こんにちは、なおじです。
昔の教員時代、「先生、将来何になったらいいですか」と聞かれて、「自分で決めなさい」と答えるのは簡単でしたが、実際にその言葉を実行に移す生徒を見ると、こっちの胃が痛くなったものです。
『豊臣兄弟!』**第2回「願いの鐘」**では、小一郎(仲野太賀)がまさにその瞬間を迎えました。
身分違いの恋、野党の襲撃、母の告白。すべてが重なった夜、彼は侍になる決断をします。

【この記事でわかること】
- 豊臣兄弟第2回で小一郎と直の身分違いの恋がどう描かれたか
- 信長が織田伊勢守家に下した非情な決断の歴史的背景
- 野党襲撃と母なかの告白が小一郎の決意にどう影響したか
- お直と小一郎のこれから|史実の秀長の妻との関係をなおじが考察
- 「願いの鐘」が象徴する意味と物語全体への伏線
小一郎の才覚と墓石の小金
清州での稼ぎと家族への誇り
第2回の冒頭、小一郎が墓石の下に隠していた小銭を掘り出す場面から始まりました。
和尚に見つかってしまうものの、彼の表情には「バレたか」という焦りよりも、家族のために貯めたという誇りが滲んでいました。
清州での稼ぎを家に持ち帰り、家族に見せる小一郎。
「少ない」、と言われつつも「家族のために働けた」と感じていたでしょうね。
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戦場を目撃した小一郎の心の揺れ
一方で、母のなか(坂井真紀)は「藤吉郎が人を殺せるわけがない」と心配します。
ところが、小一郎は藤吉郎が人を殺す現場を目撃してしまっていました。
人が殺される瞬間を見た小一郎の表情は、家族の前では隠していても、心の奥で確実に揺れていました。
この対比が、後半の決断への伏線になっていたんですね。
身分の壁と直との切ない場面

「いい話じゃな」と心にもない返事
直(白石聖)が小一郎に縁組が決まったことをほのめかす場面。
見ていて胸が苦しくなりました。
慌てる小一郎に対し、直は「どう思う?」と問いかけます。
しかし小一郎は「いい話じゃな」と、心にもないことを言ってしまうんです。
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直は悲しく笑いながら、「私すごいなあ。小一郎ならきっとそういうと思った」「ありがとう」と返します。
この時の白石聖さんの表情。切なさが滲み出ていましたね。
でも、ちょっときになったのが、もしこれが永野芽郁さんなら、どう演じただろうという点…。
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縁組の宴と悪ガキ仲間の慰め
直の縁組が決まった宴会の夜。
小一郎が悲しんでいると、悪ガキ仲間が慰めてくれます。
ところが、「坂井様の娘事、わしら小百姓とでは身分が違う」と、言わずもがなのことを口にする仲間。
小一郎は改めて身分の壁という現実を突きつけられました。
信長の言葉が心に響く瞬間

そこで小一郎の心に響き始めるのが、兄・藤吉郎(池松壮亮)の言葉や信長の言葉です。
「信長は、身分だの家柄だのにとらわれないお方だ」
「自分の進む道は、自分で切り開くのじゃ」
こういう時だからこそ、言葉が心に刺さるんですよね。
教師時代、進路に悩む生徒に同じようなことを言いましたが、彼らが本当にその言葉を実行するときは、いつも何かが起きた後でした。
信長の苛烈さと市の苦悩
織田伊勢守への容赦なき決断

織田家の会議では、織田伊勢守家の織田信安からの降伏文書を信長が破り捨てる場面が描かれました。
信長は容赦なく岩倉城攻めを命じます。
史実では永禄2年(1559年)3月、信長は岩倉城を攻撃・占領し、織田信賢を追放して織田伊勢守家を滅亡させています。
ドラマでは信長の非情さが際立ち、家臣たちが居住まいを正す緊張感が伝わってきました。
これは桶狭間の戦い(1560年)の前年の出来事です。
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願いの鐘の話と市の兄弟愛

