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自衛隊は何日間戦い続けることが可能か

kokubou
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自衛隊はすぐ弾切れする

 産経新聞の『国防解体新書』を興味深く読んでいる。土曜日に掲載されるが、毎週ではない。10月8日現在第7回となっているが、今日は9月10日の記事を改めて読み直した。非常に良い記事でできるだけ多くの人に知ってもらいたいので記しておく。
 記事のリード文は以下のようになっている。

 自衛隊の弱点として迫撃砲やロケット弾といった弾薬の不足がある。~中国に侵攻される恐れの強い南西諸島の有事で最前線に位置する部隊にとっては深刻だ。~自衛隊も弾切れになれば戦えない。 弾薬不足を解消しない限り、南西防衛の強化は未完といえる。

産経新聞 令和4年9月10日(土) 『国防解体新書』 半沢尚久さんの記事より

 この記事を読んで、「これはまずい」と思った。「今のままでは防衛できないよ」と言っている。そうだろうねえ。このことを日本人の何割の人が知っているのだろう。
 「国が自分を守るのは当たり前。でも弾を買う金は自衛隊にあげない。だって、弾を買う金をあげたら、戦力強化になり、戦争を誘発するから」そういうふうに考える人がいるんだろうなあ。

 先日あるYouTubeの番組を見ていたら、中国が日本のEEZ内にミサイルを撃ったことを話題にしていた。
 このことについてどう思うかと、ある女の子にアナウンサーが聞いていた。その女の子は何と応えたかというと、「中国がミサイルを撃つのは日本の行いが悪いからだ」と言っていた。「日本が中国をあおらなければ中国は日本にミサイルを撃つ必要が無くなる。」
 そう言った。

 ウーム、私にはこの女の子の感覚が分からない。

 本当にどこかの国が、日本の、人が住んでいる所にミサイルを撃ってきたら、この女の子はどう反応するのだろう。

 まずは、そうならないように備えて欲しい。もし、もしも不幸にして現実になってしまったら、それは戦争ではなく防衛だ。国を挙げて防衛して欲しい。

 しかしながら、現時点では、「弾薬が不足している」という。特に日本の南西側は弾薬の不備が著しいのだそうだ。

『増援の派遣に3週間』、は何を意味するか

 昨年9月から11月にかけて、何と30年ぶりの大規模演習を行った。令和3年に30年ぶりですよ。少なくともつい5年ほど前には、戦争一歩手前の脅威があったのでは?

 まあ、何はともあれ、危機感をもって30年ぶりの大演習が行われたのだが、そのとき、下のような事が起こったという。

 陸上自衛隊は昨年9月から11月にかけ、平成5年以来、およそ30年ぶりとなる大規模な演習を行った。

 ~演習では北海道の第2師団~の隊員が九州の演習場に集まった。

弾薬や装備品、食料などを送り出して演習場に向かい、移動と輸送には船と鉄道、車両を使った。

 北海道の第2師団は九州の演習場に到着し、自分たちが送り出した物資を受け取るまで3週間ほどかかった。

 自衛隊OBは「中国との有事で3週間もあれば戦いの趨勢が決している可能性がある」と南西諸島有事での北海道からの増援部隊派遣を疑問視する。

産経新聞 令和4年9月10日(土) 『国防解体新書』 半沢尚久さんの記事より

 北海道の自衛隊の荷物が、前線と想定された九州に届いたのは、荷物を送ってから3週間後だったというのだ。
 これは何を意味するのか。

 もし、中国と有事が起こったとしたら、「3週間後には勝敗が決まってしまっていますよ」と防衛省の政務三役は言う。

自衛隊は何日間戦い続けられるのか

 さらに衝撃的な記事が続く。

南西諸島有事と九州・沖縄から最も離れた北海道。
2つの地域には防衛省が公にしていないデータがあり、背筋が凍る

産経新聞 令和4年9月10日(土) 『国防解体新書』 半沢尚久さんの記事より

 防衛省が公にしていない、背筋が凍るようなデータを新聞で公にさらして良いのかとも思いつつ、背筋が凍るデータとはいったい何かと思わずにはいられない。

■データ1 陸自が保有する弾薬の7割近くは北海道に備蓄
■データ2 それに対し南西諸島有事で第一線となる九州・沖縄の
     弾薬の備蓄はわずか1割弱
■データ3  弾薬は20倍以上増やさないと中国との有事に対処不能

