こんにちは、なおじです。
2026年2月17日放送のばけばけ97話では、熊本での新たな火種が次々と登場。
おクマちゃん(女中さん)の過保護ぶり、怪しげな荒金九州男の小豆相場話。
そして原稿が進まないヘブン先生のスランプ。
今回は元社会科教師のなおじが、これらの展開を史実と照らし合わせながら検証します。

【この記事でわかること】
- おクマちゃんの過保護ぶりとヘブン先生の配慮の理由
- 荒金九州男の小豆相場詐欺の手口と明治時代の投機ブーム
- 司之介の懲りない性格と史実の稲垣家の経済事情
- ヘブン先生のスランプと史実の小泉八雲の熊本時代の苦悩
- 第五高等中学校の官僚的な環境と八雲の自由な教育スタイルの衝突
- 松江の羅紗緬騒動との関連と今後の展開予想
おクマちゃんの過保護ぶりとヘブン先生の配慮

97話で印象的だったのは、おクマちゃんの過保護な姿勢でした。
おクマちゃん強烈な、キャラですね。
フミやトキに何もさせない様子は、視聴者の間でも話題に。
「万が一のことは万が一のことです」というセリフが印象的。
なおじが思うに、これはヘブン先生がおクマに何かを強く言い聞かせているんでしょうね。
松江の羅紗緬騒動の記憶

松江時代に起きた羅紗緬(ラシャメン)騒動。
おトキがヘブンと町で抱擁した姿を、梶谷の新聞が報道してしまったんですよね。
「借金のかたに外国人の妾になった」と書かれ、町中から差別を受けたおトキ‥。
おトキは額に傷を負うほどの投石を受け、ヘブン一家のグッズが捨てられる事態に。
あれは、強烈でした‥。
👉関連記事:ばけばけ86話感想|借金完済の喜びが一転ラシャメン騒動へ
ヘブン先生は、熊本で同じような騒ぎが起きないよう配慮したのかも。
おクマに「おトキがラシャメンだと疑われないよう、家事には関わらせないで」と頼んだんじゃないかな。
教師として35年間勤めたなおじの経験から言えば、過去の失敗を繰り返さない配慮は、確かに大事。
家族を守る上で重要なヘブンの判断が、おクマの過保護の裏にありそうな‥。
おクマは「家族を守るための防衛線」?

おクマちゃんは、ヘブン先生の意図を汲み取って行動してるように、なおじには見える‥。
フミやトキに家事を任せず、自分で全てをこなす姿勢。
表面的には超・過保護に映ります。
でも、おクマの過保護はヘブンが家族を守るための防衛線なんじゃ‥。
松江の記憶が、ヘブンを慎重にさせている。
そのヘブンの意図が、おクマの行動を超・過保護にさせている‥。
👉関連記事:ばけばけ88話おトキとサワの友情|ラシャメン誤解と駆けつけ
史実の熊本移住メンバー
史実では、小泉八雲とセツが熊本に来た際、一緒に来たのは稲垣家の家族でした。
養父・金十郎、養母・トミ、養祖父・万右衛門。
そして松江の武家屋敷で雇っていた女中や車夫たちも同行したそうです。
一方、セツの実家・小泉家の家族は松江に残り、セツからの仕送りで生活していた‥。
ドラマでは、この辺りの事情が今後どう描かれるのか気になりますね。
👉関連記事:小泉八雲家族熊本移住の真相|セツの家族は本当に残った?
荒金九州男の登場と小豆相場詐欺の予感

