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米価格推移 50年|令和米価高騰の真相と農政トライアングルの思惑

最近、スーパーでお米を買おうとしたら「えっ、こんなに高くなってるの!?」と驚いた方も多いのではないでしょうか。

我が家でも今年に入って、いつもの銘柄が目玉が飛び出るような値段になっていて家計を直撃しています。

この「令和の米騒動」とも呼ばれる現象、実は歴史的に見るとどうなのか?

本当の原因は何なのか?そして未来はどうなるのか?

今回は「米価格推移 50年」という視点から、現在の米価高騰の真相と背景について、ちょっと掘り下げて見ていきたいと思います。

目次

過去50年の米価格推移を振り返る

【コメ価格の変動 50年の推移】

年代価格(10kg当たり)価格(5kg当たり)主な出来事・特記事項
1975年2,495円約1,250円オイルショックの影響で価格高騰
1980年3,235円約1,620円食管制度下での高値安定
1985年3,764円約1,880円この時期が過去50年で最も高水準に
1990年約3,850円約1,925円バブル期の高値維持
1993年(60kg当たり23,607円)約1,970円米不足騒動、緊急輸入
1995年約3,800円約1,900円食糧管理法廃止、食糧法施行
2000年約3,950円1,978円価格下落傾向の始まり
2005年約3,800円約1,900円「米余り」による価格下落
2010年約3,470円1,739円消費減少による価格低迷
2011年約3,300円1,649円過去50年で最安値を記録
2012年約4,450円2,223円価格回復の兆し
2015年約4,200円約2,100円緩やかな価格回復
2020年約4,300円約2,150円コロナ禍による家庭内消費増加
2023年1月約4,060円2,030円「令和の米騒動」前夜
2024年前半約7,000円約3,500円急激な価格高騰、品薄状態発生
2025年3月約8,000円約4,000円政府による備蓄米放出も効果限定的

※価格はスーパーなどでの小売価格の全国平均に基づく概算値です。
時期や地域、銘柄により実際の価格は異なります。
※表中の価格は当時の貨幣価値で表記しており、インフレ調整は行っていません。
※一部データは推計値や代表的な価格帯を示しています。

まずは過去50年の米価格の変化を見ていきましょう。

実は米の価格、けっこうアップダウンが激しいんです。

1970年代初頭、お米は10kgあたり1,150円ほどでした。

当時の感覚で言えば決して安くはなく、お米は「贅沢品」とまでは言いませんが、大切に消費されていました。

その後、1973年のオイルショックを契機に米価も上昇。

1975年には10kgあたり2,495円と、5年間で2倍以上に高騰しました。

これは、エネルギー価格の上昇が農業生産コストに反映されたんですね。

さらに1980年代に入ると、米価はさらに上昇。

1985年には10kgあたり3,764円まで上がりました。

この時期が、過去50年の中でも相対的に高い水準だったことは意外と知られていません。

実は多くの人が勘違いしているのですが、1990年代前半の米価格は今より高かったんです。

1993年産米の相対取引価格は60kgあたり2万3,607円

これを現在の物価に換算すると、かなりの高値になります。

興味深いのは、1990年代後半から2000年代に入ると米価が長期的な下落傾向に入ったこと。

2011年頃には底値を付け、5kgあたり1,649円まで下がりました。

この時期、多くの米農家さんが経営難に陥ったのは想像に難くありません。

その後、緩やかな回復基調となり、2020年頃までは5kgあたり2,000円から2,200円程度で推移していました。

「令和の米騒動」とは?二つの意味

「令和の米騒動」という言葉、実は二つの全く違う出来事を指しているのをご存知ですか?

