騒動後の3選手の対応
川崎春花選手の大会欠場とSNS削除
「トリプルボギー不倫」が報じられた直後、川崎春花選手の対応は素早いものでした。
3月6日に開幕した「ダイキンオーキッドレディス」を急遽欠場。
さらに続く3月21日からの「Vポイント×SMBC」も欠場することが大会事務局から発表されました。
川崎選手はこの騒動を受けて、自身のInstagramアカウントを完全に削除するという行動にも出ています。
これは彼女が精神的に大きなダメージを受けていることを示唆しているのではないでしょうか。
ツアー関係者によると、「開幕戦の前は、ディフェンディングチャンピオンとして台湾ツアーの『フォックスコンTLPGAプレーヤーズ選手権』に出ていたし、帰国後も普段とまったく変わった様子はなかったそうですが、あの記事が出てから突然笑顔が消えた」とのこと。
川崎選手にとって、この不倫報道が与えた精神的影響は計り知れないものがあるようです。
阿部未悠選手と小林夢果選手の大会出場
一方で、同じく不倫相手として報じられた阿部未悠選手と小林夢果選手は、開幕戦に出場するという対照的な選択をしました。
小林選手は開幕戦で上位を争い、見事5位でフィニッシュ。
阿部選手も予選を通過し、48位で大会を終えています。
特に小林選手については「不倫記事など関係ないかのように、悪天候でも半袖でプレーして奮闘」と、その強心臓ぶりが注目されました。
初日のプレー後の取材では、阿部選手は質問に応じず、小林選手はプレーに関することのみ対応するという限定的な対応をしていました。
選手たちの心境と周囲の反応
3人の選手の対応の違いについて、ゴルフ担当記者は「川崎は周囲の目を気にして欠場したと見られているが、対照的に出場した2人の”強心臓ぶり”が目立った形になった」と分析しています。
しかし、この対応の違いには別の事情もあったようです。
ツアー関係者によれば、「本音としては3人とも欠場したかっただろう」とのこと。
JLPGAのツアー規定では、シード選手が大会開始3週間前に行われるエントリー登録後に欠場すると、罰金100万円を課せられる可能性があるのです。
「病欠や一身上の事情で欠場は認められるが、診断書やトーナメント事業部が認める理由がないといけない。不倫報道は欠場理由にならず、川崎は罰金規定を厭わず欠場したが、ほかの2人は苦しい事情のなかで出場したのでしょう」とツアー関係者は語っています。
SNS上では川崎選手の欠場について、「そりゃそうだよね感」「川崎春花ショックだな。ショットキレキレで好きだったのに」「記事の内容が本当なら、精神的にかなり辛いはず」といった声が寄せられています。
JLPGAの対応と批判
協会の公式声明
日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)は3月5日、公式ホームページを更新し、週刊文春電子版で報じられた女子3選手と男性キャディーとの不倫問題について声明を発表しました。
「日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)と致しましては、選手個人の私生活上の行為については必要がない限り関与しませんが、必要に応じて、事実関係の調査、及び同調査に基づく適切な対応を講ずることを検討いたします。なお、JLPGAは、コンプライアンス研修を実施してきており、コンプライアンスの励行をしております」
同日、小林浩美会長(62)も開幕戦を翌日に控えた会場で報道陣に対応し、「協会としては、選手の私生活上の行為については、必要がない限り、関与はしません」と前置きした上で「が、今回の事情を確認してですね、必要に応じて、事実確認の調査をして、調査に基づく適切な対応を講じることを検討します」と話しました。
その後、3月12日にはJLPGAが調査に乗り出すことが明らかになりました。
「本件につきましては弊協会において事実関係を調査する方針です」とコメントし、一歩踏み込んだ姿勢を示しています。
倫理規程と実際の対応のギャップ
JLPGAには倫理・懲戒規程が存在し、選手に対する懲戒の種類として「戒告」「けん責」「罰金」「出場停止・立入制限」「登録の停止」「登録資格剥奪」が定められています。
しかし、不倫行為に対する明確な規定はなく、今回の対応については「プライベートな問題」としつつも調査を行うという、やや曖昧な姿勢が見られました。
この対応については、「組織の管理責任放棄」との批判の声も上がっています。
特に問題となったのは、次に述べる女性理事の不適切発言です。
女性理事の不適切発言問題
3月13日発売の『週刊文春』によれば、不倫をしたとされる栗永遼キャディの妻(淺井咲希選手)が、JLPGAの女性理事に事情を相談したところ、驚くべき言葉を投げかけられたといいます。
