
日本版を完走した勢いで韓国版(全12話)を Amazon Prime で一気見したら、ラムネ片手に朝を迎えていました。
こんにちは、なおじです。
寝不足です。
『日本版・誘拐の日』も好きなんですが、ここでは韓国オリジナルの面白さを中心にまとめます。
サスペンス好き、子役推し、般若顔ママ推し——どなたもどうぞ。
1 日韓ストーリー完全対応表
各話の“核”はほぼ一致。しかし、演出と余韻は韓国版と日本版ではずいぶん違います。
韓国版 | 日本版対応 | 韓国版概要 | 日本版概要 |
---|---|---|---|
第1話 | 第1話 | 誘拐計画とロヒ誘拐開始。ミョンジュン、前妻からの提案でロヒを誘拐しようとするが偶然に彼女と遭遇し事件が勃発。両親とは連絡がつかない中、ミョンジュンは自己の事情でロヒを保護する。 | 新庄が病院長の娘・凛を誘拐。凛は記憶喪失し、両親殺害により事件が複雑化。 |
第2話 | 第2話 | ロヒの両親殺害発覚。警察に殺人犯と疑われたミョンジュンがロヒを連れて逃亡開始。 | 新庄が殺人の事実を凛に告白。凛も警察に疑いを持ち新庄と逃亡。 |
第3話 | 第3話 | ミョンジュンはロヒに父親だと偽るが、ロヒが状況を察知。ミョンジュンは誘拐犯とバレ、窮地に。ついにロヒを警察署へ連れて行き、ミョンジュンは自首の決断。 | 新庄と凛は汐里(元妻)に助けられ、彼女の家で一夜を過ごす。汐里の過去と秘密が明かされる中、2人は再び危機に。 |
第4話 | 第4話 | ヘウン(元妻)の家で一夜を過ごし、事件の真相や過去が徐々に浮き彫りに。 | 新庄と凛は博士・水原の別荘に匿われる。凛の正体や能力の核心が明かされ、別れの決断が迫られる。 |
第5話 | 第5話 | 誘拐犯と少女、警察との追跡劇が激化。ロヒの安全を守るための奔走と、事件の謎がさらに深まる。 | 警備会社元社員・松田が凛の父殺害を自供。政宗と凛は死亡したとされ捜査終了。須之内刑事は独自に調査を続行。 |
第6話 | 第6話 | 計画の真実と父娘の絆形成。ロヒとの距離が縮まり、“疑似家族”としての絆が生じる。 | (日本版は独自展開が多いため、韓国版との完全な対応はやや不明。新庄と凛の“疑似親子像”が深まる展開は共通) |
第7話 | 第7話 | ロヒの記憶が一部回復し、新たな展開へ突入。 | 凛の記憶が一部戻り、事件の真相に近づく。 |
第8話 | 第8話 | 対立がさらに激化、過去の真相や事件の裏側が明らかに。 | 事件の黒幕や背後関係者の動きが明るみとなる。 |
第9話 | 最終回 | 黒幕の正体が明らかになり、事件の真相と各人の運命が決する。 | 最終回で七瀬家の過去や真犯人の動機が明かされ、新庄政宗の正体も露わに。 |
第10話 | ― | 最終局面の準備と“黒幕”への反撃が始まり、クライマックスへ向かう。 | (日本版は9話で完結、続きなし) |
第11話 | ― | 告白とクライマックス。各人の秘密が明かされ、運命が一気に動き出す。 | (同上) |
第12話 | ― | 事件の全解明。それぞれが新たな道を歩み始め、ハッピー寄りの締めで幕。 | (同上) |
(日本版の特徴)
- 日本版は全9話完結で、韓国版の12話までの“余白”部分(ミョンジュンとロヒのゆるやかな成長、絆の変化)はやや省略傾向。
- 新庄と凛の“疑似親子像”は共通するが、日本の母親(安達祐実)の描写や、凛の“善き心”重視のテーマが強調される。
- ラストは日本版独自の“余韻”や“赦し”に焦点があてられ、韓国版のようにハッピーエンドに向かわない。
2 “サスペンスなのに泣ける”3つの理由
- ストーリーの緩急
毎話ラストに“ひっくり返し”が仕込まれ、次話再生ボタンが止まらない。 - 凸凹バディの化学反応
不器用な中年と達観した少女。言葉が通じない瞬間こそ胸が熱くなる。 - 映像と音の余白
韓国版は雨音と沈黙が語り、日本版は情感豊かなBGMで包む、という感じ。
3 子役対決:ユナ vs 永尾柚乃
比較項目 | ユナ(ロヒ) | 永尾柚乃(凛) |
---|---|---|
年齢(撮影時) | 11歳 | 8歳 |
武器 | “沈黙の演技” | 体当たりの台詞量 |
印象 | 悟った孤独 | 無垢の芯の強さ |
ユナは「沈黙が最大のセリフ」
一方、柚乃は吐露する感情の鮮度で魅せるという感じですか。
はっきり言って、子役二人は将棋と囲碁ほどアプローチが違うけど、どちらも盤上は名局を演じてる。
日韓とも、『おそるべし、子役たち』って感じです。
ひいていうと韓国版のユナさんは、幼女から少女に変身する際の、神秘的な美しさがあるんです。
『この子の成長した姿を見て見たい』
そういう気持ちにさせられた分、やや韓国版の子役に『なおじ』は一票!
4 “親子じゃない親子”が生む涙腺崩壊ポイント

