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鹿を蹴る男は何人?:奈良公園の鹿はどこから来たか【由来】

YouTubeで話題となっている
奈良公園の鹿をボコボコに蹴ったり叩いたりする男。

『おいおい』
何をしてくれてる!

多くの日本人が、そう感じています。
『奈良の鹿は、神の使いですよ。』
その鹿を、大切にしない神経に大きな違和感!
この男、中国人?
それとも日本人?

そして、奈良公園の鹿はどこから来たのでしょうか。
なぜ、『神の遣い』と言われるのでしょうか。
その由来も探ります。

目次

奈良公園の神鹿をボコった男は何人

男の着ているTシャツが、数年前に日本で発売されたものであること、
鍵をじゃらじゃらぶら下げていること、
蹴ったときに『邪魔だ』と日本語らしい言葉が聞き取れること、

これらから考えると、どうやら日本人である可能性が極めて高いです。

しかし、以前から中国人達が神鹿を蹴る・殴るという事件が多数発生していたことも事実です。

中国人であろうが、日本人であろうが、神鹿を蹴る行為は許せません。
厳しく罰せられるべきでしょう。

日本人であるなら、なおさら厳しく罰してほしいものです。

大和魂、モッとるのか!!!
和の心を忘れたら、日本人じゃ無いだろう!

春日大社の鹿は、常陸の国『鹿島神宮』からやって来た神の遣い

奈良公園は、一部が春日大社の境内でもあります。
春日大社の祭神は、武甕槌命(タケミカヅチノミコト)。
倭・大和・日本(すべて『ヤマト』)の国を統一するときに活躍した神様です。

もともとは、鹿島神宮(茨城県)に祀られていた神様。
そして、武甕槌命は、藤原氏の氏神。
氏神である武甕槌を鹿島から分祀して奈良の地に祀ったのが春日大社。

分祀の際、武甕槌は、鹿島から鹿に乗ってってやってきたと伝わります。
だから、『鹿は神の遣い』として古くから手厚く保護されてきました。

現在も奈良の鹿は天然記念物として保護対象です。

神の遣いをボコる、敷物のような感覚で神鹿の上に座る!!!
これ許せません。

なぜ春日大社は、藤原氏の氏神なのか

春日大社になぜ鹿島の神が祀られているのか。
それは、藤原鎌足(幼名・中臣鎌子とも)の出身地が、鹿島だったから!!!

鎌足について記した『大織冠』には、鎌足の生まれは奈良だったと記されています。
しかし、茨城には鎌足の生まれは、鹿島だったという言い伝えが残されているのです。

藤原氏の祖先の鎌足の生まれ故郷が鹿島なので、鹿島の神を奈良に連れてきてつくったのが春日大社。
だから春日大社は藤原氏の氏寺(氏神社)だ、とする説です。

天然記念物に指定されたのは、いつか

1957年(昭和32年)9月18日に、「奈良のシカ」として国の天然記念物に指定されています。

天然記念物に指定されたのは以外と最近ですが、奈良のシカと人との関係には長い歴史があります。
天然記念物とされるより1000年以上前から、『神鹿』として保護され続けてきました。

過剰に守られてきた歴史

奈良公園の神鹿は、過剰すぎるほどに守られてきた歴史があります。

春日大社や興福寺からの保護、そして氏社参詣の藤原氏からも崇拝の対象出会ったことが、神鹿保護に輪をかけたと思われます。

藤原氏でさえ、鹿に出会うと神の遣いとして輿から降りて挨拶したと言います。
このように敬われている神鹿です。
もし、一般庶民が神鹿を傷つけた場合は、厳しい処罰・処刑さらには家族にまでその罪が及ぶ、連座追放の対象となっていました。

このような厳しい処罰は、江戸時代まで続いていました。

厳しい処罰の例

天文20年(1551年)10月2日には、10歳の女子が本子守町で鹿に石を投げたら当たり、神鹿を殺害したとして、大人と同じように縄でくくられた上で興福寺周囲の塀を馬で一周させられ(大垣回し)した後に斬首処刑され、家族は連座で家屋を破壊され追放された。
            (『興福寺略年代記』)

10歳の女の子の首を切って、その子の家族まで罰した。
それほど厳しく神鹿は守られていた…

昔なら、ボコり男も、腰掛け女も重罪だ!

奈良公園の鹿は、本当に鹿島から来たのか(鹿のDNAを解析)

奈良公園の鹿は、本当に鹿島(茨城県)からやって来たのでしょうか。

奈良教育大学、福島大学、山形大学の共同研究チームが、奈良公園を含む紀伊半島全域の鹿のDNA解析をしました。

その結果、『奈良公園の鹿は、もともと紀伊半島にすむ鹿だった』と結論づけました。

しかし、今回のDNA鑑定は、鹿島の鹿との関連性については、どうやら調査していないようです。
本当に知りたいのは、奈良の鹿のルーツが、鹿島の鹿だったのかどうか…。
この点について、調査報告がされていないのが残念です。

もしかすると、この点には触れないで正解だったかもしれない。

歴史のロマンは、ロマンのままで残すのも味がある。
奈良の鹿は、遠く常陸(茨城県)の鹿島からやって来たのか、どうか…?


この点は、ロマンのまま残された…。

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神鹿を蹴る男

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