こんにちは、なおじです。
**ばけばけ73話でヘブンが語った「建前」**という言葉に、35年間教育現場で生徒や保護者の本音と建前を見続けてきたなおじは、思わず身を乗り出しました。
錦織が「ウソではなく、建前ですかね」と指摘し、ヘブンがニヤッとほくそ笑む場面。
悪い顔してましたねぇー。
でも、あれは日本文化の深層を理解し始めた証拠ですよね。

この記事でわかること
- ばけばけ73話で錦織が指摘した「建前」の本当の意味
- 立ち眩みと過労が示すヘブンの限界サイン
- 車夫永見の暴露が明らかにした山橋薬舗通いの真実
- ヘブンの建前使いが示す松江離脱の伏線
- 史実のハーンが松江を去って熊本へ向かった本当の理由
ばけばけ73話|錦織が指摘したヘブンの建前
車上での決定的な会話
ばけばけ73話の最も重要な場面は、車上での錦織とヘブンの会話でした。
「あの、ウソは嫌いだと言っていましたよね」と問う錦織に、ヘブンは「モチロン」と答えます。
「ではなぜ」と追及されると、黙り込むヘブン。
そして錦織が「ウソではなく、建前ですかね」と指摘すると、ヘブンはニヤッとほくそ笑むのです。
この悪そうな顔が、なんとも印象的でした。
建前とは日本社会を円滑にする知恵
なおじが35年間の教師生活で学んだのは、建前とは日本社会を円滑に回すための知恵だということです。
保護者面談でも、生徒指導でも、すべてを正直に言えば関係が壊れることがあります。
ヘブンは日本文化の深層を理解し始めているのです。
立ち眩みと過労が示すヘブンの危険信号

おリヨの下駄でふらつくヘブン
ばけばけ73話冒頭、おリヨの下駄を履こうとしてふらつくヘブンの姿が映されました。
「立ち眩みだ」と軽く言うヘブンでしたが、これは過労の兆候?
その後の描写でも、ヘブンは毎日20人ほどの客対応をしていることが明かされます。
完璧主義が招く限界
しゃちほこを持参した知事への対応、山橋薬局店主などへの全員正座対応、タイの尾頭付きを骨抜きせず自ら食べる几帳面さ。
すべてが完璧主義の表れ。
おフミが「これなら大丈夫。家族みんなきっとうまくいくわ」と言うセリフは、なおじには逆暗示のように聞こえました。
教師時代、「大丈夫」と言い続ける保護者ほど、実は不安を抱えていたものです。
食事中も魚の骨抜きに取り組むヘブンの姿に、もはや限界が近いことを感じました。
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車夫永見の暴露が暴いたヘブンの建前
おトキの心配と駆け出し
そんなある日、帰る時間になってもヘブンが帰ってきません。
司之介が「また立ち眩みで倒れているのではないか」と言うと、おトキはいてもたってもいられず駆け出します。
心配するオトキがヘブンを見つけます。
ところがヘブンは、錦織と教育論を熱く語っていたと…。
翌朝、司之介が錦織に確認すると、「松江のこれからのことや、これからの松江のことや…」と、しどろもどろ。
明らかに何かを隠しています。
永見の口から漏れた真実

そして決定的な場面が訪れます。
町で車夫の永見(ケンさん)にばったり会ったおトキが、真実を知ることになります。
「学校は建前で、本当は山橋薬舗にいらっしゃるなどとは」と永見が口を滑らせてしまったのです。
「不器用ですけん、黙ることしかできません」と言いながら、すべてを喋ってしまう永見のキャラクターが視聴者の笑いを誘いました。
建前の使い方に潜む危険
ヘブンは、何を隠しているのでしょう。
なおじとしては、このヘブンの建前の使い方に、成長と同時に危険な兆候を感じます。
建前は便利ですが、使いすぎると信頼を失う――これは教師としての経験則です。
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ヘブンの建前が示す松江離脱の伏線