- 牛乳を分け合う場面——偽りの家族が本物以上の温度になる瞬間
- 「私はあなたの味方だよ」の囁き——信頼が芽生える決定打
- 逃走中の励まし合い——父性と娘らしさが交換される場面
家族は DNA ではなく“共に過ごした時間”で作られる——この普遍的メッセージが両版共通の心臓部ですね。
5 母親像が物語を推進する
国 | 母親キャラ | ドラマへの効果 |
---|---|---|
韓国 | “般若顔”ヘウン | 恐怖と執念で画面を支配 |
日本 | 安達祐実演じる汐里 | 美しさと切なさで赦しの余韻 |
狂気 vs 優美——両極の演技が物語に陰影を与え、同じ脚本がまったく違う後味になる。
日韓とも母親が怖いんですけど、その質が違うって感じ。
韓国版は、本当に般若に見える。
対して、日本版は、安達祐実さんですからね。
美しいのに、最終回の安達さん、鳥肌立つほど怖かったぁー。
裏を返すと、やっぱり安達祐実は演技がうまい!
6 映像と余韻——韓国版の底力

韓国ドラマが世界を虜にする理由は“静けさの演出”ですね。
雨粒が照明を受けるだけで、人物の孤独まで写し取る。
派手な銃撃がなくても緊張が持続するのは、この余白の美学ゆえですかね。
7 韓国版・日本版における“孫の手”の比較~重みの違い

韓国版では、ロヒが大切に持つ「孫の手」は単なる道具ではなく、彼女の安心感や孤独を癒す“心の杖”でした。
“親孝行”と刻まれた孫の手は、ロヒがミョンジュンとのバディ生活で少しずつ“家族”に近づいていく過程で、静かな象徴として存在感を増していたんです。
観ている者は、ロヒが孫の手を握るたびに彼女の心細さや、ふたりの間にある“揺れ動く情”を感じる……そんな演出が続き、最終盤には“孫の手回収”の一幕まで用意され、見事な役どころを全うしてました。
一方、日本版でも孫の手は登場しますが、“物語の大事な小物”という重みは薄く、どちらかといえば鮫洲(栄信)が「これ、なんだっけ?」と軽く持ち出すだけのシーンが印象的でした。
最終回で鮫洲が凛の持ち物から孫の手を取り出し「なんだこれ?」というように扱う描写があり、明らかに**「道具としての意味以上のもの」が与えられていない**ことがわかりました。
日本版では政宗が“ラムネ”で緊張を和らげる設定が印象強かったこともあり、孫の手の存在感はどうしても薄くなってしまったのでしょうね。
韓国版を見た者にとっては「せっかくの小物をもっと大事にしてもよかったのに……」と感じる場面…。
日本版の方もわけのわからない正宗のラムネではなく、りんの“孫の手”の描写をしっかり描いてほしかった……というのが正直なところです。
8 視聴者コメントが示す“モヤモヤの価値”
「ラムネが説明不足!」vs「余白があるから考察が楽しい!」――真っ二つに割れた声が作品の熱量を底上げした。モヤモヤは時としてドラマ最大のスパイスになる、との意見もありますが…。
小物の扱いでは、韓国版に1票です。
まとめ:ネットユーザーの受け止め(韓国版『誘拐の日』)
批判的・疑問の声
- 「韓国版は展開が淡白でサスペンスとしてのドラマチックさは物足りない」「もっと緊迫感が欲しい」「警察の動きがリアルじゃない」
- 「母親の“般若顔”が強烈すぎて親近感が湧かなかった」「“怖い母”は個性が強すぎて共感しにくい」
肯定的な意見
- 「子役のユナは表現力が素晴らしく、静かな演技に引き込まれた」「韓国版は余韻や静けさが魅力。じわじわ心に残る作品」
- 「家族愛や人の優しさに触れて何度も泣いた」「人情劇としての質が高く、社会の闇と人間の温かさを同時に描いた」
少数派の評価・懸念
- 「展開に“ご都合主義”を感じる」「サスペンスとしてはやや物足りない」
- 「韓国版のエンターテインメント性は魅力」「日本版に物足りなさを感じた」
総評
韓国版の静寂と日本版の情感、両者を見比べてこそ、“誘拐の日”の真価が分かると思います。
韓国版で静けさに浸り、日本版で情を味わう、するとドラマ体験は2倍どころか3倍に膨らむ。
さあ、次はどっちを再生しますか?
