こんにちは、なおじです。
ばけばけ98話は、司之介が「借金させちょくれ」と叫ぶという前代未聞の展開でした。
普通、投資で儲かったら喜ぶもんでしょう?
でも司之介は激怒。
錦織弟の丈とおクマの微笑ましいやり取りから始まり、荒金との喫茶店での激怒シーンまで、ふじきみつ彦脚本の真骨頂が炸裂。
今回は、この衝撃的な98話を元教師の視点で徹底解説します。

この記事でわかること
- 司之介が「借金させちょくれ」と叫んだ理由
- ふじきみつ彦脚本の予想を裏切る展開術
- 錦織弟の丈とおクマの優しいエピソード
- おトキのヘブン観察とスランプ発見
- 稲垣金十郎(司之介のモデル)は史実でも借金を望んだのか
錦織弟の丈とおクマ|未来の発明家の優しさ

理系少年が語る未来の家電
98話の冒頭は、錦織さんの弟・丈とおクマちゃんの会話から始まりました。
史実の丈のモデル西田精は後に大学の教授になります。
おそらく丈も理系の道を歩むことが予想されますよね。
おクマに対して、現在のトースター、勝手に洗濯するたらい(洗濯機)、自動で炊ける釜(炊飯器)、勝手に沸くお風呂など、未来の家電製品について語っていました。
もしかすると、丈はこれらの発明に関わるという設定で描かれるのかも‥。
明治時代の少年が、未来の技術を夢見る姿。
教師として35年間子どもたちを見てきたなおじには、非常に感慨深いものがありました。
丈の純粋な好奇心と探究心が、後の技術革新につながるのでは‥。
焼け焦げトーストをかばう優しさ
さらに心温まったのは、焼け焦げたトーストが出来上がったとき、丈が「私がトーストの黒をお願いしまして」とおクマをかばうシーン。
こういう小ネタが本当に好きなんです。
人の優しさがにじみ出ていて、観ていて心が温かくなります。
おクマちゃんと丈の仲の良さが伝わってきて、この二人の関係性が今後どう描かれるのか楽しみ‥。
教師時代、こういう優しさを持った子どもたちを見ると、「この子は将来、周囲から信頼される人間になるだろうな」と感じたものでした。
丈のキャラクターにも、そんな未来が見えます。
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司之介が「借金させちょくれ」と激怒|衝撃の展開

小豆相場で金が増えた悲劇
そして、98話最大の見せ場が、司之介と荒金の喫茶店でのシーンです。
小豆相場に投資した司之介の金がどうなったのか。
なんと、金が増えていたんです。
え、こういう展開なの!と思わず声が出ました。
普通なら喜ぶべき状況なのに、司之介は博打で金を失うことを望んでいたよう。
こんなのあり!というか、脚本としてここまでぶっ飛んだ展開を書けるのは、ふじきみつ彦さんならではでしょう。
「うまい話がよーころがってくるとたい」、と荒金が大金を司之介に見せると、司之介が「違う」と怒鳴ったんです。
「おもちょったのと、違う」と立ち上がり、荒金をにらみつけます。
👉関連記事:ばけばけ97話|荒金と九州男の史実
どん底を望む司之介の本音
「なして、なして増えるんじゃ」と訳の分からないことを言いながら怒鳴り散らす司之介。
「増えたらいけんのじゃ。金をすべて失って、大借金を抱えて、どん底に落ちる。そして、昔 長屋におったときのような、ヒリヒリとした、尻に火が付いた張り合いのある暮らしに戻ろうと思って、おぬしに託したというのに」。
「おぬしの怪しさを信じて、借金までしたのに、おかしいじゃろう」
「いきちょる気がせんのじゃ、借金させちょくれ」
「わしの尻に、火を付けちょくれ」。
むちゃくちゃやがな‥。
当然、荒金も「そりゃ、あんた、むちゃくちゃばい!」と言うでしょうよ。
なおじには、笑えたけど‥、
これ、視聴者の反応が気になります。
安定を嫌う芸術家気質
でもね、これって現代社会への問いかけでもあると思うんです。
「お金があれば幸せなのか?」「安定した生活が本当に生きがいなのか?」
司之介は、お金よりも、生きている実感を求めているんですよね。
35年間教師をやってきて思うのは、人間って安定すると腐る、ということ‥。
生徒たちも、部活で「県大会出場」という目標があるときは必死で練習するけど、目標を達成したら急にダラけちゃう‥。
司之介の気持ち、わからなくもないんですよ。
ふじきみつ彦脚本の真骨頂|予想を裏切る展開