山橋薬舗での真実
ヘブンが山橋薬舗に建前を使ってまで通う理由は何なのか?
74話では、トキが山橋薬舗を訪れ、店主の山橋才路(柄本時生さん)と対面しそうですね。
なおじの願望として、遊女なみ(さとうほなみさん)もヘブンとばったり山橋薬舗で出くわし、三人で酒盛りを始めるという展開があればいいなあ、と思うのですが…。
みなさんも、そう思いませんか。
史実が示す松江離脱の運命
史実では、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は松江に約1年3か月しか滞在せず、その後熊本へ転任しています。
なおじは、このばけばけ73話の建前エピソードが松江離脱の伏線になるのか、とも考えるのですが…。
ヘブンが錦織と建前を使って相談していたのは、トキの家族(雨清水家)全員を養うため、より高給が得られる転任先の話ではないか、と…。
建前文化が招く息苦しさ
教師時代、転勤が決まった同僚が、最後の数か月は妙に忙しそうにしていたことを思い出します。
建前を使い始めるのは、心が次の場所へ向かい始めたサインなのかも…。
ヘブンは日本の建前文化を理解しましたが、それは同時に、日本社会の息苦しさも感じ始めたことを意味するのではないでしょうか。
完璧主義のヘブンにとって、建前と本音を使い分ける生活は大きなストレスになるはずです。
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史実のハーンが松江を去って熊本へ向かった理由

松江の冬の寒さと経済的事情
史実の小泉八雲が松江を離れたのは1891年(明治24年)のことです。
松江滞在は約1年3か月という短い期間でした。
転任先は熊本の第五高等中学校(現在の熊本大学)です。
給料2倍と扶養家族9人
表面上の理由は「松江の冬の厳しい寒さ」と「給料が松江の2倍」でした。
松江での月給は45円。
熊本では100円に跳ね上がったのです。
妻セツの家族も熊本へ
ハーンは妻セツだけでなく、セツの親族も熊本に連れて行きました。
最終的に扶養すべき家族は9人にまで膨れ上がっていたのです。
士族没落で困窮していたセツの実家を養うため、より高い給金が必要でした。
教育者なおじが考える本当の理由
しかし、なおじが35年間教師をしてきた経験から考えると、本当の理由はもっと深いところにあったのではないかと思うのです。
ハーンは松江をこよなく愛していました。
「神々の国の首都」と呼び、日本古来の文化が息づく暮らしに感銘を受けていたはずです。
それでも松江を去ったのは、日本社会の「縁の深さ・かかわりの深さ」というわずらわしさに耐えられなくなったからかも…。
でもなあ優しいヘブンさんのことだから、さらに一歩、深い理由があるのかも…。
完璧主義者ハーンの苦悩
教師として生徒一人ひとりに誠実に向き合ってきたなおじには、ハーンの苦悩がよくわかります。
完璧主義の外国人教師が、毎日何十人もの訪問客に対応し、すべてに丁寧に応じ続けることの疲労。
そして、本音を隠して建前で応対することの精神的ストレス。
ばけばけ73話のヘブンの姿は、まさにこの史実のハーンの苦悩を描いているのでは…。
ハーンは熊本でも「熊本は松江に比べてはるかに都会で、思い描いた日本からは遠く離れていた」と失望を口にしています。
それでも松江には戻らなかった。
これは、松江の文化的なわずらわしさから逃れたかったという気持ちの表れ、かも。
だとしても、ヘブンをせめられないなぁー。
しゃちほこを 磨く手元に 夫の嘘
Q&Aで振り返るばけばけ73話
Q1:ばけばけ73話で錦織はなぜ「建前」だと指摘したのですか?
A:錦織はヘブンが家族に嘘をついていることに気づいていました。しかし「ウソ」という直接的な言葉を避け、日本文化的な「建前」という表現を使ったのです。これ自体が日本的なコミュニケーションの特徴を表しています。
Q2:車夫の永見は本当に「不器用」なのですか?
A:永見は「不器用ですけん、黙ることしかできません」と言いながら、結局すべてを喋ってしまうコミカルなキャラクターです。視聴者からは「ケンさん」の愛称で親しまれ、SNSでも「口かる(口軽)!」と話題になりました。
Q3:史実のハーンが松江を去った本当の理由は何ですか?
A:表面上は「冬の寒さ」と「給料2倍」でしたが、実際は妻セツの親族9人を扶養する経済的必要性が大きかったのです。
なおじは、ばけばけ73話でヘブンが錦織と「建前」を使って相談していた内容も、トキの家族(雨清水家も含め)全員の面倒を見るため、より高給が得られる熊本への転任だったのではないかと予想しています。
完璧主義で家族思いのヘブンの性格を考えると、この可能性が高いと感じます。
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【筆者紹介|なおじ】
元社会科教師として35年間教壇に立ち、現在は8つのブログでドラマ・芸能・政治・歴史・スポーツ・旅・学び・書評を執筆しています。
教育現場で培った「建前と本音」の見極め力と日本史の知識を活かし、朝ドラの深層を読み解きます。
ドラマ記事では「時代背景」や「心の揺れ」をゆっくり言語化するスタイルを大切にしています。
趣味は川柳とキャンピングカー旅。