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ばけばけ112話│入籍を阻む2つの壁と錦織の影を元教師が読む

こんにちは、なおじです。

ばけばけ112話では、入籍を阻む壁がいよいよ具体的に姿を現しました。

役所での手続き、知事への打診、そして「いけん」という冷たい一言。

ドラマの展開と史実の小泉八雲の帰化問題を照らし合わせると、この「壁」がいかにリアルだったかがわかります。

また、梶谷の侠気、サワと庄田の再会、そして錦織さんの握手拒否。

胸に刺さる場面が続いた回でしたよ。

この記事でわかること

  • ばけばけ112話のあらすじと見どころ
  • 入籍を阻んだ「2つの壁」と史実との比較
  • 梶谷が取材メモを破いた「侠気の意味」
  • サワの結婚と庄田の「小ささ」の正体
  • 錦織の握手拒否が示す「死の予感」と西田千太郎の史実
目次

丈の手紙と錦織さんのわびしさ

丈からの直球の依頼

112話は、丈から錦織さんへの手紙の場面からはじまります。

内容は「ヘブンとトキの入籍の手伝いをしてやってくれ」というものでした。

丈らしい、直球の頼み方ですよね。

たとえば授業参観前日に「ちょっと明日うちの子を頼む」と職員室に来る保護者がいましたが、あの感じに似てるんですよ。

遠慮がなくて、でもその分、信頼感が伝わってくる。

丈の一言に、ヘブンへの深い思いが込められている気がして、なおじはここでもう胸がじんとしてしまいました。

ヘブンの著作を並べるわびしさ

丈から送られてきたヘブンの最新の著作を、きちっと並べて保管する錦織さん。

言葉は少ない場面なのに、「わびしさ」がじわりと伝わってくるんです。

ヘブンがそこにいない部屋で、その著作だけを丁寧に並べる行為に、錦織さんの複雑な思いがぎゅっと詰まっています。

なおじは、学校を定年退職した後の職員室を思い出しました。

かつての先生たちが残していった教材や卒業文集を、黙って棚に並べなおす光景。

「あの人は今どこで何をしているんだろう」という気持ち。

錦織さんの姿と、なんだか重なってしまいましたよ。

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松江・花田旅館で久々の再会

平太もツルもウメも健在

久しぶりに登場した松江の花田旅館。

平太が「今日はお客がない」と言っている。

ツルもウメも変わらず元気そうな様子が描かれました。

なおじは正直、ツルとウメの顔を見た瞬間に「ああ、帰ってきたなあ」という気持ちになったんです。

物語がどんなに動いても、この旅館だけは変わらない。

そのどっしりとした感じが、ほっとさせてくれるんですよね。

トキたち一行が到着し再会

そこにトキたち一行がやってくる。

再会を喜び合う場面は、このドラマならではの「人情の温かさ」が滲み出ていました。

みんな変わって、みんな変わっていない。

旅先での再会って、こういうものですよね。

なおじも教員生活で転校や異動を繰り返す中、久々に旧職場を訪れたときの「懐かしさ」と「時間の経過の不思議さ」を何度も味わっているんです。

あの感覚が、この場面に重なって見えました。

入籍を阻む2つの壁と史実

壁① 戸籍に銀二郎さんが残っている

松江の役所で改めて戸籍の申請をすることになりましたが、ここで2つの問題が判明します。

一つ目は、松野家の戸籍にまだ銀二郎さんが残っていること。

これを解決するためには、トキが松野家から雨清水家の戸籍に戻り、そこにヘブンが入籍するという方法が示されました。

ところが、それだけで終わらないのが明治の戸籍制度の厄介なところです。

元社会科教師のなおじが補足すると、明治の戸籍制度はとにかく「家」が単位でした。

個人ではなく「家」に属するのが基本で、離婚・再婚ひとつ取っても、現代とは比べ物にならない複雑さがあったでしょう。

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壁② 異人の日本国籍取得に前例がない

もう一つは、異人が日本国籍を取得した前例がないという問題です。

そのためには保証人が必要で、県知事に保証人になってもらう必要があると示された。

しかし、役所が知事に問い合わせたところ「いけん(いけない)」とけんもほろろに断られてしまった。

「いけん」という島根の方言が、よけいに冷たく響きましたよね。

史実では小泉八雲の帰化はどうだったか

実は史実の小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が正式に日本に帰化したのは、1896年(明治29年)のことです。