「あなたの夫と付き合った女の子は優勝する」
この発言は、まるで「あなたの夫は”あげチン”だから我慢して」とでも言わんばかりのもので、妻は深く傷ついたと報じられています。
この発言が事実であれば、JLPGAの理事として極めて不適切なものであり、ゴルフ界全体の倫理観が問われる事態です。
この問題を受け、ゴルフファンの間では「JLPGAは調査を行うべき」「倫理観の欠如した理事がいること自体が問題」などと厳しい意見が噴出しています。
罰金制度と選手たちの苦悩
JLPGAの罰金規定の詳細
JLPGAには、シード選手に対する厳格な出場義務のルールが定められています。
具体的には、大会開始3週間前に行われるエントリー登録後の欠場に対して、罰金100万円を課すことができるルールがあります。
病欠や一身上の事情による欠場は認められますが、診断書やトーナメント事業部が認める理由が必要です。
不倫報道は欠場理由として認められないため、川崎選手は罰金規定を厭わず欠場を選択したと見られています。
選手たちが直面する「罰金地獄」の可能性
川崎選手は2大会連続(3大会目も欠場とのこと)で欠場していますが、このまま欠場が続くと、さらなる罰金リスクに直面することになります。
シード選手には年間の出場義務試合数が課されており、原則として全試合数の60%以上に出場しなければなりません。
さらに、前年優勝した大会には翌年の出場義務が発生します。
川崎選手は昨シーズン3勝を挙げているため、少なくとも3つの大会に出場する義務があります。
「シード選手の出場義務試合数(全試合数の60%以上)や各大会の前年優勝者に義務付けられる翌年の出場義務(川崎は3勝なので3試合)、前年欠場試合の出場義務などの違反で各100万円の”罰金地獄”が待っています」とツアー関係者は警告しています。
制度の問題点と改善の必要性
この罰金制度については、「金銭的制裁が真実の隠蔽を助長する構造」との批判もあります。
今回の騒動でも、阿部選手と小林選手は罰金を避けるために苦しい立場での出場を余儀なくされた可能性があります。
一方で、川崎選手は昨年のツアーで3勝を挙げ、メルセデスランキング9位に入るなど、高額な賞金を獲得していました。
そのため、罰金を受け入れてでも欠場する選択を取ることが可能だったとも考えられます。
この制度は選手の経済状況によって対応が分かれる結果となり、公平性の観点からも問題があるのではないでしょうか。
また、精神的なプレッシャーや周囲の反応など様々な要因が影響する中で、一律に罰金を課す現行制度には改善の余地があると言えるでしょう。
ゴルフ界への影響
ファンの反応と支持層の変化
この騒動に対するファンの反応は様々です。
SNS上では「川崎春花を含めて3人が名の通った選手なのが非常に残念」「川崎選手好きだったのでショック」といった失望の声が多く見られます。
一方で、「不倫には寛容な僕ですが、詳細を調べるとちょっと引いた」「このドクズキャディは絶対に許さねえ」など、キャディに対する批判も目立ちます。
また、「若い選手には協会なり周りの大人のサポートが必要に思う」といった、選手のケアを求める声も上がっています。
スポンサー企業の対応と今後の展望
現時点では、3選手のスポンサー企業からの契約解除などの報道はありませんが、今後の調査結果次第では対応が変わる可能性もあります。
特に川崎選手は村田製作所、阿部選手はミネベアミツミ、小林選手はヨコハマタイヤジャパンと、いずれも大手企業がスポンサーとなっています。
「いずれにしても長期離脱の場合、スポンサー企業の対応がどうなるかも重要です」とトーナメント関係者は指摘しています。
企業倫理規程に「不祥事発生時のペナルティ条項」を明記する企業が多い中、今後のスポンサー対応が注目されます。
国際的な評価への影響
日本の女子ゴルフ界は国際的にも高い評価を受けていますが、今回の騒動が与える影響も懸念されます。
特に川崎選手は将来的に海外ツアーへの挑戦も視野に入れていたと言われており、このスキャンダルが彼女の国際的なキャリアにどう影響するかも注目点です。
また、日本発のスキャンダルが「アジア市場の倫理基準」として国際的に注目される可能性もあり、JLPGAの対応次第では日本ゴルフ界全体の評価にも影響を及ぼすかもしれません。
今後、JLPGAがどのような調査結果を発表し、どのような対応を取るのか。
そして、3選手、特に2大会連続で欠場している川崎選手がいつ、どのような形でツアーに復帰するのか。
女子ゴルフ界の今後の動向に注目が集まっています。
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