お市(宮崎あおい)が藤吉郎を呼び出し、「願いの鐘」の話を聞く場面も印象的でした。
藤吉郎が語る不思議な鐘の話。鐘を鳴らすと村から争いが消え、村人は平和に暮らしたという伝説です。
お市は「兄弟とは不思議なもので、お互いのことをわかってしまうことがある。私が今苦しいのは、たぶんいま、兄上が苦しいからじゃ」と言います。
信長の苛烈さの裏にある苦悩を察する市の優しさ。
これが、戦国の世の残酷さをより際立たせていました。
野党襲撃と小一郎の侍への決意

直が祝言から逃げ出した夜
直の祝言の日。
なんと、直が小一郎の家に駆け込んできます。
祝言から逃げ出してきたんです。
「やっぱり嫌じゃ。こんな祝言挙げたくない」と。
小一郎は「一緒にこの村を出よう」と言いかけますが、すぐに「無理じゃろう。わしは百姓じゃ。ここで生きていくしかないんじゃ」と現実に引き戻されます。
そこに、とも(宮崎エマ)が駆け込んできて、野党がまた襲ってきたことを告げました。
新手の野党集団が村をことごとく焼き尽くし、奪いつくします。
友人の信吉が殺されていました。
「なんじゃ、これは、次から次へと、わしらが何をした」と泣き叫ぶ小一郎。
母なかの告白と兄弟の絆
そこに、清州にいるはずの藤吉郎が現れます。
「なんで、ここにおるんじゃ」と小一郎。
「わしにもわからん」と藤吉郎。
小一郎が「これじゃみじめじゃ」「わしらのことなんじゃと思っとるんじゃ」と嘆くと、藤吉郎は「なら今度はわしの番じゃ。行こうわしと一緒に。侍になれ小一郎」と誘います。
母のなかもともも、小一郎の才覚を見抜いていました。
なかが「あんたが好きにしなさい」「藤吉郎には藤吉郎にしか、あんたにはあんたにしかできんことがある。それをおやり」と背中を押します。
そしてなかが、藤吉郎が村を出た時の話を明かします。
「藤吉郎が、小一郎に飲ませてやってくれと、薬を置いて行った」と。
つまり、藤吉郎は小一郎の薬を買うために盗みをして、村を出たんです。
「だから今度は、あんたが藤吉郎を守っておやり。あんたにしか、できんことをおやり」
この場面、涙なしには見られませんでした。
「おてんとうさまみたいにおなり」

なかが小一郎たちを送り出すとき、こう言います。
「もっと上じゃ。あれみたいにおなりよ。あんたらはあのおてんとうさまみたいにおなり」
この言葉、聞いていて本当に泣けました。
教師として多くの親御さんを見てきましたが、子どもを送り出す親の言葉というのは、どれだけ心を絞り出しても足りないくらいの愛情が込められているものです。
小一郎は直に「そんなら、一人心当たりがある」「だれ」「わしじゃ、わしと一緒に来てほしい」と告白します。
直は「私すごいな。小一郎なら、きっとそういうと思った」と。
良かった。お直。
坂井様が「この盗人兄弟めが」と叫ぶ中、鐘が鳴り響きます。
なかが鐘を鳴らしていたんです。
「人のためには走り回るくせに」となか。
そして、鐘を鳴らす。
「願いの鐘じゃ」と小一郎。
ここで物語がつながりましたね。
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お直と小一郎のこれから|史実と、なおじの妄想

秀長の正妻はだれなのか
ここからは、なおじの歴史オタクタイムです。
史実の秀長には、ちゃんと「正妻」がいます。
名前は慈雲院(じうんいん/智雲院)。
ドラマでは吉岡里帆さんが演じると発表されていますね。
ポイントはここ。
- 秀長が慈雲院と結婚するのは、45〜46歳ごろ
- 今の小一郎は、まだ二十歳そこそこ
そう考えると、第2回の小一郎とお直の関係は、**正妻登場までの「ずいぶん前の物語」**になります。
ここに、ドラマならではの余白。おいしい時間差です。
お直は史実のだれになるのか問題

