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ヘブン風邪トキ看病不安に見る明治の死生観|ばけばけ48話あらすじ感想を社会科教師が解説

こんにちは、なおじです。

今朝、朝ドラを見ながら「明治の冬って、今よりずっと寒かったのかな」とつぶやいたら、妻が「あなた、また教師モードね」と苦笑いしていました。(ムぅ、でも気になるんですよねぇ〜)

明治時代の冬は、現代よりもずっと寒かったんです。ばけばけ第48話では、ヘブンが松江の寒さで風邪を引き、トキが必死に看病する姿が描かれましたよね。

この場面、単なる体調不良の話じゃないんです。明治時代が「小氷期」と呼ばれる寒冷期の末期だったという歴史的事実と、トキが亡き父・傳を重ねて不安を募らせる心理が交錯する、深い意味を持つエピソードなんですね。

ヘブン先生を看病するトキ

この記事でわかること

  • 明治時代の冬は現代より2~3℃寒かった理由
  • 小氷期が人々の生活に与えた影響
  • トキが父の死を自分のせいだと思う明治の死生観
  • 「通りすがりの異人」というヘブンの言葉の意味
  • 小谷の行動から見る若者の成長過程
目次

第48話あらすじ

松江の寒さに耐えきれず、ヘブンが風邪で倒れてしまいました。ヘブン先生もトキも、二人でブードゥー人形に向かって「早く治れ」と必死に祈ります。

ある意味、ちょっと怖いですよね。

そこへ小谷がお見舞いに駆けつけ、錦織先生とともにミニコント。場が和みました。

ここでクスッと笑いをとった直後に、トキがしみじみと小谷に語り始めます。ヘブンの姿に亡くなった父・傳が重なるのだと。トキは「私の看病が足りなかったから、おじさま(実父の傳のこと)は亡くなってしまったのか」と不安を吐露します。

ジンワリ目の奥が熱くなりました。『そんなことないよ、おトキちゃん』と、心の中で叫びましたね。

そしてヘブンのあの言葉。**「たとえ死んでも悲しまないでください。通りすがりのただの異人ですから」**と。

トキはその言葉を何度もなぞり、長めの沈黙。この演出、間の取り方上手ですなあ。

その頃、松野家ではおさわが小谷のトキへの好意を家族に伝え、おじじ様はウキウキでしたね。

これはまた一波乱の予感。

今日の物語の最後、雪がしんしんと降る場面で締めくくられました。明日あたり、雪女の話をヘブン先生に語るのかな。

👉関連記事:リヨがトキに激怒した理由|ばけばけ47話

第48話タイムライン

場面出来事登場人物なおじの視点
① ブードゥー人形トキがヘブンの回復を祈るトキ、ヘブン切実な看病の心
② ミニコント小谷と錦織が見舞い小谷、錦織、トキ励ましの優しさ
③ 通りすがりの異人ヘブンが死への覚悟を語るヘブン、トキ異国での孤独
④ 小谷の誘い怪談の舞台地巡りに誘う小谷、トキ純粋な好意
⑤ おさわの失言小谷の好意を松野家に伝えるおさわ、おじじ様情報共有の文化
⑥ 雪の場面しんしんと降る雪物語の転換点

社会科教師が読み解く①:明治時代の気候と小氷期

松江の寒さは現代とどう違ったのか

明治20年代の松江は、現代よりもずっと寒い冬を迎えていました。なぜなら、明治時代は**「小氷期」(1300~1917年)**の末期にあたり、世界的に寒冷な気候が続いていた時期だったからです。

現代の松江の1月平均気温が約4.3℃であることを考えると、明治時代はさらに2~3℃低かった可能性が高いんですね。怖いですよね。

しかし、実は1902年(明治35年)には、北海道の旭川で日本観測史上最低の**-41℃**という記録も残っています。松江はそこまで極寒ではありませんが、日本海側気候の影響で冬は雪が多く、石炭ストーブもない時代、外国人のヘブンにとっては命に関わる厳しさだったわけです。

風邪がこじれて肺炎になれば、医療が未発達の当時、簡単に死に至りました。

教師時代、日本史の授業で「明治の冬」を教えていたとき、生徒のAさんが「先生、エアコンがない時代ってどうやって生活してたんですか?」と質問してきました。

そのとき私は「火鉢と着物を何枚も重ね着して、家族が一部屋に集まって暖を取っていたんだよ。それでも風邪を引いたら命取りだった」と説明したんです。

すると生徒たちは「今の冬が暖かく感じる」と驚いていましたね。(この反応、毎年同じだったんですよ)

ドラマでヘブンが松江の寒さで倒れた場面は、単なる体調不良の話ではなく、小氷期という歴史的背景が生んだリアルな危機だったわけです。

明治時代と現代の気温比較

項目明治時代(小氷期)現代(2025年)
時期1300~1917年1918年~現在
松江1月平均気温推定1~2℃4.3℃-2~3℃
日本最低気温記録-41℃(1902年旭川)-41℃(同記録)
冬の特徴長く厳しい寒さ比較的温暖温暖化
風邪の脅威命に関わる医療で対応可能医療進歩

社会科教師が読み解く②:トキの看病から見る明治の死生観

「私の看病が足りなかった」という自責の念

明治時代、特に地方では医療機関が極めて限られていました。松江でも医師の数は少なく、一般庶民が医師の診察を受けるには、現在の金額で数万円に相当する費用がかかったとされています。

