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「不適切にもほどがある!」:行き過ぎたコンプライアンス社会に喝!

番組初っぱなに、『劇中の不適切と感じられる表現に対し、予め“お断りとのテロップ』が映し出される。そして、番組を観た後の評価にも、『30代でもわけ分からん』とか、『今じゃ考えられないことのオンパレード』などのコメントが多数寄せられていた。だが、昭和や平成に現役時代を過ごした者からすると逆の感覚。『え、令和ってここまで感覚がずれてしまったの。』と思わされた。名優阿部サダヲ(53)と宮藤官九郎がオリジナル脚本を手掛けた「不適切にも程がある!」第1話を観て感じた令和の違和感をピックアップ。

目次

「不適切にもほどがある!」というドラマ 第1話の概略

TBS金曜ドラマ「不適切にもほどがある!」(金曜後10・00)、主演は阿部サダヲ(53)。
オリジナル脚本は、宮藤官九郎(53)。
皮肉の効いたタイムスリップヒューマンコメディー。

主人公は、阿部サダヲ演じる小川市郎(阿部サダヲ)は生徒たちから「地獄のオガワ」と恐れられる体育教師。この主人公が、1986年(昭和61年)から2024年(令和6年)にタイムスリップしてしまう物語。

小川には一人娘のジュンコ(河合優実)がいる。聖子ちゃんカットで可愛い娘の非行に手を焼いている。

ある日、勤務校からの帰りに乗り込んだ路線バスで、いつものようにたばこを吸っていたらうとうとしてしまう。

目を覚ました市郎の目に飛び込んできたのは、見たこともない異様な格好の人々と何となく変わっている景色。

ワイヤレスイヤホンをしている他の乗客に「耳からうどん垂れてますよ」「耳からひじき垂れてますよ」とツッコミを入れる市郎。

携帯を見たことのない人が初めて携帯を見たら、「これは何だ」と思うだろう。
そしてワイヤレスイヤホンを観たら…。
『耳に何を入れてんだ?』と思うだろう。

それを、「耳からうどんが垂れてますよ。」
には、クスッときた。

これにクスと来るのが、昭和の親父なのだろう。
昭和万歳だ。

さて、混乱した市郎がバスから降りて飛び込んだのは、行きつけの喫茶店。
そこには、まさにビールを飲む寸前だった犬島渚(仲里依紗がいた。

市郎は、見ず知らずの渚の手からビールを奪い取り勝手に飲み干してしまい、口論となる。

こんな男、昭和だっていないでしょう。
いくらなんでも見ず知らずの他人からビールを奪い取ることはないよ。

もしいるとしたら、それは昭和だろうが、令和だろうが、一定数同じようにいるでしょう。

彼は、1986年当時の一般的な大人の男の象徴として描かれているらしい。しかも彼は教師。
教室で、スパスパたばこを吸い校長室で来客した保護者の前でもたばこを吸う。

同僚の女子教師にも、セクハラ発言を平気でしているし、女子教師の方も男子教師のセクハラ発言をサラッと受け流す。

一般的な情景のように描かれているが、『そんなことはなかったですよ』と、一言言っておきたい、かな。

まあ、このドラマは、昭和という60年もの長い期間を一色単に扱い、イメージを最大限に膨らませたパロディー。
それを分かりつつ「オイオイ」と、元昭和・平成の教師だった立場で一言だけ…。

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このドラマの伏線

市郎とは逆に、2024年から1986年にやって来た親子がいる。
令和の社会学者でキヨシの母・向坂サカエ(吉田羊)と、その息子向坂キヨシ(坂元愛登)

母のサカエは、令和の社会学者として昭和のコンプライアンス事情を調査に来たようだ。
息子のキヨシを同行させている。

母子の二人で過去にタイムトラベル

令和の社会学者向坂サカエは、なぜ過去へのタイムトラベルに息子を同行させたのか。

・母子家庭で、息子を現代に残せなかった。
・同行していない、キヨシの父が、この時代と何らかの関係がある。
・キヨシが、この時代に何らかの関係がある。(コンプライアンスに変化をもたらす?)

キヨシが、市郎の娘ジュンコに一目惚れ

この時代にやって来たキヨシは、アイスクリームを食べていたジュンコとぶつかり、福にジュンコのアイスクリームがついてしまう。それをきっかけに、ジュンコに一目惚れしてしまう。

・キヨシとジュンコの関わりが未来の何らかに影響を与える。例えば、市郎がビールを奪った渚が二人と関係がある。

1986年当時中学生なら、2024年には、ジュンコは50歳前後になっているはず。
仮に1985年のジュンコが20前後で結婚したとしても、ジュンコの子は2024年の令和ではまだ20前後。
となると、仲里依紗が演じる渚はもう少し上の年齢だろうから、渚はジュンコの子ではないと思う。

だとすると、渚はいったいどう関わるのだろうか。

昭和のムッチ先輩と、令和の秋津青年の関わり

磯村勇斗が演じる昭和のムッチ先輩こと秋津睦実と、全く同じ顔をした令和のアプリ開発会社の社員・秋津。
この違う時代の、同じ顔の男の正体?

・実は、同じ人物?
・ムッチ先輩の子孫?
(どちらも秋津姓なので、本人か子孫で決まりだろう。)

バス型タイムマシンとメガネ少年

市郎がタイムトラベルをしたきっかけは、バス型のタイムマシンに乗ってしまったこと。
では、このタイムマシンは誰が開発したのか。

・市郎のクラスで「タイムマシンを発明して、このクラスに帰ってきたい」と発表したくりくりメガネ少年。
(「くりくり頭」「メガネ君」と言ったら、コンプライアンスに引っかかる?その場合は、ご容赦。)

職員室でたばこを吸えなくなったのは いつからか

2002年(平成14年)に健康増進法ができた。
これにより、学校や病院などの行政機関の庁舎内では「敷地内禁煙」となる。

各学校は、いち早く対応し「敷地内禁煙」を実施した。
この当時の強者教師のエピソードとして、ある学校の敷地の外に車一台分の土地を購入し、そこに車を止め、車に戻って喫煙を続けた教師がいた。

喫煙家のすさまじい執念を感じたものだ。

2019年1月24日に、健康増進法の一部が改定され「喫煙者は臨まない受動喫煙を生じさせないよう配慮する義務」が生じるようになった。

これを受け、2019年7月1日から、学校や病院、行政機関が敷地内禁煙の徹底がせまられた。

バスに灰皿がなくなったのは何時

1978年(昭和53年)に嫌煙権運動が盛んになっている。
つまり1975年(昭和50年)ごろから、徐々に路線バスの禁煙化が進んでいったようだ。

確かに1986年ごろにも、まだ一部の路線バスに灰皿が残っていた気もするが、そのころは既に路線バスでスパスパタバコを吸う人の姿は、ほとんど見られなくなっていたと思う。

ただし、観光バスを遣ったこの当時の職員旅行の時は、バスの中が煙りだらけで閉口した思い出がある。

1980年の民事訴訟で、嫌煙家敗訴

1980年に国鉄内で喫煙する人に対し、嫌煙権を主張して民事訴訟を起こした人がいた。
このときは、何と嫌煙権を訴えた原告敗訴。

そのときの理由が、今では考えられない。

1.移動手段は国鉄以外にもあり、選択肢があるのでたばこの煙害を避けるのは難しくないから。
2.鉄車両内での受動喫煙は、気になるだろうが一時的でガマンできる範囲内だから。
3.日本の社会は喫煙に寛容な社会だから。

当時の判決理由、どうなってるの。
この昭和の判決にこそ、「不適切にもほどがある!」と言いたくなる。

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