2024年12月、アメリカ・アラバマ州で開催されたLPGA Qシリーズ(最終予選会)で、19歳の馬場咲希選手が劇的な形で来季のLPGAツアー出場権を獲得しました。
この大会では、5日間90ホールという過酷な戦いが繰り広げられ、上位25位タイまでの選手が来季の出場資格を得るという厳しい条件が課されていました。
馬場選手にとって、この予選会は自身のゴルフキャリアを大きく左右する重要な舞台でした。
特に最終日の18番ホールでのバーディーパット成功は、多くのゴルフファンに感動を与えました。
本記事では、馬場選手の挑戦とその心境、そして彼女がどのようにしてこの大舞台を乗り越えたのかを振り返ります。
LPGA Qシリーズ最終予選は、2024年12月5日(木)から12月9日(月)の5日間で開催される予定でした。たしかし、天候不順による順延が発生し、最終ラウンドが12月10日(火)に終了したため、実際には6日間にわたる大会となりました。
LPGA Qシリーズとは?
LPGA Qシリーズは、米国女子プロゴルフツアー(LPGA)の出場権をかけた最終予選会です。今年は5日間90ホールで行われ、最終ラウンドには72ホール終了時点で予選カットを通過した67名が進出しました。
その中で上位25位タイまでに入った26名が来季のLPGAツアー出場資格を獲得したのです。
この大会は、世界中から多くの実力者が集まるハイレベルな戦いであり、特に今年は前年よりも出場資格枠が減少したため、一層熾烈な争いとなりました。
最終日のホールごとのスコア
馬場咲希選手の最終日のスコアは以下の通りです。
特に11番と15番でボギーを叩き、一時は圏外に転落する厳しい展開でしたが、18番ホールで劇的なバーディーを決めたことで24位タイに滑り込んだのです。
ホール番号 | スコア | 備考 |
---|---|---|
1番 | パー | 2打目がグリーン奥、4メートルのパーパット成功 |
2番 | バーディ | 5メートルのバーディパット成功 |
3番 | パー | – |
4番 | パー | – |
5番 | パー | – |
6番 | パー | – |
7番 | パー | – |
8番 | バーディ | 5メートルのスライスライン成功 |
9番 | パー | ドライバーショット後に順延 |
10番 | パー | バーディパットを外す |
11番 | ボギー | 1.5メートルのパットを外し、その返しも失敗 |
12番 | パー | – |
13番 | バーディ | パー5でバーディ獲得 |
14番 | パー | – |
15番 | ボギー | 花道から寄せきれずボギー |
16番 | パー | – |
17番 | パー | – |
18番 | バーディ | 8メートルのスライスライン成功 |
最終18番ホールでの心境
最終日の18番ホールは、馬場咲希選手にとって運命を決める瞬間でした。
このホールでは8メートルという長いスライスラインのパットが残りました。
彼女は「打った瞬間から『入れ、入れ!』と思っていた」と語り、その言葉通り見事にカップイン。
小さくガッツポーズを見せながらも涙を浮かべる姿が印象的でした。
もしこのパットが外れていた場合、馬場選手は25位以内から外れ、来季LPGAツアーへの出場権を逃していた可能性があります。
そのため、この一打には大きなプレッシャーと重みがありました。
「何回も心折れかけたけど、最後まで諦めない気持ちが報われた」と語る馬場咲希選手。この1年間積み重ねてきた努力と苦労が凝縮された瞬間でした。
他の日本勢4名も出場権獲得
今回のQシリーズでは、日本勢から参加した他4名も見事に出場権を獲得しています。
それぞれが素晴らしいプレーを見せ、日本ゴルフ界全体としても大きな成果となりました。
- 山下美夢有: 圧巻の27アンダーでトップ通過。正確なショットとパッティングが光りました。
- 岩井千怜: 双子姉妹として注目される中、21アンダーで2位通過。
- 岩井明愛: 安定感あるプレーで16アンダー、5位タイ。
- 吉田優利: 昨年悔しい思いをした分、今年は13アンダーで堂々9位通過。
- 馬場咲希: 最終ホールで劇的なバーディーパット成功。6アンダーで24位タイ。
これにより、日本勢は合計13名もの選手が2025年シーズンのLPGAツアーに参戦する予定です。
以下は、2025年シーズンのLPGAツアーに参戦する日本勢13名を、LPGA参加開始年の早い順に並べ、Qシリーズ通過順位を含めた表です。
選手名 | LPGA参加開始年 | Qシリーズ順位または出場権獲得方法 |
---|---|---|
畑岡奈紗 | 2017年 | 2016年Qシリーズ 1位 |
渋野日向子 | 2019年 | 2018年Qシリーズ 20位 |
勝みなみ | 2019年 | 2018年Qシリーズ 5位 |
古江彩佳 | 2020年 | 2019年Qシリーズ 7位 |
笹生優花 | 2020年 | 世界ランク75位以内でシード獲得 |
西村優菜 | 2022年 | 2021年Qシリーズ 24位 |
西郷真央 | 2022年 | 世界ランク75位以内でシード獲得 |
山下美夢有 | 2025年 | 2024年Qシリーズ 1位 |
岩井千怜 | 2025年 | 2024年Qシリーズ 2位 |
岩井明愛 | 2025年 | 2024年Qシリーズ 5位タイ |
吉田優利 | 2025年 | 2024年Qシリーズ 9位 |
馬場咲希 | 2025年 | 2024年Qシリーズ 24位タイ |
竹田麗央 | 2025年 | TOTOジャパンクラシック優勝による出場権獲得 |
この表は、日本勢がどのようなルートでLPGAツアーへの出場権を獲得したかを明確に示しています。
来季への期待と課題
馬場咲希選手は、「今年は本当に苦しくて辛いことばかりだった」と振り返ります。
しかし、その経験が彼女を成長させ、この結果につながったことは間違いありません。
「来年はさらなる高みを目指して努力を続けていきます」と語る彼女には、大きな期待が寄せられています。
また、日本勢全体としても13名もの選手がLPGAツアーに参戦する予定です。
これまで以上に日本人選手たちが世界最高峰の舞台で活躍する姿を見ることができるでしょう。
結論: 努力と諦めない心が生む奇跡
馬場咲希選手が見せた18番ホールでの劇的なバーディーパットは、多くの人々に感動と勇気を与えました。
彼女自身も「最後まで諦めない気持ち」がこの結果につながったと語っています。
この姿勢こそ、多くの若いゴルファーやファンにとって大きな励みとなるでしょう。
2025年シーズンでは、新たなステージでさらに輝きを放つ馬場咲希選手。
そして、日本勢全体としてもさらなる飛躍が期待されます。
彼女たちが世界最高峰の舞台でどんなドラマを生むか、これから目が離せません。