こんにちは、なおじです。
2月24日放送のばけばけ102話。
「嘘つきは、来世で蛇になるとですよ」
——この一言にぞくっとした方、なおじも同じです。
帰り道のお地蔵様の前に現れた謎の女性。
名前も素性もわからないまま——でもトキだけが目を輝かせていましたね。
「ヘブンさん、気に入りそうだない?」
元社会科教師なおじには、あの登場シーンが史実の「お梅」という少女と重なって見えて、思わず前のめりになりました。
今回は、謎の女性の正体・史実・「嘘と蛇」の意味まで、なおじなりに読み解いていきます。

📌 この記事でわかること
- ばけばけ102話のあらすじ(印税80円・家族会議・おクマの奇策・書店街・謎の女性登場)
- ヘブンが「書けない」理由と英語教師との両立問題の構造
- 謎の女性「吉野イセ」の史実モデル・お梅の正体と「人形の墓」誕生の話
- 「嘘つきは蛇になる」という言い伝えが怪談にどうつながるか
ばけばけ102話あらすじ│印税80円と謎の女性の衝撃

ヘブン「カクノヒト」宣言と現実の壁
ヘブン宛に郵便為替が届きます。
なんと**「泥棒の話」の印税80円。**
「ミナサンのオカゲ。カンシャ、カンシャ」とヘブンも松野家の人々も、笑いで顔面崩壊でしたね。
この勢いのまま「これからは執筆で収入を得る。自分はカクノヒトだ」とヘブン先生、力強く宣言。
……でも学校の仕事が思ったより多くて、書く時間がまったく取れない。
疲れが癇癪となって家族へ向かい、すぐに「ゴメンナサイ」と謝るヘブン。
宣言から八つ当たりまでのスピードは、世界最速級だったかもしれません。
司之介がヘブンに先読みされる回
そこへ司之介が「よし!わしが代わりに書こう」と文机に向かいます。
ヘブンが間髪入れず「イウトオモイマシタ!」。
一同笑う——というほっこりシーン。
「ヘブンも腕を上げたな」「ウデアゲマシタ」と軽快な掛け合いに、松野家の距離感の近さが出ていましたね。
熊本に来たばかりの頃のヘブンを思うと、この「間」がわかるようになったこと自体が成長です。
家族総出で題材探しへ│おクマの奇策と書店街
翌朝、おクマがヘブンの箸を隠して題材にしようとします。
おクマさん、発想がやっぱり独特です。
松江時代の錦織友一さんのように家族全員で題材探しを手助けしようと決まり、フミとトキが町の本屋へ。
すると本屋にはすでに丈と正田がいました。
示し合わせたわけでもないのに、みんな同じことを考えていたわけです。
フミが「分厚い本なら何かある」と謎の直感で爆買い。
あの真剣な顔が、なおじには家族総出の健気さに映りました。
帰り道、お地蔵様の前で謎の女性に遭遇。
「車夫と一緒に祈ると叶わない」「嘘つきは来世で蛇になる」——そう言い残して去っていきます。
いったい何者なのか。
トキだけが目を輝かせました。
「ヘブンさん、気に入りそうだない?」
ヘブンの「書けない」問題│英語教師と作家の両立
本業と創作は「どちらかが犠牲になる」
「カクノヒトだ」と宣言した翌日には仕事山積み——見ていてちょっと笑えるんですが、これ、笑えない現実でもあります。
なおじは学校現場に35年いましたが、「副業や創作を両立したい」という先生の悩みを何度も聞いてきました。
授業・部活・会議・保護者対応——これだけでもういっぱい。
そこに創作の時間を作ろうとすると、必ずどちらかが削られる。
ヘブンのイライラ、なおじには肌感覚でわかります。
断れない「真面目さ」がヘブンの弱点
誰かが困っているなら助ける——その誠実さは美しい。
でも執筆者としては、致命的でもあります。
断れないのは意志が弱いわけじゃなくて、職業倫理と創作衝動がぶつかり合っているんです。
そう考えると、家族への八つ当たりが「ただの気分屋」には見えなくなります。
史実の八雲も「書けなかった」熊本時代
⚠️ここからはなおじの考察です。
史実の小泉八雲も、熊本赴任直後は「感性に合わない街」として苦しんでいたとされています。
第五高等中学の授業負担は決して軽くなく、執筆業との両立は史実の八雲にとっても過酷だったと考えられます。
それでも書き続けられたのは——トキ(セツ)が民話・言い伝えを集めて届け続けたからではないか。
なおじはそう見ています。
👉関連記事:小泉八雲が熊本で書けた真相!セツの民話から怪談が生まれた
謎の女性の正体│史実のお梅と「人形の墓」
102話時点では名前も素性も不明
お地蔵様の前に現れ、言い伝えを語って去っていったあの女性。
102話時点では、名前も素性もまったくわかりません。
エンドロールで「吉野イセ(芋生悠)」と判明します。
⚠️ここからは史実との考察です。
「吉野イセ」の史実モデルはお梅という少女
吉野イセの史実モデルとして有力視されているのが、**小泉八雲が熊本で雇い入れた女中「お梅」**です。
お梅は当時10〜11歳。
両親を立て続けに亡くした孤独な少女を、八雲とセツが自宅に迎え入れました。
| 要素 | 史実のお梅 | ドラマの吉野イセ |
|---|---|---|
| 生い立ち | 両親を亡くした孤独な少女 | 呪われているとされる女性 |
