2024年4月1日、川勝平太知事が新入職員の入庁式での職業差別発言で炎上し、翌2日に電撃辞職を表明。「そもそも、なぜ川勝知事が当選できていたのか」と、疑問の声が上がっています。東海大学の山田吉彦教授が、この件についてある企業が川勝知事を支えていた、と解説してくれました。その解説の内容とは……。
山田吉彦教授熱く解説 『川勝知事は、どいうして当選できたのか』


「私は、静岡にある東海大学が勤務地で、かれこれ15、6年静岡で働いてるんです。ですがその間、『川勝平太知事を支持している』という 静岡県民と会ったことがないのです。それなのに、どうして当選しているのか、よく分からないですね。」
4月2日の日本ジャーナルに出演した東海大学の山田吉彦教授が、1日に辞任表明した静岡県の川勝知事について、上のようにコメントしていました。
スズキ自動車会長の後押しがあったから
山田教授の知る限り、県民の多くが川勝知事を応援していないといいます。
では、どうして当選できるのだろうでしょうか。
その謎について、山田教授は次のように述べています。
・静岡には、静岡市と浜松市 という2つの政令指定都市がある。
・静岡と浜松は均衡した規模の街で、産業の浜松と政治・県政の静岡という構図。
・川勝知事は、浜松のスズキ自動車会長の鈴木修氏のバックアップがある。


浜松と静岡の関係の背景には、徳川の世の影響がある


山田教授は、静岡県における「静岡と浜松の関係で『なぜ浜松が優位』なのか」、について以下のように説明していました。



徳川のために命を捨ててくれというところと、守られた城下町 の違いなんですね。
もう、いつでも徳川を守るためにリスクを負ってきた静岡と、守られてきた浜松の違いなんです。
今でも、やっぱり浜松の方が強いんですよ。今は特に産業を持ってますので、今もそういう中でどうしても 浜松の方が強いのですね。
昔は徳川、今は産業を守るために、静岡県においては、浜松優位の体制が『ある』と、解説されていました。
山田先生の解説は、わかりやすくて奥が深い。
参考になります。
おじきこと須田慎一郎氏も、かつて同じ事を言っていた


川勝知事が「なぜ、当選できるのか」について、おじきこと、須田慎一郎氏もかつてから山田教授と同等の趣旨のことを、随分前から発言し続けています。
須田氏は、自らの足で取材をしたことを元に持論を展開することで有名なジャーナリストです。
その須田氏が、「静岡県民から人気がないにもかかわらず、なぜ当選できるのか不思議だ」という疑問に対し、川勝知事の裏のバックに、スズキ自動車があることを指摘し続けていますね。
川勝知事は、どうして自ら辞任を表明したのか
静岡県の政界のトップクラスの方から山田教授が聞いた話として、次のような話を聞いたのだとか。
知事には困っている。連合が・労働組合がバック なんですけども、(もう知事の)面倒を見きれないね。
そうはなしていたのだとか。
あまりにも、県民の意思を無視した政策に走り過ぎた川勝知事に対し、このような本音がもれたのでしょうか。
これまで川勝氏を支えてきた企業関係者からも、そっぽをむかれてしまったことで、辞任においこまれたのでyそうか。
ある、方のコメントに、