97話のメインは、何と言っても荒金九州男(あらがねくそお)の登場。
演じるのは夙川アトム(しゅくがわ・アトム)さん。
名前からして怪しい雰囲気満点のこの人物。
司之介はあっさりと大金を預けてしまいました。
視聴者からは「荒金さん、見るからに怪しい」という声、多数。
当然そうでしょうね。
小豆相場とは何か
小豆相場とは、小豆の価格変動を利用した投機取引のこと。
明治時代には大阪堂島の米相場と並んで有名でした。
庶民が一攫千金を狙う手段として知られてたんです。
小豆は和菓子の材料として需要が高く、価格変動が激しかった。
そのため投機の対象になりやすかったらしい。
しかし、実際には多くの人が騙され、財産を失う事例が後を絶ちませんでした。
詐欺師たちは「確実に儲かる」と甘い言葉で地方の人々を誘い込んだんです。
特に武士階級出身の人々は、商売の経験が乏しく、騙されやすかった。
司之介などは、ほんと、良いカモ‥。
司之介の懲りない性格
司之介は過去にも何度か怪しい話に乗って失敗してますよね。
👉関連記事:司之介落ち武者と家族愛ばけばけ第9話感想
絶対に「司之介を暇にしてはいけない」ですよ!
「荒金さん、名前からして怪しい」よ!
司之介の懲りない性格には呆れるばかり…。
でも、これって明治時代の士族没落の象徴でもあるんですよね。
武士の時代が終わり、経済的に困窮した士族たちが一攫千金を夢見て詐欺に遭う。
そういう社会問題が実際にあったんです。
「これ、テストに出ます!」と、言いたくなります。
史実の司之介(稲垣金十郎)はどんな人物だったのか

ところがです。
史実を調べてみたら、小泉八雲の義父・松野司之介のモデルは比較的堅実な人物。
モデルは稲垣金十郎とされています。
家禄100石の並士で、セツの養父。
ドラマでは脚色されていますが、松江時代の稲垣一家は経済的に苦しかったのは事実。
セツの実家・小泉家も困窮していて、セツからの仕送りに頼っていたそうです。
実母・チエは働くことができず、物乞いになってしまったという記録も。
👉関連記事:ばけばけタエの物乞いは史実|小泉チエ家老の娘から転落
兄弟のスエとフジサブロウも働かず、セツが経済的に支えていたのも事実。
この経済的負担が、セツの松江時代をさらに厳しくしていたんでしょうね。
👉関連記事:ばけばけ96話 史実と見比べ熊本時代のヘブン先生
ヘブン先生のスランプと白紙原稿の意味

97話でもう一つ心配なのが、ヘブン先生のスランプ。
トキに新しい執筆物について尋ねられ、「内緒・秘密」と答えたヘブン。
でも実は原稿が白紙だったことが判明。
このシーン、「あさイチ」でも取り上げられ、鈴木奈穂子アナが「大丈夫かな」と心配してました。
熊本での生活になじめなかった史実
史実においても、小泉八雲は熊本時代に大きな不満を抱えてたもよう。
明治24年(1891年)11月19日、八雲は第五高等中学校に赴任。
約3年間、英語教師として教壇に立ちます。
松江での自由な環境と比べ、熊本の第五高等中学校は官僚的だったのだとか。
つまり、八雲の自由な教育スタイルと合わなかったらしい‥。
第五高等中学校は、卒業すれば無試験で帝国大学に入学できる超エリート校。
格式を重んじる雰囲気が強く、型にはまった教育が求められたんですね。
八雲は文学や怪談を交えた独自の授業スタイルを好んでいました。
でも、帝大進学を目指す学生たちには、もっと実用的な英語教育が求められたんでしょうね。
ドラマはこの史実を丁寧になぞっているように感じます。
つまり、ヘブン先生が原稿を書けないのは、単なるスランプじゃないのかも‥。
環境への不適応が原因かも‥。
錦織さんという支え

「ヘブン先生には錦織さんがいないと」と。
そう、思いませんか?
松江時代に八雲を支えた錦織。
熊本に彼がいないことが、ヘブンの孤立感を深めているでしょうね。
元教師のなおじから見ても、職場環境の変化は想像以上に精神的負担が大きい。
特に創作活動を行う人にとって、理解者の不在は致命的だと思うんです。
松江では錦織が通訳として八雲を支え、地域の人々との橋渡しをしてくれました。
熊本では、そういう理解者がいなかったみたい。
👉関連記事:ばけばけ 第25話 ネタバレ 感想~ヘブンの震える手が語った真実
八雲が熊本に来た理由
そもそも、なぜ八雲は松江から熊本に移ったのか。
一つは「松江の冬の寒さに耐えきれなかった」という理由。
八雲は温暖な気候を好み、熊本なら暖かいと考えたよう。
でも、逆に熊本の夏は蒸し暑く、八雲を苦しめまたのだとか‥。
もう一つは給料の問題。
第五高等中学校は松江中学より、相当に待遇が良かったらしい。
扶養家族をたくさん抱え、経済的に苦しかった八雲一家にとって、給料アップは魅力的だったんでしょうね。
では、結果として史実の小泉八雲にとって、熊本時代はどのような時代だったのか。
どうやら、精神的に不安定な時期があったよう‥。
なおじの総評:熊本時代の不穏な空気

