こんにちは、なおじです。
恋のライバルに「ありがとう」と言える人間は、2種類います。
本当に感謝している人か、嫌味を言いに来た人か。
『ばけばけ』第55話のリヨお嬢様は、おそらく後者?
「大変よ先生を射止めるの」「ヘブン先生の過去知らないのね」の言葉は、少なからずおトキの心をざわつかせましたよね。
そしてもう1つ、なおじの心をざわつかせたのが、ヘブンが見た錦織の幽霊です。
西田千太郎の史実を知る者としては、この伏線が気になって仕方ありません。

この記事でわかること
- リヨがトキの家を訪ねて「ありがとうございました」と告げた真意
- 「先生は通りすがり」という言葉に込められたリヨの諦めと嫌味
- ヘブンが錦織の幽霊を見た理由と「通訳」発言への罪悪感
- 錦織友一のモデル・西田千太郎が1897年に34歳で早世した史実
- ばけばけの時代設定(明治23~24年)と西田千太郎の年齢
- 錦織の幽霊登場シーンが早世の伏線である可能性
- 次週予告で蛇とカエルが興奮した「あれ」の正体(怪談)
- トキがヘブンに怪談を語る展開と小泉八雲『怪談』誕生への道筋
リヨがトキにお礼を告げた真意
松野家の朝、破談を告げるトキ
12月12日放送の第55話は、松野家の朝から始まりました。
司之介がヘブンとリヨの結婚話がどうなったのかを尋ねると、トキは破談になったことを告げます。
ところが、そこへ突然、リヨお嬢様がトキの家を訪ねてきたんです。
「ワーオ、これはびっくり」
恋のライバルが、まさかの訪問ですよ。
「先生は通りすがり」の意味
リヨはトキに「ありがとうございました」とお礼を述べます。
でも、トキは戸惑うばかり。
リヨは続けて「先生は通りすがり」の意味がわかったと告げました。
この「通りすがり」とは、ヘブンが「人生の通り道に立ち止まることはない」という旅人のような生き方…。
トキはヘブンの過去——アメリカでのマーサとの別れなど——を知らなかったんですね。
👉関連記事:ばけばけ53話ヘブンの過去とマーサの結婚を考察
リヨの「嫌味混じりの撤退宣言」
「大変よ先生を射止めるの」と言い残して去るリヨ。
このセリフには、恋のライバルとしての嫌味と、潔い撤退宣言が同居してた。
なおじは元教師として生徒の恋愛相談を受けた経験がありますが、このように相手を認めつつ身を引く姿勢に、リヨお嬢様の育ちの良さと強さを感じました。
さすがリヨ様、そして、去り際の一言に漂う嫌味感。
でも、それが逆に彼女の魅力なんですよね。
👉関連記事:リヨの告白とトキの孤独|ばけばけ52話
ヘブンが見た錦織の幽霊の意味
金縛りと母の幽霊
第55話では、ヘブン先生が金縛りを体験します。
トキは幽霊役をおウメに演じさせ、「金縛りは幽霊の世界の入口」と説明。
ヘブンは「アイ ノウ イット(知っています)」と答え、「ハハウエ モウイッペン アイタイ(母上にもう一度会いたい)」と願います。
亡き母への思いは、ヘブンの心の奥底にずっとあったんですね。
錦織の幽霊が首を絞める
ヘブンは「では、行ってきます」と言って再び横になります。
なおじも「え、もうお母さんに会えたのか?」と思いきや、出てきたのは錦織さん。
錦織友一の幽霊が現れ、ヘブン先生の首を絞めた。
心臓バクバクものでしたね。
「通訳」発言への罪悪感
ヘブンは学校の廊下で、錦織から「私はヘブン先生にとってどんな存在なのか」と尋ねられていましたよね。
ヘブンは「素晴らしい通訳」「すばらしいお世話係」と答えます。
この答えに、錦織は2秒ほど沈黙…。
その2秒の間(ま)が、すべてを物語っていましたよね。
錦織は、ヘブンにとって「友人」ではなく「通訳」でしかないのか——そう感じたに違いありません。
ヘブンも無意識に罪悪感を抱いており、それが幽霊として現れたんですよね?
👉関連記事:ヘブン松江去る宣言とトキの揺れ|ばけばけ51話
錦織の幽霊は早世の伏線か
西田千太郎の史実
錦織友一のモデルは、西田千太郎という実在の人物です。
西田千太郎は1862年(文久2年)生まれ。
1897年(明治30年)に結核で亡くなりました。
享年は34歳(一部資料では36歳表記)。
小泉八雲が最も信頼した友人であり、彼の死は八雲に大きな衝撃を与えています。
ばけばけの時代設定と西田千太郎の年齢
ばけばけのこのころの時代設定は、明治23~24年(1890~1891年)頃と推定されます。
小泉八雲(ヘブン)が松江に到着したのは1890年。
西田千太郎(錦織友一)が八雲を英語教師として迎えたのも同年です。
この時点で、西田千太郎は27~28歳。
死去まで、あと6~7年しかありません。
【表:西田千太郎の生涯と『ばけばけ』時系列】
| 年代 | 西田千太郎の年齢 | 出来事 |
|---|---|---|
| 1862年(文久2年) | 0歳 | 誕生 |
| 1890年(明治23年) | 27~28歳 | 小泉八雲を松江に迎える(ばけばけ現在) |
| 1897年(明治30年) | 34歳 | 結核により死去 |
幽霊登場は早世の伏線
なおじが気になったのは、錦織の幽霊が登場したシーンが、彼の早世を暗示する伏線ではないかということ。
ドラマでは、ヘブンが錦織に対して「通訳」「お世話係」という表現しかできなかったことが、錦織の心に引っかかっている様子が描かれていますよね。
なおじは35年の教師生活で、言葉にできない友情や信頼関係がいかに大切かを学びました。
ヘブンと錦織の関係も「言葉にしにくい深い絆」を持っているんでしょう。
でも、その絆が深まったころに、あっけなく錦織は早世してしまう——そんな悲しい未来が待っているのかもしれません。
次週予告「あれ」の正体は怪談?
