皆さん、こんにちは!今日は『海のはじまり』のスピンオフドラマ『恋のおしまい』について深掘りしてお話ししたいと思います。
このドラマは東京オリンピックの4年前という懐かしい時代背景があり、とてもリアルに感じられますね。
このお話はスピンオフなどという位置づけでは無く、本編同様見逃し回避回でした。
### 水希と津野君の恋の行方
物語の主軸は、水希と津野君の恋の行方です。
この恋愛の最大の障害が海ちゃんだということが、何とも切ないです。
海ちゃんの存在が二人の恋を切なくも複雑にしつつ、水希と津野君が互いに相思相愛であることは間違いなく、見ていてドキドキしっぱなしです。
特に、「おにぎり」エピソードが印象的でした。水希が海ちゃんのために小さなおにぎりを2つ作り、さらに自分のためにちょっと大きなおにぎりを2つ。
その後、余ったご飯を冷蔵庫に入れるか津野君のためにおにぎりをさらに作るか、迷っている水希の葛藤が描かれます。
遠い遠い昔、かつて中学生だったころのようなピュアな悩みを思い出させてくれました。
津野君のためにおにぎりを作る水希の恋心には、感情移入せずにはいられません。
このおにぎりがきっかけとなり二人はデートすることになりましたね。
昭和っぽい二人がデートにこぎ着けることができ、まずは良かったと思いました。
デートに至るまでの水希の「靴紐を結ぶ振りをして津野君を待つ」シーンには、『水希の方も、津野君が好きだったんだ』、ということを視聴者に分からせてくれました。
この靴紐結びのシーンは、後の津野君が靴紐を結ぶシーンとシンクロしてました。水希が津野君の背にもたれかかる場面は、心キュンでした。二人がうまくいくといいのに、と誰もが思ったことでしょうね。
### 重要なサポートキャラクター
先輩の三島芽衣子さんが演じる図書館の司書・山田真歩さん、私は大好きです。
真歩さんが、2人がデートできるように休みを調整してくれる場面、よかったですよね。彼女の存在が水希と津野君の恋を少しだけサポートしてくれていたというエピソードは、視聴者にとってほっこりするものがあります。
幸せ薄い二人に、こういう人も居てくれなくてはねえ。
それにしても、真歩さん「ホントにいい人だな」と感じます。
### 複雑な感情の表現
水希と津野君がおばあちゃんの家に、ちび海ちゃん(星奈ちゃんの実の妹月菜ちゃん)を迎えに行く場面が心に残ります。
帰り道、水希と津野君の間に海ちゃんで手をつなぎ歩く姿は、夏君と弥生ちゃん、海ちゃんのシーンとの対比となっていて印象的です。
弥生ちゃんが「これって、写真を撮りたい奴だ」と言った時の幸せな光景とシンクロですね。
その隣で、ちび海ちゃんが「初めてのイルカはママと見たいから我慢した」と言う一言。
この一言思いですよね。
この言葉が、水希に「自分の恋はおしまいにしよう」と強く思わせたのだと思います。
可愛くて優しい言葉なのだけれど、水希にとっては決定的な言葉になったのでしょう。
また、水希と夏君の学生時代の映像の中で、夏君に「おにぎりの具は何か」と問いかけて、一口だけ食べさせる場面も切ないエピソードでした。
結果的に夏君にとっては具のないおにぎりだったという象徴的な描写ですね。
この時流れていた曲がSUPERCARの「lucky」であり、このテーマが「海のはじまり」ともリンクしている点に、生方さんの鋭いセンスを感じます。
ところで、水希が夏君に対して「手が届かない」と表現したのはなぜでしょう。
深い意味があるのでしょうね。
恋人だった夏君に「手が届かない」と言った理由について考えると、夏君の純粋さが水希にとってまぶしすぎる存在だった?
水希自身が自分に感じていただろう「ひねくれた人間性」からすると、夏君はまぶし過ぎる、という諱のでしょうか。
そういう感情があったから、「自分には手が届かない」と言ったのでしょうか。それだけ彼が特別な存在で大好きで、汚したくない存在だった?。
実は、私にはよく分からない感情、謎の台詞でした。
### 津野君への思い
水希は、「この人でさえ、私止めといたんですよ」と津野君を指さし、「自分の相手にも、海のお父さんにもいい人」と言う場面も印象的です。
はっきり言って今の水希には、過去の夏君よりもいい人です。
「津野君と恋人になることが正しい」と、おそらく自分でも分かっているのに、自らその恋を絶ち切ろうとしてしまう水希。
その姿は本当に切ないです。
でも一番かわいそうなのは、津野君です。
今となっては夏君は水希にとって、SUPERCARの「lucky」の台詞そのまま。
「今じゃあ、あなたに会えるのも夢の中だけ」と.。
水希は、本当に不器用ですねえ。
### 切ない結末
水希のためにミカンヨーグルトを買おうとしていた津野君が、水希の「拒絶」の言葉を聞いた後、それを棚に戻すシーンは、非常に切ないものでした。
そして、次にミカンヨーグルトを水希のために買うのは、彼女の死期の迫った病室というのが、切なさを倍増させます。
水希は水希で、部屋でおにぎりを握るシーン。
余ったご飯で津野君におにぎりを握ろうとしますが、結局握らずにラップして冷蔵庫にしまうという象徴的な場面が映し出されます。
「恋のおしまい」が津野君と水希、それぞれに表現されていて、またまた新たな切なさがこみ上げてきます。
この後、本編で夏君と津野君と海ちゃんはどうなっていくのでしょう。
また夏君と弥生ちゃんは、別れてしまうのでしょうか。
個人的には最終的に海ちゃんと三人で家族になっていくと予想しています。
そして、そのきっかけとなるのが、水希の残した手紙。
さらには、水希が海を産み、弥生ちゃんが子どもを中絶した病院に、水希が残した弥生ちゃんへのメッセージ。
水希の思いが、弥生ちゃんの心をとかし、最終的に夏君と弥生ちゃんと海を結ぶカギになるのだと予想しています。
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