7. 個人レベルでできる対策
「じゃあ、具体的に私たちに何ができるの?」
そうですね。実は、私たち一人一人にできることがたくさんあるんです。まずは、日常的なスマートフォンの使い方から見直してみましょう。
例えば、アプリの権限設定。みなさん、アプリをインストールする時、「このアプリは○○へのアクセスを要求しています」というメッセージ、見たことありますよね?
「あー、あれね。いつも「許可」押しちゃうけど…」
そこなんです!実は、そこで立ち止まって考えることが大切なんです。例えば、電卓アプリに位置情報の権限が必要でしょうか? 必要のない権限は「許可しない」を選びましょう。
2021年の調査によると、日本のスマートフォンユーザーの約70%が、アプリの権限設定を確認せずにインストールしているそうです。これは、個人情報漏洩のリスクを高めることになります。
「そうか、気をつけなきゃ」
そうですね。他にも、公共のWi-Fiの利用には注意が必要です。便利ですが、セキュリティの面では危険がいっぱいです。
「え?カフェのWi-Fi使っちゃダメなの?」
使わない方が安全ですが、使う場合はVPNを利用するのがおすすめです。VPNを使えば、通信が暗号化されるので、盗聴のリスクが大幅に減ります。
また、パスワードの管理も重要です。同じパスワードを複数のサービスで使い回していませんか?
「うっ…」
やっぱりそうですか(笑)。実は、2021年の調査で、日本人の約60%が同じパスワードを複数のサービスで使い回していることがわかりました。これは非常に危険です。
「でも、たくさんのパスワードを覚えるのは大変…」
そこで役立つのが、パスワードマネージャーです。これを使えば、複雑なパスワードを安全に管理できます。2021年の時点で、日本でのパスワードマネージャーの利用率は約20%。まだまだ普及の余地がありますね。
他にも、二段階認証の設定や、不要なアプリの削除、OSの定期的な更新なども効果的です。
「情報リテラシーって言葉、よく聞くけど…」
そうですね。情報リテラシー、つまり情報を正しく理解し、活用する能力を高めることも重要です。
例えば、フィッシング詐欺に遭わないために、怪しいメールやSMSに注意を払うことも大切です。
2021年、日本のフィッシング被害は過去最多を記録しました。約3万件もの被害が報告されているんです。
「えっ、そんなに多いの?」
そうなんです。だからこそ、私たち一人一人が意識を高めることが大切なんです。
「なるほど。でも、個人の努力だけで十分なの?」
いい質問ですね。確かに、個人の努力だけでは限界があります。国全体としての取り組みも必要です。
では次に、日本の情報管理能力向上に向けた今後の展望について見ていきましょう。私たちにできることと、国に期待することを整理してみましょう。