次週予告では、蛇とカエルがやたらテンション高く「ついにアレが来た」「キタ~」と騒いでいましたね。
「あれ」って何?
普通に考えると、「怪談」のこと?
錦織がトキに「怪談を教えて差し上げてくれないか」と頼んでいたこと。
トキがロウソクを灯して「お待たせいたしました」とヘブンの前に座るカットが入っていたこと。
ここまでそろうと、やっぱり「アレ=怪談」と見るのがいちばん自然かな。
もちろん、「あれ」がシャーロット・ケイト・フォックスさん演じるイライザの登場や、ヘブンの求婚なんていう可能性もゼロではありませんけど…。
ただ、予告の尺の使い方を見ると、「怪談のスイッチが入ったぞ」という意味合いは強そうです。
蛇とカエルも、完全に「物語が一段階ギアチェンジした」と言わんばかりのノリでしたしね。
いずれにせよ、トキからヘブンへ怪談が語られる流れが本格的に始まりそう。
ここが、小泉八雲の代表作『怪談』につながっていく”物語上の起点”になるのだと思うと、ワクワクが止まりません。
「ええなあ、金縛り」と目を輝かせるトキ。
これぞ、ばけばけワールドど真ん中のおトキちゃん。
来週の放送が、なおじも今から楽しみです。
👉関連記事:ばけばけ第17話ネタバレ感想~吉沢亮登場で東京に希望の光!?
第55話の主な登場人物紹介
【表:ばけばけ第55話の主な登場人物】
| 人物名 | 演者 | 役柄 | 第55話での動き |
|---|---|---|---|
| 小泉セツ(おトキ) | 髙石あかり | ヒロイン・ヘブンの妻 | リヨの訪問を受け戸惑う。ヘブンに金縛り体験をさせる |
| レフカダ・ヘブン | トミー・バストウ | 英語教師・小泉八雲 | 母の幽霊に会いたいと願うが、錦織の幽霊に遭遇 |
| 錦織友一 | 吉沢亮 | 中学校教師・ヘブンの通訳 | ヘブンに「私はどんな存在か」と尋ねる。幽霊として登場 |
| リヨ | 北香那 | 松江藩士の娘・ヘブンに恋心 | トキの家を訪ね「ありがとうございました」とお礼を告げて去る |
| 松野司之介 | 岡部たかし | トキの父 | ヘブンとリヨの結婚話がどうなったか尋ねる |
リヨお嬢様を演じる北香那さんの「嫌味混じりの潔さ」が、本当に素晴らしい演技でした。
錦織友一役の吉沢亮さんも、2秒の沈黙で「心の揺れ」を表現。
さすがの演技力です。
Q&Aで振り返る第55話
Q1:リヨが「先生は通りすがり」と言った意味は?
ヘブンが「人生に立ち止まらない旅人」であることを理解したという意味です。リヨはヘブンの過去(マーサとの別れなど)を知り、彼を射止めることの難しさを悟って身を引きました。
Q2:錦織の幽霊が登場したのはなぜ?
ヘブンが錦織を「通訳」と呼んだことが心に引っかかっており、無意識に罪悪感を抱いている可能性があります。また、錦織友一のモデル・西田千太郎が34歳で早世した史実から、今後の伏線である可能性も考えられますね。
Q3:次週予告の「アレ」とは何?
おそらく怪談のことです。トキがヘブンに怪談を語る展開が始まり、小泉八雲の代表作『怪談』誕生につながる重要なシーンとなりそうです。
Q4:西田千太郎は実際にいつ亡くなったのですか?
西田千太郎は1897年(明治30年)3月15日に結核で亡くなりました。享年34歳(一部資料では36歳表記)。ばけばけ第55話、2025年12月12日時点の時代設定(明治23~24年)から約6~7年後のことです。
Q5:シャーロット(イライザ)はいつ登場しますか?
第13週(12月22日~26日放送)にシャーロット・ケイト・フォックスさんがイライザ・ベルズランド役で登場する可能性があります。ただし、具体的な登場週は公式発表を待つ必要がありますね。
筆者紹介|なおじ
元社会科教師として35年間、小学校と中学校の教壇に立ってきました。
茨城県では小・中両方を経験するルールがあり、なおじも両校種で子どもたちと向き合ってきました。
バスケットボール部の顧問も約15年務め、生徒たちと汗を流した日々は、今でも宝物です。
現在は7つのブログ(ドラマ・芸能・政治・歴史・スポーツ・旅・学び)を運営しています。
ドラマ記事では、単なるあらすじ紹介ではなく、「時代背景」や「登場人物の心の揺れ」をゆっくりと言語化するスタイルを大切にしています。