川勝知事が辞任し、川勝氏とスズキ自動車の関係があからさまになると、スズキ自動車のバッシングが起こるかもしれない。
とありました。
でも、この件とスズキ自動車そのものの性能の良さとは無関係だと思います。
安易なバッシングが起こらないよう、願っています。
川勝知事の辞職と静岡県政の背景(25.3.14リライト)
川勝平太静岡県知事が2024年4月1日の新入職員への訓示での職業差別発言を契機に、翌2日に電撃的な辞職表明をしました。
この出来事は全国的に注目を集め、Yahoo!ニュースのランキングでも上位を独占するほどの大きなニュースとなりました。
川勝知事の辞職表明とその背景
川勝知事は4月1日の新入職員への訓示で「県庁はシンクタンク。野菜を売ったり、あるいは牛の世話をしたりとか、あるいはモノを作ったりとかということと違って、基本的に皆様方は頭脳・知性の高い方たちです」と発言。
この発言が職業差別と受け取られ、県に1700件以上の批判が寄せられました。
辞職表明時の会見では、メディアの「切り取り報道」を批判し、「メディアハラスメント」が横行していると主張。
しかし翌3日の会見では、リニア中央新幹線問題に「区切り」がついたことを辞職の第一の理由として挙げました。
当初は6月の県議会をもって辞職するとしていましたが、その後4月10日に辞職願を提出し、5月26日に知事選が行われる見通しとなりました。
川勝知事の当選を支えた要因
スズキ自動車会長の影響力
川勝知事の政治基盤を支えてきた重要な存在として、スズキ自動車の鈴木修相談役(元会長)の存在が指摘されています。
川勝知事は辞職表明の直後、浜松市で鈴木修相談役と会談しており、両者の密接な関係がうかがえます。
鈴木修氏は2009年の川勝知事の初当選以来、知事を支え続けてきた経済界の重鎮です。
藤井聡氏の記事によれば、鈴木氏はリニアに反対の立場であり、その意向が川勝知事のリニア政策に影響していたとの見方もあります。
静岡県の政治構造
静岡県には静岡市と浜松市という2つの政令指定都市があり、「政治・県政の静岡」と「産業の浜松」という構図があります。
この二大都市の均衡の中で、浜松の産業界(特にスズキ自動車)の影響力が県政に大きな影響を与えていると考えられます。
川勝知事の選挙での勝因
川勝知事は2021年の知事選で4選を果たしましたが、その際の得票率は60.50%で、対立候補の39.50%を大きく上回っていました。
2021年の選挙では、リニア中央新幹線問題を最大の争点とし、「大井川の水を守る」という主張が有権者の支持を得たと考えられます。川勝知事は「大井川の水」と「リニア推進」を天秤にかけた構図を作り出し、環境保護の観点から支持を集めました。
また、連合静岡の推薦を受けていたことも、組織票の面で有利に働いたと考えられます。
川勝知事の政策と批判
川勝知事は特にリニア中央新幹線問題で強硬な姿勢を示し、環境への影響を懸念してリニア静岡工区の着工を認めませんでした。
この姿勢は当初は評価を得ていましたが、次第に大井川流域の自治体の首長たちからも疑問の声が上がるようになりました。
また、川勝知事は過去にも「コシヒカリ発言」や「藤枝東高校発言」など、特定の地域や職業を揶揄するような発言で物議を醸してきました。
選挙結果とその後の展開
2024年5月26日に行われた静岡県知事選では、野党・立憲民主党と国民民主党が推薦した鈴木康友氏(66)が当選しました。
鈴木氏は、自民党が支援した元副知事の大村慎一氏(60)に約7.7万票の差をつけて勝利し、15年ぶりの新知事となりました。
リニア中央新幹線問題については、鈴木知事は前任の川勝知事と異なり、プロジェクト推進の立場を取っています。
日経アジアからは「リニア推進派」と呼ばれ、リニア停車駅がある名古屋市長からは「鈴木氏は産業への理解が深いので、プロジェクトを迅速に進めるだろう」との期待の声も上がっています。
しかし、JR東海は2024年3月に2027年の開業目標を断念し、2034年以降にずれ込む可能性を示唆しています。
さらに、2024年4月の発表では山梨県・長野県区間の一部工事完了が2031年までずれ込むことが明らかになりました。
川勝前知事の辞職は、新入職員への差別発言が直接のきっかけとなりましたが、本人は「リニア中央新幹線問題に『区切り』がついた」ことを辞職の第一の理由として挙げていました。
川勝氏の15年に及ぶ県政は、2021年の辞職勧告決議など県議会との対立も多く、最終的に自らの発言と長年の政治姿勢が辞職という結果をもたらしたと言えるでしょう。


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