読者の予想を超えた脚本術
実は昨日放送後に書いた記事を見た読者さんが、「ふじきみつ彦さんの脚本だから、この荒金という男が、実はいい人だったという展開もあるのでは」というアドバイスをくださいました。
はっきり言って、なおじにその発想は全くなかったです。
この方の意見をいただいて、俄然、ふじきみつ彦さんなら有り得るかも、という思いが湧いてきました。
でも、心のどこかで「ない、ない」という気持ちも‥。
そして、今日のエピソードを見てぶっ飛び!
はっきり言って、放心状態。
だって、普通では考えられない展開でしょう。
「金を失うことを望んでいた。借金を背負うことを望んでいた」って。
もしかして、これ、苦情が来るレベル?
と、一瞬心配にもなりましたが、ドラマとしてはこれくらい振り切った方が面白いです。
👉関連記事:ばけばけ第4週ネタバレ感想
芸術は闘いだ|岡本太郎の言葉
ここまでぶっ飛ぶ脚本を書いたふじきみつ彦さんに敬意を表したいです。
芸術は闘いだ(by 岡本太郎)。
まさにこの言葉が当てはまります。
視聴者の予想を裏切り、常識を覆し、それでいて人間の本質を突く。
これこそが優れた脚本の力だと、元教師として、また長年ドラマを観てきた者として、今は敬意を感じています。
安定した生活よりも、刺激のある貧乏暮らしを求める司之介の心理は、現代社会への痛烈なメッセージのように思えるんです。
ふじき脚本の「予想外」が面白い
なおじ、ふじきみつ彦さんの脚本、大好きなんですよ。
なぜかって?
予想を裏切る展開が毎回あるから。
普通の脚本家なら、「荒金に騙されて借金を背負う」って展開にするでしょう。
でもふじきみつ彦さんは、「金が増えて激怒する」という逆転劇を書く。
これ、学校で言うと、「テストで100点取って怒られる」みたいなもん(笑)
普通なら褒められるのに、「もっと難しい問題出してくれ!」って怒るみたいな。
司之介、そんなキャラクターなんですよね。
元教師が見る人間描写|おトキの観察眼とヘブンのスランプ

武士の娘の崩れた姿態
その頃、おトキは武士の娘にあるまじき姿態を見せていました。
寝転んで、鼻をかんだちり紙を、ヘブン先生の執務机の横にあるゴミ箱に放り投げたのです。
残念ながら、ちり紙はゴミ箱に入りませんでした。
このシーン、なおじはクスッとしました。
おトキちゃん、すっかりヘブン先生に心を許してるんですよね。
武士の娘としての体面を気にしなくなってる。
これ、家族の証拠だと思うんです。
女性ならではの観察眼

そして、おトキはゴミ箱の中のヘブンが書いた間違い原稿を見て、違和感を持ちます。
破られて捨てられていた原稿には、落書きが書かれていました。
また、執務机にある原稿にも、カエルの絵が‥。
おトキは、ヘブンのスランプに気がついたよう。
このおトキの観察眼は、女性ならではの細やかさだと感じるんです。
男性は目の前の大きな問題に気を取られがちですが、女性は小さな変化に気づく能力が高いのではないでしょうか。
教師時代も、生徒の微妙な変化に最初に気づくのは、女性教員であることが多かったです。
「あの子、最近元気ないね」って教えてくれるのは、いつも女性の先生でした。
息抜きのコメディ展開

司之介が増えた金を元の場所に戻していると、書生の正木が司之介の怪しい姿を見つけてしまいます。
続いて、フミも気付き、司之介はことの顛末を家族に話しました。
ゆとりある暮らしに慣れないと言う司之介。
そんなとき、おクマがパンを焼く網が誰かに盗まれたと家族に話します。
すると、司之介が「なら今日は朝から白い米が食える」と喜びました。
(あやしい‼)
すると、名探偵コナンのような展開に。
「盗んだ人は、この中におる」と司之介。
続いて、正木が「焼き網を盗んだ人が、この中にいる」と。
まあ今日は、息抜きの回ということで‥。
シリアスな展開が続いていたので、こういうコメディ要素満載の回も必要ですよね。
稲垣金十郎(司之介のモデル)は史実でも借金を望んだのか

