なおじの洞察① 優等生ほど板挟みになりやすい?

なおじの感想としては、トキの板挟みは「優等生の宿命」でもあると思うんですね。
どちらの気持ちもわかってしまう人ほど、「どちらかを選ぶ」ということが苦手なんです。
- 知事の命令を受けた錦織の真面目さ。
- リヨのまっすぐな恋心。
- そして、誰かを傷つけたくないトキの優しさ。
この三つが交差した結果、「誰も完全には救えない」という一番つらいポジションに、トキが立たされなければいいけど、とちょっと心配。
教師時代、バスケ部にもいました。
AさんとBさんの間に入って、どちらにもいい顔をしようとして、結局どちらからも「はっきりしてよ」と言われてしまう部員。
その姿と、今日のトキちゃんが、なんのかんの言ってダブって見えるんですよねぇ〜。
なおじの川柳その①
板挟み 柱をこつんと 叩きけり
なおじの洞察② ブードゥー人形は感情の”逃げ場”

ブードゥー人形を握りしめるトキを見ていると、あれは感情の逃げ場にもなっていると感じるんです。
明治の女中という立場で、雇い主や知事に「それは違う」とはっきり言うことは、まずできません。
だからこそ、直接言えない思いを、あの小さな人形に託している。
自分の中の黒い気持ちを、人形に”預けている”ようにも見えるんですね。
なおじの川柳その②
黒い糸 結んで解いて 朝が来る
夜のあいだに結んでしまった黒い糸を、朝の光の中で少しずつ解いていく。
そんな「ばけばけ」の世界観が、このブードゥー人形の扱いにもよく出ている気がするんです。
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本日の主な登場人物(役者名)
トキとヘブン、そして板挟みの二人
- 松野トキ(演:髙石あかり)
…主人公。没落士族の娘で、ヘブンのもとで働く女中。 - ヘブン(演:トミー・バストウ)
…外国人の英語教師。トキの夫(あるいは夫となる人物)で、リヨから想いを寄せられている相手。
板挟みの当事者たち
- 錦織友一(演:吉沢亮)
…知事から「リヨとヘブンを恋仲にするな」と命じられ、その役目をトキに頼みに来る人物。 - 江藤リヨ(演:北香那)
…島根県知事の娘。ヘブンに恋しており、以前トキに「恋の応援」を頼んでいたお嬢さま。 - 江藤知事(演:佐野史郎)
…リヨの父。娘の将来を思うあまり、ヘブンとの恋を認めない保守的な父親像が描かれる。
松野家の人々(食卓シーンで登場)
- 松野司之介(演:岡部たかし)
…トキの父。没落士族としての誇りと家計の現実のあいだで揺れながら、家族を支えようとしている。 - 松野フミ(演:池脇千鶴)
…トキの母。食卓の場面でも、娘の様子をさりげなく気遣う視線が印象的。家族の空気を和らげる存在。 - 松野勘右衛門(演:小日向文世)
…トキの祖父。今回も、どこか含みのある”まともすぎる”恋愛トークで場をかき回しつつ、トキのこれからを暗示するような言葉を残していました。
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Q&A|ばけばけ43話のここが気になる
Q1:トキは本気で「約束を忘れる」と思っているの?
なおじの感想としては、「表向きはそう答えたけれど、本気で忘れるつもりはない」と見えました。
知事と錦織の立場を理解して「わかりました」と言いつつも、リヨのことを思う気持ちは消えていない。
その揺らぎが、その後の餌づくり失敗や、祈りの場面ににじんでいたんだと思うんですね。
Q2:ブードゥー人形って、今後も”黒魔術”として機能し続ける?
ブードゥー人形は、今のところ「黒い願掛けアイテム」のように見えますが。
今回のように、「沈んでほしい、でも沈みすぎてほしくない」という矛盾した祈りを受け止める器にもなっていました。
今後も、「トキの心の複雑さを見せる小道具」として重要な役割を担いそうですよね。
Q3:祖父の”まとも発言”は、物語全体でどんな意味がある?
若者たちの恋物語の裏側で、祖父が自分の人生を重ねながら「こういう生き方もあった」と示しているように感じました。
これは、「ばけばけ」が単なる恋愛ドラマではなく、明治という時代を生きた人々それぞれの人生ドラマを描いているというサインでもあると思うんです。
読者のみなさんへの問いかけ
なおじは、こういう「板挟み回」が一番ドキドキするんです。
みなさんは、トキの「わかりました」をどう受け止めましたか?
心で反発しながらも、つい従ってしまう。
その後ろにある”優等生の哀しさ”、どう感じました?
コメント欄で「リヨ派」「錦織派」「ヘブン派」、どの立場からでもいいので、感想を聞かせてもらえたら嬉しいんですねぇ〜。
なんのかんの言って、こういうモヤモヤを一緒に語れるのが、朝ドラ視聴の醍醐味だと思いますー。