こんにちは、なおじです。
ばけばけ121話を見終わって、しばらく画面の前で動けませんでした。
KWAIDENが届いた喜びのその日に、狭心症を告白するヘブン。
遺言状と、骨を入れるための小さい瓶。
史実では小泉八雲は1904年に心臓病で亡くなっています。
ドラマはいよいよその史実に向かって、静かに歩き始めました。

🖊️この記事でわかること
- KWAIDENが届いた日に松野家に何が起きたのか
- ヘブンの「死にます、とも、けっして、いけません」の意味
- 「骨を入れる小さい瓶」シーンの深読みと史実
- 史実の小泉八雲はいつ、どのように亡くなったのか
- KWAIDENの和訳を手がけた史実の人物
KWAIDENが届いた!松野家の大騒ぎ
大荷物が届いた、その中身は

アメリカから届いた大きな荷物。
中に収められていたのは、トキとヘブンが二人三脚で書き上げた『KWAIDAN(怪談)』の完成本でした。
松野家みんなで本を囲んで大はしゃぎ。
え、まず読んでみようよ(笑)。
でも、そのはしゃぎ方が微笑ましくてですね。
司之介のおじじ様的な喜び方を見ながら、なおじはほっこりしました。
元社会科教師として35年間「小泉八雲」を授業で教えてきたなおじには、教科書の文字が動き出したような感覚がありましたよ。
本が地球を一周した不思議な旅

ドラマの中では錦織丈がヘブンの英語を和訳した、という設定です。
👉関連記事:ばけばけ120話「怪談の絵本」怪談誕生と小泉八雲の史実
ここでなおじがふと考えたのが「史実でKWAIDENを最初に和訳したのは誰だろう?」という疑問。
そもそもKWAIDENは、妻・セツが語った日本語の怪談を八雲が英語で書いたもの。
日本語→英語→また日本語。
本が地球を一周した感じ、しませんか(笑)。
日本語への和訳は複数の翻訳者が手がけてきました。
代表的なのは平井呈一訳(1956年)。
近年では**円城塔氏の新訳(2025年)**が独創的な「直訳調」で注目を集めています。
ドラマの丈のような献身的な訳者が、世代をつないできたわけです。
「世界一の本」と荒い息づかい

トキの言葉の重み
トキがKWAIDENを手にして言った言葉——。
「あなたの言葉、あなたの考えすべて詰まっています。世界一の本です」
これ、本当に重みのある一言でした。
翻訳書というのは、訳した人の言葉も一緒に詰まっている。
でもヘブンにとっては、自分の思いをまるごと受け取ってもらえた言葉だったはずです。
「子供だましの民話集」という書評
一方、書評記事で「子供だましの民話集」という評価が出てきます。
荒い息づかいのヘブンがその記事を読む場面——あれは見ていてつらかったですよ。
なおじも人に見せる前に自分のブログを読み返すと、「あれ、大丈夫かな」とひやっとすることがあります(笑)。
それはさておき、35年の教師生活で、生徒の頑張りを「それだけ?」と一言で片付けられる場面を何度も見てきたなおじには、ヘブンの息づかいが他人事には思えませんでした。
ばけばけ121話の衝撃│ヘブン狭心症を告白

「胸が痛む」医者の診断
書評という打撃の直後——ヘブンに狭心症の症状が出ます。
どこかへ出かけていたヘブン。
帰宅後、トキに打ち明けます。
「病得ました。胸が痛むという。」
トキが「心臓ですか?」と問う場面の静けさ。
高石あかりさんの表情に、不安と冷静さが同時に宿っていて、なおじはそこで息を飲みました。
雪女が語る「見えない予兆」
このとき、雪女の話を子どもたちに語っていたトキの姿が描かれていましたよね。
雪女というのは「愛する人の死」を予感させる存在。
脚本家・ふじきみつ彦さん、さりげなく怖いことをやります。
ドラマを見ながら「これ、伏線じゃないの……」とひとりでつぶやいてしまったのは、なおじだけじゃないはずです。
👉関連記事:ばけばけ116話│まさか認知症?八雲の死因を史実で検証
骨壺と遺言状│ヘブンの静かな覚悟