そのため、病気の治療は家族の看病に大きく依存していたんですね。

トキが「私の看病が足りなかったから父は亡くなった」と自分を責める場面は、医療に頼れない時代だからこそ、「家族の努力」に過度な意味を見出さざるを得なかった当時の人々の心情を表しています。

明治時代の死亡率は現代の数倍で、30~40代で亡くなることも珍しくありませんでした。

死が身近だったからこそ、「もっとできたはずだ」という自責の念が強く残ったわけです。トキの気持ち、わかりますよね。

👉関連記事:ばけばけトキが女中を断った理由|明治女性の立場とラシャメン差別

「通りすがりの異人」という言葉の意味

教師時代、生徒指導で「自分のせいだ」と過度に責任を感じる生徒に何度も出会いました。

バスケ部でも、チームが負けると「自分がもっと練習していれば」と泣く部員がいたんです。そのとき私は「君にできることは精一杯やった。結果は君一人の責任じゃない」と伝えていました。

いやぁ〜、トキも同じです。父・傳の死は看病不足のせいではなく、医療が未発達だった時代の限界だったんですね。

ヘブンが「通りすがりの異人」と語った言葉は、トキに「あなたのせいではない」と伝える優しさだったのかもしれません。この言葉をトキが何度もなぞり、長い沈黙が流れる場面は、二人の関係性が深まっている証ですよ。

👉関連記事:司之介落ち武者と家族愛ばけばけ第9話感想

社会科教師が読み解く③:小谷の行動から見る若者の成長

小谷のトキへの恋心

小谷がお見舞いに来た場面、錦織先生と一緒とはいえ、本当の目的は「トキに会いたい」という恋心だったんでしょうね。以前、サワに「トキちゃんのこと、好きなの?」と聞かれたとき、小谷は否定できませんでした。

「お綺麗」と面と向かって言えるなんて、若者の純粋な恋心が溢れていますよ。

松野家では、おさわが小谷の好意を家族に伝え、おじじ様がウキウキしている様子も描かれました。家族公認の婿候補として扱われ始めているわけです。

しかし、視聴者は知っています。トキは最終的にヘブンと結ばれることを。小谷の初恋は、叶わない恋なんですね。

元バスケ部顧問が見る初恋の甘さと切なさ

教師時代、バスケ部で初恋に悩む部員を何人も見てきました。ある日、1年生のDくんが先輩のEさんに恋をして、毎日練習後に「今日も話せなかった」と落ち込んでいたんです。Fくんが「告白しろよ」と背中を押すと、Dくんは「まだ早い。もっと仲良くなってから」と。

結局、Eさんは別の先輩と付き合い始め、Dくんの初恋は実りませんでした。でもDくんは「好きでいた時間は無駄じゃなかった」と言ったんですね。(この言葉、今でも覚えています)

小谷も同じです。トキへの想いは本物でしょう。でも、トキの心にはすでにヘブンの存在が大きくなりつつあります。小谷の純粋な恋心が、逆にトキとヘブンの距離を縮めるきっかけになるかもしれませんね。

初恋が実らないとわかっていても、その想いの過程こそが若者を成長させるんです。小谷がこの経験を通じて、どんな青年に成長していくのか。元顧問としては、そこに期待していますよ。

社会科教師が読み解く④:おさわの「口の軽さ」は明治の家族文化

松野家ではおさわが小谷の存在を家族に伝え、おじじ様はウキウキでしたね。

現代なら「プライバシー侵害」と批判されそうですが、明治時代の家族は「情報共有」が当たり前でした。特に、娘の縁談に関わることは家族全員で知っておくべき重要事項だったんです。

教師時代、昭和初期の資料を調べていたら、「村の若者の恋愛は村中の噂話」という記録を見つけました。おさわの口の軽さは、個人の性格というより、当時の文化的背景を反映しているのかも。

これはまた一波乱の予感。

本日の主な登場人物

  • トキ(髙石あかり):ヘブンの看病をしながら亡き父を思い出し不安を募らせる
  • ヘブン(トミー・バストウ):松江の寒さで風邪を引き、「通りすがりの異人」と語る
  • 小谷(下川恭平):トキをデートに誘いたい。
  • おさわ(円井わん):小谷のトキへの好意を松野家に伝えてしまう。
  • 錦織先生:小谷とともにヘブンの前でミニコント(本当は、かなりカチンと来ていた)

Q&A|よくある質問

雪女

Q1:明治時代の冬は本当に現代より寒かったのか?

A:はい、明治時代は「小氷期」の末期で、現代より平均気温が数度低かったとされています。1902年には旭川で-41℃を記録するなど、極端な寒さも記録されています。

Q2:ヘブンの「通りすがりの異人」という言葉の真意は?

A:ヘブン自身の謙虚さと、異国の地での孤独が表れています。しかし、トキがこの言葉を何度もなぞることで、二人の関係がもはや「通りすがり」ではないことが示唆されていますね。

Q3:トキと小谷の関係は今後どうなる?

A:小谷のトキへの好意が松野家に伝わり、家族は期待を寄せています。しかし、トキの心にはヘブンへの特別な感情があり、今後の展開が注目されますね。

Q4:雪のシーンは何を暗示している?

A:ところがどっこい、雪は物語の転換点を示す演出では。今後、雪女の話が展開する可能性もあり、トキとヘブンの関係にも変化が訪れるかもしれませんね。

いかがでしたか?ばけばけ第48話は、明治時代の気候史と人々の死生観を描いた深いエピソードだったのでは…。

明日の展開もお楽しみ!

もしかすると、『雪女』が登場する???

コメント欄でご意見をお待ちしています。

ばけばけ48

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