一つ目は、2023年に中日ドラゴンズの立浪和義監督選手に白米を禁止した出来事。

これは超有名な話になりましたよね。

でも実際には「米が完全に禁止されたわけではない」というのが真相だそうです。玄米や雑穀米はOKだったとか。

そして二つ目が、私たちの財布に直接影響している現在の米価格高騰問題

2023年以降、日本のお米の価格は急激な上昇を見せています。

総務省統計局の小売物価統計調査によると、2023年1月の米価格は5kgあたり約2,030円でしたが、わずか2年後の2025年3月には4,000円を超えるケースも。

たった2年で倍になったわけです。

これは家計にとってかなりの打撃ですよね。

実際、スーパーの棚からお米が消えるという現象も2024年前半には発生しました。

私も地元のスーパーで「お一人様1袋まで」という制限を見て、「これはマジか…」と思ったものです。

米価高騰の「公式説明」と「裏の理由」

さて、この米価高騰、公式には以下のような理由が説明されています:

  1. コロナ禍からの需要回復(外食需要や訪日外国人増加)
  2. 異常気象による不作(2023年夏の猛暑による「粉状質粒」発生)
  3. 米農家の減少(10年間で約4割減少)
  4. 供給不足の顕在化

しかし、ネット上では別の見方も広がっています。

特に興味深いのが「消えたコメ」をめぐる議論です。

農水省は「コメは足りているが流通で滞っている」と主張していますが、元農水官僚は「消えたコメなんてない」と明確に反論。

ではどこに行ったの?

という疑問が湧きますよね。

ある専門家によれば、「農林水産省、JA農協、自民党農林族の農政トライアングルは、現在の異常な高米価を望ましいと考えている」のだそうです。

これが本当なら、ちょっと恐ろしい話です。

また、SNS上では「南海トラフ地震への備え」や「外国人による買い占め」など、様々な噂も飛び交っています。

これらは確証がありませんが、こうした声が出るほど、今回の価格高騰は消費者に衝撃を与えていることの証でしょう。

備蓄米放出の「トリック」とは?

米価高騰を受けて政府は2024年に備蓄米21万トンの放出を決定しました。

これについて農水省は「備蓄米の流通拡大により需要超過が解消に向かえば、コメ価格の抑制に寄与する」と説明しています。

しかし、ある元農水省関係者によれば、備蓄米放出には「米価を下げない」ための2つのトリックがあるそうです:

  1. 卸売業者ではなく集荷業者(主にJA農協)に放出することで、最終的な市場供給量を調整できるようにしている
  2. 1年以内に買い戻すことを条件としており、結果的に市場からコメが引き揚げられる

これが本当なら、見せかけだけの政策ということになりますね。

実際、3月時点では価格下落の兆候はあまり見られていません。

一方で「5~6月には3000~3400円程度に下がる」という楽観的な見方をする専門家もいます。

ただし「昨年並みの2000円台までは戻らないだろう」という点では専門家の意見は一致しています。

米との思い出 – 昭和・平成・令和の変遷

米価格の話だけでなく、日本人と米の関わりも時代とともに大きく変化しています。

67歳のあるライターの方はこんな思い出を語っています:
「子どもの頃は親戚から米を届けてもらっていた『米お嬢』でした。でも、大人になって家計が苦しかった時期には『米買ったらおかず買えない』と感じたこともあります。小学生の頃は『米通帳』を持って買い物に行った記憶もありますよ」

実は1969年まで米の配給制度があり、1995年まで食糧管理制度が続いていました。

今では想像もつきませんが、かつては政府が米の流通を厳しく管理していたんです。

平成に入ると「コメ余り」が問題になり、減反政策が本格化。

「米離れ」も進み、1962年には一人当たり年間118kg消費していた米が、2021年には50kgを切るまでに減少しました。

そして令和。

コロナ禍で一時的に家庭での米消費は増えましたが、現在の高騰で再び「米離れ」が加速する懸念も出ています。

「農政トライアングル」とは何か?