財産をすべてトキに渡す遺言状
ヘブンが財産をすべてトキに渡すという遺言状を用意していた——この事実が明かされます。
「死にます、とも、けっして、いけません」
トキのこの言葉、意味がわかりますか?
なおじの解釈では「死ぬなんてこと、絶対に言ってはいけません」という意味。
ところがヘブンには別の解釈があった。
「別の意味、ムネイタミ」とヘブンが言い直す。
「死にます」=「胸が痛む(ムネイタミ)」という掛け言葉だったんですよね。
言語の壁の中に愛が詰まっている——そんなシーンだったと思います。
「ナオリマシタ」でも小瓶は消えない
そして最も静かに衝撃を与えた場面。
「小さい瓶を買った。私の骨入れるため。そして淋しいお寺、埋める、シテください」
ヘブンが片仮名まじりの日本語でトキに頼む。
トキは悲しむ。でもヘブンは続けます。
「ままさん、こども、かるた、してあそぶ、わたし、それよろこぶ」
びっくりして固まるトキ。
その後、昼寝したヘブンが「ナオリマシタ」と言い出すんですよ。
いや、ナオってないから!(笑)
でもね、小瓶を買ってきたという事実は消えない。
トキの「もう人騒がせな、やめてごしなさい」という叫びが、笑えるようで笑えませんでした。
史実で八雲は54歳で急逝している
教師時代、子どもの作文で「死ぬとき家族に笑っていてほしい」と書いた子がいました。
そのときと同じ感覚でした。
人は自分の死を覚悟したとき、残された人の幸せを願う——そう感じたのはなおじだけじゃないはずです。
史実では、小泉八雲は1904年9月26日、54歳で狭心症による急逝。
東京・雑司ヶ谷霊園に墓があります。
ドラマは史実に向かって静かに歩き始めていること、この骨壺の瓶が示していました。
👉関連記事:小泉八雲とセツの物語│史実で読む夫婦の軌跡
最終週「ウラメシ、ケド、スバラシ。」が始まった

このタイトル、すごくない?
第25週のタイトルは「ウラメシ、ケド、スバラシ。」
うらめしい、でも素晴らしい——まさにヘブンとトキの物語全体を一言で表しています。
怪談の定番ワード「うらめしや」と「素晴らしい人生」が重なる。
このドラマらしいセンスですよね。
嗚呼悲しい。いよいよ最終週です。
春の朝の小瓶
骨壺を 買うてきた夫 春の朝
小さい瓶が春の陽射しの中にある場面、なおじの胸に刻まれました。
笑えるようで、笑えない。悲しいようで、温かい。
それがばけばけという朝ドラだったんだ、と改めて思います。
よくある疑問Q&A
Q1. KWAIDENの史実の和訳者は誰ですか?
代表的なのは平井呈一訳(1956年、河出書房版)で、長く親しまれてきました。
近年では**円城塔氏の新訳(2025年)**が独創的な「直訳調」で新しい読者を獲得しています。
ドラマの丈のような一人の献身的な訳者がいたかどうかは史実では定かでありませんが、複数の人々がセツ→八雲→和訳という旅をつないできたことは確かです。
そう思うと、丈というキャラクターにリアルさが出てきますよね。
👉関連記事:ばけばけ119話│手紙まさかの全部ノー!トキの一言が怪談を生む
Q2. 狭心症とはどんな病気ですか?
狭心症は心臓に血液を送る冠状動脈が狭くなり、胸に圧迫感や痛みが生じる病気です。
史実の小泉八雲も心臓病で1904年9月に急逝しています。
当時の医療では有効な治療手段が非常に限られていました。
ドラマのヘブンが「胸が痛む」と訴える場面は、史実に沿った描写といえます。
Q3. 「ムネイタミ」の場面、どういう意味でしたか?
ヘブンが「死にます」と言ったとき、トキは「死んではいけない」と解釈しました。
でもヘブンは「胸が痛む(ムネイタミ)」という意味で言っていた——という言葉の行き違いのシーンです。
片仮名まじりの日本語を使うヘブンならではの表現で、言語の壁と愛の深さが同時に描かれていました。
なおじ的には今話のベストシーンだと思います。
Q4. 「骨を入れる小瓶」のシーンの史実的な意味は?
ヘブンは「私の遺骨を小さい瓶に入れて淋しいお寺に埋めてほしい」とトキに頼みました。
史実では小泉八雲の墓は東京・雑司ヶ谷霊園にあります。
「ままさん、こども、かるたしてあそぶ、それよろこぶ」という言葉には、自分の死後もトキと子どもたちに幸せでいてほしいという愛情が詰まっていました。
史実の夫婦もそういう関係だったんだろうな、とそう感じたのはなおじだけじゃないはずです。
Q5. 最終週「ウラメシ、ケド、スバラシ。」の意味は?
第25週・最終週のタイトルです。
「うらめしい(悔しい・悲しい)けれど、素晴らしい」——ヘブンとトキの物語全体を凝縮した言葉です。
怪談の定番ワード「うらめしや」と「素晴らしい人生」が重なっており、このドラマらしいセンスあふれるタイトルだと思いませんか。
なおじが一番胸に刺さったのは「ままさん、こども、かるたしてあそぶ、それよろこぶ」というカタカナのセリフでした。
みなさんは今回、どのシーンが一番印象に残りましたか?
コメント欄で教えてもらえると嬉しいです。
👉ばけばけ全話の史実まとめはこちら:ばけばけは史実と何が違う?全話感想と人物モデル一覧
筆者紹介|なおじ
なおじは元社会科教師として教育現場に35年間携わり、指導主事を5年、校長を11年務めました。退職後もボランティアで子どもたちに学習を教えています。
社会科・歴史を長年教えてきたので、時代背景や史実との比較が得意分野です。小泉八雲は中学の教科書にも登場する人物で、授業でくり返し扱ってきました。ドラマと史実がどこで交差するかを見るのが、なおじのばけばけ感想記事の楽しみ方です。