稲垣金十郎の史実
司之介のモデルは、稲垣金十郎(小泉セツの義父)です。
史実の稲垣金十郎は、松江藩士の家系で、幕末から明治にかけて生きた人物。
ただし、「借金を望んだ」という記録は、なおじが調べた限りでは見つかりませんでした。
稲垣金十郎は、武士の身分を失った後、様々な職業を転々としたとされています。
金銭的に苦労したことは間違いないでしょうが、「わざと借金を作った」という話はないようです。
👉関連記事:司之介のモデル稲垣金十郎
ふじき脚本の創作意図
では、なぜふじきみつ彦さんは、この「借金を望む」という展開を書いたのか。
なおじの推測ですが、これは明治時代の文化人・芸術家に共通する価値観を描いているのではないでしょうか。
「安定した生活よりも、刺激のある生活を求める」。
これって、昭和の芸術家・岡本太郎さんの「芸術は闘いだ」という言葉にも通じます。
ふじきみつ彦さんは、司之介というキャラクターを通して、現代人への問いかけをしているように思えるんです。
「お金があれば幸せなのか?」「生きている実感って何なのか?」って。
史実と創作の境界線
ドラマと史実の境界線って、難しいですよね。
35年間社会科を教えてきたなおじとしては、「史実を尊重しつつ、ドラマとしての面白さも追求する」というバランスが大事だと思うんです。
ふじきみつ彦さんの脚本は、そのバランスが絶妙。
史実の稲垣金十郎の性格(武士としてのプライド、自由奔放な性格)を踏まえつつ、「借金を望む」という創作を加えることで、キャラクターに深みを出している。
これ、教科書では絶対に学べない歴史の面白さでは‥。
よくある質問|ばけばけ98話について
錦織弟の丈は大学教授になったのか
Q:錦織弟の丈は、本当に大学教授になったのですか?
A:錦織丈のモデルは、西田千太郎の弟・**西田精(にしだ きよし)**です。
史実の西田精は、東京帝国大学工科大学土木工学科を卒業し、その後、東京帝国大学助教授を経て、九州帝国大学工科大学教授となりました。
専門は土木工学で、特に各地の上下水道の調査設計に尽力した人物。
兄の西田千太郎が34歳で結核により亡くなった後も、学者として活躍し、1944年(昭和19年)まで生きました。
丈が語った未来の家電と史実の関係
Q:劇中で丈が語った「トースター」「洗濯機」「炊飯器」「自動風呂」は、史実の西田精と関係があるのですか?
A:いいえ、直接的な関係はないようです。
史実の西田精は土木工学(上下水道)の専門家であり、電気製品や家電の開発には関わっていません。
劇中で丈が未来の家電について語るシーンは、明治時代の若者が持つ「科学技術への憧れ」を描いた創作と考えられます。
ただし、西田精が専門とした「水道設備」は、現代の自動風呂などの給湯システムの基盤となる技術ですので、間接的には関連があるかもしれませんね。
荒金は良い人か悪い人か
Q:荒金は結局、良い人なのですか?悪い人なのですか?
A:98話の展開を見る限り、荒金は怪しい雰囲気はあるものの、司之介の投資を成功させています。
今後も、もし登場するとしたら展開次第ですが、単純な悪役ではない可能性も出てきました。
ふじきみつ彦脚本の妙味は、こうした予想を裏切る人物描写にありますよね。
なおじ、荒金がどんな結末を迎えるのか、めちゃくちゃ気になってます。
でも、登場はここまでかな‥。
筆者紹介|なおじ
元社会科教師35年、校長11年の経歴
なおじは元社会科教師として教壇に立ち、最後の11年間は校長を務めました。
特に明治時代の歴史が専門で、小泉八雲や夏目漱石など、文豪の時代背景を生徒たちに伝えてきました。
歴史が面白くなる先生
教え子からは「歴史が面白くなる先生」と呼ばれていました。
教科書に載っていない裏話や、人物のエピソードを語ると、生徒たちが目を輝かせて聞いてくれたんです。
NHK朝ドラ『ばけばけ』は、なおじの専門分野ど真ん中。
史実検証しながら観るのが楽しくて仕方ありません。