
こんにちは、なおじです😊
前回の記事で新之助の「義」について書いたばかりなのに、まさかこんなに早く彼が逝ってしまうなんて…
第33話「打壊演太女功徳」を観終わった今、前回分析した新之助の 「なぜ?」を5回繰り返す思考 が、ついに完結したのだと実感しています。
あの時の新之助の言葉を思い出してください:
「なぜおふくは、とよ坊は殺されねばならなかった」
この問いかけから始まった彼の旅路が、ついに終着点に辿り着いたんです。
この記事でお話しすること
- 新之助の死因が示した「義」の完成形
- 前回の構造分析が現実となった瞬間
- 天明の打ちこわしという歴史的必然
- 蔦重への最後の言葉に込められた真意
- 私たち現代人が受け取るべきメッセージ
新之助の死因|「義」を貫いた男の最期
前回の分析が的中してしまった悲劇
前回の記事で、新之助が見抜いた構造的問題について詳しく分析しました。
「売らぬ方が儲かる」「罰する側が共に儲けておる」 という彼の洞察が、まさに現実となって襲いかかってきたんです。
新之助(井之脇海・いのわきかい)が「政を正せ」の幟を掲げて民衆を率いたのは、彼なりの 問いかけへの実践的回答 だったのでしょう。
新之助の「なぜ?」(第32話) | 第33話での行動 | 歴史的意味 |
---|---|---|
なぜ妻子は死んだのか | 打ちこわしの先頭に立つ | 個人的悲劇の社会化 |
なぜ米がないのか | 売り渋りする米屋を標的 | 流通問題への直接行動 |
なぜ米屋が罰されないのか | 「政を正せ」の幟で訴え | 政治的腐敗への告発 |
暴力ではなく「訴え」だった真意
ここが大切なポイントです。
新之助たちの行動は単なる暴動ではありませんでした。
売り渋りをする米屋だけを標的にした、極めて理性的な抗議行動だったんです。
米を川に投げ込むシーンも、「売らないなら捨てちまえ!」という民衆の怒りを代弁した象徴的行為。
前回分析した彼の 建設的批判精神 がここでも貫かれています。
教師時代によく生徒に言っていました。
「怒りは破壊のためじゃなく、創造のために使うものだ」って。新之助はまさにそれを実践したんですね。
「お前を守れてよかった」に込められた深意
冥府の男との対峙で見せた真の強さ
源内の屋敷に出入りしていた謎の男。
この「冥府の影をまとった」人物との最後の対峙で、新之助が口にした言葉が胸に刺さります。
「お前を守れてよかった」
刃に倒れながらも、恨み言ひとつ言わない。
これっ前回の記事で書いた 「個人的感情を社会的責任に転換」 した新之助の到達点だったんじゃないでしょうか。
妻と子を失った悲しみから始まった彼の旅路。
最後は蔦重という友を守ることで完結した。
愛を失い 愛を守りて 散りにけり
階級を超えた友情の真価
前回の記事で 「階級や利害を超えた人間的絆」 について触れましたが、まさにそれが最期の瞬間に結実したんです。
長屋の住民から「田沼時代に利を得た」と非難される蔦重。
でも新之助は個人的な恨みを超えて理解を示し続けた。
その友情が、命をかけて守るほど大切なものになっていたんですね。
【次は・天明の大飢饉|歴史が生んだ悲劇の完結編について】