音楽特番『クリスマスの約束』は、小田和正が2001年に始めた音楽の祭典であり、2024年にその24年の歴史に幕を下ろしました。
その中でも、2009年に披露された「22分50秒」というメドレーは、この番組を象徴する伝説的なパフォーマンスとして語り継がれています。
この作品が完成するまでの苦難と努力、そしてそれが視聴者や参加アーティストに与えた感動について掘り下げます。
「22分50秒」の誕生背景
2009年、小田和正は『クリスマスの約束』史上最大規模となる21組34名のアーティストを集め、全員で歌い継ぐメドレー企画を提案しました。
この壮大な構想には賛否両論がありました。
特に、「全員で歌う意味がわからない」「クオリティーが下がるのでは?」といった厳しい意見も出され、小田自身も「簡単なことではなかった」と語るほど、参加者やスタッフとの意見の衝突が続きました。
それでも小田は、「みんなで歌うことで生まれる“言葉にできないもの”」を信じ、何度も話し合いを重ねました。
その結果、メドレーはボーカルとコーラスが掛け合う壮大なアレンジへと進化し、楽譜13枚にも及ぶ大作として完成したのです。
苦難を乗り越えた先の成功
小田和正にとって、この企画は単なる音楽パフォーマンスではなく、「人と人との隔たりをなくす」という信念そのものでした。
彼は東北大学時代に合唱団で培った経験を活かし、多様な背景を持つアーティストたちを一つにまとめ上げました。
本番当日、披露された「22分50秒」は観客だけでなく出演者自身にも深い感動を与えました。
演奏後、小田は涙ながらに「これは僕が一生の中で聞く一番長い拍手だった」と語り、その場にいた全員が成功の喜びを共有したのです。
このパフォーマンスは後に「第36回放送文化基金賞 番組部門・テレビエンターテインメント番組優秀賞」を受賞するなど、高い評価を得ました。
視聴者やアーティストへの影響
このメドレーは視聴者や参加アーティストにとっても特別な体験となりました。以下は視聴者や参加者から寄せられた声です。
視聴者の感想
感動の再演:
「また見たかった奇跡の回をありがとう」「やっぱ泣ける」「何度見ても最高の合唱」といった声が多く、再演を喜ぶコメントが目立ちました。
初めて見た人の衝撃:
「初めて見たけどヤバかった」「知らなかった…鳥肌立った」など、初めてこのメドレーに触れた人々からも驚きと感動が寄せられました。
小田和正への感謝:
「小田さんの思いが詰まった22分50秒…一生の宝物」「小田さんありがとう」と、小田和正に対する感謝と敬意を示す声も多く見られました。
涙が止まらない:
メドレーを聞いて「自然と涙が溢れた」「もう何度も録画を見返している」というコメントもあり、視聴者にとって深い感動を与えたことが伺えます。
楽曲とアーティストの融合:
「単なるメドレーではなく、一つの音楽として完成されていた」「個々のアーティストの個性が活かされつつも調和していた」と、その構成力や完成度を絶賛する声もありました。
「22分50秒」の意義
このメドレーは、21組34名ものアーティストがそれぞれの代表曲を歌い継ぐ形で構成され、小田和正が全体のアレンジを手掛けました。
アーティスト同士がお互いを尊重し合いながら一丸となる姿勢が、人々に感動を与えずにはおかない魅力的な作品となりました。
放送後には「人生で最も長い拍手だった」と小田自身が語るほど、会場でも大きな反響の渦でした。
視聴者から寄せられた個人への感想(主なもののみ)
- 平原綾香さんの「Jupiter」の部分で「もうそろそろ終わってしまう…」と切なくなるという共感コメント。
- 藤井フミヤさんの「TRUE LOVE」のイントロに衝撃を受け、「音楽的厚みとコーラスアレンジに涙した」という声。
- 小田和正自身が涙した姿に「プロフェッショナルとして素晴らしい」と感じたという意見も多く挙げられています。
このように、「22分50秒」という作品は単なる音楽番組の一部ではなく、多くの視聴者にとって忘れられない特別な瞬間となってたのです。
私自身の体験から感じる共鳴
私自身、社会科教師として関東大会や全国大会の企画運営に携わった経験があります。大会テーマを決める際には、多くの反対意見や困難に直面しました。しかし、それらを乗り越え成功した瞬間には、何物にも代えがたい達成感がありました。この作品から、過去の思い出がよみがえりました。
小田和正が「みんなからいじめられた」と冗談交じりに語ったエピソードには、自分自身の経験と重なる部分があるのではないでしょうか。
一つの作品やイベントを形にすることの難しさ、それでも信念を貫き通すことの重要性を改めて感じます。
「クリスマスの約束」の意義と未来へのメッセージ
『クリスマスの約束』は、小田和正という一人のミュージシャンが持つ強い信念によって支えられてきました。
「22分50秒」はその象徴的な成果物であり、多くの人々に感動と勇気を与え続けています。
この作品には、それぞれが抱える苦難や成功体験を呼び起こす力があるのです。
小田和正が残した言葉、「続けてきてよかった」という思いは、私たちにも挑戦する勇気を与えてくれるものです。
これからも、この奇跡的な作品とともに、多くの人々が新たな挑戦へ踏み出していくことでしょう。
本当に素晴らしい作品、本当に素晴らしい努力。小田さん、本当にありがとう――何度でもそう伝えたい気持ちです。