
「日本国民の税金が中国車に流れている」
-こんな驚くべき事実が国会で議論されているのをご存知ですか?
あなたが納めた税金の一部が、BYDなど中国EVメーカーの車を購入する人々への補助金として使われている現状に、政治家からも異論が噴出しています。
立憲民主党の藤岡隆雄議員は国会で「日本国民の税金を日本の産業振興に充てるべき」と訴え、中国EV大手BYDへの補助金流出に警鐘を鳴らしました。
一方、経済産業省は「補助金はメーカーではなくユーザーに対するもの」と反論。
しかし実績を見ると、BYDへの補助金交付は2024年度の1300件から2025年度には1500件へと着実に増加しているのです。
この記事を読むと、あなたの税金がどのように使われているのか、なぜ日本の補助金が中国車の普及を後押ししているのか、そして国産メーカーを守るためにどのような議論が行われているのかが理解できます。
補助金制度の仕組みから最新の政治論争まで、納税者として知っておくべき情報を徹底解説します。
【この記事のポイント】
- エコカー補助金の仕組みと2025年度の最新状況(最大90万円の補助金、新評価基準の導入)
- BYDなど中国EVメーカーへの補助金実績と日本市場への影響
- 「国産メーカー保護」と「国際ルール遵守」をめぐる政治的対立
- 日本と中国の非対称な関税制度(日本0%、中国25%)と産業政策の課題
- 消費者・納税者として知っておくべきエコカー選びの基準と補助金活用法
エコカー補助金の仕組みと実態

「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」とは何か
あなたがよく耳にする「エコカー補助金」、正式名称は「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)」といいます。
電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)などの購入を後押しする制度です。
2025年度(令和7年度)の予算は1,100億円と、前年度の1,291億円から減額されました。
この補助金、「環境に優しい車を増やそう」という目的で作られています。
補助金の対象は新車のみで、中古車は対象外。
また、申請は購入から1〜2ヶ月以内と期限があるので要注意です。
「誰でも補助金がもらえるの?」
と思うかもしれませんが、日本国内で登録された車両なら、メーカーや申請者の国籍を問わず対象になるんです。
これが今回の論争の原因になっています。
GX評価基準導入と補助金算定の新方式
2025年度から補助金の算定方法が変わりました。
いわゆる「GX評価」というものです。
GXとは「グリーントランスフォーメーション」の略で、脱炭素社会への移行を指します。
新しい評価方法では、車両性能だけでなく、企業の取り組みも評価されます。
具体的には、充電インフラ整備(40点)、整備体制(40点)、サイバーセキュリティ(20点)などを含め、200点満点で評価。
2025年4月からは「グリーンスチール」という環境負荷の低い鋼材の使用で、最大5万円(軽EVは3万円)の加算も始まりました。
これは日本の鉄鋼業を支援する意図もあると私は見ています。
補助金の上限額は、EVが最大90万円、軽EVが最大60万円、PHEVが最大60万円、FCVが最大260万円です。
ただし、メーカー希望小売価格(税抜)が840万円以上の高級車は補助額が0.8倍になります。
中国車への補助金交付実績と増加傾向
「中国車に日本の税金が流れている」という指摘があります。
実際、中国EV大手・BYDの車両を購入した人への補助金実績は、2024年度は1300件、2025年度は1500件と増加傾向にあります。
銘柄ごとの補助金額を見ると、BYDの「ATTO 3」「SEAL」「DOLPHIN」はいずれも35万円。
一方、日本のトヨタ「bZ4X」は90万円、日産「アリア」は89万円と差があります。
経産省の大串副大臣は「昨年4月から評価方式を変えた結果、BYDの車両への1台あたりの補助金額が低下し、交付総額も減少している」と説明しています。
これを見ると、確かに台数は増えたものの、一台あたりの補助金は減額されているようです。
私は、この「質より量」の傾向に注目しています。
中国EVメーカーの日本市場戦略と補助金問題

