核武装の必要性を説く櫻井よしこ氏
令和4年11月7日月曜日の産経新聞、「美しき勁き国へ」で、桜井氏はフランスの歴史人口学者、 エマニュエル・ドットしの記念講演の助言を引用している。
ウクライナ戦争で明らかになったことの一つは核兵器が安全を保障する武器だということです。日本は強い軍を持つべきですが、人口的に、(十分な)若者を国に投入することは難しい。ならば核武装すべきです。核武装こそ平和維持に必要だとの確信を私は深めています」
産経新聞令和4年11月7日
このエマニュエル・ドット氏の言葉を受け、桜井氏は次のように言う。
「敵基地攻撃」という表現さえ忌避する我が国への助言としては大胆だ。だが、ソ連崩壊後その15年前に予言したトッド氏の炯眼を無視するのは歴史の転換に眼をつぶるに等しい。
産経新聞令和4年11月7日
つまり桜井氏も、日本の核保有に賛成ということである。
実質的に今の日本では充分な兵力の確保は難しい。となるとどうしても核保有という方向に進まざるを得ない。
中国の台湾侵攻は予想よりずっと早く行われる
中国の台湾侵攻は予想よりずっと早く行われると、ブリンケン米国長官が警告を発している。このままでは日本を守りきることができないので、残念ながら国防費は増やさざるを得ない。しかしこの国防費について、今おかしなことが起きている。
財務省のおかしな動き
10月26日午後自民党の萩生田光一政調会長に岸田文雄首相から電話があった。鈴木俊一財務相以下茶谷栄治財務次官らが官邸に来て、「総務経済対策費は25兆円になる。当件は政調会長にも逐一報告済みだ」と説明を受けたが、それは事実かとのいう直々の問い合わせだった。その時間帯、萩生田氏はまさに総合経済対策を議論する党の政調全体会議を開き、必要な予算を議論している最中で、 25兆円の枠組みなど決まってもいなかった。財務省が政治家の裏をかいて、まず首相に25兆円枠を飲ませ、自民党を抑え込もうとしたのであろう。
産経新聞令和4年11月7日
鈴木俊一財務相以下茶谷栄治財務次官らへの罰則はどうなっているのだろうか。このままで済ませてはいけない。まるで自分たち財務省が日本の主人であるかのごとき振る舞いが許されて良いのだろうか。
今回の岸田総理の動きは評価したい。疑わしいことをただ聞いて終わりにするのではなく確かめている。(確認は当たり前で、取り立てて褒めるべきではないのかもしれないが)これは評価したい。
このことについて、萩生田氏は次のように述べた。
政治家を騙して政策決定に走ることはないだろう。
産経新聞令和4年11月7日
と述べたという。もっともだ。しかし、それだけか。しっかり罰則を示してほしい。
海保は、軍隊ではない
さらに2面では、海保のことに言及している。
海保、すなわちコーストガードの予算は軍事費に組み込むのが北大西洋条約機構(NATO)基準だというが、欧米のコーストガードは有事に軍の指揮下で行動を共にする。海保には海上保安庁法25条があり、「海上保安庁またはその職員が軍隊として組織され、訓練され、または軍隊の機能を営むこと」を禁じられている。
産経新聞令和4年11月7日
つまり海保は軍隊ではない。軍隊と同じようなことはできない。それにもかかわらず海保の予算を、軍事費として計上しようという考えは、一体どういうことか。
もし、軍事費として扱うなら、小野寺五典安全保障調査会長が述べたように、海上保安庁法25条を改正しなければならない。それにも反対なら、一体どうすれば良いのかと当事者は胃が痛む思いだろう。
それでも日本の国を守るために、防衛費2%の実質実現をお願いするしかない。
萩生田光一氏、小野寺五典氏など、ご苦労されている皆様に感謝申し上げたい。
自衛隊の継戦能力
自衛隊には継戦能力がないと、安倍晋三元首相のみならず、岸田文雄首相も認めている。このような状況で、日本は自国をどう守るのかが問われる。
米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)が台湾をめぐって米中戦争が2026年に勃発するとの前提で、24通りの模造戦争をした。このうち21例が完了し、今年12月に最終結果が発表される。重要な点は、ほとんどの戦いで米台側が勝利し、中国の台湾占領を防いだ。
産経新聞令和4年11月7日
これは心強い。中国が仮に戦争を起こしてもシュミレーション上では、ほとんどの場合米台側の勝利となる。しかし、すべてがうまくいくと言うことでもない。
米台の損耗は激しく、米国の国際社会における地位は長きにわたって損なわれるという結果も出た。当然、日本も同様の状況に陥るだろう。
産経新聞令和4年11月7日
なんと、米国も日本も、「地位が長きにわたって損なわれる。」つまり、国力そのものが極端に低下する。これは当然だろう。中国と戦い無傷ではいられない。
となると、できる限り戦わずに済む方策を探らなければダメだと言うことだ。そのためには、中国に「戦うのは損だ。」「戦いたくとも、戦うことはできない」と思わせる必要がある。
どうすればそれができるかとなると、「核抑止」ということになる。
国を守るために核抑止をどうするか、議論を避けるわけにはいかなくなった。「言霊思想で議論するのもダメ」という時代ではない。
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