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検定合格小学校教科書 竹島・尖閣「固有の領土」明確化【教師は「固有の領土」をどう教える】

朗報。今回の検定合格教科書は、どの教科書も「竹島・尖閣・北方領土は日本固有の領土」と明記された。今までは竹島や尖閣を授業で扱う際、少なからず注意を払っていた。一歩間違うと、地域や同僚教員からさえ批判を浴びることになる。そういう時代が長く続いてきたように思う。しかし、このように明確に教科書に載るようになると、現場の教師も自信を持って自国の領土を扱うことができる。朗報だ。

目次

必要なことは教える その上で、自ら考える力を養う

3月28日、令和6年度から小学校で使用される教科書の検定結果が公表された。世間からは大変に誤解を招いてしまった「ゆとり教育」を、別の言葉で言い換えた主体的・対話的で深い学びの実現を目指した新しい学習指導要領に沿った教科書の検定結果である。

「ゆとり教育」とは、誤解されているような「ゆるみ教育」ではない。
私たち昭和中期の人間が受けてきた重箱の隅をつつくような教育の反省から、「細かすぎる知識まで教え過ぎていたことを反省し、必要な知識に絞って学び、その知識を遣って、その上の知識を、自ら創造する、ゆとりを保証する教育」「学んだことをもとに主体的に考え、周りの者と対話しながら自らの知を高めるための、時間的・質的なゆとりを実現する教育」、「いわば、『知』を学び『智』を自ら生み出す場を保証する教育」が「ゆとり教育」。「すでにある正解」を暗記する教育から、「正解の無い問題に対峙し、自らの回答を見いだす力を養う教育」が、「いわゆる『ゆとり教育』」であった。

残念ながら、「ゆとり」という言葉が、「ゆるみ」と誤解され、「覚えなくていいんだ」「一生懸命にやらなくていいんだ」という、どうしたらこういう誤解に到達するのかというような誤解がうまれた。
当時の「ゆとり教育」という言葉に対する一般の理解はこのようなものだ。
まるで、今国会の、高市氏の真摯な説明に対する立憲民主党議員らの極端な誤認識?(意図的な曲解)、いくら説明しても納得しようとしない状況に似ている。

当時、「このように誤解された『ゆとり教育』というスローガンの下では、日本にとって本当に必要な教育の実現は、まだまだ先になる。」と、思ったことを思い出す。

教えるべき事を しっかりと教える勇気が必要

「ゆとり教育」、新しいスローガンとしての「主体的・対話的で深い学び」の実現のためには、「ゆとり教育」時代と変わらず、教えるべき事は、しっかりと教えなければならない。

「教えるべき事をしっかり教える」という点で、今回の教科書検定の目玉として、「竹島・尖閣は、日本の固有の領土である」ことを、教科書がしっかりと明示したことを喜ばしく思う。

現行の学習指導要領では「領土教育」の充実、が指摘されている。今回の教科書選定結果は、各教科書ともそれに沿っている。

🔶5、6年生の教科書の「竹島・尖閣諸島・北方領土」の扱い

検定合格の各教科書とも、「竹島、尖閣諸島、北方領土」について、日本固有の領土と明記された。

ただ検定途中で、北海道を中心とする地図を掲載した5年生の教科書の中に、北方領土の択捉島が省かれている教科書があったそうだ。これについては修正が求められ、後に修正されたとのこと。

修正は当然だ。残念だが、これがどこの教科書会社のものなのかは分からない。修正されたとはいえ、私が教科書採択委員なら、このような会社の教科書は採択したくない。

「ゆとり教育(主体的・対話的で深い学び)」を目指すためには、教えるべき事はきちっと教え瑠必要がある。その上で、単に教えて終わるだけでは無く、考えるための「問題」を設定し、周りの仲間と対話し、「知」を『智』に高める場を経験させることが重要。

🔶「知」を「智」に高めるためには、教師の設定する「問題」が重要

一時期、「学習問題は子どもたちがつくるもの」という考え方が主流を占めた。KJ法などによって、子どもが作った問題がよいとされたのだ。

だが、本当にそうだろうか。学習問題は、子ども任せにしてはいけない。教師の責任で学習問題を設定する必要がある。例えば、「韓国の人が、竹島は韓国の領土だと言っているが、『竹島は、どこの国の領土なのか』」などの学習課題を、教師が自らの責任で設定すべきではないか。