お直は「ドラマオリジナルキャラ」と説明されています。
それでも、歴史好きとしては気になってしまうんですよね。
史料には、秀長のまわりにこんな女性たちがちらっと出てきます。
- 側室らしき存在として名前が残る人
- 子どもの養育にかかわったとされる女性
名前がはっきりしない人も多い。
だからこそ、**「お直=史実のだれか」**という当てはめも、作り手しだいでどうにでもなるんです。
なおじの妄想を正直に書くと、
- 「のちの側室ポジション」におさまる
- 正妻・慈雲院が来るまでの長い年月を、そばで支え続ける
- 史書には名前が残らないけれど、ドラマ世界では「もう一人の妻」として描かれる
こんなラインなら、史実とぶつからずに済みます。
歴史教師的にも、ギリギリセーフの範囲。
なおじの願い|別れないでほしい、ほんとうは

本音を書きます。
お直と小一郎、別れてほしくないんです。
第2回のラスト近く。
- 「私すごいなあ。小一郎なら、きっとそういうと思った」
- 「わしじゃ。わしと一緒に来てほしい」
ここでの白石聖さんの表情。
覚悟と不安と、ちょっとした誇らしさ。
あの一瞬だけで、「この子を幸せにしてやってくれ、小一郎」と画面に向かってお願いしたくなりました。
なおじが勝手に考える「ありそうなコース」は、だいたい三つ。
1. 側室ルート
正妻・慈雲院とは別に、「若いころからの妻」としてそばに残るパターン。
2. 参謀・相棒ルート
形式的には妻でないけれど、秀長の判断に深くかかわる「心の相棒」として描かれるパターン。
3. 痛い別れルート
戦や政略の中で、お直が身を引く、あるいは命を落とすパターン。大河でよくあるやつ。
頭で考えると、どれも「ありそう」なんですが、感情は別のことを言います。
史実は史実。ドラマはドラマ。
ならば一度くらい、史実を乗りこえてハッピーエンドでもいいじゃないか。
教師時代、生徒に「歴史は事実だけど、人の生き方は物語でもある」と話していました。
今回ばかりは、脚本がその「物語」のほうに寄ってくれることを、心から期待しています。
せめてドラマの中だけでも──
小一郎とお直が、「おてんとうさまみたいに」笑っていられる未来。
そんな結末を、なおじは勝手に願っています。
【表:第2回の主要登場人物と心の揺れ】

| 人物 | 立場 | 第2回での心の揺れ | 決断 |
|---|---|---|---|
| 小一郎 | 小百姓 | 直への恋と身分の壁、戦場の目撃 | 侍になる |
| 直 | 土豪の娘 | 縁組への抵抗、小一郎への想い | 小一郎についていく |
| 藤吉郎 | 信長の家臣 | 弟への心配、家族への罪悪感 | 小一郎を誘う |
| なか | 母 | 息子たちの未来、家族の別れ | 送り出す |
Q&Aで振り返る第2回
Q1. 織田伊勢守とは誰ですか?
A. 織田信安で、織田伊勢守家の当主です。永禄2年(1559年)に信長が岩倉城を攻撃し、伊勢守家を滅亡させました。桶狭間の戦いの前年の出来事です。
Q2. 直は実在の人物ですか?
A. 直はドラマオリジナルキャラクターです。秀長の幼なじみで初恋相手という設定で、白石聖さんが演じています。
Q3. 「願いの鐘」はどういう意味ですか?
A. 藤吉郎がお市に語った伝説の鐘で、鐘を鳴らすと村から争いが消え平和に暮らせたという話です。ラストで母・なかが鐘を鳴らし、小一郎たちを送り出す象徴的なシーンとして描かれました。
【筆者紹介|なおじ】
元社会科教師として35年間教壇に立ち、小中学校で日本史や公民を教えてきました。
現在は8つのブログでドラマ・芸能・政治・歴史・スポーツ・旅・学び・書評を執筆しています。
ドラマ記事では「時代背景」や「心の揺れ」をゆっくり言語化するスタイルを大切にしています。