しかも帰化の場所は島根県ではなく、神戸でした。

松江での出来事を経て熊本、そして神戸へと転居し、そこで手続きを完了したのです。

つまり、ドラマの時点(松江時代)では帰化はまだ実現していない。

「前例がない」「知事が断った」という展開は、史実の困難さと高い整合性があります。

明治初期に外国人が帰化するためには、現代のような明確な法整備がされていたわけではありませんでした。

「前例がない」という言葉が、まさにそれを物語っています。

前例なし 壁は高くも 越えてみせ

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梶谷の侠気とサワの「半分弱」発言

取材メモを破いた梶谷の矜持

トキは新聞記者の梶谷と会っていました。

トキが「子どものことを記事にするつもりか」と問うと、梶谷は「ご心配なく」と答えた。

そして子どものことを書いた取材メモを、トキの目の前でためらいなく破いてみせた

これが痺れるシーンでしたねえ。

「書かない」とただ言葉で言うだけでなく、証拠(メモ)を目の前で処分する。

なおじがバスケ部の顧問をしていた頃、「約束は言葉じゃなく行動で示せ」と選手たちによく言っていました。

梶谷さん、まさにそれを実践してみせた。侠気があるねえ

サワの結婚という意外な展開

トキとサワが再会するシーン。

なんとサワは庄田と結婚していた。しかも教員試験にも合格していた。

サワ、やるじゃないですか。

以前は庄田のプロポーズを断っていたサワが結婚していたのは、視聴者にとっても意外な展開でしたよね。

庄田が示した「半分弱」の小ささ

ところが庄田は、トキが江藤知事への取り次ぎを頼んでも、それを拒んでしまいます。

するとサワが庄田を「半分弱」と言って責めた。

「半分弱」とは「半人前にも満たない」という意味合いでしょう。

本当だよ庄田。大事な場面で一歩踏み出せない男というのは、どの時代も変わらないですよね。

社会科の授業でも「判断の場面で逃げる人間は、どんなに優秀でも人から信頼されない」という話をよくしていました。

庄田に響いていることを願うばかりです。

錦織の握手拒否が示す「死の予感」と史実

ヘブンの手を取らなかった錦織

そのころヘブンさんは錦織を訪ねていました。

ヘブンが握手を求めて手を差し出したのに、錦織はその手を取らず、テンションも低めで部屋に入るように促した。

この一瞬に、なおじはぞくっとしました。

錦織さんはずっとヘブンの「文学的伴走者」であり、公私にわたる親友として描かれてきました。

その錦織さんが、もうヘブンとの距離を縮めようとしない。

これ以上深く関わることへの諦め、あるいは「別れの準備」に見えてしまいます。

史実・西田千太郎が示す錦織の運命

錦織友一

錦織のモデルとなった西田千太郎は、実在の教育者です。

松江中学校の教員で、小泉八雲とセツさんの媒酌人も務めた、公私にわたる親友でした。

しかし結核を患い、1897年(明治30年)、34〜36歳という若さで亡くなっています

喀血したことも記録に残っています。

つまり、錦織さんの「死の予感」は、史実の裏付けがある演出なのです。

ドラマがその「死の接近」を、握手拒否という「言葉にしない演技」で表現しているのが、本当に上手い。

差し出した 手を取らぬ君 春の霜

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Q&A|ばけばけ112話のよくある疑問

Q1. 銀二郎さんの戸籍問題はどうすれば解決できる?

役所が示した方法は、トキが松野家から雨清水家の戸籍に戻り、そこにヘブンが入籍するというものです。

松野家の戸籍に銀二郎さんが残っている限り、直接入籍はできません。

明治の戸籍制度は「家」単位だったため、このような迂回ルートが必要になるわけです。

史実の制度上の制約を、ドラマが正直に描いていますよね。

Q2. 異人が日本国籍を取得するのは史実でも難しかった?

はい、非常に難しいことでした。

史実の小泉八雲が帰化したのは1896年(明治29年)のことで、場所は神戸でした。

明治初期には外国人の帰化に関する明確な法整備がなく、「前例がない」という状況はドラマが史実を正直に反映しています。

そう思うと、この展開にはずっしりとした重みがありますよね。

Q3. 梶谷はなぜわざわざメモを破いたの?

「書かない」と口で言うだけでなく、証拠となるメモを目の前で処分することで、行動で誠実さを示したのです。

新聞記者として取材したメモを破くというのは、プロとしての覚悟を示す行為でもあります。

「言葉ではなく行動で示す」という梶谷の矜持が、このシーンに凝縮されていました。

Q4. サワはいつ庄田と結婚したの?

ドラマの時間経過の中で、サワが庄田と結婚し教員試験にも合格していたことが、112話で初めて明かされました。

以前はプロポーズを断っていたサワが、教員として自立してから受け入れたということかもしれませんね。

自分の足で立ってから初めて「選ぶ」という判断ができる。

なおじはここに、サワの成長を感じました。

Q5. 錦織さんは史実ではいつ亡くなる?

錦織のモデルである西田千太郎は、1897年(明治30年)に34〜36歳で亡くなっています。

ドラマの時間軸からすると、そう遠くない未来に描かれる可能性があります。

112話の握手拒否も含め、「死の接近」を示すサインは複数積み重なっていますよね。

今後の展開に、目が離せません。

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筆者紹介|なおじ

茨城県の公立小・中学校で35年間、社会科教師として教壇に立ちました。

指導主事・校長として11年間、学校経営にも携わりました。

バスケットボール部の顧問として約10数年、若い世代と向き合った経験もあります。

現在はキャンピングカーを引き連れながら、8つのブログでドラマ芸能政治歴史スポーツ学び書評を書いています。

この記事では、ばけばけ112話の入籍問題と史実を、元社会科教師の視点でたんねんに読み解いてみました。

サワと庄田

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