3. 個人情報漏洩のリスク
さて、みなさんのスマートフォン、今どこにありますか? 手の中? それとも、そばのテーブルの上?
「え?なんで?」
実は、あなたのスマートフォンは今この瞬間も、あなたに関する様々な情報を発信し続けているんです。驚きですよね。
例えば、位置情報。GPSをオンにしていなくても、携帯電話の基地局やWi-Fiアクセスポイントとの通信で、おおよその位置が特定できてしまいます。
「でも、位置情報くらいなら大したことないでしょ?」
そう思いがちですが、実はとんでもない誤解なんです。位置情報を長期間収集されると、あなたの生活パターンが丸裸になってしまうんです。
想像してみてください。毎日の通勤ルート、よく行くお店、休日の過ごし方…全部わかってしまうんです。2018年、Googleが位置情報をオフにしていてもユーザーの位置を追跡していたことが明らかになり、大きな問題になりましたよね。
でも、それだけじゃありません。スマートフォンから漏れる情報は他にもたくさんあるんです。
「え?他にも?」
そうなんです。例えば、メタデータというものがあります。これは、通信の内容そのものではなく、誰と、いつ、どのくらいの時間、通信したかという情報です。
「それって、通話履歴みたいなもの?」
そう、でもそれ以上なんです。メールやSNSのやり取りも含まれます。これらの情報を分析すると、あなたの人間関係や生活パターンが浮かび上がってくるんです。
2016年、ハーバード大学の研究チームが、メタデータだけで個人の特定が可能だということを実証しました。彼らは、3ヶ月間で約150万件の通話記録を分析し、個人の身元、関係性、さらには健康状態まで推測することに成功したんです。
「それって、怖すぎない?」
そうですよね。でも、まだあります。スマートフォンのアプリが収集する情報も侮れません。
例えば、2020年、人気のビデオアプリTikTokが、ユーザーの同意なしにクリップボードの内容を読み取っていたことが発覚しました。パスワードやクレジットカード情報など、重要な情報がコピーされていた可能性もあるんです。
また、2018年には、Facebookが約8,700万人のユーザーデータを不正に収集・利用していたことが明らかになり、大きなスキャンダルとなりました。
「じゃあ、スマートフォンなんて使わない方がいいの?」
いえいえ、そこまで極端になる必要はありません。大切なのは、リスクを理解し、適切に対策を取ることです。
では、こういった個人情報の漏洩が、国家安全保障にどう影響するのか。次はそこに焦点を当てて見ていきましょう。私たち一人一人の情報が、実は国の安全にも深く関わっているんです。