BYDの日本進出戦略と価格競争力
中国BYDの日本市場攻略は明らかな戦略性を感じます。
価格でいえば「DOLPHIN」は税抜272万円〜と、日本の同クラスEVよりもかなり安いんです。
日本国内で中国メーカーの車への補助金が取りざたされる背景には、急速に増える中国車の存在があります。
中国車の対日輸出量が前年比で増加しているという報道もあります。
特に気になるのは軽自動車市場への参入計画です。
BYDはこの分野でも競争力を持つ可能性があり、日本の「国民車」とも言える軽自動車市場に影響を与えるかもしれません。
私の見立てでは、BYDは「安い車体価格+日本の補助金」の組み合わせで市場拡大を狙っているように思えます。
H3 補助金をめぐる国内論争と「逆転現象」
国会では立憲民主党の藤岡議員が「日本国民の血税がBYDの車に流れている」と強く批判。
「国内の自動車メーカーを守る意思を表明してほしい」と訴えました。
これに対し経産省の大串副大臣は「特定のメーカーということでやると難しい」と回答。
要するに国際ルール上、特定企業を排除するのは困難だという立場です。
ネット上では
「何で国産メーカーを守る事を難しいと言えちゃうのか?」
「国産メーカーも日本の農業も酪農も国民も、何も守ろうとしているように思えません」
など、政府の姿勢を批判する声が多く見られます。
この「日本の税金が外国企業を利する逆転現象」には、私も一消費者として違和感を感じざるを得ません。
H3 非対称な貿易環境と日中関係
ここで注目すべきは、日本と中国の関税の非対称性です。
日本は中国車に0%の関税。
対して、中国は日本車に15〜25%の関税を課しています。

おいおい、おかしくないかい!
この不平等な関係に藤岡議員は「信じられないことだ」と批判。
さらに中国人観光客が長期滞在ビザで来日中にBYDの車を購入し補助金を受ける可能性にも言及しています。
一方、この非対称性は日中間の貿易協定や中国の自動車産業保護政策によるものでもあります。
世界中で見られる自国産業保護の一例と言えるでしょう。
私としては、この関税の差は「相互主義」の観点から問題があると思えてなりません。
同じ条件で競争することが公平な貿易の基本ではないでしょうか。
国産自動車メーカーの直面する課題


補助金制度下での国産メーカーの競争力
日本のメーカーは充電インフラやアフターサービスなどの評価項目で高得点を獲得し、補助金も満額に近い額を得ています。
トヨタ「bZ4X」や日産「アリア」、レクサス「RZ450e」などは90万円前後の補助金が出ますが、BYDは35万円と差があります。
とはいえ、中国車の価格競争力はこの差を上回るほど強いんです。
価格.comなどの比較サイトでも中国車への関心は高まっています。
国産メーカーは補助金だけでなく、品質、安全性、アフターサービスなどの面で強みを発揮する必要があると思います。
この点は日本車の伝統的な強みでもあります。
電池技術開発競争と国際的な立ち位置
EVの心臓部とも言える電池技術では、日本企業も必死に開発を進めています。
トヨタはパナソニックと組んで全固体電池の開発に巨額投資しているという話もありますよね。
一方、中国は電池製造でも世界的なシェアを持ち、特にリン酸鉄リチウム(LFP)電池などのコスト競争力のある技術を持っています。
2025年度からのCEV補助金には「電池の安全性」という新たな評価項目も追加されました。
これは日本の技術力が活かせる分野かもしれません。
私は、電池技術こそが日本の自動車産業の生き残りを左右すると考えています。
そして、この分野での技術革新に期待しています。
歴史から見る国産保護政策の変遷
日本の自動車産業は長い間、国の保護政策に支えられてきた側面は確かにあります。
1936年の自動車製造事業法以来、国産保護の歴史があるのは事実です。
かつては補助金制度もトヨタなど国内メーカーに有利に働いていました。
「補助金の多くはトヨタさんが持っていってしまう」という中堅メーカーからの不満もあったほどです。
今までは、世界的な自由貿易の流れの中で、露骨な自国企業優遇は難しくなっていました。
しかし、今年に入ってトランプ関税に代表されるように、欧米や中国は自国産業を守る措置を取ってきました。
日本も「国際ルール内での最大限の国内産業保護」を模索すべきではないでしょうか。
これは一消費者としての私の率直な思いです。
世界の動向から見るエコカー補助金政策


