する前に、本当にそうかどうか(装備が必要かどうか)検証する必要があると思います。
~そして検証して安易に可能なら(「買ってしまったあとに、その装備が無くとも打ち落とすことが可能だということが分かったとしたら」という意味だろうか。難解な文章だ)、その担当の責任は追求せざるを得ない内容だと思います。

またある方は、

どうして、高価なミサイルを使ったのか。機銃掃射で打ち落とせばよいではないか。金の無駄遣いだ。

自由主義諸国に対する危機【気球問題の最新状況】

産経新聞令和5年2月15日紙面より

 産経新聞は、

【飛行物体は中国探索気球 3件推定】
防衛省は14日、過去に日本の力で地球型の飛行物体が確認された事案3件について、分析の結果、中国が飛行させた無人探索用気球であると強く推定されると発表した。探索用気球だった場合は、領空侵犯に該当するとして、外交ルートを通じて、中国政府に事実関係の確認を求めるとともに、領空侵犯は断じて受け入れられないと申し出た。

産経新聞令和5年2月15日紙面より

 3件の飛行物体が現れたのは、

令和元年11月に鹿児島県薩摩川内市
2月6月に仙台市
3年9月に青森県八戸市

それぞれの上空で確認されている。

 米国では現地時間の今月4日、東海岸南部沖で米軍が中国の偵察気球を撃墜しが、日本では何もせず見過ごした。
 当時は明確に発表もしていない。

 ここへ来て防衛省は米国の動きを踏まえ、日本領空で過去に確認された飛行物体の分析を進め出した。

 気球であっても我が国の許可なく領空に侵入すれば領空侵犯となる。気球に対してこれまで以上に情報収集・警戒監視に務める。

 また、「気球が領空侵犯に当たると判断すれば、自衛隊法に基づき自衛隊旗が緊急発進して対処する」と述べたが、撃墜するには武器仕様の規定うんぬんということになり、現実には今と同じように何も出来ない可能性が高い。

日経新聞の報道

【日本でも過去に中国の無人偵察用気球か 防衛省が発表】と題し、産経新聞とほぼ同様の内容を伝えている。

これについて防衛省は14日夜、「2019年11月と2020年6月、それに2021年9月のものを含め、過去に日本の領空内で確認されていた気球型の飛行物体について、分析を重ねた結果、中国が飛行させた無人偵察用気球であると強く推定されると判断した」と発表しました。

日本経済新聞ネットニュース 15日

 このように、過去の日本に飛来した気球も中国のものだったとほぼ断定した。(強く推定した)

NHKニュースの報道

 また、日本の国防については、NHKが次のように伝えた。

【小野寺元防衛相「日本の国防に大きな穴」気球型の飛行物体で】
過去に日本上空で目撃された気球型の飛行物体について、防衛省が中国の偵察機級と推定されると発表したことを受けて、自民党の小野寺元防衛大臣は「日本の国防に大きな穴があるのではないか」と懸念を示し

NHKネットニュース

 上のように、政府に説明を求めていく考えを強調した。
 もう一度、小野寺さんに防衛大臣を務めてほしいものだ。

【朝日新聞の報道】

 朝日新聞は別の視点をいち早く取り上げた。

【撃墜しては見たものの「中国の気球と異なる」どこの国の何かも謎】
バイデン米政権は13日、飛行物体の探知や分析強化に向け、政府機関を横断したチームで取り組む態勢を決め、撃墜した物体の回収も急ぐ方針だ。中国の気球を撃墜後、米側がレーダーの機能を強化したことが、相次ぐ飛行物体の探知に繋がった。
 飛行物体には多くの謎が残り、今後の展開次第では、気球を巡り真っ向から対立する米中関係をさらに混乱させかねない。
 オースティン国防長官は13日、記者団に「撃ち落とした三つの物体は(4日に撃墜した)中国の感仕様気球と大きく異なる」と強調した。どこの国のものかもいぜん、わかっていない。

朝日新聞ネットニュース

 「中国の気球では無い」という点に着目。朝日らくしい。
 

 たが、この点については本当らしい。読売新聞も取り上げている。

読売新聞の報道

米国家安全保障会議(NSC)のジョン・カービー戦略広報調整官は14日、記者団に対し、米国やカナダ領空で10日以降に米軍が撃墜した三つの物体について、軍事的な偵察目的でなく、商業目的や研究目的の飛行物体だった可能性があると明らかにした。カービー氏は、三つの物体について「中国の情報収集活動の一部だという兆候は見つかっていない」と述べた。その上で、米情報機関の見方として、企業や研究機関による「商業的、無害な目的による気球だった可能性がある」と説明した。落下地点の地形や気象条件から、残骸の回収は難しく、進んでいないとした。

読売新聞13:24

 確かに商業目的の気球もあったようだが、4日に撃墜したものは探索気球だ。

議論の前に知るべき 基本知識

 そもそも、気球が飛んでいた1800メートルから2000メートルのような非常に高い高度になると、戦闘機であっても通常の飛行では到達することができない。当然、ライフルで撃ち落とすなどの意見は論外。

 今回も、戦闘機が特別な方法で高高度まで上昇し、斜め下から気球に接近するという方法で打ち落としている。

 この高高度でのミサイルによる撃墜について、AFNは次のようなニュースを伝えた。

【2月15日 】米軍のF16戦闘機が12日、ミシガン州とカナダ国境付近にあるヒューロン湖(Lake Huron)上空で未確認飛行物体を撃墜した際、発射したミサイルの1発目が目標を外していたことが分かった。
使用された空対空ミサイル「サイドワインダー(Sidewinder)」は、1基当たり少なくとも40万ドル(約5300万円)に上る。
 米国家安全保障会議(NSC)のジョン・カービー(John Kirby)戦略広報調整官によると、1発目は命中せず、ヒューロン湖に落下。2発目で撃墜に成功~。

AFNニュース

 今回のミサイルの値段は、一基で5,300万円する。確かに防衛には、金がかかる。
さらに、AFNが指摘したように、失敗することも確かにある。

 だが、「金がかかるから買わない方がよい」「開発しない方がよい」「防衛費として計上しない方がよい」
 とか、

 「撃ち漏らしたら、誰が責任を取るのか」
 とかいうことで、「この問題には、蓋をしてしまいましょう。」という意見は、どうだろうか。

 さらに、基本的な知識として、「気球には致死量の細菌だって積むことができる」
 ということを、思考材料として無視してはいけない。

 総論として米国支持、しかし各論部分に問題があり、日本は同じ事ができない。
 どう行動すべきかを迫られる時に来ている。
 

気球

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