産経新聞 令和4年9月10日(土) 『国防解体新書』 半沢尚久さんの記事より

 まずはデータ3だ。「弾薬は今の20倍ないと有事に対処できない」ということだ。
 さらに、データ1・2から、弾薬の7割は北海道にある。つまり海外からの脅威の一番をロシアに想定している。
 これは仕方が無い。ウクライナがなければ、ロシアは北海道に触手を伸ばしていたかもしれない。「日本にはそのような有事は起こらない」と考えてしまうのは危険だということを、今回のウクライナの事例で感じるようになった日本人が増えてはいるだろう。

 仮に危機感を持ったとしても、弾薬が比較的貯蔵してある北はもちろん、南西部の脅威に至っては、ほとんど為す術がない現状だ。

目を疑うことに燃料は九州・沖縄では有事で必要と見積もる量の1%も備蓄していない食料の備蓄もまったく足りない

中国との有事で戦闘を続ける継戦能力はないといっても過言ではない。

産経新聞 令和4年9月10日(土) 『国防解体新書』 半沢尚久さんの記事より

 弾薬だけではない。燃料は、必要量の1%弱。食料備蓄も足りない。すぐに飢える。
 現状は惨憺たる状況、目を覆うばかりだ。
 弾薬無し、燃料無し、食料無しでどうやって日本を守ることができるだろうか。

~こうした離島奪還作戦で水陸機動団などに必要な弾薬と燃料、食料が九州・沖縄で足りなければ陸海空の能力を結集した作戦は成り立たない。

産経新聞 令和4年9月10日(土) 『国防解体新書』 半沢尚久さんの記事より

 これは、自衛隊の人々の絞り出すような本音だろう。

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秘策は米軍の弾薬庫

~戦闘機は予備部品・エンジンが足りず、「有事で戦えるのは長くて3週間だ」(政府高官)。

産経新聞 令和4年9月10日(土) 『国防解体新書』 半沢尚久さんの記事より

 戦闘機も戦えるのは3週間。
 ここで3週間という数字が出てくる。そう、北海道から荷物を送ってから、荷物が届くまでの時間が3週間。
 しかし、荷物が届くころには日本は戦えない状態になっている。ではどうすればよいのか。なんとかして必要な物資を九州や沖縄に備蓄しておく必要がある。
 必要物資を備蓄しておくための補給場所の現状については以下の通り。

~弾薬や燃料を集積する補給拠点として陸自には補給処がある。 北海道から九州まで本処を置き、傘下で主に弾薬と燃料を保管する支処と出張所が27カ所ある。27カ所のうち北海道は10カ所、関東にも7カ所あるが、九州は4カ所だ。沖縄にいたっては支処出張所が一つもない。基地問題を抱える沖縄で反発が高まらないよう、支処、出張所の新設をためらってきたからだ。

産経新聞 令和4年9月10日(土) 『国防解体新書』 半沢尚久さんの記事より

 沖縄の方々の70年前の癒えぬ思いは分かる。しかし、過去より未来が心配なのは私が沖縄人ではないからなのか。
 いや沖縄の人間だったとしても、合理的に考えて未来の脅威に備えるべきだと思える。

~現状を打開するため防衛省・自衛隊が秘策と位置づけるのが米軍嘉手納弾薬庫地区の日米共同使用だ。

産経新聞 令和4年9月10日(土) 『国防解体新書』 半沢尚久さんの記事より


 なるほど、米軍基地に日本のものも備蓄しておいてもらうという案か。
 しかし、秘策をこんな明らさまに公にしていいのか疑問だ。今までの傾向からすると反発もあるだろう。
 だがもし政府がそう考えているのなら、勇気をもって発表して欲しい。

 絶対に必要な事なのだから、反発が大きかろうとなんとかしておかなければならない。

防衛費不足の三重苦

 防衛省幹部「弾薬が足りない。 弾薬を買う予算もない。予算がないため補給拠点も増設できない」と~
 ~ 防衛費不足に伴う三重苦~

 ~北海道にも防衛費不足の弊害~

保管してから年数がたち、使えなくなって捨てるしかない廃弾を処分する予算に事欠き、保管量に余裕がなくなってくる。 

産経新聞 令和4年9月10日(土) 『国防解体新書』 半沢尚久さんの記事より

 防衛省の方々のこの切実な思いは、国民にどのくらい届いているのだろう。もっともっと、発言の場が与えられて欲しい。繰り返し繰り返し訴える場があれば、彼らの思いは通じるだろうか。

産経新聞の記事 勉強になる

 不定期シリーズものの「国防 解体新書」という産経新聞社会部編集委員半沢尚久さんの記事は、すこぶる読み応えがある。

 この記事が、多くの人に読まれることを期待する。

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