さて、タイトルにも登場する「農政トライアングル」について触れておきましょう。

これは農林水産省、JA農協、自民党農林族の3者の関係を指す言葉です。

長年、この3者は密接な関係を保ちながら日本の農業政策を決定してきました。

米価格についても大きな影響力を持っています。

批判的な見方をすれば、この3者は互いの利益のために「適度に高い米価」を維持したいという思惑があるとも言われています。

農水省は予算と権限の維持、JA農協は組合員(農家)の利益確保、政治家は票田としての農村部の支持獲得、という構図です。

かつて「政・官・業」のトライアングルと呼ばれた構図に似ていると指摘する声もあります。

「消えたコメ」の謎

「お米が足りているのに価格が上がる」というパラドックスについて、ネット上では「消えたコメ」という表現が使われています。

これについては様々な説があります:

  1. 流通業者が買い占めて倉庫に眠っているという説
  2. 投機目的で米市場に参入した異業種の事業者(不動産業者やリサイクル業者など)が買い占めているという説
  3. 輸出向けに回されているという説
  4. 単に統計上の誤差だという説

農水省は「米は足りている」と繰り返し説明していますが、一方で「2023年産米の需給は逼迫している」という発言も。

この矛盾した説明が不信感を招いている面もあります。

私個人としては、複合的な要因があると思いますが、価格メカニズムを考えれば「何らかの形で需要が供給を上回っている」のは間違いなさそうです。

今後の見通しと家庭でできること

では、今後の米価格はどうなるでしょうか?

短期的には、新米が出回る秋以降に若干の価格低下が期待できます。

ただし、前述のように2000円台前半までの回復は難しいというのが専門家の一致した見方です。

中長期的には、残念ながら上昇トレンドが続く可能性が高いでしょう。

その理由は:

  1. 農業従事者の減少が止まらない(5年後には現在の農業者の3分の1以下になるとの予測も)
  2. 気候変動の影響は今後も続く
  3. 「再生産可能な価格」の実現が必要

ただ、希望の光もあります。

「にこまる」「きぬむすめ」「つやきらり」などの暑さに強い品種の開発や、スマート農業の普及により、生産性向上が期待できます。

家庭でできる対策としては:

  1. 農家から直接購入する: 農家直売所や産直サイトを利用すれば、スーパーより10~20%安く買える可能性があります。
  2. まとめ買いとストック: 値上がり前や特売時にまとめ買いして備蓄するのも一案。お米は適切に保存すれば1年は品質を保てます。
  3. 食生活の多様化: パンや麺類など、他の主食と組み合わせることで、全体的な食費上昇を抑えることもできます。
  4. 銘柄を見直す: 人気銘柄は高騰しがちです。地元産の知名度の低い銘柄にも美味しいお米はたくさんあります。

歴史から学ぶこと – 50年の米価格変動が教えてくれるもの

最後に、過去50年の米価格変動から私たちが学べることをまとめておきましょう。

第一に、米価格は常に変動してきたということ。

現在の高騰は確かに急激ですが、歴史的に見れば異常値ではありません。1980年代、90年代前半も、実質価格で見れば現在と同等かそれ以上でした。

第二に、米価格は政策に大きく左右されるということ。食管法時代、減反政策、備蓄米放出など、政府の介入が常に価格形成に影響を与えてきました。

第三に、日本人の食生活の変化が米産業全体に大きな影響を与えてきたこと。

「米離れ」が進む中で、いかに日本の稲作を維持していくかという課題は今後も続きます。

私個人としては、日本の主食であるお米の安定供給は、国の安全保障にも関わる重要な問題だと考えています。

「農政トライアングル」の思惑はさておき、持続可能な米生産体制の構築は国民全体の課題なのではないでしょうか。

そして個人レベルでは、日本の伝統的な食文化を維持しつつも、変化する状況に柔軟に対応していくことが求められていると感じます。

皆さんはどう思いますか?

ぜひコメント欄でご意見をお聞かせください!

※本記事は、現時点で入手可能な情報に基づいて作成しています。

※今後の状況変化により見通しや分析が変わる可能性がある
ことをご了承ください。

※また、「〜という説がある」と紹介している部分は、
インターネット上で見られる意見を紹介したものであり、
筆者がその真偽を保証するものではありません。

米価推移

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