そして、出来れば、子ども自身があたかも自分自身で「学習問題」に気がついたように(錯覚できるように)、自然な形で「学習問題」を設定できたら、なお素晴らしい。

学習問題は、教師の責任で設定すべきもの

自国に誇りをもつ子どもを育てるためには、教師の責任が伴う。
「主体性」とか「自ら」とかいう美辞麗句に惑わされること無く、「教えるべき事は、教える」「指導すべきは、指導する」ことが大切。その第一は、『学習問題設定』にある。
教師の責任ある指導が無ければ「主体的・対話的で深い学び」は実現できない。

🔶小学校学習指導要領解説 にはどう書いてあるか

◇主として「地理的環境と人々の生活」に区分される内容

・我が国の国土の様子と国民生活に関する内容については,「領土の範囲」を大まかに理解することを示し,内容の取扱いにおいて,「『領土の範囲』については,竹島や北方領土,尖閣諸島が我が国の固有の領土であることに触れること」を示した。

小学校学習指導要領解説 社会篇

このように記述されている。本来、「竹島や、尖閣諸島、北方領土を我が国固有の領土」と教えなければならないのだ。
だが、現実には、この部分が弱く日本人の多くは、自国の領土を曖昧に認識している。

◇内容の取扱い

領土の範囲について指導する際には,竹島北方領土(歯舞群島,色丹島,国後島,択捉島),尖閣諸島は一度も他の国の領土になったことがない領土という意味で我が国の固有の領土であることなどに触れて説明することが大切である。
 また,竹島や北方領土の問題については,我が国の固有の領土であるが現在大韓民国やロシア連邦によって不法に占拠されていることや,我が国は竹島について大韓民国に対し繰り返し抗議を行っていること,北方領土についてロシア連邦にその返還を求めていることなどについて触れるようにする。
 さらに,尖閣諸島については,我が国が現に有効に支配する固有の領土であり,領土問題は存在しないことに触れるようにする。
 その際,これら我が国の立場は,歴史的にも国際法上も正当であることを踏まえて指導するようにする。
 内容の取扱いの(1) のイは,内容の(1) のアのウの「地図帳」や「地球儀」を扱う際の配慮事項を示したものである。

小学校学習指導要領解説 社会篇 (内容の取扱い)

学習指導要領上は、平成29年度版からすでに、「竹島や尖閣、北方領土について上記のように扱うことになっていた。」しかし、学校現場では、なかなかそうはいかない。教科書に書いていないことは、勇気をもって教えづらかった。その意味で、今回の採択結果は本当に喜ばしい。

竹島

韓国の反応

🔶韓国 竹島の記述は「不当な主張」と 教科書検定に抗議

【ソウル時事】によると、韓国の趙賢東外務第1次官は28日に、在韓日本大使館の熊谷直樹総括公使を呼び出し小学校の教科書検定結果について、抗議したことを発表した。
「教科書に不当な主張が盛り込まれた」とした上で「強く抗議し、日本のいかなる主張も受け入れられないことを明確にする」という内容。

具体的には、島根県竹島(韓国名・独島)が「日本固有の領土」と明記されたことを問題視し、「不当な主張が盛り込まれた」と非難。

また、日本の植民地支配下で、「国民が無理矢理徴用された」と、いう韓国側の主張についても、「強制動員に関連する表現が強制性を薄める方向に変更された」という事実に基づかない批判を繰り返した。その上で、「日本政府が表明してきた歴史に関する謝罪と反省の精神を真摯(しんし)に実践する」よう要求した。

その上で「韓日両国間の建設的で未来志向的な関係構築のためには、未来を担う世代の正しい歴史認識が基礎にならなければならない。日本政府は歴史を直視し、責任ある行動を示さなければならない」とした。

まあ、そっくりそのままお返ししますと言いたいが、韓国の反応としては予想の範囲内。言わせておけ、とも思う。出来れば、嘘つき韓国とは付き合いたくないが、国際情勢上そうもいかない。

韓国の抗議に対する日本政府の反応

これに対し、熊谷総括公使は、
「竹島は、歴史的事実に照らしても、かつ国際法上も明らかに日本固有の領土だ」と毅然と反論し、抗議は受け入れられないという立場を伝えた。

さらに、「徴用」問題などでの韓国側の主張も、まったく「指摘はあたらない」と反論した。
熊谷総括公使が、主張すべき事をきちっと主張してくださった。
ありがたいことだ。

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