引退宣言と決起集会、そして2025年有馬記念

決起集会のスピーチとファミリーへの感謝
栗須が優二郎も呼んで開いた決起集会で、耕一が語った言葉も忘れられません。
ロイヤルファミリーの今年限りの引退を宣言しつつ、「ファミリーが自分の人生を自分で歩けるだけの賞金を稼がせてくれてありがとうございました」と頭を下げる姿。
この一言に、「馬を道具ではなく、一頭の仲間として扱ってきた物語の答え」が詰まっていると感じます。
2025年有馬記念とビッグホープの衝撃
いよいよ迎えた2025年の有馬記念。
レインボーキャンプが飛ばし、ソーパーフェクトが続き、ロイヤルファミリーが加速していく展開は、まさにドラマ作り王道の熱い展開。
栗須が「勝てる」と確信した、その瞬間に現れたのがビッグホープ。
実はこの馬、椎名善弘と今は亡き山王耕造が手を組んで育てた、ロイヤルホープのもう一頭の子ども。
ロイヤルファミリーもビッグホープも、同じ血から生まれた馬たちだったのです。
ファミリーは負けましたが、ホープが勝ったことで、耕造の夢は別のルートから叶えられる。
何とも皮肉な展開…。
二人の息子たちが、父親たちの仕掛けた馬に完敗する。
「この時点で、この物語は決着していい」と、感じたほどです。
奥様の「私が応援した馬は全戦全敗」という一言も秀逸。
このセリフ一つで、「負けた側にもちゃんと光を当てるドラマなんだ」と感じたんです。
ところが、です。
ドラマは、ここで終わらない。
救いのない原作から、救いを描くドラマへ
2025年で終わらない物語
2025年の有馬の敗北の後、耕一は、ファミリーの引退を伸ばすことを決意します。
その時、耕一は「絶対に僕を裏切らないでください」と、父・耕造と同じセリフを栗須にいいます。
この言葉、2025年の敗北の後の場面で出てきました。
なおじとしては、この台詞を2030年の耕一の口から聞きたかった気持ちもあるんです。
正式に馬主資格を取り、自分の足で立ったあとでの「裏切らないでください」。
この言葉、もう一度聞きたかった。
とはいえ、2025年の段階でここまで言い切る耕一の覚悟があったからこそ、その先の物語が生まれたとも言えます。
「勝つことでしか報われない時間がある」という栗須の言葉も、胸に残りました。
2026年有馬記念の勝利を「映像」で見せた意味
物語は、2025年有馬記念の敗北で終わりませんでした。
時間が戻り、2026年の有馬記念でロイヤルファミリーが勝利するシーンが描かれるんです
原作では、巻末の成績表で「のちに勝利をつかんだ」ことがにおわされていました。
ドラマは、そのにおわせの部分を、真正面から「映像として描く」選択をしたわけです。
なおじは、この改変に大賛成。
救いのない物語として終えることも、一つの文学的な選択。
けれど、日曜21時に家族で見るドラマとしては、「救いのある継承」の姿を見せてくれたことに拍手を送りたいと感じました。
2030年の耕一と、これからの夢
栗須への報告と、夢のゴールイメージ
そして再び2030年へ。
耕一は、正式な馬主となり、栗須のもとを訪ねることになります。
「耕一はここで、どんな言葉を栗須に伝えるのか」と想像を膨らませたくなるラストでした。
ですが、ドラマはその場面を描きませんでした。
はっきり映像化せずに終わる…。
なおじはこの描き方、賛成です。
夢は押し付けられるものではなく、自分で選び取るもの。
そして、選び取った夢を走り続けた先に、「2026年の勝利」や「2030年の笑顔」が待っていた。
おそらく、耕一は栗須に、「また自分についてください」「絶対に自分を裏切らないでください」と言うのでは…。
視聴者に、そう想像させて終わる。
この余韻…。
👉関連記事:『ばけばけ』第50話 清光院ランデブーと明治の恋愛観
Q&Aで振り返る最終回
Q1:ビッグホープは誰の馬でしたか?
ビッグホープは、亡き山王耕造と椎名善弘が手を組んで生み出したロイヤルホープの子どもです。
馬主は、椎名善弘。
Q2:ロイヤルファミリーは結局いつ勝ったのですか?
2025年の有馬記念では2着でしたが、その翌年、2026年の有馬記念でついに勝利をつかみました。
Q3:なおじの予想はどこまで当たりましたか?
「2025年で1着」は外れましたが、「どこかで1着を描く」「時間を飛ばして継承を描く」という意味では、パターンBとCの中間ぐらいまでは当たったと感じています。
👉関連記事:ロイヤルファミリー最終回12月14日予想|原作と違う結末か
筆者紹介|なおじ
元社会科教師として35年間、茨城県の小学校・中学校で教壇に立ってきました。
現在はドラマ・芸能・政治・歴史・スポーツ・旅・学びに関するブログを7つ運営しています。
ドラマ記事では、その時代背景や登場人物の「心の揺れ」を、ゆっくりと言葉にしていくスタイルを大切にしています。