米国の保護主義とトランプ政権の影響
アメリカでは2025年4月、トランプ政権が輸入車に対して25%の関税を課すことを決定しました。
もしこのまま実施されることになったら、日本の自動車メーカーにとって大きな打撃になるでしょう。
藤岡議員は「トランプ米大統領を見習うくらい、国内の自動車メーカーを守る意思を表明してほしい」と政府に訴えています。
アメリカの「アメリカファースト」政策は、自国産業を第一に考える姿勢の表れです。
日本にとっては厳しい状況ですが、同時に参考にすべき点もあるでしょう。
私はトランプ流の極端な保護主義には賛成しませんが、一方で無防備な開放政策にも疑問を感じます。
バランスが重要ではないでしょうか。
EUの環境規制緩和とEV政策修正
EUは2025年3月にCO2規制を緩和し、EV補助金を再編したとされています。
環境目標と産業保護のバランスを模索する動きが見られます。
欧州各国も自国メーカーを守りながら、環境政策を進める難しいかじ取りを行っているのです。
特にドイツなどは自動車産業が重要な位置を占めています。
これらの取り組みは、日本にとっても参考になるケースと言えるでしょう。
特に「環境と経済の両立」というテーマは普遍的です。
EU型の柔軟な政策変更は、日本でも検討する価値があると私は考えています。
日本の「2035年電動車100%」目標と現実
日本政府は「2035年には新車販売を電動車100%にする」という目標を掲げています。
しかし現実のEV普及率はまだ低い水準です。
充電インフラ整備も追いついておらず、2025年度補正予算では充電器設置補助金を460億円に増額したという情報もあります。
目標と現実のギャップを埋めるには、補助金だけでなく、インフラ整備や技術開発など総合的な政策が必要でしょう。
私は、目標自体は良いとしても、現実的なロードマップと柔軟な政策調整が不可欠だと考えています。
夢を語るだけでは車は走りません。
これからのエコカー補助金と私たちの選択


補助金制度の理想形と国際ルールの両立
理想的な補助金制度とは、環境保護と国内産業振興を両立させるものでしょう。
しかしWTOなどの国際ルールもあり、単純な「国産優先」は難しい面があります。
ネット上では「メーカーに関わらず、日本国内での製造を補助金の要件にすれば良いのではないか?」という声もあります。
製造拠点による区別なら可能性があるかもしれません。
また「国内付加価値率」を評価項目に加えることも一案でしょう。
GX評価のさらなる拡充も検討されているようです。
国際ルールを遵守しながらも、日本の産業に恩恵をもたらす制度設計は、知恵と工夫で可能だと私は信じています。
消費者にとっての補助金と車選びの基準
消費者視点では、補助金は車選びの重要な要素です。
実際、CEV補助金の上限引き上げ後、一部の日本車の販売台数が増加した例もあります。
ただし、補助金に頼りすぎると、その終了時に市場が冷え込むリスクもあります。
「補助金依存型市場の脆弱性」は無視できない問題です。
「買わなければ良いだけです。補助金に頼らず、日本製を選びましょう」というネット上の声も確認できました。
つまり、個人の選択の集積が市場を形成するわけです。
私は、補助金は一時的な購入インセンティブとして利用しつつ、長期的な維持費や資産価値も含めた総合判断が大切だと考えます。
H3 国民として考えるべき「税金の使い道」
最後に、私たち国民の税金がどこに使われるべきかという根本的な問題があります。
これは政治的な価値判断を伴う問題です。
「国民の税金は国内産業のために使うべき」という主張と、「国籍を問わず環境に良い車の普及を促進すべき」という主張、どちらにも一理あります。
藤岡議員の「あくまで日本の自動車メーカーがプラスになるように対応してほしい」という主張には、多くの国民が共感する部分もあるでしょう。
私自身は、国際協調を大切にしつつも、自国の産業基盤を守ることの重要性を忘れてはならないと思います。
この難しいバランスこそが政策の真髄といえるでしょう。
まとめ:エコカー補助金と日本の自動車産業の未来
エコカー補助金をめぐる議論は、単なる「国産vs外国」の対立ではなく、環境政策、産業政策、国際関係が複雑に絡み合った問題です。
あなたの税金の使い道として、最適な制度設計はどこに重点を置くべきだと考えますか。
2025年度のCEV補助金はGX評価の導入や「グリーンスチール」加算など、より複雑化していますが、根本的な「誰のための補助金か」という問いへの答えは明確ではありません。
中国車への補助金交付が増える中、日中間の非対称な関税制度や国際競争の激化を考えると、日本の自動車産業にとって厳しい環境が続くでしょう。
短期的な価格メリットだけでなく、長期的に日本の自動車産業と技術力を維持・発展させるための政策が必要です。
私たち一人ひとりが、車を選ぶ際にも、政治に意見を伝える際にも、この問題の多面性を理解した上で判断することがポイントとなるでしょう。
あなたは、あなたの税金がどのように使われるべきだと思いますか?

