戦後日本の復興期に、【虎に翼】の主人公・寅子は裁判官デビューを果たしましたね。
でも実際は、家庭裁判所立ち上げのための、様々な実務をこなす事務官としての仕事がメインです。
忙しい日々を過ごす寅子ですが、そんななか寅子は、旧知の男装の『よね』と、『轟』に再会します。
『よね』と『轟』は、二人で法律事務所を立ち上げ、浮浪児達の面倒も見ていました。
二人が面倒をみている浮浪児のリーダー格が、目つきの鋭い『道男』でした。
この浮浪児『道男』を演じるのは、【和田庵】さん。
すべてのモノに反発し、今にもかみつきそうな雰囲気を醸し出す役者、【和田庵】とは、何者なのでしょうか。
6月20日・追記『道男はやっぱり良い子だ』
遂に、はるさんが心臓の病気で亡くなりました。
史実では脳溢血。
時期は、お父さんと同じ1947年【昭和22年)。
しかもお父さんより前に亡くなっています。
はるさんの死を目前にして、道男が猪爪家に帰ってきます。
はるさんのたった一つの心残りは、道男でした。
はるの最後の願いをかなえるため、寅子は道男を探します。
そして、はるは道男を抱きしめます。
「これで、いい…。」
そういってはるは、亡くなっていきました。
やっぱり道男は、良い子なんだろうと思います。
この後、きっと猪爪家の人々に恩返しをしていくことでしょう。
和田庵とは、何者?
「道男【和田庵】の存在感、半端ない。」
登場した瞬間、「この人、ダレ!」
目つきの鋭さ、
社会への反発心
それでいて、悲しげな雰囲気…。
「この人は、良い役者に成長しそう。」と感じました。
【虎に翼】の役どころで、道男は戦争孤児です。
スリ、置き引きなどをして生活していますが、幼い浮浪児仲間を守ろうとする気概に満ちたところも見られます。
口が悪く、食事中に大あくびをしたり、立て膝をしたまま食べたりする野生児なのですが、
箸の持ち方は、とてもきれい。
おそらく、幼少期はしっかりした両親の元で、きちっとしつけをされて育ったのでしょう。
和田庵さんは、そんな戦争孤児道男を演じていました。
和田庵のプロフィール
和田庵(わだいおり)さんの出身地は東京都。
年齢は、2024年現在18歳。
生年月日は、2005年8月22日です。
芸能界デビューは意外と早く、8歳。
デビュー作は映画で『ミックス』でした。
テレビ出演は「隣の家族は青く見える」など、多数に出演しています。
そして、なんと13歳から15歳の中学生の1年半に及ぶ期間、語学習得のためカナダへ留学していたのだそうです。
そこで、人間力も高まったと言います。
出身高校は、非公表のようです。
所属事務所は、レブロエンタテイメント
家族構成は、ご両親と、お兄さんの4人家族。
ちなみにお兄さんも、カナダに留学経験があり、兄弟ともに英語がペラペラ。
かっこいいですね。
特技がスケートボード。そして、ロッククライミング。
道男のするどい雰囲気は、和田庵さんの筋肉質の肉体美からも生まれているのですね。
今回の【虎に翼】が、NHKデビューだそうです。
新人賞受賞歴:すごいんです!
尾野真千子さん主演の『茜色に焼かれる』で、中学校3年生の息子・純平役を和田庵が演じました。
この演技が認められ、和田庵は『3つの新人賞』を獲得しています。
この映画の公開は、2021年でした。
つまり、和田庵がカナダから帰って間もない15歳の時のことだと思われます。
主な出演作品
映画「ミックス。」(2017年)で俳優デビュー。
連続ドラマ「隣の家族は青く見える」(フジテレビ系、2018年)に出演。
「舟を編む」(2013年)。
「茜色に焼かれる」(2021年)。
・主演の尾野真千子さんの息子役
:同作での演技で「第95回キネマ旬報ベスト・テン」で新人男優賞。
:「第76回毎日映画コンクール」でスポニチグランプリ新人賞。
:「第35回高崎映画祭」で最優秀新人俳優賞を受賞。
「虎に翼」でNHKデビュー。
【虎に翼】で、浮浪児・道男役
【虎に翼】の世界は、戦後の混乱まっただ中の昭和24(1949)年1月となり、なんとか『家庭裁判所』の発足にこぎつけました。
寅子も活躍を認められ、寅子に運命の瞬間が訪れます。
最高裁長官の星朋彦(平田満さん)から、直々に辞令を受け、東京家庭裁判所判事補を兼務することになったのです。
寅子は、念願の「裁判官」の第一歩を踏み出します。
そんな中、虎子は、旧知の「よね」と「轟」に再会します。
二人は、小さな法律事務所を立ち上げ、同時に道男たち、浮浪児の面倒も見ていました。
道男は、浮浪児の中の年長者で親分格。
生きるために、スリ・万引き・置き引きなどの犯罪にも手を染めていました。
この当時、待ちに溢れる浮浪児は、社会問題になっていたのでした。
そのために、道男も家庭裁判所に連れてこられることになりました。
年少の浮浪児達が次々と行き先が決まる中、年長の道男の面倒を見てくれる協力者が見つかりません。
寅子は、道男を自宅に連れ帰ることにしました。
しかし、寅子の家族は、道男に良い印象を抱きません。
そりゃ、そうでしょう。
ですが、ただ一人お母さん「はる」さんだけは、
好きなだけ、ここにいていいよ。
と道男に声をかけます。
さすが、「はる」さん。
(残念なことに、史実ではすでに亡くなっています。)
そんな「はる」さんを試すかのように、道男は食事中に大あくびをしたり、
立て膝をしたり、茶碗をつまむようにもったりして「はる」さんを挑発します。
はるさんが、
食事中に、大きな口を開けるもんではありません。
と、道男をたしなめると、
道男は、
うっせえな、食事くらい自由にさせてくれよ。
と、またまた「はる」さんを挑発。
でも、顔つきはぐっと穏やかです。
粗雑な態度なのに、妙に箸の持ち方がきれいなのも意図した演技なのでしょう。
もともとは、育ちの良い子なのでしょう。
和田庵さんの【虎に翼】の世界観の解釈が生み出した『道男』像なのだと思うのです。
よい役者ですねえ、和田庵。
今後も注目したい一人です。
史実の三淵嘉子さんも、家庭裁判所勤務の時に、子ども達の面倒を大変によく見ていた裁判官として有名です。
そのあたりの史実を取り入れたのでしょうね。
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