| 怪談との関係 | 語った身の上話が「人形の墓」の原型 | 言い伝えに詳しい語り手 |
| 役割 | 八雲家に8年間仕える | トキの前に現れ言い伝えを語る |
ドラマのイセは、お梅の「語り手」の側面を前面に出した複合キャラクターと考えるのが自然です。
「人形の墓」はこうして生まれた
お梅が語った「悲しい身の上話」が、1897年出版の**「仏陀の国の落穂」の中の「人形の墓」**として結実しています。
お梅の話は妻セツを通じて八雲へと伝わりました。
セツ(トキ)が「語り部の発掘者」——あの帰り道の出会いが、後の名作の種になっていくわけです。
👉関連記事:ばけばけモデル・小泉セツが語る『思ひ出の記』の魅力
「呪われた女」という設定の意味
⚠️ここからはなおじの考察です。
公式サイトによれば、イセは「ある田舎の村の言い伝えに詳しく、どうやら呪われているらしい」という設定。
「呪われた女」が知る「言い伝え・因果応報の話」——これが後の怪談作品の素材の宝箱になるわけです。
トキの「ヘブンさん、気に入りそうだない?」は、視聴者への合図でもありました。
「嘘つきは蛇になる」│怪談と因果応報の世界観
因果応報は八雲の怪談の核心
小泉八雲の怪談を貫くテーマは、「因果応報」と「死者との共存」です。
「嘘をついた者が蛇になる」——現代人の目には迷信でも、**明治期の庶民には生活の中に溶け込んだ「倫理の装置」**でもありました。
八雲はその「不思議な力」を迷信として退けず、背景にある人間の感情と恐れに着目しました。
それが怪談を「ホラー」でなく「人間の物語」にしているゆえんです。
言い伝えも 種にして咲く 怪談の花
なおじが授業で使った「因果応報の話」
教室で「ものの見方の多様性」を教えるとき、なおじはよく民話や言い伝えを使いました。
「なぜ昔の人はこんなことを信じたのか」——この問いに、中学生は案外真剣に向き合うんです。
「怖いから嘘をつかない」という動機は、「法律で罰せられるから」とは別の倫理観です。
吉野イセが語る言い伝えには、そういう前近代的な倫理の記憶が宿っている——なおじにはそう感じられました。
善意の嘘が生む不穏な空気
⚠️ここからはなおじの考察です。
「嘘つきは蛇になる」という言葉は、車夫(永見)が本当に嘘をついた疑惑をじわりと生み出します。
善意の嘘が別の誰かを追い詰める——という伏線になるかもしれません。
単なる怪談的演出に見えて、脚本が仕掛けた人間ドラマの種だとすれば、あの帰り道の出会いはもっと重く受け止める必要がありそうです。
👉ばけばけ全話の史実まとめはこちら:
ばけばけは史実と何が違う?全話感想と人物モデル一覧
この記事のQ&A
Q1. 吉野イセを演じているのは誰ですか?
芋生悠(いもうゆう)さんが演じています。
映画「左様なら」「宇宙でいちばんあかるい屋根」など独特の存在感で知られる実力派女優で、今回が朝ドラ初出演。
「幽霊画みたい」「ホラーの登場の仕方」とSNSで話題になりましたね。
Q2. 吉野イセは「呪われている」とはどういう意味ですか?
公式によると「ある田舎の村の言い伝えに詳しく、どうやら呪われているらしい」という設定です。
具体的にどんな呪いかは今後の展開で明らかになるでしょう(なおじの予想)。
言い伝えを語る彼女の存在が、ヘブンの怪談執筆のきっかけになることは確実です。
Q3. 原稿料80円は今のお金でどのくらいですか?
明治中期の1円は現代の約1万円前後という試算があります(研究者によって見解が異なります)。
そうすると80円=約80万円。
教師の月給が8〜10円程度だった時代ですから、8〜10か月分に相当する大金です。
「ミナサンのオカゲ」と喜んだのも無理はありません。
Q4. ヘブンが家族に八つ当たりしてしまったのはなぜですか?
学校の仕事が多くて書く時間がまったく取れない——その積み重なった焦りが家族へ向かってしまいました。
ただ、すぐに「ゴメンナサイ」と謝れたのは、熊本での日々で家族との関わり方を覚えてきた証です。
「最初を思うと本当に丸くなった」——視聴者の声、なおじも同意です。
Q5. 吉野イセの史実モデル「お梅」についてもっと知りたい
お梅は八雲が熊本で雇い入れた10〜11歳の女中で、その身の上話が「人形の墓」の原型になっています。
詳しくはこちらをどうぞ。
👉関連記事:ばけばけ おクマの史実 8年仕えた女中お梅が名作を生んだ
吉野イセの「嘘つきは蛇になる」——あなたはどう感じましたか?
あの帰り道の出会いが怪談誕生の種になっていくとしたら、トキの「気に入りそうだない?」という一言が光って見えます。
コメント欄で教えてもらえると嬉しいです。
著者紹介|なおじ
なおじは元社会科教師として教育現場に35年間携わり、指導主事を5年、校長を11年務めました。
退職後もボランティアで子どもたちに学習を教えています。
社会科の授業で民話・言い伝えを使って「なぜ昔の人はこう信じたのか」を考えさせてきたなおじには、小泉八雲が怪談に込めた「民俗の記憶」への関心がとてもよく理解できます。