97話は、熊本時代の不穏な空気が全面に出た回でしたよね。
おクマの過保護、司之介の投機話、ヘブンのスランプ。
三つの火種が同時に燻ってます。
三者三様の苦悩
| 登場人物 | 抱えている問題 | 史実との関連 |
|---|---|---|
| おクマ | 家族を守るため(ヘブンからの言いつけを守るため?)に、神経をすり減らしている | 松江の羅紗緬騒動の記憶、熊本での警戒 |
| 司之介 | 懲りずに金儲けの話に飛びつく | 士族没落の時代、経済的困窮 |
| ヘブン | 創作活動ができず精神的に追い詰められている | 第五高等中学校の官僚的環境、理解者不在 |
この三つの問題がどう絡み合っていくのか。
今後の展開から目が離せません。
なおじの予想では、荒金九州男の詐欺が明るみに出たとき、大騒動になるんじゃないかな。
松江のラシャメン騒動を上回る展開になるかも‥。
兎の次 小豆に手出す 懲りぬ父
「兎の次は小豆か」と嘆きたくもなりますよ。
司之介の失敗パターンは変わりません…。
でも、これが明治時代の士族のリアルだったと言えるのかも‥。
よくある質問(Q&A)
Q1. 荒金九州男は実在の人物ですか?
A. 荒金九州男は架空の人物と思われます。
史実の小泉八雲の記録には、このような人物は登場してないので‥。
ドラマ独自の脚色でしょう。
ただし、明治時代に小豆相場詐欺を働く人物は実在しました。
荒金九州男は、そういう時代背景を象徴するキャラクターかもしれませんね。
Q2. 小豆相場詐欺は史実にもあったのですか?
A. 明治時代には小豆相場を含む商品先物取引の詐欺が横行してました。
特に地方から都市部に出てきた人々が狙われるケースが多かったよう。
社会問題化してたらしい。
小豆は和菓子の材料として需要が高く、価格変動が激しかった。
そのため投機の対象になりやすかったんです。
詐欺師たちは「確実に儲かる」と甘い言葉で誘い込みました。
特に商売の経験が乏しい士族出身者が狙われやすかったみたい。
聞くところによると、令和の現代でも似たようなことがあるよう‥。
怖いですねえ。
Q3. ヘブン先生のスランプは史実でもあったのですか?
A. 史実の小泉八雲は、熊本時代に精神的に不安定な時期があったとされてます。
熊本での教育環境になじめず、松江時代のような創作意欲を保てなかったみたい。
記録に残ってました。
第五高等中学校は超エリート校で、格式を重んじる雰囲気が強かった。
八雲の自由な教育スタイルとは合わなかったんでしょうね。
また、熊本は「軍都として急速に近代化」が進んでいて、八雲が好む古き良き日本の風情が失われていました。
このことも、八雲の心を沈ませた要因の一つだったと思います。
Q4. 熊本時代の八雲一家の経済状況はどうだったのですか?
A. 熊本時代の八雲一家は、経済的にかなり苦しかったようです。
セツの実家・小泉家が困窮していて、セツからの仕送りに頼っていました。
実母・チエは働けず物乞いに、実の弟も働かず、セツが経済的に支えていたんです。
この負担が、八雲とセツの生活をさらに厳しくしていたんでしょうね。
給料アップを期待して熊本に来たものの、家族への仕送りで苦労は続いたみたい。
【筆者プロフィール】|なおじ
—公立小中学校で35年間社会科教師として勤務(茨城県)。
校長11年。退職後は8つのブログを運営し、朝ドラ「ばけばけ」では史実検証記事を毎話執筆中。
教え子からは「歴史が面白くなる先生」と呼ばれていました。
特にNHK朝ドラの時代背景や登場人物のモデル研究、各時代の文化・教育史が専門分野です。