プロローグ
- 著者の幼少期から東大理Ⅲ合格に至るまでの背景が語られています。
- 幼少期から勉強好きで、母親の影響で東大を目指すようになった。
- 小学校時代には読書や計算、右脳開発教材に取り組む。
- 高校時代は学校の勉強に興味を失い、自分の好きな分野に集中。
- 浪人時代に予備校で暗記と高速化を徹底し、成績向上を実現。
第1章: 成績アップの鍵「覚える」「わかる」「慣れる」
- 覚える(暗記)
- 記憶力を高めるには「小さい量」に分けて覚えることが重要。
- 繰り返し学習し、「何も見ずに再現できる」レベルを目指す。
- 音読や時間制限を活用して効率的に暗記する。
- わかる(理解)
- 知識を「腑に落ちる」レベルまで理解することが必要。
- 疑問点は「生身の先生」や本・インターネットで解消する。
- 「なぜ?」ではなく「何?」や「どうやって?」という質問形式が効果的。
- 慣れる(練習)
- 知識やスキルを無意識レベルまで高めるため、繰り返し練習する。
- 問題集は高速で解き、間違いから学ぶ姿勢が重要。
- 白紙復元法(記憶した内容を紙や口頭で再現)で知識定着を図る。
〈以下について、詳しく知りたい方は、こちら〉
①問題集は高速で解き、間違いから学ぶ姿勢が重要。
②白紙復元法(記憶した内容を紙や口頭で再現)で知識定着を図る。
問題集は高速で解き、間違いから学ぶ方法
問題集を高速で解く際は、まず「制限時間」を設定します。
例えば、1週間で1周するペースを目指し、1日ごとに解く問題数を割り振ります。
最初は時間がかかっても構いませんが、繰り返すうちにスピードを上げていきます。
間違えた問題には印をつけ、復習時に重点的に解き直します。
この際、「どこで間違えたか」を分析し、原因を明確にすることが重要です。
また、「どんどん間違える」つもりで取り組むことで、不正解への恐れを減らし、無意識レベルでの知識習得を目指します。
これにより、知識の定着とスピードアップが同時に進みます。
白紙復元法で知識を定着させる方法
白紙復元法とは、学んだ内容を何も見ずに再現する練習です。
具体的には、紙や口頭で自分の記憶をアウトプットします。
例えば、世界史なら「8世紀のヨーロッパ」とテーマを決め、その時代の政治や文化などを思い出して書き出します。
最初はゆっくりでも構いませんが、繰り返すうちにスピードアップを図ります。
この方法は机がなくても実践可能で、道を歩いているときや電車内でも行えます。
復元がスムーズになれば、その知識は無意識レベルに達している証拠です。
この手法は記憶の確認だけでなく、新たな理解不足にも気づけるため非常に効果的です。
第2章: 勉強法の実践
- 勉強効率を高めるための具体的な手法が紹介されています。
- 締め切り効果: 小さな目標設定と期限管理で集中力を引き出す。
- 模試の活用: 結果よりも復習に重点を置き、「取れる問題」を増やす。
- メンタルリハーサル: 試験本番を想定したイメージトレーニング。
第3章: 本番で成果を出すための小技
- 試験本番で得点力を最大化するためのテクニックが解説されています。
- 簡単な問題から解く: 時間効率よく得点する戦略。
- 制限時間設定: 難問に固執せず次へ進む判断力。
- 直前暗記と書き出し: 試験開始直後に短期記憶内容を書き留める。
エピローグ
- 著者は「覚える」「わかる」「慣れる」の実践が成功への鍵であると再確認しています。
- これらの方法論は受験だけでなく、人生全般にも応用可能と述べています。
書評
肯定的意見
- 具体的で実践的な内容
「覚える」「わかる」「慣れる」という三段階の学習プロセスが明確で、実行しやすいと評価されています。特に、「慣れる」を重視する点がユニークだという声があります。 - モチベーション向上
勉強を「ゲーム」のように楽しむ方法が紹介されており、学ぶことへのハードルを下げる工夫が好評です。「できるループ」を回すことで達成感を得られる仕組みが支持されています。 - 幅広い応用性
受験生だけでなく、社会人にも応用可能な内容として評価されています。記憶術や効率化のテクニックは、資格試験や仕事にも役立つとされています。
否定的意見
- 精神論に偏る部分がある
一部の読者は、具体的な勉強法よりも心構えやマインドセットに紙面が割かれすぎていると感じています。 - 東大生という前提の特殊性
著者自身の能力や経験が特殊であり、すべての人に再現性があるとは限らないという意見があります。「東大生だからできた」と感じる読者もいるようです。 - 目新しさに欠ける
基本的な勉強法の確認にはなるものの、新しい発見は少ないと感じた読者もいます。「既存の知識を整理した内容」という印象を持つ人もいるようです。
まとめ
本書は、勉強法の基本原則を丁寧に解説しており、「覚える」「わかる」「慣れる」というシンプルなフレームワークは多くの読者にとって有益です。
特に、「慣れる」に重点を置き、反復練習によって無意識レベルまで知識を定着させるアプローチは、多くの場面で活用できるでしょう。
また、勉強を楽しむ工夫や効率化の考え方も参考になります。
一方で、精神論や著者の特殊な経験への依存が目立つ部分もあり、人によっては「『初めて知った』、という喜び」を感じづらいかもしれません。
既に多くの学習法や記憶法について書かれた本を読んでいる方には、他の勉強法との重複が多いため、物足りない可能性があります。
私自身の印象
本書で述べられている内容は過去に学んだことと重なる部分が多く、新しい発見は少なかったです。
ただし、「記憶力向上には再現することが重要」という点など、基本事項を再確認できた点では有益でした。
記憶術や学習プロセスについて初めて学ぶ人には良い入門書と言えるでしょう。